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HOME > 遊戯王SS一覧 > Episode:01 破滅の星

Episode:01 破滅の星 作:死霊王ドーハスーラ

  時は地球40世紀…
 技術は、まるで嘗ての夢を全て実現出来るようなところまで進歩していた。
 あらゆる惑星でも人類の定住が進み、あらゆる惑星から資源が供給され、多くの人が、世界に遂に永遠の平和が訪れたと思った…

  4027 Earth AD…
 しかし、その平和は束の間であり、独裁国家「ロギア」による連邦国家「アース」に向けての宣戦布告によって、突如、平和は過ぎ去ってしまう…
 元々からあまり優勢とは言えなかったが、ロギア軍の新兵器「AS」により急激にロギア軍が優勢となる。

Episode:01 破滅の星

 地球:EARTH トーキョーシティー 地球世紀時間4月20日

 俺の名前は菅井命(すがいみこと)、今日は月に一度の、このロギアとの戦争の戦況報告はされる日だ。俺達のような一般国民は毎日ロギア軍の空襲を受けないか恐怖に怯えながら生活していた。だからこそ、この戦況報告で少しでもアースにとって優勢な状況であることで1秒でもこの戦争が終わることを願っていた。
「こんな戦争なんてもう終わってくれればいいのにな…」
 そんな感じに俺が嘆くと、隣の女性が、
「本当にだよ…こんな戦争がなければ…」
 と悲しそうに言ったのだった。この隣の名前は「ロゼナ・ティフ・オンステラ」、銀色の髪と、藤色の瞳が美しい女性で、俺の幼馴染だ。そうすると、俺は昨日、ロゼナの両親がロギアの空襲を受けて亡くなったということを知り合いから聞いたことを思い出し、気の毒に思ったが、そんなずっと悲しんでも、どうしようもないと思い、
「どうした?ロゼナ、なんか悲しいことでもあったのか?そんな悲しんでても何も生まないぞ。」
 と慰めると、彼女は俺を睨みつけ、
「どうせ何があったか知ってるんでしょ。噂として広まってることくらいわかるよ…まあ、確かにそんな悲しんでてもしょうがないよね…」
 そう彼女が言うと、俺はバレてのかと内心少し驚いたが、少し元気を出したようで安心した…

 そして、戦況報告の時間がやってきた訳だが、正直に言うととてもだが良い内容ではなかった。誰もが嘘だと祈ってるような状況だった。どんな状況かなんてて正直、考えたくもないが、ハッキリ一言でいうと「絶望」。この言葉が一番似合うような状況だった。きっと多くの国民が実感したであっただろう。「戦争は恐ろしいこと」だと…
 そりゃそうさ、この戦争が始まる前なんか戦争なんか飽くまで、物語によく出てくる過去のものだと思っていた。まあ、それくらいずっと平和な時代が続いていたんだが…
 しかし、そんな中でも、たった一つだけ希望があった。それは「アーゼウス」だ。歴史の授業でもこの時代では必ず習うだろう。そりゃそうだろう。なぜならその肩書きは「破滅へ導く禁忌の兵器」だ。中二病の中学生は必ず昂るような肩書きだ。というか俺も大好きだった。その「アーゼウス」をどうやらアース軍は再現するらしい。どうやらロギア軍の「AS」を参考に作るらしい。こんなに長く考えごとをしていると、
「『アーゼウス』を再現するなんてどうなるんだろうね?というか、『AS』って何だっけ?」
 何故かロゼナに質問されてしまった。答えががすぐに思いつかなかったので、
「なんで俺に聞くんだよ…」
 となんとか誤魔化そうとするとすぐに彼女は、
「だって、なんか命君ってそういうこと詳しいじゃん。」
 確かにそれもそうだが…流石機械好きの俺というところか、すぐに説明が思いついた。
「そうだよロゼナ、ASってあの長編物語の『機動戦士バンダム』に出てくるロボットみたいなやつだよ。」
 あの教科書にも載る「バンダム」だったらあんまり機械に興味の無いロゼナでもわかると思い、バンダムで例えてみると、
「あぁ!人型の巨大ロボット的な感じのやつ⁉」
 どうやら伝わったようだ。
「それだよ!良かった例えが伝わって良かったよ…」
 みたいな感じに世間話を続けていた…
 しかし、束の間のことだった。空から途轍もない轟音が鳴り響いた。一瞬
死も考えてしまうような轟音だった。ASの姿を確認し、ここはもう戦場だと察し、彼女の手を掴んで引っ張り、緊急用のシェルターにすぐに逃げ込んだ。
 しかし、そのシェルターには衝撃のものがあった。
「これは…まさかこれが…『アーゼウス』…⁉」
 と俺が驚いてしまうようなものだった。まさに教科書に載っているアーゼウスに似ていた。まあ、教科書に載っていたものほど装備は多くなく少しスリムだったが、まあよく短い間にこんなもの作れるもんだと感心した。
「これが『アーゼウス』なの…」
 ロゼナも驚いていたようだ。しかし、こんなゆっくりしていて言い訳がなくシェルターの中にもASが入ってきて、
「もうこれを操縦するしかないか…」
 俺はそう思い、アーゼウスの中に入ろうとする。勿論彼女は心配して、
「まさかこれを操縦する気なの?そもそもただの機械オタクの命君が操縦できるものなの?」
 なんてことを言ってきたが俺は少しカッコつけて、
「大丈夫、俺こう見えて結構乗り物の操縦は自信があるんだよ…」
 と言うと、彼女は、
「いや普通の乗り物とそれは訳が違うでしょ…」
 と速攻で突っ込んできた。流石俺の幼馴染だ。しかし、そんなことをしている間にもASは近づいているので彼女の言うことを全て無視して、無理やり乗った…

  次回予告
 命は、「アーゼウス」に乗ると抜群のセンスですぐに操縦をすることに成功した。しかし、相手はASが3機…命の命運は如何に…
 次回「神をも殺す兵器」

 用語解説
 このコーナーでは本編で解説しきれていない用語について解説されています。
・地球世紀 地球を基準にした西暦。1年が約365日である。
・アース アース連邦の事で21世紀での地球の大半を領土とする国家。
・ロギア ロギア社会主義共和国のこと。現在、全宇宙の国家の中で唯一社会主義と名乗っている。勿論、共産主義国家である。木星の衛星であるカリストという惑星が領土で、面積はカリストだけだと福島県の福島市より少し広いくらいで極めて狭いが、宇宙中に飛び地を無数に持つためかなり広い。
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