第１２話　センの精神境　作：提馬風

セン「僕は手札から『精神衛 セロトニア』を召喚！」

セロトニア「セイッ！」☆4 ATK300

精神衛 セロトニア　レベル4　光
サイキック族／チューナー／効果
①：このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、このカードは守備表示になる。②：１ターンに１度、手札から「精神」カード１枚を除外して発動できる。デッキから１枚ドローする。③：自分フィールドに他のモンスターが存在する場合にこのカードは除外される。
攻撃力 300　守備力 2000

センのように青いフードつきのマントを羽織った人型のモンスター。
がっしりとした身体つきで、座禅を組んで浮いている。

セン「精神衛 セロトニアは、召喚された時に守備表示となる。
　　　さらに手札から『精神姫 フェニル』を除外し、セロトニアの効果を発動！
　　　デッキから１枚ドローする！」ﾋﾞｼｯ

精神姫 フェニル　レベル2　光
サイキック族／効果
このカード名の①の効果は１ターンに１度しか発動できない。①：このカードが除外された場合に発動できる。デッキから「精神」カード１枚を除外する。次のスタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。②：自分フィールドに他のモンスターが存在する場合にこのカードは除外される。
攻撃力 200　守備力 800

セン「僕は除外したフェニルの効果を発動。デッキから『精神統一』を除外する」

セン「僕はカードを１枚セットして、ターンエンドだ」

セン「さて……、まずはシルの話をしようか。
　　　シルは僕の3つ下の妹で、3年前からエルストローム狩りの仲間入りをした。
　　　シルには『アクロマ』ってドラゴンの精霊の相棒がいてね、そいつが強かったんだよ、ほんと」

遊陽「アクロマ……あの死霊銀龍のカードとか、龍の骨と関係があるんですか？」

セン「それは、次のターンのお楽しみ……いや、お楽しみとは言わないな。
　　　まあ、次は君のターンだ。カードを引いてくれ」

遊陽「はい。私のターン、ドロー！」ﾋﾞｼｯ

遊陽「私は手札からエルフの聖剣士を召喚します！」

エルフの聖剣士「ハアッ！」☆4 ATK2100

遊陽「エルフの聖剣士の効果発動！ 手札から翻弄するエルフの剣士を特殊召喚します！」

セン「手札から『幽鬼うさぎ』を発動。エルフの聖剣士を破壊するよ」

遊陽「幽鬼うさぎ……！ でも、特殊召喚は有効です！」

翻弄するエルフの剣士「ハッ！」☆4 ATK1400

遊陽「魔法カード『死者蘇生』を発動し、エルフの聖剣士を復活！
　　　さらに、手札からフィールド魔法『エルフの櫓』を発動します！」

エルフの聖剣士「ハアッ！」☆4 ATK2100

エルフの櫓　フィールド魔法
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。①：このカードの発動時の効果処理として、デッキから「エルフ」モンスター１体を手札に加える。②：フィールドの「エルフ」モンスターの攻撃力・守備力は２００アップする。③：１ターンに１度、相手モンスターの攻撃宣言時、自分フィールドの「エルフ」モンスター１体を手札に戻して発動できる。手札から「エルフ」モンスター１体を特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターに移し替える。

エルフの聖剣士 ATK2300 DEF900
翻弄するエルフの剣士 ATK1600 DEF1400

遊陽「エルフの櫓を発動したことにより、デッキから2体目のエルフの聖剣士を手札に加えます！
　　　そして、エルフの聖剣士の効果でそれを特殊召喚！」

エルフの聖剣士「ハアッ！」☆4 ATK2100→2300 DEF700→900

遊陽「手札を2枚セットして、バトルフェイズ！
　　　エルフの聖剣士で精神衛 セロトニアを攻撃！」

セン「それは通すよ……っ！」

遊陽「続けて翻弄するエルフの剣士でダイレクトアタック！」

セン「その瞬間、永続トラップ発動！ 『精神境-無我』！」

遊陽「永続トラップ……！」

精神境-無我　永続罠
このカード名のカードはフィールドに１枚しか存在できない。①：１ターンに１度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。手札の「精神」モンスターのみをS素材としてS召喚する。この効果によるS召喚の素材となったモンスターは除外される。②：このカードが相手によって破壊されたターンのエンドフェイズに、自分の墓地の「精神」カード１枚を除外し、この効果の発動のために除外したカード以外の除外されている自分の「精神」カード１枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。

セン「精神境-無我の効果により、
　　　手札のレベル5『精神獣 エン・ドルフィン』に手札のレベル3『精神駆 ドーパー』をチューニング！
　　　大いなる宇宙より感じ取れ、未知なる竜の物語！
　　　シンクロ召喚！ 現れろ、レベル8！ 『精神竜 プラトン』！！」

プラトン「オオオォォ！！」☆8 ATK2800

精神獣 エン・ドルフィン　レベル5　光
サイキック族／効果
①：このカードは自分フィールドの「精神」モンスター１体をリリースして手札から特殊召喚できる。②：自分の墓地にカードが存在せず、除外されている自分のカードが「精神」カードのみの場合、このカードの攻撃力は除外されている自分のカードの数×３００アップする。③：自分フィールドに他のモンスターが存在する場合にこのカードは除外される。
攻撃力 1900　守備力 1700

精神駆 ドーパー　レベル3　光
サイキック族／チューナー／効果
このカード名のカードの①の効果による特殊召喚は１ターンに１度しかできない。①：自分フィールドにモンスターが存在しない場合、除外されているこのカードを特殊召喚できる。②：このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。デッキから「精神」モンスター１体を特殊召喚する。③：自分フィールドに他のモンスターが存在する場合にこのカードは除外される。
攻撃力 1300　守備力400

精神竜 プラトン　レベル8　光
ドラゴン族／シンクロ／効果
チューナー＋チューナー以外のモンスター１体以上
①：このカードがシンクロ召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから１枚ドローし、お互いに確認する。確認したカードが「精神」カードだった場合、そのカードを除外し、デッキから通常魔法カード１枚を手札に加える。違った場合、そのドローしたカードを捨てる。②：１ターンに１度、自分の墓地の「精神」カード１枚を除外し、フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。その表側表示モンスターを破壊する。③：自分フィールドに他のモンスターが存在する場合にこのカードは除外される。
攻撃力 2800　守備力 1800

布を纏ったような、白い龍が舞い降りる。その身体は石膏像のように白く、また硬そうであった。

セン「精神竜 プラトンの効果発動！ デッキから１枚ドローし、互いに確認する。
　　　それが精神カードならそれを除外し、デッキから通常魔法を手札に加える。そうでなければ、ドローしたカードを捨てる。
　　　では……いざ、ドロー！」ﾋﾞｼｯ

セン「ドローしたのは『精神汚染』のカード。よってそれを除外し、デッキから『精神覚醒』を手札に加える！」

精神覚醒　通常魔法
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。①：自分の手札・デッキ・墓地から同名カードを１枚ずつ除外して発動できる。デッキから２枚ドローする。

遊陽「私はこれで、ターンエンド……」

SEN LP4000 手札1
YUHI LP4000 手札0

セン「あ、はは、驚かせてしまったか。
　　　いくら本気を出しても、いくら手を抜いても、このデッキは常にモンスターを１体だけ立てることには変わらないからね。
　　　それだけ、限界も早いというわけだ」

セン「僕のターン、ドロー」ﾋﾞｯ

セン「スタンバイフェイズ、フェニルの効果で除外した精神統一を手札に加える」

セン「さて……、先に少し話を進めよう。エルストロームにやられた奴が灰になる、というのは知っているか？」

遊陽「ええ、知ってます」

セン「僕らエルストローム狩りには、倒された仲間の灰で、身体に文様を描き入れるならわしがある。
　　　僕のも、シルのも、僕らのギルドの仲間の灰なんだ」

セン「……メインフェイズ。手札から魔法カード、精神統一を発動。デッキから精神統一を手札に加える」

セン「さらに、手札・デッキ・墓地の精神統一を除外し、精神覚醒を発動。デッキから2枚ドローだ」ﾋﾞｼｯ

セン「そして、精神竜 プラトンの効果を発動。墓地の精神覚醒を除外し、エルフの聖剣士を１体破壊する」

遊陽「この瞬間、トラップ発動！ エルフ・テレパシー！
　　　その効果により、デッキからエルフ・ソーサラーを特殊召喚します！」

エルフ・ソーサラー「ハァッ！」☆7 ATK2500→2700 DEF1800→2000

セン「なるほど、なかなかだ。それではバトルフェイズ、精神竜 プラトンでエルフの聖剣士を攻撃！ 『エフセヴィス・カノン！』」

遊陽「この瞬間、エルフの櫓の効果発動！ 翻弄するエルフの剣士を手札に戻し、守備表示で特殊召喚！
　　　さらに、攻撃対象を翻弄するエルフの剣士に移し替える！」

翻弄するエルフの剣士「ハッ！」☆4 DEF1200→1400 ATK1400→1600

『精神竜 プラトン』が放った光線を、『翻弄するエルフの剣士』の剣が受け止める。

遊陽「翻弄するエルフの剣士は、攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されません」

セン「ほほう……やるなぁ。今のはうまくいったと思ったんだけどな。
　　　モンスターを出せばこちらが自滅するから、追撃はできない。僕はこのままターンエンド」

セン「それじゃあ、話を進めよう。……といっても、ここで一度話を逸らすことになる。
　　　シルも知らない話なんだけどね、実はもう、伝説のエルストロームの封印は解けつつあるんだ。
　　　それどころか、伝説のエルストローム3体のうち1体は既に目覚め、しかも僕らと1度交戦している」

遊陽「えっ……！？」

セン「悪魔族系エルストローム、『アル』。頭部がのっぺらぼうの頭の骨で、下半身が触手のタイプだ。
　　　腕は4本、飽きることなく破壊を続ける。サイズも想像を絶する」

セン「その『アル』がどうしたのか……、それは次のターンに取っておこう。さあ、君のターンだ」

遊陽「私のターンッ！」ﾋﾞｼｯ

セン「さあ、君は耐えられるかな……」