第01話 非日常の始まり　作：新たなドラえもん

〜前回のあらすじ〜
プロローグ、終了。


さて、「ここ」に来て早1時間ほどが経過したのだが…
悲しいことに、僕は未だに右往左往（と言っても全く動いてないけれど）している。
最も、いきなり背景白黒の訳の分からない世界に、地図なし、下準備なし、前触れなしの状態で放り出されて、目的地不明の旅をしろ、ということに無理があるんだけれど。

神城「はぁ…どうしよ……」
ついため息をこぼす。本当は大声で叫びたいんだが…というか、さっき叫んだんだが。

？「ねー」

はあ、本当にどうしよう……

？「ねぇー」

今日は楽しみにしてたアニメがあるというのに…なんでこんな目に……

？「ねぇーってば！！」

神城「うわっ！？誰……？」
完全に油断してた…
というか何だ、この少年は？

？「ちょっとこっち来て！」

神城「え？なんでーー

？「いいから！」
そういうなり、その男の子は僕の手を持ち、何処かへ連れて行こうとする。 否、連れて行くというよりも、引きずっていくと言ったほうが状況の説明としては正しいか。

僕を引きずっている男の子は、見た目だけでいうと中学生くらいの少年のように見えた。
ただ唯一。
唯一、少年のような外見にそぐわない白髪を除いて。

全く…本来ならば、家でテレビを見ているはずの時間を、何故僕は引きずられながら過ごさなければいけなのだろうか……
それ以前に、この少年はどこに向かっているんだろうか。
ここに来てからまだ1時間しか経っていないが、まだ、という言葉とは対照的に、疑問は秒単位で増えていく一方だ。

はぁ…災難だ。

… おっと、少年の足が止まったようだ。

？「ついたよ！」
そういう彼の目の前には、
神城「一軒家？」
があった。

？「ほら、入って入って！」
というなり、彼はドアを開け、靴を脱ぎ、階段を上り2階に向かっていく。
取り残された僕も、とりあえず彼に見習い、2階に向かう。
2階にも、まあ当然だが、部屋があった。たった1室だけだったが。
どうやら、この部屋がこの子の目的地だったようだ。

？「連れてきたよー！ほら入って！」

神城「お、お邪魔しまーす」

部屋は当然のごとく、白黒だった。
質素な部屋を、殺風景、と表すが、どちらかというならば、家具が背景に溶け込んでいる、といった印象だ。

そんな、どこか物足りない部屋の中央には1人の女性が立っていた。
全てが白黒のこの部屋、いや、この世界において、その女性の美しい赤髪は際立って目立っていた。

かなた「初めまして。私はかなた。」

神城「 え、あ…初めまして、神城 蓮です…」

かなた 「そう。それじゃあ、蓮くん。世界を救ってみない？」

神城「……は？」


おまけ
-神城 蓮の家庭事情-
神城 蓮には2人の兄妹がいます。

1人は神城 新（しん）
男の子で、中学2年生です。

もう1人は神城 霊奈（れな）
女の子で、小学6年生です。

この2人は後々、ストーリーに出てくるかも…
両親は他界していて、3人暮らしです。


次回 第02話 「帰るために」お楽しみに！