第3話「戦慄の機甲部隊」　作：MTGからの刺客

「来たな『決闘姫』、そして姫のカードに宿りし精霊。俺の名前はジャック・デイビス。絶対に来ると思っていた。」

「まぁね、申し込まれた決闘は受けて立つのがあたしの流儀だから。」

埠頭で待っていたのは青い瞳の男性で、既にデュエルディスクを起動させていた。
少しも遊華がこないなどと思っておらず、確信を持った表情をしている。そして、遊華の『精霊』を知っていた、信じていた。

「貴女を追い続けて、ようやく貴女に合い間見えた。決闘姫、貴女を倒させて貰う。俺の全力をぶつけて貴女を倒し、俺は『決闘王』を目指す。」

「上等よ、これから先は決闘で語ろうか。それが決闘者でしょ？」

「あぁ、そうだな。行くぜ･･･」

『決闘開始！！』

遊華 LP8000
ジャックLP8000

「先行は俺が貰う！ドロー！俺は手札から《マシンナーズ・スナイパー》を召喚！」

《マシンナーズ・スナイパー》
LV4 地・機械族 ATK1800

「《マシンナーズ・スナイパー》･･･『マシンナーズ』機械族デッキか！」

「その通り！だが、まだこれからだ！俺は手札から魔法カード《マシンナーズ・デルタ・フォーメーション》を発動！」


《マシンナーズ・デルタ・フォーメーション》
魔法カード
・自分フィールド上に《マシンナーズ・ソルジャー》《マシンナーズ・スナイパー》《マシンナーズ・ディフェンダー》のいずれかが存在する場合のみ発動可能。デッキから自分フィールド上に存在する同名カード以外の《マシンナーズ・ソルジャー》《マシンナーズ・スナイパー》《マシンナーズ・ディフェンダー》をそれぞれ1体ずつ特殊召喚する。このカードを発動するターン、自分は「マシンナーズ」モンスター以外は特殊召喚出来ない。



「俺はこの効果で《マシンナーズ・ソルジャー》と《マシンナーズ・ディフェンダー》を特殊召喚する！」


《マシンナーズ・ソルジャー》
レベル4 地・機械族 ATK1600

《マシンナーズ・ディフェンダー》
レベル4 地・機械族 DEF1800

瞬時にジャックの場に3体の「マシンナーズ」モンスターが特殊召喚される。そして、それはあるカードの存在を示唆する。「マシンナーズ」の中でも《マシンナーズ・ソルジャー》《マシンナーズ・スナイパー》《マシンナーズ・ディフェンダー》の3体は特殊な存在だからだ。

「まさか･･･あるのか？」

「ああ･･･俺は手札から速攻魔法《マシンナーズ・コマンド》を発動！」


《マシンナーズ・コマンド》
速攻魔法
・デッキか手札から《督戦官コヴィントン》を1枚ゲームから除外して発動する。自分フィールド上の《マシンナーズ・ソルジャー》《マシンナーズ・スナイパー》《マシンナーズ・ディフェンダー》を墓地に送り、デッキか手札から《マシンナーズ・フォース》を召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効になる。


「な！？1ターン目から！？」

「そうだ！『ユニオンシステム作動、システムオールグリーン、トランスフォームOK、無敵の力を叩き付け我が敵を蹂躙しろ！現れよ、《マシンナーズ・フォース》！』」

《マシンナーズ・フォース》
レベル10 地・機械族 ATK4600

ジャックの場に降臨したのは機械族の中でも最上級の攻撃力を持つ巨人兵器《マシンナーズ・フォース》。その攻撃力は4600であり、大半のモンスターでは太刀打ち出来ない。しかも本来このカードが持つ「１０００ライフポイント払わなければ攻撃宣言をする事ができない。」と言うデメリットも魔法カード《マシンナーズ・コマンド》の効果で無効となった。4体のモンスターを使用するこのカードを、ジャックは1ターンで召喚したのだ。

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」


「あたしのターン！ドロー！」

しかし、遊華は恐れない。むしろ闘志はいっそう燃え、興奮に高ぶっていた。
決闘姫は相手が強敵である程、高ぶり、燃えるのだ。

「あたしは《姫騎士ユーチャリス》を召喚！」

《姫騎士ユーチャリス》
レベル1 光・天使族 チューナー ATK100
①このカードが召喚された時、デッキからレベル4以下の「姫騎士」と名の付いたモンスターを1体特殊召喚する。②このカードを手札から捨てて発動する。自分フィールド上の「姫騎士」と名の付いたモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力と守備力を500ポイントアップする。この効果は相手ターンでも発動出来る。

「ユウ！絶対勝つのよ！」

白い羽根と共に現れた青き瞳に水色の髪を持つ天子の羽根を広げる戦乙女は遊華に語りかける。遊華はいつでも独りじゃない。

「うん！あたしは《姫騎士ユーチャリス》の効果を発動！このカードが召喚された時、デッキからレベル4以下の「姫騎士」と名の付いたモンスターを1体特殊召喚する！来て、《姫騎士ヴァニラ》！」

「ヴァニラ、出番よ！」

「呼んだか、マスター。」

《姫騎士ヴァニラ》
レベル4 光・戦士族 ATK1600
①このカードをリリースして発動する、フィールド上の「姫騎士」を対象とする魔法・罠・モンスター効果を無効にし破壊する。②墓地のこのカードをゲームから除外して発動する、自分の墓地から「姫騎士」と名の付いたモンスターを1体特殊召喚する。「姫騎士ヴァニラ」のこの効果は1ターンに1度だけ発動出来る。


ユーチャリスの導きの元現れたのは切れ長の眼を持つ金髪を後ろでポニーテールにした騎士で、冷静な印象を与える。

「これが決闘姫の持つカードの精霊たち･･･場にチューナー、シンクロ召喚だな？」

「そう、あたしはレベル4の《姫騎士ヴァニラ》にレベル1の《姫騎士ユーチャリス》をチューニング！『疾風の如く天を駆ける姫君よ、その翼と共に運命を切り開け！シンクロ召喚、舞い上がれ！《聖姫騎士エーリカ》！』」

「あい～ユウちゃん、ボク頑張っちゃうよ？」

《聖姫騎士エーリカ》
レベル5 風・戦士族 ATK2200
①このカードは攻撃対象にできない。②このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

その推参は疾風の速さで、白い翼を織り成す槍を持つ聖騎士が降臨した。柔らかな雰囲気を持つ彼女はエーリカ、その態度とは裏腹に姫たちの中でも屈指の実力者だ。

「いくよ、あたしは《聖姫騎士エーリカ》の効果によって相手プレイヤーにダイレクトアタックを仕掛ける！『サンダーチャージ』！」

「ぐおっ･･･！」

遊華 LP8000
ジャック LP5800

雷光一閃の突撃（チャージ）でジャックに大ダメージを与える。エーリカはその効果で相手プレイヤーに直接攻撃出来るのだ。そして次のターン、もう1つの効果で《マシンナーズ・フォース》の鋼の拳から逃れられる。

「あたしはカードを2枚伏せてターンエンド。」


「俺のターン、ドロー！」

しかし、エーリカの効果には1つ穴がある。

「《聖姫騎士エーリカ》はその効果により、他にモンスターが存在しない場合その攻撃はプレイヤーへのダイレクトアタックとなる！行け、《マシンナーズ・フォース》！『ミッション・コンプリート』！」

そう、エーリカしか居ない場合、その攻撃の矛先はプレイヤーに剥くのだ。

「罠発動！《聖なるバリア・ミラーフォース》、この効果で攻撃モンスターを《マシンナーズ・フォース》破壊させてもらうよ！」

「そうはいかない、カウンター罠発動！《ディフェンシブ・マシンナーズ》！」

《ディフェンシブ・マシンナーズ》
カウンター罠
・モンスターの攻撃宣言時に相手プレイヤーがカードを破壊する効果を持つカードを発動したとき発動出来る。自分フィールド上の「マシンナーズ」モンスターはターン終了時までカードの効果で破壊されず、攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了する。

「くっ･･･かわされた。」

「俺は負けない、貴女を倒す。」

罠の打ち合いは両者引き分けとなり、お互いのフィールドには変化はない。

今のところ、LPに差はあれど、互角か･･･