第３話　海竜神の降臨　作：BLUE忍者

　どうする？　どうしよう？　

　どうしようもないのは分かっていた。　でも、それを認めるのが怖かった。

　ならず者が剣を振り上げた。

　……するとその時、大きな地響きと共にけたたましい雄叫びが聞こえた。

＊「ギャアアァァオ！！！」


ながれ者「誰だ！？」



海神の巫女「間に合ったんですね！　海竜神さま！」



　船に匹敵するほどの巨体がうねりをあげて駆けつけてきた。



海竜神「海を荒らすものに……裁きを！」



ながれ者「へっ！　『炸裂装甲』！」



海竜神「……『海竜神の怒り』！！」



　海竜神さまは大波を起こし、ならず者の鎧を奪い去った。



海竜神「悔い改めろ……」



ながれ者「ひぃ！　サ、サンダー・ブ……」



海竜神「『リヴァイアサンダー』！！」



『海竜神ATK2000vsながれ者傭兵部隊ATK1700』



　船ごとながれ者たちを吹き飛ばした！　



カイ夫「すごい……」



FF「ありがとうございます！　海竜神さま！　みんなもありがとう！」



ひょうすべ「いいってことよ！」



海竜神「我が使命を全うしたまで。　……ところで、新入りが入ってきたらしいな」



海神の巫女「あっ、この子です」



　海竜神さまは僕のほうに近づいて来た。



　そして、僕の前で止まってしばらくの間顔を覗き込んできた。



海竜神「……ほう。　事情は分かった。　これを授けよう」



　そう言うと、海竜神さまの体から光の玉が出てきて僕の元までやってきた。



　これは……カード？


海竜神「お前に我の力を貸そう。　困ったらいつでも呼ぶがいい……」



［カイ夫は「海竜神」「大波小波」を手に入れた！］



海竜神「それと、今の戦いの収穫もくれてやろう」



［カイ夫は「サイクロン」「サンダー・ブレイク」「炸裂装甲」を手に入れた！］



カイ夫「な、なんで僕にこんなにたくさんのカードをくださるのですか？」



海竜神「お前は世界の滅びを救う存在になりうる」



カイ夫「えっ？」



海竜神「伝説の都アトランティスへ向かえ。　さすれば全ては与えられん……」



　そう言って、海竜神さまは行ってしまった。



ひょうすべ「お前すごいじゃねえか！　海竜神さまの力を授かるなんて！」



海神の巫女「ホントですよ！！　私も持ってないのに……」



カイ夫「あの……このカードみたいな物はどう使えばいいのですか？」



　僕は、頬を膨らませてそっぽを向いてしまった後ろ姿に声をかけた。



海神の巫女「それでしたら、カードを高く掲げてカード名を詠唱すれば使えますよ。　慣れればカードなしでもできますけど」



　僕は言われたとおりにカードを掲げて声を発した。

　　

カイ夫「『サイクロン』！！」



　……あれ？　何も起こらなかった。



弓マー「あら、まだ力が足りてないみたいねー。」



海神の巫女「そのようですね。　でも、デュエルをしている時なら力を使うことができるでしょう」



弓マー「まあ、気にすること無いわよ。　はじめはみんなできないわ。　いまだにできないやつもいるくらいだしね～？」ﾁﾗｯ



ひょうすべ「う、うるせえなお前は！」



カイ夫「あ、あの。　デュエルってなんですか？」



海神の巫女「そうですね。　まずはデッキ作りからはじめましょうか！」



恍惚の人魚「そうね。　みんなでつくりましょ」