百ノ刃　乙女　side白刀 一刃　作：クロノスギア2

スペースゲート～摩天楼～

この近未来の町に似合わない、白装束の少女がいた。

彼女は坦々と町を突き進みハイライトの消えた目で町の裏路地を消えていた。

ふと空を見ると町を守るヒーローたちが飛び交い人々が彼らに手を振っている。

一刃はギリと歯を血がにじむほどに噛みしめる。ヒーロー、いや、力を持つ者への憎悪。

彼女の記憶がフラッシュバックする。

モンスターによって襲われる村。火の手が上がる建物。襲われる父。人の手に掛かる母。

彼女は持っていた刀で近くの壁を思い切り切りつけた。

・・・。

ふらふらと町を当てもなく進み続ける一刃。

ふと気が付くと町が騒がしいことに気が付いた。

視線の先には変なローブを身にまとった謎の集団がこちらに迫っていることに気が付いた。

「おい、なんだあれは」
「関係ない、すべては囚末神への生贄となる」
「やれ」

ローブの集団は杖を構え、炎の玉を放つ。
その炎の玉が一刃に着弾し爆発する。しかし、その熱を受けていたのはローブのものたちだった。

「あ・・・ぐあああ！？」
「な、なんだ！？何が起こった！？」
「あの者の力か！？」

一刃はぎろりと目をローブへとやる。

「・・・貴様。私を焼くつもりか・・・？その方が楽だがな・・・」
「くそ・・・ならばデュエルで蹴りをつけろ！！」

「やるか・・・一度にこい」

『デュエル！！』

ITIHA　VS　？1　？2　？3
LP4000　LP4000・4000・4000

・・・。

そのデュエルは異様だった。ローブたちが繰り出す高ステータスの儀式モンスター。対する一刃が繰り出すは攻撃力100のモンスター。

「なんだこいつ・・・？しょせんは雑魚か」LP3000
スーパーウォーライオン　ATK2300
「これならわれらの勝ちは明白」LP2000
ゼラ　ATK2800
「このまま貴様を囚末神への供物にする！」LP3000
仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー　ATK3200

「・・・」

一刃の場にはモンスターがなく伏せカードもない状態でターンが回ってくる。

「私のターン。私は墓地の攻撃力100のモンスターを5体除外することとでこのカードを融合召喚！！いでよ！」

現れたのは無数のカタナの集合体。しかし攻撃力はたったの100

「ふん！融合モンスターを召喚したところでわれらの勝利に変わりはないは！」
「・・・いけ」

そう命令するだけでカタナの集合体は次々に敵のモンスターに襲い掛かる。

破壊されるモンスター。なぜかダメージを受けるローブの男たち

「な、なんだ！？」LP3000→0
「なぜわれらのモンスターが！？」LP2000→0
「馬鹿なああ！？」LP3000→0

「・・・見た目だけで判断してくれた。油断してくれたおかげで楽に終わったな」

ここら一体のローブの集団は倒したがまだほかの地区からも騒ぎがある。

強きものを求め一刃は歩みを続けた。

・・・。

一刃の視線の先、そこには倒れ伏すヒーローと一人の男が立っていた。

「・・・どうやらあなたはほかのヒーローとは違うようですね」
「・・・私はヒーローではない」
「これは失敬。あなたは何を？」
「強きものをたおす・・・お前は・・・・強いんだろう！！？」
「ふふ・・・試してみますか？」
「いいだろう・・・」

『デュエル！！』

ITIHA　VS　？
LP4000　LP4000