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第一話 激烈バトル!闇遊香! 作:サクラ
日本のとある場所にあるちょっとした地方都市。その街に住む一人の少女が目を覚ました。
彼女の名前は野崎遊香。彼女は何というか、ある違和感を感じながら15年間を過ごして来ていた。何となくわかる学校の授業、初めてプレイしたハズのスポーツやゲーム、初めて読んだハズの小説や漫画。これらが何故か既視感を感じていたのだ。そしてそれが一番顕著だったのはカードゲーム『デュエルモンスターズ』だ。父が『デュエルモンスターズ』の製作会社であるインダストリアル・イリュージョン社、通称I2社のカードデザイナーだと言われこっそり遊香にカードを作って持って来てくれた時の衝撃は大きかった。
遊香は直ぐにデュエルモンスターズをプレイし始めた。そのデュエルの才能は存分に発揮され、直ぐに地元の大会では優勝を果たした。
しかし、そんな彼女にも一つ不思議な話があった。ゲームをする時の彼女はまた違った雰囲気を持っていた。ゲームをすると人が変わったようになるのは一般的にもよくある事だが、彼女は明らかにその比じゃなかった。全くもって別人のようになるのだ。思考、人格、喋り方、雰囲気etc. 明らかに元の遊香とは違う。そんな遊香もある日を境にその現象はピタリと止んだ。
「遊香はどこの高校に進学するの?」
「私は童実野高校だよ」
「童実野高校!?なんでそんな遠いとこに行くの?」
「彼処には面白そうな物がありそうなんだ」
質問してきたクラスメイトは怪訝そうな顔をして去って行く。彼女はそんな事を気にも留めずにいる。こんな一言を普通の人間が言えばどうだろうか、中二病もいいとこのイタイ女に映るだろう。
しかし彼女は違う。彼女は自他共に認める美少女。普通の人間がダメでも、容姿が優れていればその一言も変わる。イタイセリフも彼女を飾るものに変わっていく。
そんなこんなで彼女の学校では変な信者や親衛隊が生まれた。
「童実野高校には武藤遊戯がいる。それだけじゃない、海馬瀬人や城之内克也、転校生として獏良了が現れる。少しは楽しめるかな……ふふ」
そう。彼女には知識があった。この世界の知識、遊戯王という漫画の内容のものだ。これまでのあらゆる物への既視感は彼女の中にある前世の記憶だか、憑依だのが引き起こした物なのだろう。どちらにせよ大した問題ではなかった。
中学校の卒業式を終え、一月後の入学式。
入学式は普通に進んでいく。教師に呼ばれ、遊香は体育館の舞台に登り答辞を読む。
「なぁあの娘メチャクチャ可愛くないか?」
「すげぇ可愛い……俺、この後告りに行こうかな……」
全く、お前たちの様な取るに足りない人間に興味はない。
彼女の中でそう吐き捨てながら淡々と教師陣にお辞儀をして与えられた席に戻っていく。
さっと辺りを見回すと、居た!武藤遊戯だ。海馬瀬人もいる。城之内克也は……居ないか。原作初期の城之内は確か不良少年だったな。大方入学式をサボりでもしたのだろう。
入学式が終わり、クラス編成が行われた。よし、遊戯と海馬と同じクラスだ。遊戯と同じということは必然的に城之内や獏良もこのクラスに現れるだろう。
遊香は一人ほくそ笑んでいると突然男子生徒に声をかけられた。
「ねぇ、君が入学式の時に壇上に上がって答辞を読んだ娘だよね?」
「いかにも……何か御用かな?」
「ちょっといいかな」
遊香は男子生徒に連れられて校舎裏に移動した。校舎裏を見渡すと少しばかり薄暗い。男子生徒が足を止めると振り向いた。
「突然ごめんね。俺は蝙蝠翼。あの、入学式で君を見つけて一目惚れをしてしまいました!俺と付き合ってください!」
90度に腰から曲げて頭を下げる。
面白い……先ずはこの男子で試してみるか。
遊香は口元を歪めて蝙蝠に言う。
「いいよ。付き合ってあげよう」
「え!?ホント!?」
「ああでも、私に勝つことが出来たらね」
「勝つ?勝つって何をするの?」
遊香はスカートのポケットからカードを取り出した。
「ゲームだよ蝙蝠君。君も男子だ。ゲームぐらい嗜むだろう?」
「ゲームって……それはデュエルモンスターズか!それで勝ったら俺と付き合ってくれるんだな!?」
「そうだ。君が負けた時は……ふふ。放課後屋上でまたな」
遊香はそのまま立ち去る。蝙蝠は遊香が見えなくなるとガッツポーズをした。彼はゲームの中でもデュエルモンスターズは大得意で、自慢の《エメラルド・ドラゴン》はあの《真紅目の黒竜》と同じ攻撃力を誇る。友人達とのデュエルではこのカードを当ててから負けなしだった。
「あの娘を倒したら、そしたらそしたら……えへへへへ」
蝙蝠の顔が歪む。早速教室に戻って放課後の準備を始めた。
「やぁ、来たね蝙蝠君」
「おまたせ」
遊香は屋上の入口にあった余りの机と椅子をくっつけ、その上にシートを乗せた。そして手前の机の椅子を引くとそこに座る様に催促する。
蝙蝠は遊香の言う通り座ってデッキをシートの上に乗せた。
「約束は覚えているよね?俺が勝ったら君は俺と付き合ってもらう」
「勿論だとも。私は嘘は吐かない、このデュエルモンスターズで私に勝てれば私は君の物。この身体も自由に使ってもいい。愛でるもいいし、純潔を汚しても構わんさ」
「ほ、本当だな!?俺が勝ったらその身体も自由に使ってもいいんだな!?」
「ああ、では始めようか。先攻は君に譲ろう」
「へへ!俺のターン!手札から《ハウンド・ドラゴン》を召喚!攻撃力1700だぜ!」
「ふふっなるほど。では私は《魔導戦士ブレイカー》を召喚」
「おいおい、《魔導戦士ブレイカー》の攻撃力は1600。出しても無駄にダメージを受けるだけだぞ?無駄死にさせるのか」
「いいや、《魔導戦士ブレイカー》には特殊効果がある。魔力カウンターを乗せる事で攻撃力が300アップする。これで1900、私のモンスターの攻撃力の方が上回る」
「何!?くそ!」
蝙蝠のライフが200下がった。蝙蝠は恨めしそうに魔導戦士ブレイカーのカードを見る。それから遊香の方に顔を向けると驚きの声を上げた。
「な!?なんだよ後ろのやつ!」
「ん?ああ言い忘れていたね。これは闇のゲームだ。このゲームの特徴は召喚したモンスターがプレイしているプレイヤーに見えるというものだ。君は闇のゲームは初めてだね?初めのうちは分からなかったと思うが、私には見えたよ。ブレイカーがハウンド・ドラゴンを斬り倒した瞬間がね。横を見てみろ」
「これは……」
「ライフポイントの表示だ。スタートの2000ポイントから200ポイント引かれて現在は1800点だ。そして先にライフポイントが0になった者は恐ろしい罰ゲームが待っているよ」
「な、なんだって!?ふざけるな!そ、そんなの嫌だ!」
「なら勝てばいいのさ。君が私に勝てば、罰ゲームを受ける事はないだろう。さぁカードを引くんだ」
「くっ!ドロー!」
蝙蝠はカードを引くと心の中でガッツポーズをする。引いたカードは切り札の《エメラルド・ドラゴン》だ。遊香の《魔導戦士ブレイカー》の攻撃力を超えている。これで押し切れば勝てるはずだ!
「《エメラルド・ドラゴン》召喚!どうだ!攻撃力2400だぞ!あの《真紅目》と同じ攻撃力を誇る!これで押し切ってやる!いけ!《エメラルド・ドラゴン》!」
蝙蝠の後ろから翡翠色に輝くドラゴンが現れ咆哮をあげた。
「あはは!これで俺の勝ちだ!!約束通り君は僕の彼女だ!やった!」
「まだデュエルは終わってない。勝利宣言をするのは完全に積みになってからするべきだと思うよ?」
「それが今じゃないか!《エメラルド・ドラゴン》は僕の切り札さ!こいつはそこらの雑魚カードとは《エメラルド・ドラゴン》でブレイカーを攻撃!」
エメラルド・ドラゴンのブレス攻撃により魔導戦士ブレイカーは破壊された。
遊香のライフポイントゲージが500ポイント減った。
蝙蝠の高笑いは続く。最早勝利を確信したかのような笑い声を聞きながら遊香はカードを引いた。
「蝙蝠君、君の負けだ。私は《魔導獣マスターケルベロス》召喚。そして手札から魔法カード《魔導加速》発動。デッキのカードを上から2枚墓地に送り、私のモンスターに魔力カウンターを2つ乗せる。《魔導獣マスターケルベロス》に魔力カウンターを二つ乗せる。そして《魔導獣マスターケルベロス》の効果により魔力カウンターを更に2つ乗せる」
「魔力カウンターが……!」
「ふふ、魔力カウンターを4つ取り除き効果発動。蝙蝠君のモンスターをゲームから取り除き、取り除いたモンスターの半分の攻撃力を吸収する。《エメラルド・ドラゴン》を除外し2400の半分1200を《魔導獣マスターケルベロス》に吸収」
マスターケルベロスはエメラルド・ドラゴンに杖を向けて呪文を唱えると、エメラルド・ドラゴンは小さく丸い光の玉になってマスターケルベロスの右手に吸い込まれていった。
「そ、そんな……僕の《エメラルド・ドラゴン》が……!」
「闇の扉が開かれた。《魔導獣マスターケルベロス》でダイレクトアタック」
「ひっひぃ……!!」
マスターケルベロスが口を開けると蝙蝠を頭からムシャムシャと食べていった。
無論幻想だが、闇のゲームで敗北したものは罰ゲームを受けなければならない。遊香のピアスが光る。先ずは一人私の人形を作り上げた。遊香はほくそ笑んで屋上を後にした。
彼女の名前は野崎遊香。彼女は何というか、ある違和感を感じながら15年間を過ごして来ていた。何となくわかる学校の授業、初めてプレイしたハズのスポーツやゲーム、初めて読んだハズの小説や漫画。これらが何故か既視感を感じていたのだ。そしてそれが一番顕著だったのはカードゲーム『デュエルモンスターズ』だ。父が『デュエルモンスターズ』の製作会社であるインダストリアル・イリュージョン社、通称I2社のカードデザイナーだと言われこっそり遊香にカードを作って持って来てくれた時の衝撃は大きかった。
遊香は直ぐにデュエルモンスターズをプレイし始めた。そのデュエルの才能は存分に発揮され、直ぐに地元の大会では優勝を果たした。
しかし、そんな彼女にも一つ不思議な話があった。ゲームをする時の彼女はまた違った雰囲気を持っていた。ゲームをすると人が変わったようになるのは一般的にもよくある事だが、彼女は明らかにその比じゃなかった。全くもって別人のようになるのだ。思考、人格、喋り方、雰囲気etc. 明らかに元の遊香とは違う。そんな遊香もある日を境にその現象はピタリと止んだ。
「遊香はどこの高校に進学するの?」
「私は童実野高校だよ」
「童実野高校!?なんでそんな遠いとこに行くの?」
「彼処には面白そうな物がありそうなんだ」
質問してきたクラスメイトは怪訝そうな顔をして去って行く。彼女はそんな事を気にも留めずにいる。こんな一言を普通の人間が言えばどうだろうか、中二病もいいとこのイタイ女に映るだろう。
しかし彼女は違う。彼女は自他共に認める美少女。普通の人間がダメでも、容姿が優れていればその一言も変わる。イタイセリフも彼女を飾るものに変わっていく。
そんなこんなで彼女の学校では変な信者や親衛隊が生まれた。
「童実野高校には武藤遊戯がいる。それだけじゃない、海馬瀬人や城之内克也、転校生として獏良了が現れる。少しは楽しめるかな……ふふ」
そう。彼女には知識があった。この世界の知識、遊戯王という漫画の内容のものだ。これまでのあらゆる物への既視感は彼女の中にある前世の記憶だか、憑依だのが引き起こした物なのだろう。どちらにせよ大した問題ではなかった。
中学校の卒業式を終え、一月後の入学式。
入学式は普通に進んでいく。教師に呼ばれ、遊香は体育館の舞台に登り答辞を読む。
「なぁあの娘メチャクチャ可愛くないか?」
「すげぇ可愛い……俺、この後告りに行こうかな……」
全く、お前たちの様な取るに足りない人間に興味はない。
彼女の中でそう吐き捨てながら淡々と教師陣にお辞儀をして与えられた席に戻っていく。
さっと辺りを見回すと、居た!武藤遊戯だ。海馬瀬人もいる。城之内克也は……居ないか。原作初期の城之内は確か不良少年だったな。大方入学式をサボりでもしたのだろう。
入学式が終わり、クラス編成が行われた。よし、遊戯と海馬と同じクラスだ。遊戯と同じということは必然的に城之内や獏良もこのクラスに現れるだろう。
遊香は一人ほくそ笑んでいると突然男子生徒に声をかけられた。
「ねぇ、君が入学式の時に壇上に上がって答辞を読んだ娘だよね?」
「いかにも……何か御用かな?」
「ちょっといいかな」
遊香は男子生徒に連れられて校舎裏に移動した。校舎裏を見渡すと少しばかり薄暗い。男子生徒が足を止めると振り向いた。
「突然ごめんね。俺は蝙蝠翼。あの、入学式で君を見つけて一目惚れをしてしまいました!俺と付き合ってください!」
90度に腰から曲げて頭を下げる。
面白い……先ずはこの男子で試してみるか。
遊香は口元を歪めて蝙蝠に言う。
「いいよ。付き合ってあげよう」
「え!?ホント!?」
「ああでも、私に勝つことが出来たらね」
「勝つ?勝つって何をするの?」
遊香はスカートのポケットからカードを取り出した。
「ゲームだよ蝙蝠君。君も男子だ。ゲームぐらい嗜むだろう?」
「ゲームって……それはデュエルモンスターズか!それで勝ったら俺と付き合ってくれるんだな!?」
「そうだ。君が負けた時は……ふふ。放課後屋上でまたな」
遊香はそのまま立ち去る。蝙蝠は遊香が見えなくなるとガッツポーズをした。彼はゲームの中でもデュエルモンスターズは大得意で、自慢の《エメラルド・ドラゴン》はあの《真紅目の黒竜》と同じ攻撃力を誇る。友人達とのデュエルではこのカードを当ててから負けなしだった。
「あの娘を倒したら、そしたらそしたら……えへへへへ」
蝙蝠の顔が歪む。早速教室に戻って放課後の準備を始めた。
「やぁ、来たね蝙蝠君」
「おまたせ」
遊香は屋上の入口にあった余りの机と椅子をくっつけ、その上にシートを乗せた。そして手前の机の椅子を引くとそこに座る様に催促する。
蝙蝠は遊香の言う通り座ってデッキをシートの上に乗せた。
「約束は覚えているよね?俺が勝ったら君は俺と付き合ってもらう」
「勿論だとも。私は嘘は吐かない、このデュエルモンスターズで私に勝てれば私は君の物。この身体も自由に使ってもいい。愛でるもいいし、純潔を汚しても構わんさ」
「ほ、本当だな!?俺が勝ったらその身体も自由に使ってもいいんだな!?」
「ああ、では始めようか。先攻は君に譲ろう」
「へへ!俺のターン!手札から《ハウンド・ドラゴン》を召喚!攻撃力1700だぜ!」
「ふふっなるほど。では私は《魔導戦士ブレイカー》を召喚」
「おいおい、《魔導戦士ブレイカー》の攻撃力は1600。出しても無駄にダメージを受けるだけだぞ?無駄死にさせるのか」
「いいや、《魔導戦士ブレイカー》には特殊効果がある。魔力カウンターを乗せる事で攻撃力が300アップする。これで1900、私のモンスターの攻撃力の方が上回る」
「何!?くそ!」
蝙蝠のライフが200下がった。蝙蝠は恨めしそうに魔導戦士ブレイカーのカードを見る。それから遊香の方に顔を向けると驚きの声を上げた。
「な!?なんだよ後ろのやつ!」
「ん?ああ言い忘れていたね。これは闇のゲームだ。このゲームの特徴は召喚したモンスターがプレイしているプレイヤーに見えるというものだ。君は闇のゲームは初めてだね?初めのうちは分からなかったと思うが、私には見えたよ。ブレイカーがハウンド・ドラゴンを斬り倒した瞬間がね。横を見てみろ」
「これは……」
「ライフポイントの表示だ。スタートの2000ポイントから200ポイント引かれて現在は1800点だ。そして先にライフポイントが0になった者は恐ろしい罰ゲームが待っているよ」
「な、なんだって!?ふざけるな!そ、そんなの嫌だ!」
「なら勝てばいいのさ。君が私に勝てば、罰ゲームを受ける事はないだろう。さぁカードを引くんだ」
「くっ!ドロー!」
蝙蝠はカードを引くと心の中でガッツポーズをする。引いたカードは切り札の《エメラルド・ドラゴン》だ。遊香の《魔導戦士ブレイカー》の攻撃力を超えている。これで押し切れば勝てるはずだ!
「《エメラルド・ドラゴン》召喚!どうだ!攻撃力2400だぞ!あの《真紅目》と同じ攻撃力を誇る!これで押し切ってやる!いけ!《エメラルド・ドラゴン》!」
蝙蝠の後ろから翡翠色に輝くドラゴンが現れ咆哮をあげた。
「あはは!これで俺の勝ちだ!!約束通り君は僕の彼女だ!やった!」
「まだデュエルは終わってない。勝利宣言をするのは完全に積みになってからするべきだと思うよ?」
「それが今じゃないか!《エメラルド・ドラゴン》は僕の切り札さ!こいつはそこらの雑魚カードとは《エメラルド・ドラゴン》でブレイカーを攻撃!」
エメラルド・ドラゴンのブレス攻撃により魔導戦士ブレイカーは破壊された。
遊香のライフポイントゲージが500ポイント減った。
蝙蝠の高笑いは続く。最早勝利を確信したかのような笑い声を聞きながら遊香はカードを引いた。
「蝙蝠君、君の負けだ。私は《魔導獣マスターケルベロス》召喚。そして手札から魔法カード《魔導加速》発動。デッキのカードを上から2枚墓地に送り、私のモンスターに魔力カウンターを2つ乗せる。《魔導獣マスターケルベロス》に魔力カウンターを二つ乗せる。そして《魔導獣マスターケルベロス》の効果により魔力カウンターを更に2つ乗せる」
「魔力カウンターが……!」
「ふふ、魔力カウンターを4つ取り除き効果発動。蝙蝠君のモンスターをゲームから取り除き、取り除いたモンスターの半分の攻撃力を吸収する。《エメラルド・ドラゴン》を除外し2400の半分1200を《魔導獣マスターケルベロス》に吸収」
マスターケルベロスはエメラルド・ドラゴンに杖を向けて呪文を唱えると、エメラルド・ドラゴンは小さく丸い光の玉になってマスターケルベロスの右手に吸い込まれていった。
「そ、そんな……僕の《エメラルド・ドラゴン》が……!」
「闇の扉が開かれた。《魔導獣マスターケルベロス》でダイレクトアタック」
「ひっひぃ……!!」
マスターケルベロスが口を開けると蝙蝠を頭からムシャムシャと食べていった。
無論幻想だが、闇のゲームで敗北したものは罰ゲームを受けなければならない。遊香のピアスが光る。先ずは一人私の人形を作り上げた。遊香はほくそ笑んで屋上を後にした。
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