2-2 骨を食らう人形たち　作：霧雨

俺はランキングには興味がない。
高位ランカーになったところでどうなる？
富？名誉？それもまた一興であろう。
だが、俺は今のランクで不自由はしていない。必要十分。
無論、豊かな生活をするに越したことはないだろうが…面倒なのは嫌いだ。
俺は自分の意思でこのランクを受け入れている。現状維持こそが俺の性分なのだ。
ランクが支配する世界、それでも全ての人間の価値基準がランクではない。それだけのことだ。

だが！悪人相手に容赦はしない。俺はそうやって、同期の皓と共に実績だって上げてきたのだ。

「くっふふふ…どかないならどいてもらうだけだ…我がスカルライダーの名にかけて！」
「そんなチンケな名をかけて恥ずかしくないのか。かかってこい！」

◇闇のデュエル◇4000デュエル開始◇

スカルライダー VS 神無月 要（275691位）

スカルライダー「俺のターンだ！くっふふふ…俺は、『ボーンナイト』を召喚する！」

◇ボーンナイト◇星4・アンデッド族・闇・攻1600／守1500

スカルライダー「更に、『ボーンナイト』の効果！このカードが召喚もしくはリバースした時、デッキから儀式魔法カードを1枚手札に加える。俺が加えるのは…『スカルライダーの轟雷』だ！そして俺は、この効果で手札に加えた儀式魔法『スカルライダーの轟雷』を発動する！手札からレベル3の『コープスナイト』を2体リリースし、『音速のスカルライダー』を儀式召喚！」

◇音速のスカルライダー◇星6・アンデッド族・闇・攻1900／守1850

スカルライダー「くっふふふ、これぞ俺のエースカード、『音速のスカルライダー』よ！このモンスターは、自分フィールドのアンデッド1体につき攻撃力を400アップする！」

◇音速のスカルライダー◇攻1900→2700

スカルライダー「カードを1枚伏せてターンエンドだ！サレンダーするなら今のうちだぞ」
要「儀式がお前の持ち味か。なかなか味のある真似をしてくれるが…所詮お前が雑魚キャラでしかないことを思い知らせてやるぜ。俺のターンだ。戦慄しろ…俺のモンスター達に…！俺はフィールド魔法『自死人形のガーネット・シティ』を発動する。これにより、俺は自分のメインフェイズに、デッキから1枚『スーサイドール』モンスターを1体墓地へ送ることができる。そして、その効果を発動したターン、俺のモンスターはカード効果では破壊されなくなる！俺がデッキから捨てるのは『スーサイドールcode-極輪』だ。そして自身のモンスター効果により『極輪』を特殊召喚し、相手ライフに800ダメージを与える！」

◇スカルライダー◇LP4000→LP3200
◇スーサイドールcode-極輪◇星8・サイキック族・闇・攻0／守0

要「更に『極輪』の効果を発動。1ターンに1度、デッキから『スーサイドール』モンスターを捨てる。俺が捨てるのは『スーサイドールcode-君律』だ。そして、『君律』は自身の効果で特殊召喚され、相手に500ダメージを与える」

◇スカルライダー◇LP3200→LP2700
◇スーサイドールcode-君律◇星6・サイキック族・闇・攻0／守0

スカルライダー「くっふふ…だが、ちまちまライフを削ったところで、攻撃力0では太刀打ちできまい！」
要「攻撃力だけがデュエルの価値基準だと思ったか。俺は『スーサイドールcode-君律』で、『ボーンナイト』を攻撃だ」
スカルライダー「馬鹿め血迷ったか！『ボーンナイト』の攻撃力はその薄気味悪いモンスターより遥かに上だ！」
要「『極輪』の効果で、『スーサイドール』の戦闘破壊は無効になる…それに、『極輪』がいなかったとしても、『君律』自身は戦闘で破壊されないのだ」
スカルライダー「だが1600のダメージは受けてもらう」

◇神無月 要◇LP4000→LP2400

要「『君律』が戦闘を行った時、デッキからカードを7枚めくり、1枚を手札に加えて残りを墓地へ送る。この時墓地へ送った6枚は全て『スーサイドール』のモンスター。まず1枚目の『半輪』の効果で、相手に600のダメージを与える」

◇スカルライダー◇LP2700→LP2100

要「2枚目は、『光雨』の効果で400ダメージを与える」

◇スカルライダー◇LP2100→LP1700

要「3枚目は、『七耀』の効果だ。デッキから墓地へ送られた時特殊召喚し、フィールドの『スーサイドール』モンスター1体につき400ダメージ。合計1200ダメージを与える」

◇スカルライダー◇LP1700→LP500
◇スーサイドールcode-七耀◇星7・サイキック族・闇・攻0／守0

スカルライダー「何…俺のモンスターを1体も破壊することなく…こんなデュエルが…こんな戦い方があるというのか…！俺は認めんぞ…っっ！」
要「だから言っただろう。人によって価値基準は違う。攻撃力や戦闘ダメージが全てではないのだ。4枚目でお前も終わりだ。『一軸』の効果により、500ダメージを与える。終わりだ！」
スカルライダー「そんな…効果ダメージだけでこの俺が…ぐぎゃぁぁぁ！」

◇スカルライダー◇LP500→LP0

要「期待未満め！」

◇闇のデュエル終了◇

☆勝者 神無月 要（275691位）
★敗者 スカルライダー（ランキング未登録・デュエル禁止ペナルティ）

「な、なんだこれは！デュエル禁止ペナルティだと…！？」
「お前のような悪さをする人間には、無条件で闇のデュエルを行使することが認められている。なんだ、知らなかったのか？」

とはいえ、闇のデュエルを行使できるのは国により認められている一部の人間のみであるが。Wanted Hunterもその一部だ。

「ちくしょう…デュエルができずにこの世界でどうやって生きろと…」
「心配はない。最低限の生活は可能だ。まあ、二度と悪さはできないことは言うまでもないけどな」

それっきりスカルライダーの青年は口を利くこともなく、小さな背中をしたままフラフラと立ち去ってしまった。

要「…さてと」

幸いなことに一瞬で決着をつけることができたが、ぐずぐずしている暇はない。

やれやれ…。

皓達に、追いつかないとな。