第23話：魔王再臨　作：青き眼の凡人

飛車鳥「こ、ここでー！攻撃力4000のモンスターだあー！」


羅刹「…行くぞ！バトルだ！『羅刹衆 ー 天上天下唯我独尊』でダイレクトアタック！闘神奥義！破邪顕正！！」

麟「ユーリ様！」
ユーリ「心配は…いりません！速攻魔法、『捕食遊戯(プレデターゲーム)』発動！これは墓地の『捕食植物』モンスターの数×500ポイント、相手フィールド上のモンスターの攻撃力を下げるカード！墓地に存在するのは、『捕食植物オフリス・スコーピオ』！『捕食植物セラセニアント』！『捕食植物コーディセップス』！『捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ』！」
羅刹「ドロソフィルム・ヒドラ？…そうか、あの時！」


ユーリ『私は手札から『捕食植物オフリス・スコーピオ』を召還！手札を一枚捨てこの子の効果発動です！』

羅刹「それでヒドラを墓地に送っていたのか…だが！この闘神に！そんな小細工が通用すると思うな！『羅刹衆 ー 天上天下唯我独尊』の効果発動！1ターンに一度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、それを無効にして破壊する！」
アルフレッド「神宣内蔵効果か！」
ユーリ「だったら墓地の『捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ』の効果発動！このカード以外の『捕食植物』モンスターを墓地から除外し！相手フィールドのモンスター一体の攻撃力を500ポイント下げます！私はオフリス・スコーピオを除外！」

羅刹衆 ー 天上天下唯我独尊
ATK4000→3500

少し色の薄くなったドロソフィルム・ヒドラが、相手の腕の一本に噛みつき、主人への攻撃を止めようとするが、『羅刹衆 ー 天上天下唯我独尊』は顔色一つ変えずユーリに攻撃を行う。

ユーリ「ぐっ…！かはっ！」

闘神の容赦無い攻撃。あまりの熾烈さにユーリは少しえづく。

ユーリ
LP4000→500

羅刹「(もう一枚の伏せカードはブラフか？)ターンエンド！」


ユーリ(このままでは…私…)


－－－諦めるのか？


ユーリ(……この声、スターヴ・ヴェノムとは違う？)



－－－あの強大なる力を喰らいたいとは思わないのか？




ユーリ(そんな…私は…)





－－－恐れることは無い…




























－－－全テ壊シ、全テ喰ラエ











ユーリ「うぁああー！！！がぁっ…あアあーーー！！全てを…全テ………壊シ………全テ………喰ラウゥウ………！！」


飛車鳥「なっ、ど、どうしたんだー！？」


観客「おい見ろ！あれ！」




ユーリの身体の周りに紫色の粒子が集まり、それらが紫色の兜や、鎧を形作っていく。

眼を覆っていた包帯はいつの間にか取れており、その眼は紫色に発光していた。


ユーリ？「フム…中々……悪クナイ…」

－－－復活おめでとうございます。魔王様。

ユーリ？「スターヴ・ヴェノムカ。良クゾ『我ノ器』ヲ守ッテクレタナ。褒メテヤロウ。」

－－－ありがたき幸せ。



ルーシャス《お…お嬢様？一体どうなされたので？》

ユーリ？「……」









ユーリ？「『我ノ器』ガ随分世話ニナッタヨウダナ？」


ルーシャス《えっ？》


ユーリは、車椅子からデュエルディスクを取り外し、自分の左腕に付ける。するとデュエルディスクが鎧のデザインに合わせるかのように変形した。ユーリはそれを確かめた後、車椅子から立ち上がり、三歩前へ進むと、

ユーリ？「ダガ…モウ要ラヌ…」

と言い放ち右手の指をパチンと鳴らした。その時、デュエルコート端の地面から巨大な植物の触手が出てきた。その巨大さといったら、伝説上の魔物、クラーケンの足だと言われれば信じてしまいそうな大きさだった。

良経「な、なんだよ！何が起こっているんだよ…！」


その触手が車椅子に渾身の一振りを浴びせる。食らった車椅子はそのまま20メートルは吹っ飛び、バラバラになってしまった。


ルーシャス《ソ…そんナ…お嬢…さマ……な………ゼ……》

観客「あ、あいつ…！化け物だあぁあ！」
観客「逃げろー！殺されるぞー！」

ユーリ？「今モ昔モ、虫ケラハヨク喚ク…」

ユーリは両手を挙げ、触手を次々に呼び出す。その姿はまるで滅びへの曲を紡ぐ指揮者のようだった。その指揮を受けた触手は、次々と観客を捕らえる。

観客「ああっ！やめてくれー！」

観客「嫌だ！嫌だ！嫌だ！嫌だ！死にたくない！死にたくない！死にたくないー！」

観客「誰かぁ！助けてくれー！」

捕らえられた観客達が恐怖のあまり悲鳴をあげる。

ユーリ？「ククク…アァーッハッハッハ！良イゾ……！『恐怖』モマタ負ノ感情。貴様ラガ恐怖スレバスルホド我ノチカラガ高マル！貴様ラ虫ケラハ精々我ノ養分トナッテ死ンデユクガイイ！」



先程のユーリの性格とは思えないほどの非道な行為。羅刹はこれ以上ないくらいに拳を震わせ、怒っていた。


羅刹「…！貴様……！！ユーリ=アリストクラシーでは無いな…！何者だ！」





ユーリ？「我ノ名カ？我ニ名ハ無イ。名乗ルノデアレバ…」








ユーリ？「我ハ『魔王』。コノ世全テノ闇ガ作ッタ究極ノ破壊者也。」



ユーリ？「サア…我ノターンダ！！」














ユベルト「オイ…あいつの話と違うぞ！俺達が復活させたかったのは父さんで！魔王なんかじゃねえ！」
ユーシュ「人を生き返らせる…そんなうまい話など…！なかったということか…！！」
ユベルト「だったら俺達はなんのために…！なんのためにユーリを置き去りにしていったんだ！？なんのために！？」
ユリア「…二人とも、部下達に連絡して。」









ユリア「計画は中止。今はとにかく、あの魔王を止めるわよ！」















※あとがき兼お詫び
今回は短めですいません。