Part23 学校と球体　作：金目鯛融合

ザナーガと呼ばれたエイリアンが敗れ、そして鈴木も去ったこの頃の学校。エクシーズ召喚という考えが入ったこと以外は、極めて普通の授業と、極めて普通のデュエルと、極めて普通のテストをする遊戯王の学校だった。

この謎の紙が送られるまでは。

謎の紙が、突如カフラージ・ジョンソンの元に来たのだ。
ジョンソン「謎の言語だなこれは…」（これより地上世界の決闘者と、見苦しいレジスタンス組織の破壊に向かう。世界からは決闘者は1人残らず消えさるだろう。というのが、エイリアンの言葉で書かれている)

すると、鈴木から電話が来た。

鈴木「その紙…もしかしたらべギアス・ノムグが襲ってくることを示している暗号と一致しているかもしれない」

と言うと、鈴木はこの訳の分からない紙の内容を、アルファベット風に読んでみた。カフラージ・ジョンソンの元に来たアルファベットと全く同じであった。

ジョンソン「これは…一致している……今すぐ来てくれ！」

鈴木「分かった。その間にもしかしたらべギアス・ノムグが来るかもしれないがな」

べギアス・ノムグが、人間界の希望を消し去ろうとしている事は明らかであった。

遊地、北条もその話をジョンソンから聞いた。その時、空が何かを告げるように、急に黒い闇に染まり、謎の球体が現れた。

北条「あれは…べギアス・ノムグの基地に違いない！逃げるんだ！」

北条は他の生徒に素早く帰るように伝えた。しかし、

球体「わざわざ人間の避難をしてくれてご苦労。これで労苦も減るものよ」

球体から声が聞こえた。

エイリアン「クラエ！バーナード・エイリアンデダイレクトアタック！」

「グワーーーッ！」

LP1800→0

生徒が次々にデュエルで敗れていった。要は玄関の所に配置したエイリアンに気づかずに人間が出ていくところを狙い撃ちしたのだ。

遊地は玄関に行ってみた。

遊地「これは……」
エイリアンの封印術によってたくさんの生徒が気絶していた。並の生徒では、なす術がなかったのだ。幾らかの生徒はなんとか生き延びていたが、完全に気絶した生徒よりもはるかに少ない数だった。その時、どこかでドーンと、紫の雷が走る音がした。

ここの一帯は、闇と暗黒で覆われた魔の地になっていた。

遊地はエイリアンは何処だ、と言ったが、いるはずが無かった。もう既に、大半の生徒を破ってこの暗黒の源たる球体に還って行ったからだ。

遊地「北条と石田なら…」
遊地は校庭に出て、北条と石田を探した。彼らは校庭の真ん中にいた。

北条「遊地…ここを切り抜けられるか？恐らくだ、べギアス・ノムグはもう出てくる」
3人だけの虚無な空間。教員は、学校の中で何かの対策を練っていたが、北条達と同じく何も浮かばなかった。

一方、球体基地の中では…
べギアス「生キ残リノ子ガイルノカ…アイツラモデキレバ…」

オレガンデラ「『アレ』ヲ使ウカ？」

べギアス「……マダダ。ザナーガニ行かセヨウ」
功績を上げたザナーガの名は、べギアスの元まで知れ渡っていた。

ザナーガ「行ッテ必ずヤ倒シマス」

そう言うと、ザナーガはまだ傷の残る体のまま、球体から降りてきた。

北条「あれが…べギアス・ノムグなのか？」

遊地「……いや、麻里の仇の方だと思うが」

暗黒の雷が染まる中でも、あの日麻里が負け、遊地が殴られたエイリアンの輪郭、顔ははっきりと見える。

北条「頼む、俺に行かせてくれ。ザナーガ、奴に打ち勝って、生徒の執念を見せてやる。…石田・遊地は校舎で先生の考えを聞いたり、学校内のエイリアンを退治してくれ」

石田・遊地「…分かった」

北条は、球体の近くに寄った。それから程なく、ザナーガが地に降り立った。

ザナーガ「好戦的ナ人間ヨ。我ト戦ウコトヲ後悔スルンダナ！」

ザナーガ・北条「デュエル！」

先攻は、北条に決まった。
そしてお互いに、デッキの上に手を置く。暗闇の中、お互いに、注意深く5枚ドローした。

北条「手札から《星戒ーキュロスロン》を召喚！」

北条手札5→4

星戒ーキュロスロン
ATK1300

謎の極小隕石のような、小さな白い物質が召喚された。それから発せられた小さな光が、北条の周りを明るくした。

北条「キュロスロンの効果を発動！このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に、デッキからレベル6以上のサイキック族・光属性モンスターか機械族・地属性モンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターのレベル×100だけ自分のLPを回復する！この効果でレベル8の《セリオンズ“デューク”ユール》を落とし、800LP回復する！」

北条LP8000→8800

きれいな星の煌めきが、北条を勇気づけた。

北条「手札から《セリオンズ“キング”レギュラスの効果を発動！墓地のユールを装備して特殊召喚！ウェポン・アライズ！
さらにユールの効果で装備したレギュラスの攻撃力が700アップする！」

セリオンズ“キング”レギュラス
ATK2800→3500

北条手札4→3

セリオンズのメカの王がまた降臨した。今度はユールを装備している。

北条「カードを1枚伏せてターンエンド」

北条手札3→2

ザナーガ「我ノターン、ドロー」

ザナーガ手札5→6

ザナーガ（……ヨロシクハナイカ…）
ザナーガは手札を見つめた。

北条「……」
北条は、勢いよく展開をしないザナーガを見つめていた。

一方、鈴木は学校へ向かおうとしていたが、夜でもないのに闇になっている部分があると聞き、危機を悟った。


鈴木（もうべギアス・ノムグが来たのか…）