第九十二話　新たな脅威 「No,」　作：くちなし

・4回戦目の総当たり戦。第1走者のイリアが戦うが、奇しくも負けてしまう。しかし、最後の最後で「閃珖竜 スターダスト」を出し、第2走者の白桃へ繋げた⋯⋯

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ピットへ戻ってきたイリア。白桃はピットでイリアを待っていた。

桃「お帰り」
イ「スターダストは出しといたわ。伏せカードはピンチの時にね」
桃「分かった。任せといて」

そう言って白桃はイリアに変わってDホイールに乗り、走って行った。

★☆★☆

白桃と交代したイリアは咲夜のもとへ来た。

咲「お疲れ」
イ「咲夜⋯⋯」
咲「？」
イ「私⋯⋯役に⋯⋯立てたかな⋯⋯？⋯⋯」
　昨夜の隣に座って泣き崩れるイリア。それを慰めるように咲夜が声をかける。

咲「ああ、十分だ。イロイロ見えてきたよ。白桃が頑張ってくれるよ」
イ「うん⋯⋯！」
　そう言って涙をふくイリアを撫でる咲夜。

☆★☆★

司「さあ、『チームSDA団』の第2走者は西荻白桃だ～！ATK4500の「超銀河眼の光子龍」にどう立ち向かうのか～？」


フィールド
・レイ⋯⋯超銀河眼の光子龍(ATK4500)、銀河戦士(ATK2000)、銀河特攻
・イリア(白桃)⋯閃珖竜 スターダスト(ATK3000)、エキセントリック・デーモン、マジェスペクター・フォックス(Pゾーン)、伏せ2枚、星舞う地に輝く閃光

2人「決闘！」　(レイLP4000VS白桃LP4000)


Turn08　player 白桃　手札5→6

「私のターン！手札から「チェーン・リゾネーター」を召喚！効果でデッキから「レッド・リゾネーター」を特殊召喚！」

「LP回復か⋯⋯！」

「⋯⋯「レッド・リゾネーター」は特殊召喚された時、場のモンスターのATKの数値分、自分のLPを回復する！選択するのは「超銀河眼の光子龍」よ！」


超銀河眼の光子龍　ATK4500　(白桃LP4000➡8500)


「さらに、このカードは場にSモンスターが居る時、特殊召喚できる！手札から「ライト・スターダスト」を特殊召喚！」


ライト・スターダスト　☆1 光 ドラゴン族(オリジナル)
「ライト・スターダスト」の①の効果はデュエル中に1度しか発動できない。
・自分の場に☆8以上のSモンスターが存在する時、手札又は墓地からこのカードを特殊召喚できる。
・このカードがS素材に使用された時、自分はカードを1枚ドローする。


「モンスターが4体⋯⋯」

「私は☆1の「ライト・スターダスト」に☆1の「チェーン・リゾネーター」をチューニング！「聖なる光が新たな
　希望を作る道標となる！S召喚！現れよ！「フォーミュラ・シンクロン」！」

ミニ四駆⋯⋯そう略される(かもしれない)そのモンスターはSチューナーという極めて希少価値のあるモンスターである。

「S召喚成功時の効果で1枚ドロー！そして「ライト・スターダスト」がS素材として使われたことによりもう1枚ドロー！」

「初ターンでアクセルシンクロ⋯⋯だと⋯⋯！？」

「私はカードを1枚伏せてターンエンド」

Turn09　player レイ　手札1➡2

「僕のターン！カードを1枚伏せる！」

「伏せた瞬間、速攻魔法「ドレスアップ」発動！このカードは互いの場に表側表示で魔法カードが存在しない時、デッキからフィールド魔法1枚を発動させる！」


ドレスアップ　速攻魔法(オリジナル)
「ドレスアップ」は1ターンに1枚しか発動できない。
・互いの場に表側表示の魔法カードが存在しない場合に手札を1枚捨てて発動できる。デッキからフィールド魔法1枚を発動する。
・このカードが破壊された時に発動する。デッキからフィールド魔法1枚を手札に加える。

「私が発動するのは、「スターダスト・ジャンクション」よ！」

「デッキから発動！？」

「さらに、「フォーミュラ・シンクロン」相手メインフェイズにこのカードを素材にS召喚できる！」

「相手ターン中にSモンスター同士のS召喚だと⋯⋯！」

「私は☆8、Sモンスター「閃珖竜 スターダスト」に☆2、Sチューナー「フォーミュラ・シンクロン」をチューニング！」

そう宣言するとスターダストが雄叫びを挙げる。チューナーの方もその声に呼応する。

「聖なる龍と希望の欠片が1つになる時、新たな力が目覚める！アクセルシンクロ！！「閃珖竜 アサルト・スターダスト」！」


閃珖竜 アサルト・スターダスト　Sモンスター　☆8 光 ドラゴン族　(オリジナル)
Sモンスターのチューナー+☆8「スターダスト」と名のついたSモンスター1体
・このカードはS召喚又は、このカードの効果でしか特殊召喚できない。
・ターンに1度、このカード以外のカード1枚を対象にして発動する。そのターン、対象のカードは破壊されない。
・ターンに1度、以下の効果を1回ずつ使用する事が出来る。
　‥相手がモンスターを特殊召喚した時に発動できる。このカードをリリースし、特殊召喚されたモンスター
　　を破壊する。この効果を発動したターンのエンドフェイズに攻撃表示で特殊召喚する。
　‥相手の攻撃宣言時に発動できる。そのモンスターを守備表示にする。
　‥このカードが破壊された時に発動できる。自分の墓地のドラゴン族Sモンスターを除外し、墓地から
　　特殊召喚する。


「☆10のアクセルシンクロモンスター⋯⋯」

閃珖竜 アサルト・スターダスト　ATK3500 DEF2000

アクセルシンクロ、というのはSモンスター同士のS召喚の事を指す。現れた進化したスターダストはひときわ輝いていて、見る者を魅了した。

「⋯⋯「スターダスト・ジャンクション」の効果！相手ターンにS召喚に成功した時、相手のカード1枚をデッキに戻す効果よ！」

「デッキバウンス⋯⋯！？」

するとカイトの「超銀河眼の光子龍」が消えていく。カイトの場には「銀河戦士」が1体残っているのみ。渋々ターンエンドを宣言した。

Turn10　player 白桃　手札5→6

「私のターン！⋯⋯手札を1枚捨て、クイック・シンクロンを特殊召喚！さらに場にチューナーが居る時、
　墓地から特殊召喚できる！甦れ！ボルト・ヘッジホッグ！」

「☆7の代替シンクロ⋯⋯！」

クイック・シンクロンはジャンドデッキに大きな影響を与えた。このカードは正規のチューナーの代わりに
素材としてS召喚できるのだ。この代替シンクロは自身が特殊召喚できるのもあって凄く便利なのである。

「私は☆2のボルト・ヘッジホッグに☆3のジャンク・シンクロンをチューニング！S召喚！A・O・J カタストル！」

カタストル⋯⋯☆5の闇属性、機械族モンスター。打点は2400と他に比べると若干低めであるが、
戦闘する時に闇属性モンスターでなければ無条件で破壊する効果がある。

「バトル！カタストルで銀河戦士を攻撃！」

「速攻魔法、オープン！「ARS‐銀河再生‐」！」


ARS‐銀河再生‐　速攻魔法　(オリジナル)
このカードを発動するターン、自分の受ける戦闘ダメージは2倍になる。
・墓地に同名モンスターが2体以上存在する場合に発動できる。その同盟モンスター2枚を素材として
　攻撃表示でX召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン中、効果を発動できず、
　戦闘破壊されず、攻撃力が半分になる。


「君が「超銀河眼の光子龍」をデッキに戻したから発動できたのさ！」

Xモンスターは手札、デッキ、除外される時、いずれの場合も、X素材は全て墓地に送られる。あの時、
「銀河眼の光子龍」2体を素材にしていたのでその2枚でX召喚をしようとしているのだ。

「バトルフェイズにX召喚⋯⋯！？」

「僕は墓地の「銀河眼の光子龍」2体でオーバーレイ！「聖なる光が輝きを増す時、新たな光を
　呼び覚ます！」X召喚！現れろ！「No,64 銀河眼の光子竜皇」！！」

No,62 銀河眼の光子竜皇　ATK4000➡2000

「⋯⋯！「No」ですって⋯⋯！？」

「No」⋯⋯ナンバーズ、と称されるそのモンスターは世界のどこかに存在するXモンスターであり、その番号は99まである。中でも「銀河眼の光子竜皇」は最上級の打点を持つモンスターの1つで、その分効果も絶大なのだ。

「バトルは続行するわ！アサルト・スターダストでNoモンスターを攻撃！「連星光撃」！」

「っぐ⋯⋯！」　(レイLP4000➡1000)

「まだよ！カタストルでもう1度Noモンスターに攻撃！この時、カタストルの効果発動！バトルするモンスターが闇属性以外の場合、ダメージ計算を行わず、相手モンスターを破壊する！」

ーーー

無「No⋯⋯！なんで⋯⋯」
咲「どうかしたのか⋯⋯？」
無「いや、何でもないです」
咲「このバトル、白桃の勝ちだね！この破壊はカタストルの効果破壊だから、無効にできない！」

ーーー

カタストルが銀河眼の光子竜皇を闇に包むと跡形もなく消えた。

「私は☆5のカタストルに☆2のレッド・リゾネーターをチューニング！」

「☆7⋯⋯！！まさか！」

「S召喚！ダーク・ダイブ・ボンバー！」

「やはり⋯⋯！」

「ダーク・ダイブ・ボンバーの効果！場のモンスター1体をリリースし、☆×200のダメージを与える！自信をリリース！これで終わりよ！」

「1400のダメージ⋯⋯！」

「射出！」　(レイLP1000➡0)

ーーー

咲「決まった⋯⋯？ってことは⋯⋯」
イ「白桃の勝ち⋯⋯！」
咲「勝った！」
イ「やった！」

ーーー

司「『チームSDA団』！第2走者の西荻が『チーム超新星』の第1走者レイを破った！これで試合は振り出しだ！」

★☆★☆

ピットへ戻ってくるレイ。

カ「あーあ。勝てると思ったのに」
？「遊びすぎだレイ。どんだけ待たせるんだ」
カ「ごめんね、ノーム」
ノ「まあいい。銀河戦士が残っているからな。そして、光子竜皇も⋯⋯」


第九十三話へ続く