1-5 VS幸崎 皓 ドラゴン展開　作：霧雨

幸崎 皓…この人間にだけは、負けてはならない。
この初心者の俺がこいつのプライドを完膚無きまでに叩きのめす。

「ランキング戦にしてやろう。お前にハンターの厳しさを教えてやる」

◇ランキング戦◇4000デュエル開始◇
幸崎 皓（10899位）VS新峠 遊（396201位）

皓「先攻は俺だ。お前には圧倒的な力の差を見せてやろう。俺は『フォーチュン･ソルジャー』を通常召喚し、効果を発動する。デッキから、2体の上級ドラゴンを呼び出す。出でよ、『ハプニングナイト･ドラゴン』、『ダークフォーチュン･ドラゴン』！」

◇フォーチュン･ソルジャー◇星4・戦士族・闇・攻1600／守1800
◇ハプニングナイト･ドラゴン◇星6・ドラゴン族・闇・攻2300／守2100
◇ダークフォーチュン･ドラゴン◇星7・ドラゴン族・闇・攻2600／守2300

遊「いきなりこれだけのモンスターを出してきたか…やはり脳筋だな」
皓「この程度ではない。俺は手札から『千里眼の銀竜』の効果を発動。このカードを手札から捨てることで、手札からレベル8以下のドラゴンを特殊召喚する。現れよ、羽ばたく伝説『グレイトドラゴン』！」

◇グレイトドラゴン◇星8・ドラゴン族・光・攻3000／守2500

皓「そして、ライフを2000払い、墓地から甦れ！『千里眼の銀竜』！」

◇幸崎 皓◇LP4000→LP2000
◇千里眼の銀竜◇星8・ドラゴン族・風・攻3000／守2300

皓「ふはははは、これだけのドラゴン達を相手に、どうやって立ち向かうか見せてみろ！カードを2枚セットして、ターン終了だ」

遊「…ふ。それで全部か…。底が知れたな。俺がお前と同じ土俵で戦うと思ったか。俺のターン。…お前相手には、正面から戦う価値もない。マジックカード『相反する魂･ダブルコンボ』を発動。さらにこのタイミングで速攻魔法『クアドラプルチャンス』を発動する。このカードは『相反する』カードの発動にチェーンして発動することができる。この時、『相反する魂･ダブルコンボ』の効果を無効にする代わり、フィールドのカードを全て破壊し、コントローラーにはその攻撃力分のダメージを与える」
皓「なっ…！」
遊「これで負けるようなら…お前は晟の足元にも及ばない」
皓「くそ…トラップカード『真空の防壁』を発動！このターン破壊されるドラゴン族モンスターの攻撃力分ライフを回復する。これで『フォーチュン･ソルジャー』以外のダメージは相殺される！」

◇幸崎 皓◇LP2000→LP400

遊「ライフ400…それが何を意味するか、お前に分からないはずはあるまい…俺は…」
皓「無駄だ！『真空の防壁』が発動後は、ターン終了まで他のマジック･トラップカードは発動できない！『チェック･メイト』は使わせない」
遊「ならば俺は…『ランデル』を通常召喚し、効果を発動する。。手札から『レジェスター』を特殊召喚する」

◇ランデル◇星4・雷族・光・攻1400／守1400
◇レジェスター◇星4・岩石族・光・攻2000／守2000

遊「そして俺は、この2体のモンスターでレアフュージョンを行う！招雷せよ、『レジェスターランデル』！」

◇レジェスターランデル◇星7・サイキック族・光・攻／守3000

遊「もし…俺がお前のモンスターを破壊せずにこのモンスターを召喚していたら…相手のモンスター1体につき攻撃力を500アップさせ、5500の攻撃力で『フォーチュン･ソルジャー』を攻撃し、お前のライフは100残っていた…。そして今、『真空の防壁』によるマジック･トラップの発動を無効にする効果は、お互いに適用されている。トドメだ…『レジェスターランデル』で、ダイレクトアタック！」
皓「まだだ！フィールドにモンスターがいない時、手札から『スライムドラゴン』を特殊召喚できる！出でよ、『スライムドラゴン』！」

◇スライムドラゴン◇星5・ドラゴン族・水・攻1200／守2400

遊「ならば、『スライムドラゴン』を攻撃するのみだ。影響はないが、この時『レジェスターランデル』の攻撃力は、相手モンスターの数だけ500アップする」

◇レジェスターランデル◇攻3000→攻3500

皓「『スライムドラゴン』が破壊された時、『アメーバドラゴントークン』をフィールドに2体残す」

◇アメーバドラゴントークン◇星2・ドラゴン族・水・攻／守1000
◇レジェスターランデル◇攻3500→攻4000

遊「いいだろう。カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」
皓「く…俺のターン…。ここまで追い詰められるとは…。ドロー！…ふふふ…ふはははは…！」
遊「何を笑っている」
皓「お前にはとっておきを見せてやる…！2体の『アメーバドラゴントークン』をリリースして、俺はあるモンスターをアドバンス召喚する…。この時、『アメーバドラゴントークン』が墓地に送られたことで、1体につきライフを1000回復。合計2000ライフを回復する」

◇幸崎 皓◇LP400→LP2400

皓「俺がアドバンス召喚するのはこのカード。誇り高き白銀の翼…出でよ『青眼の銀龍』！！」

◇青眼の銀龍◇星8・ドラゴン族・闇・攻3000／守2300
◇レジェスターランデル◇攻4000→3500

皓「ふふふ…見るがいい…この美しき姿を…！」
遊「だが、俺のモンスターの攻撃力には及ばない」
皓「それはどうかな。このモンスターは、満月の下でこそ真価を発揮する…。マジックカード『シルバー･ムーンライト』を発動。フィールドに『シルバードラゴン』と名のつくが存在する時…相手モンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分をエンドフェイズまで得る。『レジェスターランデル』を破壊し、1500の攻撃力を加える！」
遊「なんだと…」

◇青眼の銀龍◇攻3000→攻4500

皓「終わりだ…！いけ！『青眼の銀龍』！烈風のジェノサイド･バースト！」
遊「ふふふ…。やはり、脳筋か…。最初から俺は、お前の土俵では戦っていなかったのだ。トラップカード『レジェスター･フィールド』を発動…。墓地から『レジェスター』を除外することで、戦闘ダメージを0にし、相手に2000ダメージを与えてエンドフェイズにする…」
皓「何…！無効とダメージだけでなく、エンドフェイズだと…！くっ…！」

◇幸崎 皓◇LP2400→LP400

皓「これでは、何も仕掛けられないではないか…ターンエンドだ…」
遊「先に仕掛けておくべきだったな…勝負を急いだお前の負けだ…。俺のターン。『チェック･メイト』発動…。このカードの効果は分かっているな…。500以下の相手ライフを0にする。多少は頑張ったが、所詮お前も俺の敵ではない。チェックメイトだ」
皓「ぐぁぁぁぁぁっ！」

◇幸崎 皓◇LP400→0

◇ランキング戦◇4000デュエル終了◇

☆勝者 新峠 遊（396201位→10899位）
★敗者 幸崎 皓（10899位→396201位）

「まさか…これほどの実力とは…くっ…」

言い訳のひとつも出てくるかと思ったが、その後の皓はただ悔しさを滲ませていた。自分の負けを認める潔さは持っていた。

「お前の負けだ。結果が全て…と言ったな。お前は今、四月 晟よりもランキングが低いようだが」
「すぐに取り戻してやる…！確かに今回は俺の負けだ。認めてやる…。だが…次は必ず勝つ。更に、仕事においては俺がお前達を指導する立場…先輩であるということだけは忘れるな…」
「楽しみにしておこう。それに俺はデュエルの実力だけだ。仕事に関しては全くわからない。いずれにせよ、皓に教えてもらうしかないんだ。よろしくな、先輩」
「ふ…生意気な後輩め…！」

幸崎 皓とデュエルして分かったことがひとつある。その姿勢は、実際にやり会ってみないと意外と分からないものだ…と言うこと。
皓の元で働くことで自分は更に高みを目指せる…なぜか俺は、そんな気がしていた。俺の様子を見ていた晟は、

「やったな！まさかこんなすぐに10000位代を取っちまうなんて…お前すごすぎだろ…！」
「まあ、そうだな。俺もこんなに早く取れるとは思っていなかった」
「俺も先輩のはずだったのに、たった1日でこれだけ差を離しやがって、マジで尊敬するぜ！」

すると、今まで黙っていたWanted Hunter代表の篝火 昴が口を開いた。

「…どうだろう。この調子で俺と闘ってみる気はあるか？」

と言い出してきた。当然俺は食いつく。

「ほう？あんたも俺とデュエルしたいのか…」

すると、その場の雰囲気は一変した。

「馬鹿な！いくらなんでも…！俺に勝ったくらいで昴さんには到底…」
皓は驚愕の表情をし、

「そうだ！やめておけ！昴さんは、デュエルランキング4位の実力だ！まだ早い！」
晟も、必死に止めている。俺が自信を打ち砕かれる…とでも言わんばかりに。

「4位か…確かに只者では無さそうだ。だが俺が目指しているのは1位…。ここで逃げてしまっては、一生辿り着けない…！」

「では、決まりだな。しかしさすがに今日は疲れただろう。遊の部屋は用意してある。もちろん晟の部屋もな。明日19時、東のデュエル場に来てくれ。そこで、最高のデュエルを期待している…いや、一緒に最高のデュエルをしようじゃないか」

次回…ランキング4位の代表、篝火 昴と対決。その規格外のデュエルに、ギャラリーは騒然する…。