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FILE:008 動き出す陰謀 作:ハコネの達人
ユウラ「…取り逃したか」
情報を聞き出せていれば、と悔やむようにユウラは続けた。
エナ「…まぁ、明らかに『組織』の人間だったよね」
ユウラがエナから聞き出せた情報は大きく分けて3つ。
1つ目は、「チェイス・シティ」を裏から牛耳る「組織」なるものが存在するということ。
2つ目は、その「組織」が何らかの計画を遂行しているということ。
3つ目は、その計画の為に「組織」が中心街で世界大会を開催するということ。
ユウラ「『組織』の内情を探る為にも、その大会に参加する必要がありそうだな」
エナ「そうね…しっかし大会の詳細が分からないから、参加しようにも動けないわ。私たちにも参加資格があるのかしら」
ユウラ「それを探る為にも、今夜中心街へ行ってこようと思う」
エナ「私は家で待機?」
ユウラ「そうだな、レンとミナのこと、よろしく頼むよ」
エナ「りょーかい。じゃ、一旦家に戻りましょーか」
そう言うと二人は小走りで家へと向かった。
♦︎
『ずるるっ、ずるるるるっ。ずるるるる…』
中心街の更に中心にそびえ立つサイバータワー。ここで小型監視ロボが「チェイス・シティ」全土で収集したデータを集約し、記録している。
膨大な情報を盗まれない為にも原則立ち入りは禁止されており、普段は生き物すら存在しない。また基本的に静かであるため、生命の存在すら感じられない、無機的な空間であるといえる。
しかしそんな施設内では、麺を啜る音が響いていた。
『ずるるるっ…はむ、はむ』
「おい、何してんだ」
話しかけてきたのは、紅のローブを纏った者、レッドだった。そして麺を啜っていたのはレッドに従うモンスターの精霊、『朱南』だった。
朱南『何よマスター。私今遅めの昼ごはんなのだけど』
レッド「ここで食う奴がいるか。それと、今何杯目だ」
朱南『10杯目。あ、大丈夫よ。あと3杯だから』
レッド「少しは遠慮しろ」
管理人用の机には、完食されたラーメンの丼ぶりが積み上がっており、『朱南』は椅子に座りながらチャーシューを口に運んでいた。
レッド「ついに始まるぞ、世界を揺るがす大会が。ここで優勝しちまえば、『計画』を十分に遂行できる。そうすれば、俺の目的も果たされる。ハハハハッッッ!!!」
朱南『…』
『朱南』は冷めた目でスープを飲みながら己が主人を見ていた。
レッド「ん?どうした?」
朱南『何でも無い…んむ、むぐっ』
レッド「食いながら喋るな」
レッドに注意され、朱南は具材と一緒に麺を飲み込む。
朱南『はむ、もぐ…んっ、ふぅ。というか、私敬語じゃなくても良くなかった?余計に気力使ったんだけど』
レッド「いいだろ別に。ああ言うのは雰囲気が大事なんだ」
朱南『ふーん…あっそ』
レッドは気を使っているようだが、朱南はその手のことに興味がなさそうだ。
レッドはふとあることに気づく。
レッド「あれ?お前そのラーメンどうやって頼んだ?」
朱南『最近のネットは便利ね。外に出ずとも外食ができるんだもの』
レッド「……」
その日、レッドの懐がかなり寂しくなったのは、言うまでもない。
♦︎
次の日。ユウラは昨日調べた結果を全員に報告していた。
ユウラ「今回の大会、『ワールド・デュエル・トーナメント』での参加資格は自由。中心街に行けさえすれば誰でも参加できるようだ」
そう言って彼は配られていたチラシを皆んなに見せる。
[全体の流れ]
手順としては以下の通りになる。
1:中心街、サイバータワーにて「カードパス」を配布(1人1枚)。
2:中心街にてデュエルし、得点を競い合う(勝ち:3点 引き分け:1点 負け:-1)。
3:7日間で得点ランキング上位16名が決勝トーナメントに進出できる。決勝トーナメント進出者は中心街北東部「マトリアル・スタジアム」に8日目の10:00までに集合。
4:決勝トーナメント開催。時程は以下の通り。
8日目:13:00〜準々決勝
9日目:9:00〜準決勝
10日目:13:00〜決勝
ユウラ「って感じだな」
エナ「ふぅ〜ん。中心街で行われるにしては随分開放的な大会だね」
ユウラ「そうだな、運営も富豪層のご機嫌とりは諦めたのかもな」
ユウラが腕を組み、感慨そうに返答した。
レン「なぁ、ユウラ。それって俺たちも出るのか?」
ミナ「私たちも?」
レン・ミナの双子が目を輝かせてユウラに尋ねる。今まで1度も実践していなかったので、うずうずしていたのも知っていた。
ユウラ「そうだなぁ…しかし、いきなり実践というわけにもなぁ…」
エナ「大会まであと2週間。それまでに2人をデュエルに慣れさせないと」
シンリア『2人は着々と強くなってきてはいますが…』
ユウラ「だとしても…ううん…」
レンとミナは若干拗ねたような顔になるが、自分を心配してくれていると理解しているので、駄々はこねなかった。
ユウラは何かを思いついたようにポン、と手を重ねた。
ユウラ「よし、そしたらエナ・レン・ミナの3人で三つ巴デュエルをしてみよう」
エナ・レン・ミナ「「「三つ巴?」」」
ユウラ「俺が独自で作ったルールだ。俺はエナの本気を見てないし、レンとミナがどれほどの強さなのかも把握したいからな。一気にやったほうがいい」
三つ巴デュエル
・ライフは8000、初期手札は5枚。
・1、2、3と順番を決め、それをローテーションしていく。
・一巡目は全員ドローするが、バトルフェイズ、メイン2が無い。
・「相手」は他2人のどちらか1人と解釈する。例えば《サンダー・ボルト》を発動した場合、相手2人のどちらかを選び、選んだ相手のモンスターを全て破壊する。
・EXモンスターゾーンは必ず左側になり、相手のリンクマーカーは自分フィールドに影響しない。
・それ以外は基本ルールに準拠する。
ミナ「ふーん。てことはもし《サンダー・ボルト》を使用するときは、どちらに撃つべきか慎重に考えなきゃいけないんだね」
レン「そうだな…でもそれ以外はちょっとわかんねぇ…」
ユウラ「ま、それはおいおい説明するということで。とりあえずやってみよう」
順番:ミナ→エナ→レン
エナ・レン・ミナ「「「デュエル!!!」」」
情報を聞き出せていれば、と悔やむようにユウラは続けた。
エナ「…まぁ、明らかに『組織』の人間だったよね」
ユウラがエナから聞き出せた情報は大きく分けて3つ。
1つ目は、「チェイス・シティ」を裏から牛耳る「組織」なるものが存在するということ。
2つ目は、その「組織」が何らかの計画を遂行しているということ。
3つ目は、その計画の為に「組織」が中心街で世界大会を開催するということ。
ユウラ「『組織』の内情を探る為にも、その大会に参加する必要がありそうだな」
エナ「そうね…しっかし大会の詳細が分からないから、参加しようにも動けないわ。私たちにも参加資格があるのかしら」
ユウラ「それを探る為にも、今夜中心街へ行ってこようと思う」
エナ「私は家で待機?」
ユウラ「そうだな、レンとミナのこと、よろしく頼むよ」
エナ「りょーかい。じゃ、一旦家に戻りましょーか」
そう言うと二人は小走りで家へと向かった。
♦︎
『ずるるっ、ずるるるるっ。ずるるるる…』
中心街の更に中心にそびえ立つサイバータワー。ここで小型監視ロボが「チェイス・シティ」全土で収集したデータを集約し、記録している。
膨大な情報を盗まれない為にも原則立ち入りは禁止されており、普段は生き物すら存在しない。また基本的に静かであるため、生命の存在すら感じられない、無機的な空間であるといえる。
しかしそんな施設内では、麺を啜る音が響いていた。
『ずるるるっ…はむ、はむ』
「おい、何してんだ」
話しかけてきたのは、紅のローブを纏った者、レッドだった。そして麺を啜っていたのはレッドに従うモンスターの精霊、『朱南』だった。
朱南『何よマスター。私今遅めの昼ごはんなのだけど』
レッド「ここで食う奴がいるか。それと、今何杯目だ」
朱南『10杯目。あ、大丈夫よ。あと3杯だから』
レッド「少しは遠慮しろ」
管理人用の机には、完食されたラーメンの丼ぶりが積み上がっており、『朱南』は椅子に座りながらチャーシューを口に運んでいた。
レッド「ついに始まるぞ、世界を揺るがす大会が。ここで優勝しちまえば、『計画』を十分に遂行できる。そうすれば、俺の目的も果たされる。ハハハハッッッ!!!」
朱南『…』
『朱南』は冷めた目でスープを飲みながら己が主人を見ていた。
レッド「ん?どうした?」
朱南『何でも無い…んむ、むぐっ』
レッド「食いながら喋るな」
レッドに注意され、朱南は具材と一緒に麺を飲み込む。
朱南『はむ、もぐ…んっ、ふぅ。というか、私敬語じゃなくても良くなかった?余計に気力使ったんだけど』
レッド「いいだろ別に。ああ言うのは雰囲気が大事なんだ」
朱南『ふーん…あっそ』
レッドは気を使っているようだが、朱南はその手のことに興味がなさそうだ。
レッドはふとあることに気づく。
レッド「あれ?お前そのラーメンどうやって頼んだ?」
朱南『最近のネットは便利ね。外に出ずとも外食ができるんだもの』
レッド「……」
その日、レッドの懐がかなり寂しくなったのは、言うまでもない。
♦︎
次の日。ユウラは昨日調べた結果を全員に報告していた。
ユウラ「今回の大会、『ワールド・デュエル・トーナメント』での参加資格は自由。中心街に行けさえすれば誰でも参加できるようだ」
そう言って彼は配られていたチラシを皆んなに見せる。
[全体の流れ]
手順としては以下の通りになる。
1:中心街、サイバータワーにて「カードパス」を配布(1人1枚)。
2:中心街にてデュエルし、得点を競い合う(勝ち:3点 引き分け:1点 負け:-1)。
3:7日間で得点ランキング上位16名が決勝トーナメントに進出できる。決勝トーナメント進出者は中心街北東部「マトリアル・スタジアム」に8日目の10:00までに集合。
4:決勝トーナメント開催。時程は以下の通り。
8日目:13:00〜準々決勝
9日目:9:00〜準決勝
10日目:13:00〜決勝
ユウラ「って感じだな」
エナ「ふぅ〜ん。中心街で行われるにしては随分開放的な大会だね」
ユウラ「そうだな、運営も富豪層のご機嫌とりは諦めたのかもな」
ユウラが腕を組み、感慨そうに返答した。
レン「なぁ、ユウラ。それって俺たちも出るのか?」
ミナ「私たちも?」
レン・ミナの双子が目を輝かせてユウラに尋ねる。今まで1度も実践していなかったので、うずうずしていたのも知っていた。
ユウラ「そうだなぁ…しかし、いきなり実践というわけにもなぁ…」
エナ「大会まであと2週間。それまでに2人をデュエルに慣れさせないと」
シンリア『2人は着々と強くなってきてはいますが…』
ユウラ「だとしても…ううん…」
レンとミナは若干拗ねたような顔になるが、自分を心配してくれていると理解しているので、駄々はこねなかった。
ユウラは何かを思いついたようにポン、と手を重ねた。
ユウラ「よし、そしたらエナ・レン・ミナの3人で三つ巴デュエルをしてみよう」
エナ・レン・ミナ「「「三つ巴?」」」
ユウラ「俺が独自で作ったルールだ。俺はエナの本気を見てないし、レンとミナがどれほどの強さなのかも把握したいからな。一気にやったほうがいい」
三つ巴デュエル
・ライフは8000、初期手札は5枚。
・1、2、3と順番を決め、それをローテーションしていく。
・一巡目は全員ドローするが、バトルフェイズ、メイン2が無い。
・「相手」は他2人のどちらか1人と解釈する。例えば《サンダー・ボルト》を発動した場合、相手2人のどちらかを選び、選んだ相手のモンスターを全て破壊する。
・EXモンスターゾーンは必ず左側になり、相手のリンクマーカーは自分フィールドに影響しない。
・それ以外は基本ルールに準拠する。
ミナ「ふーん。てことはもし《サンダー・ボルト》を使用するときは、どちらに撃つべきか慎重に考えなきゃいけないんだね」
レン「そうだな…でもそれ以外はちょっとわかんねぇ…」
ユウラ「ま、それはおいおい説明するということで。とりあえずやってみよう」
順番:ミナ→エナ→レン
エナ・レン・ミナ「「「デュエル!!!」」」
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今回紹介するカードは、『クリエイト・フュージョン』。
墓地の融合素材を除外して機械族または戦士族を融合召喚できる。
その融合モンスターがフィールドから離れると、融合素材としたモンスターを
特殊召喚できる。ただ、この効果で特殊召喚されたモンスターは効果が
無効にされるぞ!
クリエイト・フュージョン
通常魔法
「クリエイト・フュージョン」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。①:EXデッキに存在する機械族、または戦士族の融合モンスターによって決められた融合素材を墓地から除外し、その融合モンスターを融合召喚する。②:このカードが墓地に存在し、このカードの効果で融合召喚したモンスターがフィールドから離れた場合に発動できる。このカードを墓地から除外し、除外されている機械族の融合素材としたモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する。 (2022-05-19 13:54)
手札抹殺とかブラック・ホールとか全体に影響を及ぼすカードや、混沌巨人のような全体攻撃をするモンスターの判定も気になる所。
(2022-05-19 23:17)
大食いキャラってよく考えたらちゃんとキャラメイクしたことないなと思い、
とりまデリバリーラーメンを食べさせてあげました。かなりご満悦のようです(笑)。
ブラックホール、激流葬などの全体効果カードは、3人全員に効果が及びます。 (2022-05-19 23:36)