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メイドさん、戦うですの 作:エスカル
先攻は不破君からだ。
このデュエルで近いうちに実施される新しいルールでデュエルすることになるらしいけど、どうやって動くだろう?
「俺のターン、ドロー。俺はモンスターセット。カードを1枚伏せてターンエンド」
不破 修輔 LP8000
モンスターゾーン セット1体
魔法・罠カードゾーン セット1枚
手札3枚
「静かな出だしですの」
ラドちゃんの言うとおりだ。
どうやらペンデュラムモンスターが満足に手札に揃ってなかったみたいだ。
そしてラドちゃんのターンが始まる。
「ラドリーのターンですの。ドローですの」
ラドちゃんがカードを引き、手札を見る。
ん、尻尾がぱたぱたと振られてる。
か、可愛い。
おっといけない、抱きつきたい気持ちはあるけども、うかつに尻尾に近づいてさっきみたく尻尾でスカートをめくられたらたまらない。
不破君がいないなら別に構わないけども、さすがに不破君に何度もパンツを見られるのは恥ずかしい。
「これは幸先がいいですの。私を召喚するですの」
ラドちゃんがノリノリでデュエルディスクに『ドラゴンメイド・ラドリー』のカードをおき、ふんすふんすとしてるラドちゃんが場に現れる。
「そして私の効果を使いますの。デッキの上から3枚を墓地へ送りますの」
ラドちゃんがデッキの上から3枚を墓地へ送る。
そして尻尾がさっきよりもパタパタとせわしなく動く。
「どうやらいい落ちをしたみたいだな」
「そうですの。そしてこのままバトルフェイズに入るですの。ラドリーはこの瞬間に墓地へと送られたドラゴン態の私に変身するですの」
場のラドちゃんが渦巻きに包まれ、その渦巻きの中から東洋の青き龍……『ドラゴンメイド・フルス』が飛び出していく。
そして予想していた通りラドちゃんのデッキはドラゴンメイドだ。
これは他のドラゴンメイドの子たちも見られるのでは?
胸の高ぶりを抑えろ、私、こらえるんだ。
「そしてそのままフルスで攻撃ですの」
フルちゃんから水流ブレスが放たれ、伏せられていたドラゴディウスが水によってEXデッキへと流されていく。
「破壊されたドラゴディウスはエンドフェイズにサーチが確定する」
「む、サーチ効果もちでしたのね。ならバトルフェイズ終了時、手札に私を戻して仮の姿の私を守備表示で特殊召喚しますの。私はカードを1枚伏せてターンエンドですの」
「エンドフェイズに俺は『EM ドクロバット・ジョーカー』を手札に加える」
ラドリー LP8000
モンスターゾーン ドラゴンメイド・ラドリー
魔法・罠カードゾーン セット1枚
手札5枚
「俺のターン、ドロー。俺は『EM ドクロバット・ジョーカー』を召喚。その効果でデッキから『慧眼の魔術師』を手札に加える」
あれ、不破君、サモンとかエフェクトとか言わないんだ。
ノリノリで言ってるあの姿も好きだったんだけど。
「ありゃちょっとでもお調子者らしく見せて悩みなんて何もなさそうだなって見せかけるためのブラフだ。愛流さんに知られたからもう演技は終わりってこと」
あ、そうだったんだ。
あの軽いノリも別に悪くはなかったんだけどなぁ。
「ペンデュラムスケール5の『慧眼の魔術師』とペンデュラムスケール1の『紫毒の魔術師』を発動し『慧眼の魔術師』のペンデュラム効果。デッキから『虹彩の魔術師』に張り替える。そしてP召喚だ。手札より出でよ『調弦の魔術師』! EXデッキより蘇れ『魔装戦士ドラゴディウス』!」
出てきたのは大きな音叉を持つ女の子と時計の針を模した剣を持つ男の子、そしてドラゴンの意匠を持つ鎧を着る白き戦士。
「一気に3体も並んだですの」
「驚くのはまだ時期尚早。調弦の効果でデッキから『黒牙の魔術師』を守備表示で特殊召喚する」
音叉に導かれマッスルな魔法使いも現れた。
「そして俺は調弦と黒牙、LV4の2体でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚『星刻の魔術師』だ!」
そうか。
もうEXモンスターゾーンに出さなくていいからエクシーズは出来るんだね。
これはなかなかいいルール変更だ。
「星刻の効果でデッキから『黒牙の魔術師』を手札に加えて虹彩のペンデュラム効果発動。星刻に効果を付与し、破壊された虹彩の効果でデッキから『星霜のペンデュラムグラフ』を手札に加える。そしてこのままバトルフェイズ」
「バトルフェイズに入った瞬間に私を変身させるですの」
ラドリーが再び渦巻きに飲み込まれ、フルスへと変身を遂げる。
何度見てもあの変身はいいものだ。
「『星刻の魔術師』で『ドラゴンメイド・フルス』に攻撃」
「星刻は2400、私のドラゴン態2600には届かないですのよ?」
「そこで紫毒のペンデュラム効果だ。ダメージ計算前に攻撃力を1200アップさせる」
紫毒が手にしたムチがフルちゃんの体を絡みつけさせ、動きを封じ込める。
な、なんてうらやま……けしからんことを!
そして動きが封じられている間に星刻の闇魔法を受け、フルスが消えて入った。
星刻の魔術師 ATK3600 VS ドラゴンメイド・フルス ATK2600
「あうう」
ラドリー LP8000→7000
「本来なら紫毒はP効果を使えば破壊されるが星刻の効果でデッキから『慧眼の魔術師』を墓地へ送ることでPカードは破壊を免れる」
「便利な効果ですの」
「そして『EM ドクロバット・ジョーカー』でダイレクトアタック!」
ドクロバットがラドちゃんに向かっていく。
「残念ですけど、それは防ぎますの! 『波紋のバリア-ウェーブフォース-』! 相手がダイレクトアタックをしてきたときに発動するですの。相手の攻撃表示モンスターをすべてデッキに戻しますの」
「んなっ!」
水のドラゴンメイドらしい防御札だ……ん?
「うぅ~はぁ~ですの!」
ラドちゃんがぎゅーっと手に力を込め、思いっきり天高く掲げた。
その瞬間ラドちゃんの前に水のバリアが張られ、ドクロバットがそれを蹴った瞬間水が溢れ出す。
星刻もドラゴディウスもドクロバットもあふれ出す水から逃げ出すことが出来ず、デッキへ戻されていった。
「ふぅ、うまくいったですの」
「ねぇラドちゃん今の何?」
「気合を入れるときのポーズですの。全力で水を使うときはああするですの」
……可愛い。
ラドちゃんを後ろから抱きしめ、頭を撫でる。
「愛流お嬢様、うれしいけど今はデュエル中ですの」
ラドちゃんにそういわれたのならしょうがない。
名残惜しいが離れるとしよう。
「まさかデュエル中でも抱きしめてくるなんて」
「安心しろ、あれでもまだデュエル中の奇行とは程遠い」
「そうなんですの?」
うっ……それを言われると痛い。
「メイン2、俺はこのままターンエンド」
不破 修輔 LP8000
魔法・罠カード セット1枚 紫毒の魔術師
手札5枚
「私のターンですの、ドロー」
さっき、不破君は相手のセットを警戒して展開を抑え目にしていた。
その結果、攻撃反応にしてやられモンスターを失った。
しかも破壊ではなくデッキに戻されたわけだからEXデッキにモンスターがたまっているわけではない。
結構不利にはなってしまったけど、ラドちゃんはここから攻勢に出るはず。
さぁ、不破君もラドちゃんもどうするんだろ?
「私はティルル先輩を召喚するですの」
赤髪ロング、そして立派な尻尾と角を持つドラゴンメイドちゃん!
ああ、巣晴らしい。
その美貌を引き立たせるのはやはりロングな髪の毛。
しかもお客様の目の前に立つ仕事だから背格好がびしっとしてる。
一切の隙すら感じさせないその姿……同じ女でも惚れ惚れしちゃうよ。
「ティルル先輩の効果発動ですの。デッキから『ドラゴンメイド・フランメ』を加えてそのまま墓地へ送るですの。そして魔法カード『復活の福音』を発動ですの。墓地から私のドラゴン態を直接特殊召喚するですの」
ティルルちゃんの前にフルスが降りてくる。
そしてそのフルスの頭を優しくティルルちゃんが撫でる。
「……後輩のメイドちゃんを思いやる心……てぇてぇ……」
ああ、尊き光景……
「そしてバトルフェイズですの。ティルル先輩も変身するですの」
ティルルが炎の渦に飲み込まれ、中から赤き西洋の龍、フランメが飛び出す。
これで炎と水、対極にある龍が並び立つ。
「……愛流お嬢様、なんでフランメ先輩とフルスの間に立って抱き寄せてるんですか?」
はっ、私は一体何を!
何も意識をさせず、2体のドラゴンを抱き寄させるとは……
これがドラゴンメイドの魅力が引き起こる魔力の力か。
「いや単に自重する気なかっただけでは」
「愛流お嬢様が場に立っていたら私たちが攻撃できないですの。申し訳ないけど攻撃ですの」
だが、ラドちゃんがお願いしてもフルスもティルルも動かない。
「あ、あれ? どうして動かないですの?」
「残念だが罠カード『威嚇する咆哮』を発動しておいた。これで相手は攻撃できない」
不破君の場の地面の下から何かうめき声が聞こえていた。
それを聞いたフルスがぷるぷる震えており、そしてフランメが彼女の背中を優しく撫でて安心させていた。
「よしよし、大丈夫だからね」
「愛流お嬢様、便乗してフルスの体を撫でないで欲しいですの。メイン2、『ドラゴンメイド・フランメ』だけ手札に戻して手札からティルル先輩を守備表示で特殊召喚ですの。そしてカードを2枚伏せてターンエンドですの」
膝を突き、ぺこりと頭を下げた状態でラドちゃんに場にティルルが降り立つ。
そんな彼女の頭を撫でると、ティルルちゃんがきょとんとした顔で私を見てきた。
まあどうして人間の私がモンスターゾーンにいるんだって話になるわよねそりゃ。
ラドリー LP7000
モンスターゾーン ドラゴンメイド・フルス ドラゴンメイド・ティルル 愛流
「いや愛流お嬢様は確かにモンスターゾーンにいますけどモンスターじゃないですの。とりあえず場から離れて欲しいですの」
ラドちゃんにたしなめられ私はそそくさと場を離れる。
うう、せっかくの理想郷から離れなきゃいけないのが辛い。
魔法・罠カードゾーン セット2枚
手札3枚
手札こそ3枚あるけども、そのうち2枚はラドちゃんとフランメだということは確定している。
不破君がセットカードがあったときに動くのを躊躇ったからセットしてけん制しようというのだろうか。
「俺のターン、ドロー。俺は『星霜のペンデュラムグラフ』を発動してペンデュラムスケール8の『黒牙の魔術師』をセッティング。そして黒牙のペンデュラム効果発動。相手モンスターの攻撃力を半分にしてこのカードを破壊する」
黒牙の魔術師がペンデュラムゾーンから槍を投げ、フルスちゃんの足元に突き刺す。
フルスちゃんはびっくりしたのか体が震えており、攻撃力がそれで下がってしまっていた。
ドラゴンメイド・フルス ATK2600→1300
「フィールドからペンデュラムの魔術師が離れたことでデッキから『魔術師』と名のつくペンデュラムモンスター1体が手札に加わり、黒牙が破壊されたら墓地から闇属性・魔法使い族が特殊召喚される効果が発動し、それにチェーンして手札の『アストログラフ・マジシャン』の効果を発動する」
えっと、つまり。
「何もチェーンがなければ『アストログラフ・マジシャン』を特殊召喚する」
不破君の場にアストログラフ・マジシャンが降り立つ。
そしてその手には『黒牙の魔術師』が存在しており、それを不破君が受け取る。
「そして墓地から『調弦の魔術師』が特殊召喚され、デッキから『慧眼の魔術師』が手札に加わる」
「攻撃力2500の魔法使いさんを特殊召喚して、その上で2枚の魔術師モンスターを手札に加えたですの」
「俺は『調弦の魔術師』と『アストログラフ・マジシャン』の2体をリンクマーカーにセット。リンク召喚。出でよ『ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム』!」
不破君の展開の要のリンクモンスターが出てきた。
ペンデュラムモンスターはEXデッキからでも、まだEXモンスターゾーンにしか特殊召喚できないからまだリンクモンスターの需要は大きい。
「そうはいかないですの。カウンター罠カード『神の通告』を発動するですの。エレクトラムの特殊召喚は封じますの」
ラドちゃんが手を掲げると雨が降り始め、ごろごろと雷が鳴る。
ラドちゃんは洗濯担当のメイドなのは分かってるけど、水の力を操る能力でここまで出来るなんて。
エレクトラムが天から降ってきた雷に命中し、そのまま不破君の場から消滅していく。
「ラドリーのLPはこれで5500になりましたが、展開の要は封じましたですの」
ラドちゃんが得意げにドヤ顔してる。
(神の通告は確かに強力なカウンター罠カード。だけどもそれならペンデュラム召喚に発動して無効にすればよっぽど展開を封じることが出来たはず。ならあの1枚も『神の』シリーズのカウンター罠カードか、それとも特殊召喚をトリガーとするカードか。ならば)
「俺は最後の黒牙をペンデュラムゾーンにセッティングしてペンデュラム召喚。手札から出でよ『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』『紫毒の魔術師』そしてEXデッキより出でよ『黒牙の魔術師』」
不破君の場に一気に3体のモンスターが並ぶ。
しかもそのうち1体に『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』までいる。
「ペンデュラム召喚で展開しなおしたですの」
「そして俺は黒牙のペンデュラム効果をもう1度発動する。その効果でフルスの攻撃力を更に半減させ、黒牙が破壊されたことで墓地から黒牙を特殊召喚する」
不破君の場にこれでマッスルな魔術師が2体並んだ。
「そして俺は黒牙の魔術師と紫毒の魔術師の2体をリリースして『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』を特殊召喚する」
次に来たのは緑色の線が入った毒竜。
怪しげな輝きが禍々しい見た目の毒竜と交じり合い、なんともいえない不気味さをかもし出している。
ドラゴンは元々悪魔の一種とすら呼ばれることもある存在。
不気味さはまさにドラゴンの魅力を引き出す要素といえるだろう。
「そして俺はスターヴ・ヴェノムの効果発動。墓地のエレクトラムの効果をコピーしてPゾーンの『星霜のペンデュラムグラフ』を対象として効果発動。このカードを破壊してEXデッキから『アストログラフ・マジシャン』を手札に加え、カードが破壊されたことでそのまま特殊召喚する」
アストログラフが再び場に降り立ち、赤き竜と紫の竜の間に立つ。
「そして俺は『慧眼の魔術師』を発動してペンデュラム効果発動。デッキから『賤竜の魔術師』を発動し、ペンデュラム効果でEXから黒牙の魔術師を手札に回収。そして俺は黒牙を召喚し、2体の黒牙の魔術師でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。出でよ『レイダース・ナイト』」
漆黒の馬に乗った騎士が現れ、いかにも西洋中世に出てきそうな騎士が姿を現す。
「レイダース・ナイトのオーバーレイユニットを1つ取り除き、このモンスターよりもランクが1つ上の『リベリオン』モンスター1体を重ね、エクシーズ召喚する!」
まさか自力でランクアップできるモンスター!?
「数多くの意思を重ね、立ちはだかる敵をなぎ払う反逆の力を見せよ! 『アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!」
ままままさかアーク・リベリオン!?
特徴的な顎に、翼に取り付けられた無数の筒。
これでエネルギーを吸収し一気に攻撃力を上げるドラゴン。
まさかこんなところでお目にかかれるなんて……ドラゴンメイドといい、ドラゴンがたくさん拝めて私は幸せだよ~。
「愛流さん、アーク・リベリオンに抱きついてる」
不破君がもはや諦めて呆れたようなツッコミをしちゃってる。
ああ、そんなつもりはなかったの。
「アーク・リベリオンはオーバーレイユニットを1つ使い、フィールド全てのモンスターの攻撃力をこのモンスターに集約させることが出来る。オッドアイズ、アストログラフ、スターヴ・ヴェノム、そしてティルル、そして弱体化したとはいえフルスの攻撃力を全て集約させる」
アーク・リベリオンの筒の中にモンスターたちから集められたエネルギーが入っていく。
合計8950攻撃力がアップして……攻撃力11950!?
こんな数値、機械族なら良く見るけどドラゴン族じゃなかなかお目にかかれない。
「そしてバトルフェイズ! 『ドラゴンメイド・フルス』に攻撃!」
アーク・リベリオンの筒から煙が噴出し、勢いよくフルスに向かって飛んでいく。
「確かにすごい攻撃力ですの。でも、それは私が攻撃表示のときにしかダメージは入らないですの。速攻魔法『ドラゴンメイドのお見送り』を発動するですの。『ドラゴンメイド・フルス』を手札に戻して手札から『ドラゴンメイド・フランメ』を守備表示で特殊召喚するですの」
ラドちゃんは守備表示で逃げの姿勢をとった。
でも。
「『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』が効果を使用したターン、俺の場のモンスターは全て貫通効果を得ている。当然アーク・リベリオンも貫通効果を得ている」
「そんな、嘘、ですの!?」
フランメがラドちゃんを守るために、ラドちゃんの前に立ちはだかりアーク・リベリオンの突進を防いだ。
ルール上のLPでは敗北だけども、それでもデッキの主であるラドちゃんを守るのはまさにドラゴンメイドらしき忠誠心だ……
アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK11850 VS ドラゴンメイド・フランメ DEF1700
「あうう、ラドリーの負けですの」
ラドリー LP5500→0
気が付いたとき、いつの間にか私たち3人は不破君の家の居間に戻ってきていた。
「まさかあんな高い攻撃力のモンスターを出されるなんて、びっくりしたですの。神の通告の発動タイミングをペンデュラム召喚のときにするべきでしたの」
「まあそのタイミングが適切だったかもしれないけど。相手の予想外の動きで磐石だと思っていた場をひっくり返されることもあるんだから。それだからデュエルは面白いんだよ」
不破君がしょんぼりしていたラドちゃんの頭をよしよしと撫でて慰めてる。
ああ、ずるい。
それは私の役目!
「それにエネルギーも黒ブレスレットにも溜まったしな。いいデュエルが出来て楽しかったよ。それよりも、そろそろ夜になるだろうから早く帰ったほうがいいよ」
あ、もう夕方6時!?
早く帰らないとお母さんが心配しちゃうや。
「ラドリーちゃん、愛流さんをちゃんとお守りするんだよ」
「はいですの! ドラゴンメイドの名にかけて、今度こそお守りしてみせますの!」
ラドちゃんがびしっとポーズを取る……可愛いなぁ。
っていうか今日はなんど可愛いという感想を抱いたか分からないや。
それにしても、班対抗戦に不破君の変身に異次元の存在にラドちゃんとの出会い。
そして何より、今日1日だけでさまざまなドラゴンモンスターと出会い、抱きつくことが出来て大満足。
この1日だけでもうお腹いっぱいになるぐらいの未知の経験をしちゃった。
「じゃ、また明日ね不破君」
「おう、また明日」
不破君に手を振られて見送られ、私とラドちゃんは帰路に着いた。
このデュエルで近いうちに実施される新しいルールでデュエルすることになるらしいけど、どうやって動くだろう?
「俺のターン、ドロー。俺はモンスターセット。カードを1枚伏せてターンエンド」
不破 修輔 LP8000
モンスターゾーン セット1体
魔法・罠カードゾーン セット1枚
手札3枚
「静かな出だしですの」
ラドちゃんの言うとおりだ。
どうやらペンデュラムモンスターが満足に手札に揃ってなかったみたいだ。
そしてラドちゃんのターンが始まる。
「ラドリーのターンですの。ドローですの」
ラドちゃんがカードを引き、手札を見る。
ん、尻尾がぱたぱたと振られてる。
か、可愛い。
おっといけない、抱きつきたい気持ちはあるけども、うかつに尻尾に近づいてさっきみたく尻尾でスカートをめくられたらたまらない。
不破君がいないなら別に構わないけども、さすがに不破君に何度もパンツを見られるのは恥ずかしい。
「これは幸先がいいですの。私を召喚するですの」
ラドちゃんがノリノリでデュエルディスクに『ドラゴンメイド・ラドリー』のカードをおき、ふんすふんすとしてるラドちゃんが場に現れる。
「そして私の効果を使いますの。デッキの上から3枚を墓地へ送りますの」
ラドちゃんがデッキの上から3枚を墓地へ送る。
そして尻尾がさっきよりもパタパタとせわしなく動く。
「どうやらいい落ちをしたみたいだな」
「そうですの。そしてこのままバトルフェイズに入るですの。ラドリーはこの瞬間に墓地へと送られたドラゴン態の私に変身するですの」
場のラドちゃんが渦巻きに包まれ、その渦巻きの中から東洋の青き龍……『ドラゴンメイド・フルス』が飛び出していく。
そして予想していた通りラドちゃんのデッキはドラゴンメイドだ。
これは他のドラゴンメイドの子たちも見られるのでは?
胸の高ぶりを抑えろ、私、こらえるんだ。
「そしてそのままフルスで攻撃ですの」
フルちゃんから水流ブレスが放たれ、伏せられていたドラゴディウスが水によってEXデッキへと流されていく。
「破壊されたドラゴディウスはエンドフェイズにサーチが確定する」
「む、サーチ効果もちでしたのね。ならバトルフェイズ終了時、手札に私を戻して仮の姿の私を守備表示で特殊召喚しますの。私はカードを1枚伏せてターンエンドですの」
「エンドフェイズに俺は『EM ドクロバット・ジョーカー』を手札に加える」
ラドリー LP8000
モンスターゾーン ドラゴンメイド・ラドリー
魔法・罠カードゾーン セット1枚
手札5枚
「俺のターン、ドロー。俺は『EM ドクロバット・ジョーカー』を召喚。その効果でデッキから『慧眼の魔術師』を手札に加える」
あれ、不破君、サモンとかエフェクトとか言わないんだ。
ノリノリで言ってるあの姿も好きだったんだけど。
「ありゃちょっとでもお調子者らしく見せて悩みなんて何もなさそうだなって見せかけるためのブラフだ。愛流さんに知られたからもう演技は終わりってこと」
あ、そうだったんだ。
あの軽いノリも別に悪くはなかったんだけどなぁ。
「ペンデュラムスケール5の『慧眼の魔術師』とペンデュラムスケール1の『紫毒の魔術師』を発動し『慧眼の魔術師』のペンデュラム効果。デッキから『虹彩の魔術師』に張り替える。そしてP召喚だ。手札より出でよ『調弦の魔術師』! EXデッキより蘇れ『魔装戦士ドラゴディウス』!」
出てきたのは大きな音叉を持つ女の子と時計の針を模した剣を持つ男の子、そしてドラゴンの意匠を持つ鎧を着る白き戦士。
「一気に3体も並んだですの」
「驚くのはまだ時期尚早。調弦の効果でデッキから『黒牙の魔術師』を守備表示で特殊召喚する」
音叉に導かれマッスルな魔法使いも現れた。
「そして俺は調弦と黒牙、LV4の2体でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚『星刻の魔術師』だ!」
そうか。
もうEXモンスターゾーンに出さなくていいからエクシーズは出来るんだね。
これはなかなかいいルール変更だ。
「星刻の効果でデッキから『黒牙の魔術師』を手札に加えて虹彩のペンデュラム効果発動。星刻に効果を付与し、破壊された虹彩の効果でデッキから『星霜のペンデュラムグラフ』を手札に加える。そしてこのままバトルフェイズ」
「バトルフェイズに入った瞬間に私を変身させるですの」
ラドリーが再び渦巻きに飲み込まれ、フルスへと変身を遂げる。
何度見てもあの変身はいいものだ。
「『星刻の魔術師』で『ドラゴンメイド・フルス』に攻撃」
「星刻は2400、私のドラゴン態2600には届かないですのよ?」
「そこで紫毒のペンデュラム効果だ。ダメージ計算前に攻撃力を1200アップさせる」
紫毒が手にしたムチがフルちゃんの体を絡みつけさせ、動きを封じ込める。
な、なんてうらやま……けしからんことを!
そして動きが封じられている間に星刻の闇魔法を受け、フルスが消えて入った。
星刻の魔術師 ATK3600 VS ドラゴンメイド・フルス ATK2600
「あうう」
ラドリー LP8000→7000
「本来なら紫毒はP効果を使えば破壊されるが星刻の効果でデッキから『慧眼の魔術師』を墓地へ送ることでPカードは破壊を免れる」
「便利な効果ですの」
「そして『EM ドクロバット・ジョーカー』でダイレクトアタック!」
ドクロバットがラドちゃんに向かっていく。
「残念ですけど、それは防ぎますの! 『波紋のバリア-ウェーブフォース-』! 相手がダイレクトアタックをしてきたときに発動するですの。相手の攻撃表示モンスターをすべてデッキに戻しますの」
「んなっ!」
水のドラゴンメイドらしい防御札だ……ん?
「うぅ~はぁ~ですの!」
ラドちゃんがぎゅーっと手に力を込め、思いっきり天高く掲げた。
その瞬間ラドちゃんの前に水のバリアが張られ、ドクロバットがそれを蹴った瞬間水が溢れ出す。
星刻もドラゴディウスもドクロバットもあふれ出す水から逃げ出すことが出来ず、デッキへ戻されていった。
「ふぅ、うまくいったですの」
「ねぇラドちゃん今の何?」
「気合を入れるときのポーズですの。全力で水を使うときはああするですの」
……可愛い。
ラドちゃんを後ろから抱きしめ、頭を撫でる。
「愛流お嬢様、うれしいけど今はデュエル中ですの」
ラドちゃんにそういわれたのならしょうがない。
名残惜しいが離れるとしよう。
「まさかデュエル中でも抱きしめてくるなんて」
「安心しろ、あれでもまだデュエル中の奇行とは程遠い」
「そうなんですの?」
うっ……それを言われると痛い。
「メイン2、俺はこのままターンエンド」
不破 修輔 LP8000
魔法・罠カード セット1枚 紫毒の魔術師
手札5枚
「私のターンですの、ドロー」
さっき、不破君は相手のセットを警戒して展開を抑え目にしていた。
その結果、攻撃反応にしてやられモンスターを失った。
しかも破壊ではなくデッキに戻されたわけだからEXデッキにモンスターがたまっているわけではない。
結構不利にはなってしまったけど、ラドちゃんはここから攻勢に出るはず。
さぁ、不破君もラドちゃんもどうするんだろ?
「私はティルル先輩を召喚するですの」
赤髪ロング、そして立派な尻尾と角を持つドラゴンメイドちゃん!
ああ、巣晴らしい。
その美貌を引き立たせるのはやはりロングな髪の毛。
しかもお客様の目の前に立つ仕事だから背格好がびしっとしてる。
一切の隙すら感じさせないその姿……同じ女でも惚れ惚れしちゃうよ。
「ティルル先輩の効果発動ですの。デッキから『ドラゴンメイド・フランメ』を加えてそのまま墓地へ送るですの。そして魔法カード『復活の福音』を発動ですの。墓地から私のドラゴン態を直接特殊召喚するですの」
ティルルちゃんの前にフルスが降りてくる。
そしてそのフルスの頭を優しくティルルちゃんが撫でる。
「……後輩のメイドちゃんを思いやる心……てぇてぇ……」
ああ、尊き光景……
「そしてバトルフェイズですの。ティルル先輩も変身するですの」
ティルルが炎の渦に飲み込まれ、中から赤き西洋の龍、フランメが飛び出す。
これで炎と水、対極にある龍が並び立つ。
「……愛流お嬢様、なんでフランメ先輩とフルスの間に立って抱き寄せてるんですか?」
はっ、私は一体何を!
何も意識をさせず、2体のドラゴンを抱き寄させるとは……
これがドラゴンメイドの魅力が引き起こる魔力の力か。
「いや単に自重する気なかっただけでは」
「愛流お嬢様が場に立っていたら私たちが攻撃できないですの。申し訳ないけど攻撃ですの」
だが、ラドちゃんがお願いしてもフルスもティルルも動かない。
「あ、あれ? どうして動かないですの?」
「残念だが罠カード『威嚇する咆哮』を発動しておいた。これで相手は攻撃できない」
不破君の場の地面の下から何かうめき声が聞こえていた。
それを聞いたフルスがぷるぷる震えており、そしてフランメが彼女の背中を優しく撫でて安心させていた。
「よしよし、大丈夫だからね」
「愛流お嬢様、便乗してフルスの体を撫でないで欲しいですの。メイン2、『ドラゴンメイド・フランメ』だけ手札に戻して手札からティルル先輩を守備表示で特殊召喚ですの。そしてカードを2枚伏せてターンエンドですの」
膝を突き、ぺこりと頭を下げた状態でラドちゃんに場にティルルが降り立つ。
そんな彼女の頭を撫でると、ティルルちゃんがきょとんとした顔で私を見てきた。
まあどうして人間の私がモンスターゾーンにいるんだって話になるわよねそりゃ。
ラドリー LP7000
モンスターゾーン ドラゴンメイド・フルス ドラゴンメイド・ティルル 愛流
「いや愛流お嬢様は確かにモンスターゾーンにいますけどモンスターじゃないですの。とりあえず場から離れて欲しいですの」
ラドちゃんにたしなめられ私はそそくさと場を離れる。
うう、せっかくの理想郷から離れなきゃいけないのが辛い。
魔法・罠カードゾーン セット2枚
手札3枚
手札こそ3枚あるけども、そのうち2枚はラドちゃんとフランメだということは確定している。
不破君がセットカードがあったときに動くのを躊躇ったからセットしてけん制しようというのだろうか。
「俺のターン、ドロー。俺は『星霜のペンデュラムグラフ』を発動してペンデュラムスケール8の『黒牙の魔術師』をセッティング。そして黒牙のペンデュラム効果発動。相手モンスターの攻撃力を半分にしてこのカードを破壊する」
黒牙の魔術師がペンデュラムゾーンから槍を投げ、フルスちゃんの足元に突き刺す。
フルスちゃんはびっくりしたのか体が震えており、攻撃力がそれで下がってしまっていた。
ドラゴンメイド・フルス ATK2600→1300
「フィールドからペンデュラムの魔術師が離れたことでデッキから『魔術師』と名のつくペンデュラムモンスター1体が手札に加わり、黒牙が破壊されたら墓地から闇属性・魔法使い族が特殊召喚される効果が発動し、それにチェーンして手札の『アストログラフ・マジシャン』の効果を発動する」
えっと、つまり。
「何もチェーンがなければ『アストログラフ・マジシャン』を特殊召喚する」
不破君の場にアストログラフ・マジシャンが降り立つ。
そしてその手には『黒牙の魔術師』が存在しており、それを不破君が受け取る。
「そして墓地から『調弦の魔術師』が特殊召喚され、デッキから『慧眼の魔術師』が手札に加わる」
「攻撃力2500の魔法使いさんを特殊召喚して、その上で2枚の魔術師モンスターを手札に加えたですの」
「俺は『調弦の魔術師』と『アストログラフ・マジシャン』の2体をリンクマーカーにセット。リンク召喚。出でよ『ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム』!」
不破君の展開の要のリンクモンスターが出てきた。
ペンデュラムモンスターはEXデッキからでも、まだEXモンスターゾーンにしか特殊召喚できないからまだリンクモンスターの需要は大きい。
「そうはいかないですの。カウンター罠カード『神の通告』を発動するですの。エレクトラムの特殊召喚は封じますの」
ラドちゃんが手を掲げると雨が降り始め、ごろごろと雷が鳴る。
ラドちゃんは洗濯担当のメイドなのは分かってるけど、水の力を操る能力でここまで出来るなんて。
エレクトラムが天から降ってきた雷に命中し、そのまま不破君の場から消滅していく。
「ラドリーのLPはこれで5500になりましたが、展開の要は封じましたですの」
ラドちゃんが得意げにドヤ顔してる。
(神の通告は確かに強力なカウンター罠カード。だけどもそれならペンデュラム召喚に発動して無効にすればよっぽど展開を封じることが出来たはず。ならあの1枚も『神の』シリーズのカウンター罠カードか、それとも特殊召喚をトリガーとするカードか。ならば)
「俺は最後の黒牙をペンデュラムゾーンにセッティングしてペンデュラム召喚。手札から出でよ『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』『紫毒の魔術師』そしてEXデッキより出でよ『黒牙の魔術師』」
不破君の場に一気に3体のモンスターが並ぶ。
しかもそのうち1体に『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』までいる。
「ペンデュラム召喚で展開しなおしたですの」
「そして俺は黒牙のペンデュラム効果をもう1度発動する。その効果でフルスの攻撃力を更に半減させ、黒牙が破壊されたことで墓地から黒牙を特殊召喚する」
不破君の場にこれでマッスルな魔術師が2体並んだ。
「そして俺は黒牙の魔術師と紫毒の魔術師の2体をリリースして『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』を特殊召喚する」
次に来たのは緑色の線が入った毒竜。
怪しげな輝きが禍々しい見た目の毒竜と交じり合い、なんともいえない不気味さをかもし出している。
ドラゴンは元々悪魔の一種とすら呼ばれることもある存在。
不気味さはまさにドラゴンの魅力を引き出す要素といえるだろう。
「そして俺はスターヴ・ヴェノムの効果発動。墓地のエレクトラムの効果をコピーしてPゾーンの『星霜のペンデュラムグラフ』を対象として効果発動。このカードを破壊してEXデッキから『アストログラフ・マジシャン』を手札に加え、カードが破壊されたことでそのまま特殊召喚する」
アストログラフが再び場に降り立ち、赤き竜と紫の竜の間に立つ。
「そして俺は『慧眼の魔術師』を発動してペンデュラム効果発動。デッキから『賤竜の魔術師』を発動し、ペンデュラム効果でEXから黒牙の魔術師を手札に回収。そして俺は黒牙を召喚し、2体の黒牙の魔術師でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。出でよ『レイダース・ナイト』」
漆黒の馬に乗った騎士が現れ、いかにも西洋中世に出てきそうな騎士が姿を現す。
「レイダース・ナイトのオーバーレイユニットを1つ取り除き、このモンスターよりもランクが1つ上の『リベリオン』モンスター1体を重ね、エクシーズ召喚する!」
まさか自力でランクアップできるモンスター!?
「数多くの意思を重ね、立ちはだかる敵をなぎ払う反逆の力を見せよ! 『アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!」
ままままさかアーク・リベリオン!?
特徴的な顎に、翼に取り付けられた無数の筒。
これでエネルギーを吸収し一気に攻撃力を上げるドラゴン。
まさかこんなところでお目にかかれるなんて……ドラゴンメイドといい、ドラゴンがたくさん拝めて私は幸せだよ~。
「愛流さん、アーク・リベリオンに抱きついてる」
不破君がもはや諦めて呆れたようなツッコミをしちゃってる。
ああ、そんなつもりはなかったの。
「アーク・リベリオンはオーバーレイユニットを1つ使い、フィールド全てのモンスターの攻撃力をこのモンスターに集約させることが出来る。オッドアイズ、アストログラフ、スターヴ・ヴェノム、そしてティルル、そして弱体化したとはいえフルスの攻撃力を全て集約させる」
アーク・リベリオンの筒の中にモンスターたちから集められたエネルギーが入っていく。
合計8950攻撃力がアップして……攻撃力11950!?
こんな数値、機械族なら良く見るけどドラゴン族じゃなかなかお目にかかれない。
「そしてバトルフェイズ! 『ドラゴンメイド・フルス』に攻撃!」
アーク・リベリオンの筒から煙が噴出し、勢いよくフルスに向かって飛んでいく。
「確かにすごい攻撃力ですの。でも、それは私が攻撃表示のときにしかダメージは入らないですの。速攻魔法『ドラゴンメイドのお見送り』を発動するですの。『ドラゴンメイド・フルス』を手札に戻して手札から『ドラゴンメイド・フランメ』を守備表示で特殊召喚するですの」
ラドちゃんは守備表示で逃げの姿勢をとった。
でも。
「『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』が効果を使用したターン、俺の場のモンスターは全て貫通効果を得ている。当然アーク・リベリオンも貫通効果を得ている」
「そんな、嘘、ですの!?」
フランメがラドちゃんを守るために、ラドちゃんの前に立ちはだかりアーク・リベリオンの突進を防いだ。
ルール上のLPでは敗北だけども、それでもデッキの主であるラドちゃんを守るのはまさにドラゴンメイドらしき忠誠心だ……
アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ATK11850 VS ドラゴンメイド・フランメ DEF1700
「あうう、ラドリーの負けですの」
ラドリー LP5500→0
気が付いたとき、いつの間にか私たち3人は不破君の家の居間に戻ってきていた。
「まさかあんな高い攻撃力のモンスターを出されるなんて、びっくりしたですの。神の通告の発動タイミングをペンデュラム召喚のときにするべきでしたの」
「まあそのタイミングが適切だったかもしれないけど。相手の予想外の動きで磐石だと思っていた場をひっくり返されることもあるんだから。それだからデュエルは面白いんだよ」
不破君がしょんぼりしていたラドちゃんの頭をよしよしと撫でて慰めてる。
ああ、ずるい。
それは私の役目!
「それにエネルギーも黒ブレスレットにも溜まったしな。いいデュエルが出来て楽しかったよ。それよりも、そろそろ夜になるだろうから早く帰ったほうがいいよ」
あ、もう夕方6時!?
早く帰らないとお母さんが心配しちゃうや。
「ラドリーちゃん、愛流さんをちゃんとお守りするんだよ」
「はいですの! ドラゴンメイドの名にかけて、今度こそお守りしてみせますの!」
ラドちゃんがびしっとポーズを取る……可愛いなぁ。
っていうか今日はなんど可愛いという感想を抱いたか分からないや。
それにしても、班対抗戦に不破君の変身に異次元の存在にラドちゃんとの出会い。
そして何より、今日1日だけでさまざまなドラゴンモンスターと出会い、抱きつくことが出来て大満足。
この1日だけでもうお腹いっぱいになるぐらいの未知の経験をしちゃった。
「じゃ、また明日ね不破君」
「おう、また明日」
不破君に手を振られて見送られ、私とラドちゃんは帰路に着いた。
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