2.夢の中の決闘　作：塩おにぎりさん

2.夢の中の決闘

・不定期更新
・なんなら次の話も出ないかも。

カァー....カァー...

「トオル、俺こっちだから。また明日。」
「おう、また明日な！ミナモ！」

分かれ道で二人は別れた。
「謎の黒い竜...か。なんなんだよ...」
独り言を呟く。
そうすると家に着く。扉を開けた。
「ただいま。」
だが、返ってくる声はない。
「何やってんだろ。」
床に寝っ転がるとデッキケースから『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』のカードを取り出し、眺める。

「なんなんだ、このカード。」
昨日の記憶を思い出すと、目を閉じる、
「寝るか...」
少しすると寝息を立てはじめる。

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『おい.....オメェ....！』
謎の声が夢の中でミナモに話しかける。
「なんだ.....？お前.....」
『俺は『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』だ。」
黒い影にしかほぼ見えないドラゴンとも言えない不完全な化け物の姿がいた。
「は？...ドラゴンって喋んの？...」
『そこじゃないだろうよ...』
「そうか...寝たいから、話しかけないでくれ。」
『おいおい、そりゃないだろォ〜...？」
「...ドラゴンさんが用なんだよ」
不完全な黒い竜は陽気な口調で大きな図体に似合わず流暢に喋っている。
『.......単刀直入に言うが、俺様とデュエルしろ』
「お前...人間じゃないし、無理だろ...」
『取り敢えずやれよ。』
「やだよ...........」
『やってくれよッ！？』
黒い竜は涙目になりながら言う。
「.....人間じゃない化け物でも、泣かれたらなんか....やだし、仕方ねぇな」
『よし、まず「デュエル・ディスク」は持ってるか？』
「持ってるわけないだろ。」
『成る程なァ...じゃあ、これやるか.....」
自らの腕を一本捥ぎ取り、腕がどんどん所謂「デュエル・ディスク」の形になっている。
「えっ.......きも......」
『そりゃァ....ねェだろォ....オイ』

文句を言いつつ、渋々ミナモは「デュエル・ディスク」を装着し、構える。

「「デュエル」」

『俺様のタァーンッ！！！！』
不完全な黒い竜はまるで雄叫びの様に叫ぶと、手に持ったデュエルモンスターズのカードに視線を移す。
『......ほ〜ん...中々古いカード使ってんねェ....《切り込み隊長》を召喚だぜェ」
「オレと同じカード...」
ミナモがそう言う。
『効果で《エルフの戦士》を特殊召喚だァ...』
「また同じカード....」
『二体のモンスターでオーバーレイッ！』
二体のモンスターが光の粒子になり、不完全な黒い竜の体に集まると、鱗が生え揃い、竜の姿になっていく。
『俺様、登場だぜェ〜ッ！！！！』
完全な黒い竜の姿はまさに『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』のイラストの姿と一致していた。
『俺様は.....カードを伏せて、ターンエンドだぜェ』
不完全な黒い姿は完全な竜の姿に変わり、陽気な口調だったのが一変し、冷酷な口調でターンを終了する宣言した。


続く。