Part07 肆世壊からの挑戦者　作：金目鯛融合

遊地・エイリアン「デュエル！」

遊地にとっては、この学校に来て最初のデュエルになった。

開始直後、放送が流れた。
麻里「今宇宙人がこの学校を攻撃しようとしていますので、速やかにお帰りください」

麻里の声だ。遊地は「よかった」とつぶやいた。麻里がここにいるということは、麻里が宇宙人に負かされなかったか、遭遇しなかったということを意味したからだ。

遊地の気の迷いも晴れた。

遊地「でも後攻だからな…少し待つか」

彼のデッキ「スケアクロー」は、守備表示のモンスターを使って制圧やワンキルを目指すデッキだ。

エイリアン「手札カら《ミスト・エイリアン》ヲ特殊召喚！サラにガスト・エイリアンヲ召喚！」
エイリアン手札5→3

遊地「ライフは払わないよ」

ガスト・エイリアンは手札からの効果発動を封じる効果があるが、それを受け入れた。

エイリアン「2体デオーバーレイ！アラワレロ、業火ノ鬼神！バーナード・エイリアン！」

バーナード・エイリアン
ATK2300

エイリアン「バーなード・エイリアンノ効果発動！相手ニ400ダメージヲ与エ、オーバーレイユにットヲ1つ取リ除ク！」

バーナード・エイリアンが装填したバーナーで火球を作り、発射する。

遊地「ぐっ！(だが…まだ大丈夫だ…)」

遊地LP8000→7600

エイリアン「さっキノ効果デガストエイリアンを取リ除いタ！ガストエイリアンデ700ダメージダ！受ケロ！」

遊地「ぎゃっ！」
遊地LP7600→6900

あっという間に初期LPの1割が削られてしまった。これがエイリアンのバーンデッキか。

エイリアン「カードヲ伏せテターンエンド」

エイリアン手札3→2

遊地のターンに入る。できればここで決め切りたい。

遊地「僕のターン、ドロー！」

遊地「手札から《肆世壊=ライフォビア》を発動！」

遊地手札5→6→5

混沌とした世界が創られる。「スケアクロー」のキーカード、ライフォビア。デッキからスケアクローモンスターを手札に加えることができる。

遊地「チェーンはないようだな。デッキから《スケアクロー・ライヒハート》1枚を手札に加えさせてもらうよ。そして手札から《レスキューキャット》を召喚！」

遊地手札5→6→5

遊地「レスキューキャットの効果発動！デッキから獣族2体を効果を無効にして特殊召喚する！来い、《スケアクロー・アストラ》そして《スケアクロー・ベロネア》！」

レスキューキャットが呼んだ仲間は怖そうな見た目をしている。なぜこれで闇属性ではないと言い切れる？まあ「スケアクロー」使いの遊地にとってはこいつらが地属性なことくらい普通のことなんだが。

遊地「この《スケアクロー・ライヒハート》はスケアクローモンスターの隣に特殊召喚できる！」

遊地手札5→4

この人は、肆世壊の住人なのだろうか。すごく見た目は怖そうだ。

遊地「ライヒハートの効果発動！デッキからスケアクロー魔法・罠カード1枚ーーー《肆世壊の牙掌突》を手札に加える！」

ここでも相手のチェーンはなく、安全を確認してデッキから手札に加えた。

遊地手札4→5



遊地「アローヘッド確認！召喚条件は効果モンスター3体！僕は《ライヒハート》《アストラ》《ベロネア》の3体をリンクマーカーにセット！」

肆世壊の魔獣と番人が、強大な力を持つ肆世壊の恐怖の象徴となる。

遊地「番人よ！今こそ肆世壊の覇者と生まれ変われ！行け、《スケアクロー・トライヒハート》！」

肆世壊の長が降臨した。おっと、バーナード・エイリアンが恐怖で横たわっているようだ。

バーナード・エイリアン
DEF1000

遊地「スケアクロー・トライヒハートの効果により、フィールドのモンスターは全て守備表示になる！ダウン・オブ・リザルト！」

このトライヒハートに対抗するためには、攻撃表示にならないリンクモンスターを使えということなのかもしれない。バーナード・エイリアンはたちまち恐怖のどん底に落ちた。

遊地「トライヒハートの第2の効果！墓地のスケアクローモンスター1体を蘇生し、デッキからスケアクローモンスターをサーチする！蘇れ、《スケアクロー・ベロネア》！そしてデッキから《スケアクロー・アクロア》をサーチする！フォビアード・リボーン！」

遊地手札5→6

トライヒハートが秘伝の蘇生術を使い、眷属の魔獣、ベロネアを蘇らせた。そして、別の魔獣であるアクロアを呼び寄せる。

遊地「スケアクローの魔獣は連鎖する！手札から《スケアクロー・アクロア》を特殊召喚！」

スケアクロー・アクロア
DEF2000
スケアクロー・ベロネア
DEF1700

遊地手札6→5

魔獣から、何かのオーラが見える。そしてそのオーラを辿ると…その先は《トライヒハート》である。

スケアクロー・トライヒハート
ATK3000→3900

遊地「スケアクローの魔獣はEXモンスターゾーンのスケアクローに効果を加えることができる！アクロアは守備表示の数×300攻撃力アップ、ベロネアは貫通を付与する！」

魔獣からのオーラを感じ取ったトライヒハートは、禍々しさを増していくようにも見えた。

遊地「忘れていたが、ライフォビアの効果で相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力はフィールドの守備表示モンスターの数×100ダウンする！」

バーナード・エイリアン
DEF1000→700

肆世壊の惨禍に、バーナード・エイリアンが巻き込まれようとしている。

遊地「バトルだ！《スケアクロー・トライヒハート》でバーナード・エイリアンに攻撃！エンドフォビア・ストリーム！」

エイリアンLP8000→4800

スケアクロー・トライヒハート
ATK3900→3600

エイリアン「グハッ…ナゼダ…オマエノは怖クなル…」

エイリアン自身も、《スケアクロー》は初体験だ。だが、ここまで怖さを植え付けられたことは初めてである。

遊地「カードを2枚セットしてターンエンドだ」

遊地手札5→3

エイリアン「ワレノターン、ドロー！」
エイリアン手札2→3

エイリアン(こレナラヤレル！)

エイリアン「自分フィールドニモンスターガ存在しナイ時、手札カらミスト・エイリアンヲ特殊召喚！」

エイリアン手札3→2

ミスト・エイリアン
DEF100→0

エイリアン「サラニダークマダー・フォースヲ発動！デッキカラ《リターナー・エイリアン》ヲ…」

遊地「それにチェーンして《肆世壊の牙掌突》を発動！」

やはり肆世壊のカードは不気味だ。エイリアンも一瞬は恐怖を感じたが、もはやそんなわけにはいかない。

エイリアン「リターナーガ墓地へ送ラレタ時ニ、除外シて手札墓地かラ1体ズツ…」

エイリアンの不滅の象徴。リターナー・エイリアンにどう対応するのか。

遊地「肆世壊の牙掌突を墓地に送って効果発動！リターナー・エイリアンの効果を無効にする！」

肆世壊の魔獣や番人がリターナー・エイリアンに牙を剥く。そしてズタズタにリターナー・エイリアンを切った。これでは効果など意味ない。無効にされたのだ。それでも手札に闇星4水族があることは分かった。

エイリアン「手札カらガスト・エイリアンを召喚！効果発動！」

エイリアン手札2→1

遊地「LPは払いません」

エイリアン「ミスト・ガストデオーバーレイ！来イ、ソード・エイリアン！」

ソード・エイリアン
DEF0

前のデュエルで会長を劣勢に追い込んだモンスターだ。

エイリアン「ソード・エイリアンノ効果発動！ガストエイリアンヲ取り除キ、トライヒハートヲ…守備表示デモ効果ハ無効ニナラナイ！」

しかし、ソード・エイリアンが振りかざした大剣はトライヒハートに難なく躱されてしまった。

エイリアン「何故…」

遊地「トライヒハートは守備表示モンスターが発動した効果を受けない！そしてアストラ・アクロアは発動しない効果だから受けるということだ！」

トライヒハート
ATK3900

エイリアン「ダガガストエイリアンノ700ダメージハ受ケテモラウ」

遊地「ぐっ」

遊地LP6900→6200

闇の霧が遊地を包み込む。しかし、その霧は力なかった。

エイリアン「ターンエンド」
前は躍動していた大剣のエイリアンも、すっかり怯えてぐったりしている。早めに「スケアクロー・トライヒハート」を出してその耐性で相手を圧迫する。これが遊地の勝負術だ。

遊地「僕のターン、ドロー！これがエイリアンのラストターンだ！」

遊地手札3→4

遊地「トライヒハートの効果発動！墓地からベロネアを蘇生し、アクロアをサーチする！」

遊地手札4→5

スケアクロー・トライヒハート
ATK3900→4200

遊地「そして手札から2体目のアクロアを召喚！」

遊地手札5→4

スケアクロー・トライヒハート
ATK4200→4500→6000

それぞれの魔獣が、肆世壊の長が、フィールドで躍動していた。

エイリアン「攻撃力6000ダト…」

もはやエイリアンに勝ち目はない。

遊地「バトルだ！トライヒハートでソード・エイリアンに攻撃！」

肆世壊の長が、大剣を粉砕した。

エイリアン「グワァァァァ」
エイリアンLP4800→0

遊地にとっての学校での初デュエルは勝利。これで学校のエイリアン3体はいなくなった。3戦3勝。完全試合だった。

北条「これで防衛だ！やったな、遊地(名前は麻里から聞いた)」
石田「WOW！凄かった」
麻里「他の人はみんな帰ったよー。最後勝ってくれてよかった」

遊地「みんなお帰り」

他の3人も生きて帰ってきた。遊地はほっとした。

遊地「もう7時半だ。じゃあ帰るか」

辺りはすっかり暗くなっていた。

4人「じゃあね」

みんなは学生寮に帰っていった。学校は守られたのだ。