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第五話 闇は晴れない 作:サクラ
童実野町。日本のとある地方都市。そこには大きな二軒の屋敷があった。一軒は世界最大のゲーム開発会社、『海馬コーポレーション』社長の海馬瀬人の家。そしてもう一軒は世界最大のカードゲーム開発会社『インダストリアル・イリュージョン社』のカードデザイナー最高責任者の野崎棗の家である。
野崎棗は普段が普段でとても忙しく家に帰ってくることが少ない。よって家の何もかもが娘の遊香に任せられていた。
この遊香という少女は少し特殊で、恵まれた容姿・透きとおるような白い肌・明晰な頭脳を持ち・運動神経抜群と非の打ち所がない完璧超人な人間だった。
そんな彼女だがある日を境にゲームに興味を持ちはじめ、その中でも『デュエルモンスターズ』は数々の大会で優勝を果たすほどの実力を持ち、のめり込んで行った。
最近ではデュエルモンスターズの創造主にしてI2社の会長ペガサス・J・クロフォードが主催した『決闘者の王国』にも呼ばれたが、色々な諸事情により不参加。
そして、今この童実野町にて新たな大会が始まろうとしていた。
エジプトのとある地下施設。
辺りには焦げ跡が広範囲に広がり、崩れかけている。
ここはレアカードハンター集団『グールズ』の地下実験場だ。とはいえ、今では使われていないようで誰一人いない。
しかし、その中を歩く一つの影があった。
懐中電灯を片手に持つ16歳の少女、野崎遊香だ。
服装はいつもの童実野高校の制服ではなく、黒いキャミソールに半袖のジャケットを羽織り、ショートパンツを履いていた。
「流石にないか……。いや、まだ無いと決まった訳では無いな」
遊香は何かを探して辺りを照らして行く。焦げた人型の何かを蹴り飛ばす。何も無いと分かると、彼女は蹴り飛ばしたそれを踏み潰す。
「チッ立つ鳥跡を濁さずとは。随分と綺麗好きな犯罪組織だ……ん?」
遊香はニヤリと笑うと床に落ちている一枚のカードを拾い上げる。
それをポーチの中に仕舞うとそのまま地下施設を後にする。
「さて、そろそろ次の展開が始まるか。『決闘者の王国』をブッチしてここに来たから次くらいは顔を出さないとな……ん?」
遊香がふと地下施設への入口へ振り向くと、同い年程のターバンの男が立っていた。もちろん知識を持つ遊香はその男を知っていた。
「シャーディー……」
「哀しみから生まれし邪悪なる存在よ。お前の目的はなんだ?」
「目的?さぁな。先ずは記憶を取り戻す事だ。私達闇人格と呼ばれる者たちの記憶は失われている。明確な目標は無いが、先ずはこれから始まる次の展開について行くだけさ」
「待て。この中で手に入れたそれを置いて行く事を勧める。それは悲劇の元凶だ。お前もあの中の惨状を見ただろう?」
「随分とペラペラ喋る幽霊だな。だが安心しろ。私はこれを操る事が出来る。どうせ何処かで私達を監視しているのだろう?その時に見ておくといいさ」
シャーディーの頬から冷や汗が流れ落ちる。この少女の自信はどこから来るのだろうか。それがどれほど恐ろしい物か。彼は目を閉じるとその場を立ち去る。
遊香の瞳が妖しく光った。
高校二年の夏休みが終わり、またいつもの生活が始まる。
野崎遊香は以前の様に普通に生活を送っていた。遊戯の家に行った時に無くしていたピアスを見つけると、何故か唐突にエジプトに行きたいと思って貯めていた貯金の一部を使うなどの不思議な点はあったが、恐らく夏休み前のテスト勉強でのストレス発散の為の気分転換だろう。一瞬記憶がなかったりするが、暑さでやられたのだろう、そう彼女は考え学校に行く。
「あ、獏良くん!」
「遊香さんおはよう」
遊香は獏良と並んで歩き、学校に向かう。
「遊香さんは夏休みは何かした?」
「うん。私はエジプトに行って来たよ。初めて行ったけど凄いところだったよ!ピラミッドやスフィンクスも見たしね!」
「エジプトかぁ。僕も小さい頃はエジプトに住んでいたんだよね。お父さんが骨董屋をしてて、この千年リングもエジプトの遺跡で手に入れたお土産なんだよね」
「へぇ〜。そういえば私の千年ピアスもエジプトから輸入されて来たって言ってたっけ」
遊香と獏良が話をしていると杏子が走って来た。二人は不思議そうに杏子を見る。
「遊香!獏良君!大変なの!遊戯の千年パズルが盗まれちゃった!」
「千年パズルが!?」
「今、遊戯が取り返しに盗んだ人の所に向かっているわ!」
「わかった。僕も遊戯君を探すよ!」
「うん。私も!」
「お願い!」
そういうと、杏子は走り去って行った。
遊香の雰囲気が変わる。
「ふふ、なるほど。『バトルシティ』が始まる前にこのイベントがあったな……」
「遊香さん?」
「おっと、君も出てきたらどうだい?隠れる必要はないよ。私は知っているからなバクラ君?」
「どういうこ…………ふふふ、ハハハ!そうか。そういえば貴様の所にも俺様達同様にもう一人の人格を持っているんだったな?」
「ふふ。そういう事だ」
「ふん。まぁいい……それにしても遊戯め、千年パズルを奪われただと?チッ!アレを守る事が奴の使命だろうが!」
バクラは千年リングを手に取る。すると千年リングの先端が動き出す。その場所に二人は走っていく。着いた場所はボロボロな建物。でもかなりの大きさだ。
中に入るとデュエルリングがあった。デュエルリングは、I2社と海馬コーポレーションの共同開発で作られたデュエルモンスターズ専用の巨大マシンだ。
「ん?遊戯じゃねぇか。あいつ、千年パズルはどうしたんだ?」
「千年パズルなら遊戯君の隣にぶら下がってるじゃないか。戦っているのは……ん?あいつはキース・ハワード……なぜあいつが遊戯と?」
すると、バクラの千年リングが激しく動き出す。
「な、なんだ!?千年リングが更に反応している!?」
「ふ、もしかしたらあのキースに何かあるのかもな」
遊香がそう言うと、キースが突然暴れ始めた。落ちていた鉄パイプを拾うとあちこちに振り回す。我を忘れて暴れまわるキースは千年パズルを砕き、遊戯に飛びかかってきた。
「遊戯くーん!」
「助けに来たよ!」
バクラと遊香は一旦、獏良と元の遊香に戻す。そしてロープを使って二人は遊戯の前に飛び降り、キースの顔に蹴りを入れる。
「遊戯君!大丈夫?」
「あ、ありがとう遊香さん……色々」
「色々?」
遊香は遊戯の意味深な一言に首を傾げる。獏良も苦笑いしている。ハッと下半身を見ると、今日は制服だと言う事を思い出す。スカートを短めに履く遊香が派手にアクションを起こせば必然とそうなる訳で……
遊香は顔が段々と熱くなってくるのを感じると一言、
「……遊戯君のエッチ」
「あ、あー!ごめん!遊香さん!」
遊戯は手を合わせて全力で謝る。獏良は砕かれた千年パズルの欠片を拾い集めると遊戯に渡した。
「ありがとう獏良くん、遊香さん。二人が来なかったら危うく怪我してた所だったよ」
「バンデッド・キースは逃げ去って行ったからもう大丈夫だとは思うけど、気を付けなよ?」
「うん。そうだね」
遊戯は千年パズルの欠片を鞄に入れる。
「あ、遊戯君!一つ残ってるよ!」
「ありがとう獏良くん。ピースが一つでも無くなるとパズルが出来ないからね」
遊香達は急いで学校に向かった。学校に着くと、クラス内は既に授業が始まっていた。先生に叱られつつ席に座る。杏子や城之内達はまだ戻って来てないようで、揃ったのは昼休みになってからだった。
「遊香!ご飯食べよ?」
「ミホ、もうお腹空いちゃった!」
「うん。食べようか」
杏子と野坂ミホと一緒にお弁当を出す遊香。
ふと、外を見ると雨が降りそうだ。
「雨降りそうだね」
「えーミホ今日傘忘れちゃったよ……」
「私、折りたたみあるけどどっちか入る?」
「じゃあミホ入りなよ。遊香の家とは反対方向だしね」
「ごめんね杏子」
「いいっていいって!それにギリギリ降る前に帰れるかもしれないしね!」
しかし、そんな思惑は外れ雨が降ってきた。遊香はミホが来るまで下駄箱で待っていると、杏子がやって来た。杏子は外を見て溜め息を吐いていた。すると、遊戯がやって来た。一言二言話をすると遊戯は折りたたみ傘を杏子に渡す。そしてそのまま走り去って行った。
「そうか、そう言えばアイツらのデートイベントがあったな。その約束でもしたか」
「おまたせ!ん?どうかしたの?」
「ん?おっと……あ!ミホやっと来た!行こ行こ!」
遊香はミホを傘に入れて帰って行った。
その夜。
遊香の父、棗が帰って来ていた。広いテーブルに向かい合って座る遊香と棗は、使用人が用意する夕食を食べている。そこに会話は無いが、別に親子間で仲が悪いわけではない。むしろ良好と言ってもいい。棗はI2社で娘の為にこっそりカードをデザインして渡してくれたりする程だ。すると、この沈黙を破って棗が話しかける
「遊香。学校の成績はどうなんだ?」
「はい。いつも通り学年内でも上位ですよお父様」
「そうかそうか。よくやったな遊香。そうだ!遊香が言っていたカードを作って来てあげたよ。この2枚だよな?確認してくれ」
棗がカードを待機していた使用人に渡すと、そのカードをこちらに渡して来た。すると、遊香の雰囲気が変わる。
「ありがとうございますお父様。これで私は思う存分バトルシティで戦える。新しいデッキで」
「バトルシティ?」
「いえ、何でもないですよ。こちらの話です」
まだバトルシティ開催のお知らせはされていない。棗は怪訝そうな顔をするが直ぐに次の話題に切り替えてくれた。
「ところで遊香。今、遊香の手元にはあの《青眼の白龍》があるんだろう?世界で4枚のカードだ。そのカードの持ち主は海馬君と遊香の二人だけだしね。良ければ見せてもらえないだろうか」
「別に構いませんよ」
速やかに食事を終わらせると遊香はデッキケースをもってリビングに戻る。そして、
「これが、《青眼の白龍》か……」
「はい。今回お願いして作っていただいた2枚のカード。その内の一枚はこの《青眼の白龍》を活用する為の重要なパーツ。次の大きな大会が始まればこのデッキで再び優勝していくつもりです」
「そうか。なぁ遊香。久しぶりに父さんとデュエルしないか?」
「もちろんですお父様。では屋敷の地下デュエルリングに行きましょう」
遊香と棗は地下室に移動しデュエルを始める。その数分後、
「これが、今の遊香の力……強すぎる……」
棗 LP0
遊香LP2000
凄まじい勢いで強くなる遊香に、棗は冷や汗を流す。初めてデュエルモンスターズを遊香とプレイした時、あの時でさえ棗より遊香の方が強かった。しかし、その時期は棗でも何回かに一回勝てるかどうかのレベルだったが、今の遊香には何度やろうとも勝てる気がしない。それが今の棗の素直な感想だったのだ。
「驚いたな遊香。お前がここまで強くなるなんて」
「ふふ。いえ、お父様のおかげですよ。お父様にカード作成をしてくれたことでここまで強くなったのです」
「いや、そんな事はないさ。遊香のアイデアにはこちらも驚くものが多いからね。それにしっかり成績も収めているからっていうのもあるからね」
遊香と棗は笑い合う。すると遊香の千年ピアスが光った気がした。
野崎棗は普段が普段でとても忙しく家に帰ってくることが少ない。よって家の何もかもが娘の遊香に任せられていた。
この遊香という少女は少し特殊で、恵まれた容姿・透きとおるような白い肌・明晰な頭脳を持ち・運動神経抜群と非の打ち所がない完璧超人な人間だった。
そんな彼女だがある日を境にゲームに興味を持ちはじめ、その中でも『デュエルモンスターズ』は数々の大会で優勝を果たすほどの実力を持ち、のめり込んで行った。
最近ではデュエルモンスターズの創造主にしてI2社の会長ペガサス・J・クロフォードが主催した『決闘者の王国』にも呼ばれたが、色々な諸事情により不参加。
そして、今この童実野町にて新たな大会が始まろうとしていた。
エジプトのとある地下施設。
辺りには焦げ跡が広範囲に広がり、崩れかけている。
ここはレアカードハンター集団『グールズ』の地下実験場だ。とはいえ、今では使われていないようで誰一人いない。
しかし、その中を歩く一つの影があった。
懐中電灯を片手に持つ16歳の少女、野崎遊香だ。
服装はいつもの童実野高校の制服ではなく、黒いキャミソールに半袖のジャケットを羽織り、ショートパンツを履いていた。
「流石にないか……。いや、まだ無いと決まった訳では無いな」
遊香は何かを探して辺りを照らして行く。焦げた人型の何かを蹴り飛ばす。何も無いと分かると、彼女は蹴り飛ばしたそれを踏み潰す。
「チッ立つ鳥跡を濁さずとは。随分と綺麗好きな犯罪組織だ……ん?」
遊香はニヤリと笑うと床に落ちている一枚のカードを拾い上げる。
それをポーチの中に仕舞うとそのまま地下施設を後にする。
「さて、そろそろ次の展開が始まるか。『決闘者の王国』をブッチしてここに来たから次くらいは顔を出さないとな……ん?」
遊香がふと地下施設への入口へ振り向くと、同い年程のターバンの男が立っていた。もちろん知識を持つ遊香はその男を知っていた。
「シャーディー……」
「哀しみから生まれし邪悪なる存在よ。お前の目的はなんだ?」
「目的?さぁな。先ずは記憶を取り戻す事だ。私達闇人格と呼ばれる者たちの記憶は失われている。明確な目標は無いが、先ずはこれから始まる次の展開について行くだけさ」
「待て。この中で手に入れたそれを置いて行く事を勧める。それは悲劇の元凶だ。お前もあの中の惨状を見ただろう?」
「随分とペラペラ喋る幽霊だな。だが安心しろ。私はこれを操る事が出来る。どうせ何処かで私達を監視しているのだろう?その時に見ておくといいさ」
シャーディーの頬から冷や汗が流れ落ちる。この少女の自信はどこから来るのだろうか。それがどれほど恐ろしい物か。彼は目を閉じるとその場を立ち去る。
遊香の瞳が妖しく光った。
高校二年の夏休みが終わり、またいつもの生活が始まる。
野崎遊香は以前の様に普通に生活を送っていた。遊戯の家に行った時に無くしていたピアスを見つけると、何故か唐突にエジプトに行きたいと思って貯めていた貯金の一部を使うなどの不思議な点はあったが、恐らく夏休み前のテスト勉強でのストレス発散の為の気分転換だろう。一瞬記憶がなかったりするが、暑さでやられたのだろう、そう彼女は考え学校に行く。
「あ、獏良くん!」
「遊香さんおはよう」
遊香は獏良と並んで歩き、学校に向かう。
「遊香さんは夏休みは何かした?」
「うん。私はエジプトに行って来たよ。初めて行ったけど凄いところだったよ!ピラミッドやスフィンクスも見たしね!」
「エジプトかぁ。僕も小さい頃はエジプトに住んでいたんだよね。お父さんが骨董屋をしてて、この千年リングもエジプトの遺跡で手に入れたお土産なんだよね」
「へぇ〜。そういえば私の千年ピアスもエジプトから輸入されて来たって言ってたっけ」
遊香と獏良が話をしていると杏子が走って来た。二人は不思議そうに杏子を見る。
「遊香!獏良君!大変なの!遊戯の千年パズルが盗まれちゃった!」
「千年パズルが!?」
「今、遊戯が取り返しに盗んだ人の所に向かっているわ!」
「わかった。僕も遊戯君を探すよ!」
「うん。私も!」
「お願い!」
そういうと、杏子は走り去って行った。
遊香の雰囲気が変わる。
「ふふ、なるほど。『バトルシティ』が始まる前にこのイベントがあったな……」
「遊香さん?」
「おっと、君も出てきたらどうだい?隠れる必要はないよ。私は知っているからなバクラ君?」
「どういうこ…………ふふふ、ハハハ!そうか。そういえば貴様の所にも俺様達同様にもう一人の人格を持っているんだったな?」
「ふふ。そういう事だ」
「ふん。まぁいい……それにしても遊戯め、千年パズルを奪われただと?チッ!アレを守る事が奴の使命だろうが!」
バクラは千年リングを手に取る。すると千年リングの先端が動き出す。その場所に二人は走っていく。着いた場所はボロボロな建物。でもかなりの大きさだ。
中に入るとデュエルリングがあった。デュエルリングは、I2社と海馬コーポレーションの共同開発で作られたデュエルモンスターズ専用の巨大マシンだ。
「ん?遊戯じゃねぇか。あいつ、千年パズルはどうしたんだ?」
「千年パズルなら遊戯君の隣にぶら下がってるじゃないか。戦っているのは……ん?あいつはキース・ハワード……なぜあいつが遊戯と?」
すると、バクラの千年リングが激しく動き出す。
「な、なんだ!?千年リングが更に反応している!?」
「ふ、もしかしたらあのキースに何かあるのかもな」
遊香がそう言うと、キースが突然暴れ始めた。落ちていた鉄パイプを拾うとあちこちに振り回す。我を忘れて暴れまわるキースは千年パズルを砕き、遊戯に飛びかかってきた。
「遊戯くーん!」
「助けに来たよ!」
バクラと遊香は一旦、獏良と元の遊香に戻す。そしてロープを使って二人は遊戯の前に飛び降り、キースの顔に蹴りを入れる。
「遊戯君!大丈夫?」
「あ、ありがとう遊香さん……色々」
「色々?」
遊香は遊戯の意味深な一言に首を傾げる。獏良も苦笑いしている。ハッと下半身を見ると、今日は制服だと言う事を思い出す。スカートを短めに履く遊香が派手にアクションを起こせば必然とそうなる訳で……
遊香は顔が段々と熱くなってくるのを感じると一言、
「……遊戯君のエッチ」
「あ、あー!ごめん!遊香さん!」
遊戯は手を合わせて全力で謝る。獏良は砕かれた千年パズルの欠片を拾い集めると遊戯に渡した。
「ありがとう獏良くん、遊香さん。二人が来なかったら危うく怪我してた所だったよ」
「バンデッド・キースは逃げ去って行ったからもう大丈夫だとは思うけど、気を付けなよ?」
「うん。そうだね」
遊戯は千年パズルの欠片を鞄に入れる。
「あ、遊戯君!一つ残ってるよ!」
「ありがとう獏良くん。ピースが一つでも無くなるとパズルが出来ないからね」
遊香達は急いで学校に向かった。学校に着くと、クラス内は既に授業が始まっていた。先生に叱られつつ席に座る。杏子や城之内達はまだ戻って来てないようで、揃ったのは昼休みになってからだった。
「遊香!ご飯食べよ?」
「ミホ、もうお腹空いちゃった!」
「うん。食べようか」
杏子と野坂ミホと一緒にお弁当を出す遊香。
ふと、外を見ると雨が降りそうだ。
「雨降りそうだね」
「えーミホ今日傘忘れちゃったよ……」
「私、折りたたみあるけどどっちか入る?」
「じゃあミホ入りなよ。遊香の家とは反対方向だしね」
「ごめんね杏子」
「いいっていいって!それにギリギリ降る前に帰れるかもしれないしね!」
しかし、そんな思惑は外れ雨が降ってきた。遊香はミホが来るまで下駄箱で待っていると、杏子がやって来た。杏子は外を見て溜め息を吐いていた。すると、遊戯がやって来た。一言二言話をすると遊戯は折りたたみ傘を杏子に渡す。そしてそのまま走り去って行った。
「そうか、そう言えばアイツらのデートイベントがあったな。その約束でもしたか」
「おまたせ!ん?どうかしたの?」
「ん?おっと……あ!ミホやっと来た!行こ行こ!」
遊香はミホを傘に入れて帰って行った。
その夜。
遊香の父、棗が帰って来ていた。広いテーブルに向かい合って座る遊香と棗は、使用人が用意する夕食を食べている。そこに会話は無いが、別に親子間で仲が悪いわけではない。むしろ良好と言ってもいい。棗はI2社で娘の為にこっそりカードをデザインして渡してくれたりする程だ。すると、この沈黙を破って棗が話しかける
「遊香。学校の成績はどうなんだ?」
「はい。いつも通り学年内でも上位ですよお父様」
「そうかそうか。よくやったな遊香。そうだ!遊香が言っていたカードを作って来てあげたよ。この2枚だよな?確認してくれ」
棗がカードを待機していた使用人に渡すと、そのカードをこちらに渡して来た。すると、遊香の雰囲気が変わる。
「ありがとうございますお父様。これで私は思う存分バトルシティで戦える。新しいデッキで」
「バトルシティ?」
「いえ、何でもないですよ。こちらの話です」
まだバトルシティ開催のお知らせはされていない。棗は怪訝そうな顔をするが直ぐに次の話題に切り替えてくれた。
「ところで遊香。今、遊香の手元にはあの《青眼の白龍》があるんだろう?世界で4枚のカードだ。そのカードの持ち主は海馬君と遊香の二人だけだしね。良ければ見せてもらえないだろうか」
「別に構いませんよ」
速やかに食事を終わらせると遊香はデッキケースをもってリビングに戻る。そして、
「これが、《青眼の白龍》か……」
「はい。今回お願いして作っていただいた2枚のカード。その内の一枚はこの《青眼の白龍》を活用する為の重要なパーツ。次の大きな大会が始まればこのデッキで再び優勝していくつもりです」
「そうか。なぁ遊香。久しぶりに父さんとデュエルしないか?」
「もちろんですお父様。では屋敷の地下デュエルリングに行きましょう」
遊香と棗は地下室に移動しデュエルを始める。その数分後、
「これが、今の遊香の力……強すぎる……」
棗 LP0
遊香LP2000
凄まじい勢いで強くなる遊香に、棗は冷や汗を流す。初めてデュエルモンスターズを遊香とプレイした時、あの時でさえ棗より遊香の方が強かった。しかし、その時期は棗でも何回かに一回勝てるかどうかのレベルだったが、今の遊香には何度やろうとも勝てる気がしない。それが今の棗の素直な感想だったのだ。
「驚いたな遊香。お前がここまで強くなるなんて」
「ふふ。いえ、お父様のおかげですよ。お父様にカード作成をしてくれたことでここまで強くなったのです」
「いや、そんな事はないさ。遊香のアイデアにはこちらも驚くものが多いからね。それにしっかり成績も収めているからっていうのもあるからね」
遊香と棗は笑い合う。すると遊香の千年ピアスが光った気がした。
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