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第4話 EMS入門 後編 作:にしん
☆前回終了時の状況
ローラ
LP:8000
手札:0枚
モンスター:ブラック・マジシャン、幻想の見習い魔導士、EMS エクスマジシャン・ローラ
魔法・罠:黒の魔導陣、伏せカード1枚
Pスケール:未設定
VS
遊飛
LP:8000
手札:5枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
Pスケール:未設定
【ターン2:遊飛のターン】
「俺のターン!ドロー!」
遊飛:手札5枚→6枚
「最初から上級2体、下級1体か・・・」
俺は手札を眺める。相手のローラさんは上級モンスターの大量展開こそしているものの、伏せカードや牽制効果がないほぼ無防備に近い状態。・・・よし、これでいこう。とりあえずは警戒せず俺の普段のデュエルを見せればいい。もちろん、エンタメ前提の展開を。
「俺は手札を1枚捨て、魔法カード<ペンデュラム・コール>を発動!デッキから名前の異なる魔術師2体を手札に加える!」
遊飛の上空に虹彩の魔法陣が現れ、その中心から水晶のかけらが先端にある振り子がゆっくりと降る。その両方に現れた魔術師は<相克の魔術師>と<竜穴の魔術師>だった。
遊飛:手札5枚→3枚→5枚
「そして俺は手札に加えた2体の魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」
遊飛はデュエルディスクのPゾーンに2枚置くと、遊飛のフィールドの左右にそれぞれ光の柱が出現し、降臨した<相克の魔術師>と<竜穴の魔術師>がそれぞれの柱の中に入る。そしてそれぞれの魔術師たちの目の前に数字が表れた。ペンデュラムスケールだ。相克は3、竜穴は8。ここまではデュエルディスクを利用したデュエルで俺も、ローラさんも、サーカスの客もみんな見慣れているだろう。
遊飛:手札5枚→3枚
Pスケール:青3 相克の魔術師 × 竜穴の魔術師 赤8
「これで俺はレベル4から7のモンスターをペンデュラム召喚が可能!」
「ほほー。やっぱりオッドアイズらしくペンデュラムデッキなんだねー。さてさてどんなのが出てくるのかな?」
「まずは超展開の序盤!現れろ、俺のモンスターたち!!」
俺はとあるエンタメデュエリストのようにセリフを決め、手札から2体のモンスターをモンスターゾーンに置く。すると上空に再び虹彩の魔法陣と振り子が現れ、振り子が揺れる。その一揺れ一揺れに振り子の先端から光が生まれ、チャックのように空間上で開いた。その光の割れ目から2体のモンスターがフィールドに現れた。
遊飛:手札3枚→1枚
>オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン:星7:攻2500(守2000)
>EMシルバー・クロウ:星4:攻1800(守700)
「そして手札から<貴竜の魔術師>通常召喚!」
遊飛:手札1枚→0枚
「この力で更なる光を・・・!」
>貴竜の魔術師:星3:チューナー:攻700(守1400)
「そして俺はレベル3チューナーの<貴竜の魔術師>で、レベル4の<EMシルバー・クロウ>をチューニング!」
現れろ!爆炎を放つ紅きドラゴン!!その光で更なる輝きを与えろ!!シンクロ召喚!!<オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン>!!
「グアアァァーーーッ!!」
>オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン:星7:シンクロ:攻2500(守2000)
少し恰好をつけてセリフをつけてみたものの、実際にやってみると結構恥ずかしいぞこれ?でも、慣れないとサーカスで活躍できない。俺は羞恥心を気にせず、自分のデュエルを、エンタメをしなければ。エースモンスターを出さねば。ローラさんは俺の展開を真面目な顔で見ているようだ。
「ほうほう、早速魅せてくれるね~。でも、まだエースモンスターじゃないよね?」
「ああ。ここからだぜ!先にシンクロ素材に使った<貴竜の魔術師>は効果でデッキの一番下に戻る。そしてシンクロ召喚したメテオバースト・ドラゴンの効果を発動!ペンデュラムゾーンのPモンスター1体を特殊召喚する。俺は竜穴の魔術師をPゾーンから特殊召喚!」
「竜の力をもっと引き出してやろう」
>竜穴の魔術師:星7:守2700(攻900)
「まだまだ俺の超展開は止まらないぜ!レベル7の<竜穴の魔術師>とメテオバースト・ドラゴンでエクシーズ召喚!」
神秘なる蒼き虹彩の光を放つ絶対零度の竜!<オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン>!!
「・・・・・」
>オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン:ランク7:エクシーズ:攻2800(守2500):ユニット×2
絶対零度の絶氷を思わせる蒼い甲殻を纏うアブソリュート・ドラゴン。静かに佇むその竜はいつ見ても綺麗だ。エンタメデュエルをするならこいつで十分だけど、俺はやっぱりエースモンスターを出して熱くエンタメデュエルをしたい。
「1ターンでここまで展開するとはびっくりだよ。普通の虹彩から紅い虹彩、そして蒼い虹彩・・・移り変わりが綺麗だね!でも、そこからどう変化するのかな?」
ローラさんはやっぱり余裕の表情を見せている。恐らくは俺のエースモンスターを知っている。今のローラさんのフィールドに存在するモンスターではただの魔法カードである<黒・爆・裂・破・魔・導>をあえてセットし、フィールドのカードを”5枚”にしたのもそのはず。そのモンスターはかつて、エンタメデュエリストが使っていた竜。だけど、その竜はそのデュエリストをとある負の「感情」で支配させていた。今は俺はその竜を使っているけど大丈夫。だけど、ソリッドビジョンを使ったデュエルでは少なからず相手やギャラリーに恐怖を与えていたのは知っている。
だけど今の俺の気持ちなら、このデュエルディスクならエンタメ向けに変えられるはずだという確信をデュエル中からいつの間にか持っていた。というか変えないと観客や相手のデュエリストが恐怖する!作られるEMSカードのためにも、エンタメのためにも、一緒にエンタメデュエルするためにも、まずはこの竜をどうにかしなければ。俺は気合を入れて展開を続ける。
「<相克の魔術師>のペンデュラム効果を発動!!アブソリュート・ドラゴンにランクと同じのレベルをこのターン与える!」
Pゾーンの<相克の魔術師>は右手に持っている、上下に剣が付いた盾のようなものをアブソリュート・ドラゴンに向ける。すると、虹彩の魔法陣を展開した盾を中心として剣の片方が時計の秒針のように動き、上部の剣と重なる。
>オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン:ランク7+星7:ユニット×2
「ついに来たぜ・・・レベルを得たアブソリュート・ドラゴンとレベル7の<オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン>で、オーバーレイ・ネットワークを構築!!」
エクシーズ召喚を宣言したその時、俺のデュエルディスクが輝きマシンらしい音をたてた。エースモンスターの登場だからか。
「いよいよEMSカードが作られるね。一体どうなるのかな。そのモンスター・・・元々危険なモンスターでしょ?」
「ああ。今までのソリッドビジョンを使ったデュエルでも出すたびに恐怖を与えていたんだ。だけどデュエルディスクやモンスターの制御はできていたし大丈夫なはず・・・」
「でもそのモンスターはエンタメ向けではないし、その恐怖がまだ残っているなら・・・どんな恐ろしいEMSカードが作られるんだろう。それはそれで見てみたいかも」
「・・・でも、俺は絶対こいつとエンタメデュエルがしたいからここで変えて見せる!」
フィールドの中央にブラックホールのような渦が現れ、エクシーズ素材となる2体のドラゴンが紫の光になって吸い込まれていく。
ローラさんは俺があの頃のエンタメデュエリストのようなEMSカードに、そして誰もが恐怖する竜にならないかを真面目な顔で見ていた。だけど俺は何故か安心していた。心が燃えていた。わくわくしていた。俺はこの竜と一緒にエンタメデュエルをしたい。俺はエンタメデュエルをするためにここに来たんだ。デッキテーマである「みんなが驚く素早い展開と速攻」のために俺のエースモンスターとなったこの竜を、俺がエンタメのために変える。EMSカードの作成に合わせて光り、唸るデュエルディスクに俺は、俺の気持ちを込める。
「覇王烈竜!俺と一緒にエンタメデュエルをしてくれ!!」
ローラ
LP:8000
手札:0枚
モンスター:ブラック・マジシャン、幻想の見習い魔導士、EMS エクスマジシャン・ローラ
魔法・罠:黒の魔導陣、伏せカード1枚
Pスケール:未設定
VS
遊飛
LP:8000
手札:5枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
Pスケール:未設定
【ターン2:遊飛のターン】
「俺のターン!ドロー!」
遊飛:手札5枚→6枚
「最初から上級2体、下級1体か・・・」
俺は手札を眺める。相手のローラさんは上級モンスターの大量展開こそしているものの、伏せカードや牽制効果がないほぼ無防備に近い状態。・・・よし、これでいこう。とりあえずは警戒せず俺の普段のデュエルを見せればいい。もちろん、エンタメ前提の展開を。
「俺は手札を1枚捨て、魔法カード<ペンデュラム・コール>を発動!デッキから名前の異なる魔術師2体を手札に加える!」
遊飛の上空に虹彩の魔法陣が現れ、その中心から水晶のかけらが先端にある振り子がゆっくりと降る。その両方に現れた魔術師は<相克の魔術師>と<竜穴の魔術師>だった。
遊飛:手札5枚→3枚→5枚
「そして俺は手札に加えた2体の魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」
遊飛はデュエルディスクのPゾーンに2枚置くと、遊飛のフィールドの左右にそれぞれ光の柱が出現し、降臨した<相克の魔術師>と<竜穴の魔術師>がそれぞれの柱の中に入る。そしてそれぞれの魔術師たちの目の前に数字が表れた。ペンデュラムスケールだ。相克は3、竜穴は8。ここまではデュエルディスクを利用したデュエルで俺も、ローラさんも、サーカスの客もみんな見慣れているだろう。
遊飛:手札5枚→3枚
Pスケール:青3 相克の魔術師 × 竜穴の魔術師 赤8
「これで俺はレベル4から7のモンスターをペンデュラム召喚が可能!」
「ほほー。やっぱりオッドアイズらしくペンデュラムデッキなんだねー。さてさてどんなのが出てくるのかな?」
「まずは超展開の序盤!現れろ、俺のモンスターたち!!」
俺はとあるエンタメデュエリストのようにセリフを決め、手札から2体のモンスターをモンスターゾーンに置く。すると上空に再び虹彩の魔法陣と振り子が現れ、振り子が揺れる。その一揺れ一揺れに振り子の先端から光が生まれ、チャックのように空間上で開いた。その光の割れ目から2体のモンスターがフィールドに現れた。
遊飛:手札3枚→1枚
>オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン:星7:攻2500(守2000)
>EMシルバー・クロウ:星4:攻1800(守700)
「そして手札から<貴竜の魔術師>通常召喚!」
遊飛:手札1枚→0枚
「この力で更なる光を・・・!」
>貴竜の魔術師:星3:チューナー:攻700(守1400)
「そして俺はレベル3チューナーの<貴竜の魔術師>で、レベル4の<EMシルバー・クロウ>をチューニング!」
現れろ!爆炎を放つ紅きドラゴン!!その光で更なる輝きを与えろ!!シンクロ召喚!!<オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン>!!
「グアアァァーーーッ!!」
>オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン:星7:シンクロ:攻2500(守2000)
少し恰好をつけてセリフをつけてみたものの、実際にやってみると結構恥ずかしいぞこれ?でも、慣れないとサーカスで活躍できない。俺は羞恥心を気にせず、自分のデュエルを、エンタメをしなければ。エースモンスターを出さねば。ローラさんは俺の展開を真面目な顔で見ているようだ。
「ほうほう、早速魅せてくれるね~。でも、まだエースモンスターじゃないよね?」
「ああ。ここからだぜ!先にシンクロ素材に使った<貴竜の魔術師>は効果でデッキの一番下に戻る。そしてシンクロ召喚したメテオバースト・ドラゴンの効果を発動!ペンデュラムゾーンのPモンスター1体を特殊召喚する。俺は竜穴の魔術師をPゾーンから特殊召喚!」
「竜の力をもっと引き出してやろう」
>竜穴の魔術師:星7:守2700(攻900)
「まだまだ俺の超展開は止まらないぜ!レベル7の<竜穴の魔術師>とメテオバースト・ドラゴンでエクシーズ召喚!」
神秘なる蒼き虹彩の光を放つ絶対零度の竜!<オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン>!!
「・・・・・」
>オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン:ランク7:エクシーズ:攻2800(守2500):ユニット×2
絶対零度の絶氷を思わせる蒼い甲殻を纏うアブソリュート・ドラゴン。静かに佇むその竜はいつ見ても綺麗だ。エンタメデュエルをするならこいつで十分だけど、俺はやっぱりエースモンスターを出して熱くエンタメデュエルをしたい。
「1ターンでここまで展開するとはびっくりだよ。普通の虹彩から紅い虹彩、そして蒼い虹彩・・・移り変わりが綺麗だね!でも、そこからどう変化するのかな?」
ローラさんはやっぱり余裕の表情を見せている。恐らくは俺のエースモンスターを知っている。今のローラさんのフィールドに存在するモンスターではただの魔法カードである<黒・爆・裂・破・魔・導>をあえてセットし、フィールドのカードを”5枚”にしたのもそのはず。そのモンスターはかつて、エンタメデュエリストが使っていた竜。だけど、その竜はそのデュエリストをとある負の「感情」で支配させていた。今は俺はその竜を使っているけど大丈夫。だけど、ソリッドビジョンを使ったデュエルでは少なからず相手やギャラリーに恐怖を与えていたのは知っている。
だけど今の俺の気持ちなら、このデュエルディスクならエンタメ向けに変えられるはずだという確信をデュエル中からいつの間にか持っていた。というか変えないと観客や相手のデュエリストが恐怖する!作られるEMSカードのためにも、エンタメのためにも、一緒にエンタメデュエルするためにも、まずはこの竜をどうにかしなければ。俺は気合を入れて展開を続ける。
「<相克の魔術師>のペンデュラム効果を発動!!アブソリュート・ドラゴンにランクと同じのレベルをこのターン与える!」
Pゾーンの<相克の魔術師>は右手に持っている、上下に剣が付いた盾のようなものをアブソリュート・ドラゴンに向ける。すると、虹彩の魔法陣を展開した盾を中心として剣の片方が時計の秒針のように動き、上部の剣と重なる。
>オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン:ランク7+星7:ユニット×2
「ついに来たぜ・・・レベルを得たアブソリュート・ドラゴンとレベル7の<オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン>で、オーバーレイ・ネットワークを構築!!」
エクシーズ召喚を宣言したその時、俺のデュエルディスクが輝きマシンらしい音をたてた。エースモンスターの登場だからか。
「いよいよEMSカードが作られるね。一体どうなるのかな。そのモンスター・・・元々危険なモンスターでしょ?」
「ああ。今までのソリッドビジョンを使ったデュエルでも出すたびに恐怖を与えていたんだ。だけどデュエルディスクやモンスターの制御はできていたし大丈夫なはず・・・」
「でもそのモンスターはエンタメ向けではないし、その恐怖がまだ残っているなら・・・どんな恐ろしいEMSカードが作られるんだろう。それはそれで見てみたいかも」
「・・・でも、俺は絶対こいつとエンタメデュエルがしたいからここで変えて見せる!」
フィールドの中央にブラックホールのような渦が現れ、エクシーズ素材となる2体のドラゴンが紫の光になって吸い込まれていく。
ローラさんは俺があの頃のエンタメデュエリストのようなEMSカードに、そして誰もが恐怖する竜にならないかを真面目な顔で見ていた。だけど俺は何故か安心していた。心が燃えていた。わくわくしていた。俺はこの竜と一緒にエンタメデュエルをしたい。俺はエンタメデュエルをするためにここに来たんだ。デッキテーマである「みんなが驚く素早い展開と速攻」のために俺のエースモンスターとなったこの竜を、俺がエンタメのために変える。EMSカードの作成に合わせて光り、唸るデュエルディスクに俺は、俺の気持ちを込める。
「覇王烈竜!俺と一緒にエンタメデュエルをしてくれ!!」
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67 | 第1話 第一歩 | 735 | 0 | 2018-09-02 | - | |
129 | 第2話 メルティオールサーカスへ | 821 | 2 | 2018-09-06 | - | |
77 | 第3話 EMS入門 前編 | 868 | 3 | 2018-09-08 | - | |
62 | 第4話 EMS入門 後編 | 795 | 3 | 2018-09-10 | - | |
82 | 第5話 俺の覇王烈竜 | 795 | 1 | 2018-09-13 | - | |
54 | EX-1 団長の決定 | 656 | 0 | 2018-09-17 | - | |
120 | 第6話 初陣の準備 | 719 | 2 | 2018-09-22 | - | |
77 | 第7話 初陣:入場 | 697 | 2 | 2018-09-26 | - | |
121 | 第8話 初陣:アイドル | 900 | 2 | 2018-09-29 | - | |
109 | 第9話 初陣:俺の竜たち | 785 | 0 | 2018-10-02 | - | |
100 | 第10話 初陣:全力のエンタメ | 794 | 0 | 2018-10-06 | - | |
81 | 第11話 黒フード | 703 | 0 | 2018-10-12 | - | |
103 | 第12話 続・黒フード | 802 | 4 | 2018-10-17 | - | |
59 | 第13話 事件!? | 640 | 0 | 2018-10-22 | - | |
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