特別編2：執事とメイドとお嬢様　作：青き眼の凡人

色々と衝撃的だった二回戦から三日が経った。

謎の不正カード、大会運営に対するハッキング、倒れた選手、そして闇討ちされた準決勝の相手…大会運営はこれに危機を感じ、決勝戦の日を五日伸ばしこれらの事件を調査することにした。

そんな事情もつゆ知らず、アルフレッドとアマンダはとある危機にさらされていた。

アルフレッド「アマンダ…どうだ思い浮かんだか？」
アマンダ「全然だめですぅ〜。」
アルフレッド「全く…誰のせいでこうなったんだ？」


時を遡り三時間前。


ユーリ『そういえばアマンダは数年前、シップウ団のメンバーでしたよね？』
アマンダ『もう随分昔の話ですよ〜。』
アルフレッド『そういえばそんな話があったな…』
ユーリ『聞いたところによると、何か決め台詞があるってことですが…』
アマンダ『決め台詞…あっ、あれですね！風切り音、ナイトドミノにこだまする！みたいな！(これ良経の決め台詞ですけどね…)』
ユーリ『そうそう、それです！』
アルフレッド『そんなのがあったのか…』
アマンダ『はい！デュエルの前に言うとホントカッコよく決まるんですよ！』

ユーリ『…いいですねぇ』

アマンダ『お嬢様？』




ユーリ『私も決め台詞、ほしいな…』






そして今に至る。
要はユーリの決め台詞をアルフレッドとアマンダが考えているのだ。はたからみればこんな馬鹿げた話はないだろう。しかし、こうして三時間も真面目に考えているあたり、この二人の忠臣ぶりが伺える。



アルフレッド「そうか…ユーリお嬢様が言い出したことだったな…だったら責めるわけにいかない…」

アルフレッドは目を深く閉じ、左手で目を覆う。非常に困った様子だ。

アマンダ「はあ〜。全然だめですぅ…どうしてこんなの引き受けちゃったんですかあ〜！」

アマンダは机に顔をを伏せてうなだれる。

アルフレッド「仕方がないだろう！せっかくだから聞くけどな、お前ユーリお嬢様のあんな悲しそうな顔を見て、なんとかしてやろうとは思わなかったのか！？」
アマンダ「そ、そんな〜！いつも包帯で目を覆われてるユーリお嬢様の表情なんてわかるわけないじゃないですか〜！」
アルフレッド「馬鹿者、たとえ目の状態がわからずとも顔の角度や仕草で見分けるのが従者というものだろう。」
アマンダ「そんなのできるのはアルフレッドさんだけです〜！」






一方その頃…









ユーリ「戦場に漂う決闘の香り！ユーリ＝アリストクラシー！…こんな感じでどうでしょうかスターヴ・ヴェノム？」

－－－うん、いいんじゃない？

ユーリ「なんですそのやる気のない返事は！私は真面目にやっているんですよ！」

－－－あのねえ。もう何回も君の決め台詞を聞いてるこっちの身にもなってくれる？だいたいなんで僕に聞かせるのさ？

ユーリ「仕方がありません、アルフレッドとアマンダは何故かどこかへ行ってしまうし、麟は孤児院に顔を出しに行ってますし、ゴードンは料理の仕込みやらで忙しいみたいですし、ルーシャスはルーシャスで基本肯定しかしませんからまるで参考にならないんですよ！？残る選択肢といえばスターヴ・ヴェノム、あなたしかいません！さあ、次行きますよ！」


－－－まだあるの！？もう勘弁して〜！！




アリストクラシー家は今日も平和であった。






















※あとがき
散々待たせた挙句こんな低クオリティとか恥ずかしくないのかこの作者…

というわけで白金 将さんリクエストのキャラ、ユーリ、アマンダ、アルフレッドの特別編でした。

次回から本編に戻ります。