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HOME > 遊戯王SS一覧 > 14話 夜の優しさ

14話 夜の優しさ 作:19

ヤマトは助けられ、事実上の敗北、クレアはカードを奪われ、アオヒサも危うく負けるところだった。
3人はリビングの椅子に座り考え込む。「このままじゃ大牙には勝てない」と…。

 アオヒサ「…もっと強くならなきゃな。アイツらに勝つなんて無理だ」
 ヤマト「そうだね。デッキ調整だけじゃなくて他の人にも協力してもらえるように言ってみなくちゃ」
 アオヒサ「俺は相手がサレンダーしたから勝ってるってことになってはいるけど…、実際ヤマトが来てくれなかったらあのまま負けて、カードも奪われてた…」
 クレア「……」


コーヒーカップを両手で持つクレアは落ち込んでいた。無理もない、大切なカードを奪われたのだ。二人もそのことを知って、あまりクレアに話しかけなかった。

 ヤマト「…アオヒサさん、特訓しよう!街の人たちとデュエルして、腕を磨くんだ!」
 アオヒサ「お、おう…おう!そうだなっ。それがよさそうだ。でも、ただデュエルしに行くだけじゃだめだ。良い所があるぜ」
 ヤマト「?」

手に持つコーヒーをグイッと一気飲みするアオヒサは言った。

 アオヒサ「『デュエルフェスティバル』だ…!」


デュエルフェスティバル…。パズルシティの中でも一番の盛り上がりを見せる大会で、優勝すれば一躍スターになれ、さらには大金やレアカードまでゲットできるという大規模な大会だ。
アオヒサはそこでかなりの成績を収めていて顔も広い。ヤマトやクレアと参加することで、より腕を磨けると考えたのだ。

 アオヒサ「出場するデュエリスト達は、そんじょそこらのカードリーパーなんかよりよっぽと強い奴ばっかりだ。俺も何度も負けそうになったし、負けたことも多い」
 ヤマト「そんなに強い人が集まるんですか…」
 アオヒサ「あぁ。だが緊張することはない。あの大会なら俺は何度も参加してるから知人も多いし、何よりカードリーパーの情報も集めやすいしな。そして…仲間も集められる。これが何よりの利点だ」
 クレア「……」
 アオヒサ「…。クレアちゃん。安心しな。俺がかならずクレアちゃんのカードを取り戻してやる。約束するぜ」

親指を立て、笑顔でクレアを元気づける。クレアも少しだけ微笑むが、前の彼女の元気さは無くなっている。彼女の笑顔を見たアオヒサは俄然やる気を出し、勢いよく立ちあがった。

 アオヒサ「そうと決まればエントリーだ!ちょうど明日の開催だし、今日が締切日だ。行くぜ!二人とも!」
 ヤマト「うん!」
 クレア「う、うん…」



・・・。



アオヒサに連れられて二人はパズルシティの中心部に来た。腕にデュエルディスクを装着したプレイヤーが多く、デュエルの祭典だということを知らしめている。

 アオヒサ「ん~~。この人だかり、この熱気。久々だな」
 ヤマト「本当に人がいっぱい…」

子供から大人まで、様々なデュエリスト達が大きなドームに向かって足を進める。
強そうで厳つい顔の男、アイドルのようなフリフリな恰好をした少女。老若男女問わずな面々だ。

 アオヒサ「この大会に来てるなら、大牙討伐に協力してくれそうな奴が一人いるんだ。ソイツと会えればいいんだけど…」
 ??「おぉ!アオヒサぁ!久しぶりじゃあないか!」

後ろから大きな声で話しかけてきた青年。赤い長ズボンに青い上着、右肩にだけマントを羽織り、少し派手な髪型をしている。
年齢でいえばアオヒサよりもう1歳ほど年上だろうか、身長も自分達より6cmほど大きい。

 ??「前回あった大会じゃ参加してなかったから寂しかったぜ。今回は参加してくれるみたいで嬉しいけどな」

アオヒサと握手を交わす青年は笑顔でニッと笑う。

 アオヒサ「俺が言ってたのはコイツだ。…コイツはテンジっていうだけどよ、この大会でも俺と同じくらいの優勝候補で腕もたつ」
 テンジ「俺と同じくらい~?アオヒサ。お前、何時から俺と対等になったんだよ~。俺にまだ一回も勝ったことないくせにぃ」
 アオヒサ「俺はヤマトやクレアちゃんと一緒に死闘を乗り越えて強くなってるんだぜ?なんならここで試してみるか…?」

自信満々に言うアオヒサに対してテンジもやる気を見せたが、すぐに首を横に振った。

 テンジ「やってもいいけど…それは大会の時のお楽しみに取っておくぜ。ここで実力が知れたんじゃ面白くねぇからな」
 アオヒサ「そうか…。じゃっ、俺達はエントリーしてくるから。明日の試合楽しみに待ってるぜ」
 テンジ「おう!今までみたいに負かしてやるから安心しろよ!」
 アオヒサ「へっ。減らず口だけは達者だな!」

楽しそうに皮肉を言い合う二人は別れを告げ、アオヒサはヤマトとクレアをドームの中まで案内する。

 ヤマト「あの人って、やっぱり強いの?」
 アオヒサ「強いも何も俺より強いぜ。なんせアイツは大会の優勝者でもあるしな。何度アイツにデュエルで負けて、優勝をとられたことか…」

その度に悔しい思いをしたとアオヒサは拳を握りしめ、熱意を燃やす。

 アオヒサ「アイツとのデュエルほど面白いもんは中々ないぜ。こっちまで燃えてくるからな…!」
 ヤマト「そんなに強い人なんだ…。なんだか緊張しちゃうなぁ」
 アオヒサ「大丈夫だって!ヤマトならアイツにも勝てる!…かもしれない」
 ヤマト「そんな~」

その時。人混みの奥から男性の悲鳴が聞こえた。

 男性「か、返してくれ!俺の大事なカードなんだ!」
 ローブの男「負けたお前が悪いんだぜ。このレアカードは貰っていく…!」

あれはカードリーパー…!ヤマトはすぐに走って向かったが、ヤマトを一人の男が止める。

 テンジ「また会ったな。まぁここは俺に任せとけって」

テンジだった。余裕の表情で両手をポケットに突っ込み、カードリーパーに向かっていく。

 テンジ「おいお前!大会の会場前でアンティルールとはいい度胸じゃねえか!俺も混ぜてくれよ…。お前が勝ったら、俺のデッキ全部やるぜ…!」
 男「何?…むぅ。いいだろう。ならお前が勝ったら」
 テンジ「今奪ったレアカードを貰う」
 男「だろうな…!行くぞ!」

 男・テンジ「デュエル!」


男 LP8000 手札5
テンジ LP8000 手札5


 男「まずは俺からだ。手札から『王虎ワンフー』を召喚!」

王虎ワンフー 地属性/獣族 ☆4 攻撃力1700

 男「このモンスターが表側攻撃表示で存在する限り、攻撃力1400以下のモンスターが召喚・特殊召喚された場合にそのモンスターを破壊する!それだけじゃないぞ、手札から永続魔法『強者の苦痛』を2枚発動!」

強者の苦痛。発動されている限り相手の場のモンスターの攻撃力は、そのモンスターのレベル×100ポイントダウンするというカード。一枚ではあまり効果は薄いが、2枚発動することでガクリと攻撃力を下げてしまう。
王虎ワンフーと合わせることで、相手モンスターを確実に破壊していくという手段だ。

 男「俺はこのままターンエンドだ…!」

男 LP8000 手札2
  場
王虎ワンフー ☆4 攻撃力1700
魔 強者の苦痛×2


 テンジ「なるほど…俺の場のモンスターの攻撃力を一気に下げて無理矢理破壊するコンボか…。確かに厄介だ」

眉をひそめて手札を確認するテンジ。しかし彼は続けて言った。

 テンジ「その程度で通用したら!この大会じゃ苦労はしないんだよ!俺のターン、ドロー!」

そう、彼は大会優勝者だ。彼の自身は、そのゆるぎない地位によって生まれている。

 テンジ「いくぜ!手札から、『融合』発動!」

融合。それは手札、場のモンスターを素材としてエクストラデッキから特殊召喚される特殊な召喚方法…!かれは、その融合の中でも「最強」に近い力を持っていた。

 テンジ「手札の『E・HEROフェザーマン』『E・HEROクレイマン』『E・HEROエッジマン』を素材に…!」
 男「なっ!さ、三体で融合だと!?」
 テンジ「こんな召喚…ワクワクするだろ!? 赤くたぎるフルパワー!邪悪を打ち破れ…、融合召喚!」

赤い鎧を纏った大柄な戦士が姿を表す。

 テンジ「勝利の証!『V(ヴィジョン)・HEROトリニティー』!」

V・HEROトリニティー 闇属性/戦士族 ☆8 攻撃力2500

 男「攻撃力2500…!レベルは8か、なら、2枚の『強者の苦痛』の効果によって攻撃力は1400ダウンの1100!『王虎ワンフー』の効果で破壊させてもらう!」
 テンジ「俺がなんのためにコイツを選んだと思ってるんだ!トリニティーは融合召喚に成功したターンの間、攻撃力が倍になる!」

V・HEROトリニティー 攻撃力2500 → 5000 → 3600

 テンジ「バトルだ!『V・HEROトリニティー』で『王虎ワンフー』を攻撃!ここで手札から速攻魔法『ハーフ・シャット』発動!場のモンスター1体の攻撃力を半分にし、そのターンそのモンスターは戦闘では破壊されない!『王虎ワンフー』を選択だ!」

王虎ワンフー 攻撃力1700 → 850

 男「ただ1回ダメージを通すためだけに俺のモンスターを残すだと…!」
 テンジ「1回…?違うな、1回や2回どころじゃねえ。トリニティーは相手にダイレクトアタックできない代わりに、『3回攻撃』ができるんだよ!まずは一回めぇ!」
 男「うぐぅ!」

トリニティーの鉄拳に殴られた王虎ワンフー。その風圧は強力で、後ろに立っていた男にも届いた。

男 LP8000 → 5250

 テンジ「もう一度だ!『王虎ワンフー』を攻撃!」
 男「うわあぁ!  ひ、ひいぃい!」

男 LP5250 → 2500

テンジの猛攻に恐れを無し、男は逃げようと背を向けた。しかし彼がそれを許すはずがない。

 テンジ「トドメだ!『V・HEROトリニティー』…正義の鉄槌を下せ!最後の攻撃!」
 男「う、うあああぁぁぁ!」

男 LP2500 → 0


   テンジ:勝利!

 テンジ「へっ!どんなもんだ!コイツが正義の力だ!」

男が落としたカードの束の内の一枚を拾い上げ、先ほどのデュエルで負けてしまった男性に見せる。

 テンジ「アンタが取られたカードってのはコイツか?」
 男性「あ、あぁ。そうだ。そのカードだよ」
 テンジ「ほらよ。今度は取られないよう気を付けな」

その男にカードを投げ渡し、テンジはデュエルに負けた男に言う。

 テンジ「そんでお前も…。これに懲りたらここ等一帯でのカード狩りは諦めな。次したら、お前のカード全部俺が奪ってやるから。覚悟しろよ」
 男「ひ、ひい!」

男は返事もせずに逃げて行った。カードは散らばったままなので、彼がカードリーパーとしてデュエルをすることはもうないだろう。

 テンジ「さぁて。俺はちょっとだけ力を見せたけど…。どうだったかな?アオヒサと一緒に居た…えっと…」
 ヤマト「ヤマトです。遊咲ヤマト」
 テンジ「ヤマトか。じゃあ大会で当たったらそん時はよろしくな!」
 ヤマト「はい!僕も全力で行きます!」
 アオヒサ「ヤマトも強いぜ、テンジ。お前が負けるかもな」
 テンジ「へえ~。ソイツは楽しみだ…。明日が楽しみでしょうがない…!」



・・・。



その日の晩。クレアは一人でデッキを回していた。落ち込んでいる彼女も、彼女なりに腕を磨こうとしているのだ。

 クレア「ここでサウザンドブレードの効果を使ってダブルランスを墓地に…デッキからスパルタスを出してエクシーズ…。駄目…エクスカリバーが居ないと…」

何度回しても、高い攻撃力を持つモンスターを突破するコンボが上手くいかない。どうしても攻撃力4000に届くのが難しくなってしまっている。
そして…何度もあの女の顔が脳裏に浮かんで恐ろしくなる。

 クレア「リリヤ……」

彼女には全てで負けている。相手に与えるプレッシャー、プレイング。そして運…。

 ヤマト「クレア、まだ起きてたの…?」
 クレア「ヤマト…。うん、どうしても眠れなくて…」
 ヤマト「そうなんだ…。横、いいかな」
 クレア「ええ」

やはり彼女の声は、今までより小さくなってしまっている。元気が無く、静かになってしまっている。
彼女の分の飲み物を注いできていたヤマトはそれを差し出し、自分も席に着く。

 ヤマト「…デュエルの相手って、どんなデッキだったの?」
 クレア「『ワイト』っていう弱いモンスターがいるんだけど、その親玉の『ワイトキング』の攻撃力を一気に上げて攻めてくるデッキよ。私もエクスカリバーで頑張ったんだけど、攻撃力が勝てなくて…」
 ヤマト「そう…。僕もね、本当は負けてたんだ」
 クレア「そうなの?」
 ヤマト「うん。エリルっていう他の天使が来て代わりにデュエルしてくれたから勝ったってなってるけど…勝ったのは僕じゃなくてエリルの方…」

緑の髪をかき上げ、クレアは作り笑いを浮かべる。

 クレア「で、でも…次にデュエルする時はきっと勝って見せるから…」
 ヤマト「エースモンスターを奪われたのにかい?」
 クレア「…」
 ヤマト「君ひとりで、勝てなかった相手にまた挑むつもり…?」
 クレア「……てよ」
 ヤマト「また昨日みたいに…今度もカードを奪わ」
 クレア「黙っててよ!ヤマトに私の何がわかるの!?私だって!私だって…!」

ヤマトの言葉を遮って言い張る彼女は泣いていた。怒りの涙ではなく、力の及ばない自分自身への悔し涙…。ヤマトは知っていた。彼女がどれだけ傷ついていたか、彼女が、どれだけエクスカリバーを大事に思っていたのか…。

 クレア「私だって…アイツに勝ちたい…!パパから貰った大切なカードを…失くしままにしたくない…!」
 ヤマト「だったら…」

ヤマトはクレアを抱きしめる。

 ヤマト「僕が…僕が、奪い返してやる!クレアの大事な物、絶対に…!だから、一人で抱え込まないで…」
 クレア「…ヤマトぉ…。う、うぅ……」

ヤマトの胸の中で子供のように泣き続けるクレア。彼女の頭を優しく撫でるヤマトはまさに天使で、白い翼を出して彼女を包み込んでいた。
電気スタンドの静かな明かりが二人を照らし、彼女の涙を光らせる。


 アオヒサ「(…アイツも粋なことするなぁ…。でも、今クレアちゃんを慰められるのはヤマトだけか…。クレアちゃんのことは任せたぜ…ヤマト)」

隣の部屋で眠っていた筈のアオヒサも、二人の会話に安心して眠りについた。

クレアとヤマト…。二人の距離は縮まり、より力強く結ばれていく。



・・・。



 クレア「ヤマト…ヤマト」
 ヤマト「んむ…ん?」

ヤマトが目が覚めた時、クレアと同じベッドで寝ていた。前にも同じようなことがあったとヤマトは思い出す。

 クレア「おはようヤマト。今日は大会だし…頑張っていこうね!」
 ヤマト「……うん。そうだね。一緒に頑張ろう!」

握手する二人の部屋にアオヒサが入ってきた。

 アオヒサ「仲良くやってるところ申し訳ないが…今何時だと思う?ちなみに大会の参加時間は10時までだけど…」
 クレア・ヤマト「へ…?」

二人は同時に時計を見つめる。

9時40分…。

 クレア・ヤマト「わあぁーー!?」
 アオヒサ「夜更かしなんてするからだ!急ぐんだ二人とも!」
 ヤマト「う、うん!」

服を投げ渡すアオヒサだったが、クレアの手に彼女の下着が渡る。

 クレア「ちょっと、勝手に人のタンス開けないでよぉ!レディの下着を放り投げるなんて!」
 アオヒサ「ゴメンゴメン、でも急いでくれないと…間に合わないよ?」
 クレア「もぅ!」
 アオヒサ「でもさ……元気になったみたいだな。クレアちゃん」

アオヒサの笑顔に、クレアもついニコっとほほ笑む。
が、すぐに大会のことを思い出して慌てて着替え、会場に向かう。



 テンジ「遅いなぁアイツら…。寝坊か?」

もうすでに会場で待機していたテンジが待機室の扉を開けようとしたその時。

 ヤマト・クレア・アオヒサ「セェーフ!!!」
 テンジ「どぅわっ!?」

反対側から突撃するような勢いで開けてきた三人に吹き飛ばされる。

 アオヒサ「お、テンジじゃん。おはよー」
 テンジ「いてて…随分なご挨拶じゃねえかよぉ…。試合前にダイレクトアタックなん…」
 ヤマト「すみません。かなり急いでたもので…」
 テンジ「そうなのか。まぁ大会はもうちょっとしたら始まるし…確かにギリギリだったな」
 クレア「確か、アナタが使うモンスターも戦士族よね?」
 テンジ「そうだけど……この可愛い子ちゃんは?」
 アオヒサ「そうか、紹介がまだだったな。昨日一緒に居たんだが…この超絶可愛い子ちゃんはクレア。クレアちゃんと呼んであげてくれ」
 クレア「…むぅ」

頬を膨らませる彼女の仕草に、テンジが心臓を押さえる。

 テンジ「か、可愛い…!こんな可愛い子が大会に出てくれるなんて…!」
 クレア「私は戦士族使いのクレア・アニード。もし当たったら全力で行かせてもらうから、その時はよろしく」

握手を求める彼女にテンジは抱き着く。

 テンジ「あぁまるで天使のようだ!こんなに愛らしいなんて!」
 クレア「へ、変態っ!」

彼女の全力の腹パンが決まった。その攻撃でテンジのライフが0になる。

 テンジ「ぐふっ!い、いいパンチ。だ…ぜ…」

ガクリと倒れるテンジ。息を荒くするクレアもため息を吐いて落ち着こうとしていた。

 アオヒサ「すげえな。大会でデュエルする前に優勝候補を倒すなんて…」
 クレア「強力な相手が一人減って楽じゃない」
 テンジ「勝手に倒すなよ…。よいしょっと…。普通にデュエルはできるぜ」

起き上がってお腹をさするテンジは痛そうにしていた。 前に彼女から攻撃を食らっているヤマトはその痛みを共感でき、うんうんと頷いていた。

 アナウンス「そろそろお時間です。大会参加者一同は、会場までお願いします」

待機室のアナウンスがそう伝える。他に居たデュエリスト達はゾロゾロと外に出ていき、ヤマト達もそれに続く。

 アオヒサ「今回はどんなデュエリストと闘えるかな…!」
 クレア「(怖がらない。ヤマトに勇気を貰ったんだもの、絶対に勝ってやるわ!)」

ヤマト、クレア、アオヒサ…そしてテンジの4人は、デュエリストの祭典。『デュエルフェスティバル』の荒波へと足を踏み入れる。
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名無しのゴーレム
テンジさん、強者でありながらネタもこなせるなんて……
次回からは大会編ですか。彼らがどこまで勝ち進んでいくのか、ヤマトはクレアのカードを取り返せるのか……これからの展開を楽しみにしています! (2015-06-18 19:09)

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