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④:相手はカードの種類を宣言する。 作:szmt
ゴスロリ風の少女が笑う。大人を相手に、デュエルディスクを構えて。ジャラジャラと周りと鉄鎖の生き物たちが囲んでいるが、状況はその逆。彼女にそっくりな人形たちが少し前に出れば、鉄鎖の生き物たちは怯えたように一歩下がっている。
そう、状況は限りなく彼女のほうに傾いていた。
「それじゃ、おじさん。クイズの時間だよ!私のデッキの一番上のカード……なーんだ!」
「モッ、モンスターカード!モンスターカードだ!」
「それじゃ正解は……ざーんねーん!魔法カードでした!不正解だった人には罰ゲームでーす!」
けらけらと笑う少女の足元で、人形の影から手が伸びる。
「なっ、何故だ!テメェさっきデッキの一番上にモンスターを戻してただろ!」
「ミステリドル・メイキング……私がデッキトップを確認するなぞなぞを出したとき、答えになるカードをこのカードにするの。それじゃ、ばいばーい」
「あぁ……クソ!ああああ!」
吹き飛んだ男に見向きもせず、少女は鼻歌を歌いながら歩き出す。その姿は可憐で、先ほどまでの光景とはまるで似ても似つかない。
「あら、新しいお友達。リーダーたちにも教えてあげなきゃ!」
ふと足を止め、かがんで瓦礫を手で払う。煤けた人形だ。大事に手で取って抱えると、スキップでまた歩き始めた。
「おお!ユウシ!ちゃんとここについてたか!」
ガラッとドアが開くと同時に、大きな声が響く。カイが帰ってきた。それほど時間は経っていない。どうやら本当にあの状態から楽々と勝って帰ってきていたらしい。あの敵たちの実力はわからないが……2vs1で楽々勝てるのは確かにリーダーたる実力を持っているようだ。
「おかえりリーダー。それじゃあここで話すのもなんだ。本拠地に戻って説明をしよう。」
ハルがいう。すると、ピピピとタリアのデュエルディスクから音が鳴った。
「あ、ハル、ちょうどいい。クーも帰ってくるってさ。五人目の顔合わせにピッタリじゃないか。」
またもやカツカツと音を響かせながら、カンテラを持ったタリアに誘導される。
階段を登ったり降りたり、複雑な道をかなりの時間歩いた後、さっきまでいたところとは比較できない程広い地下室に出た。まず目に入ったのは、その部屋の広さよりも、「黒い」ゴスロリ服を着た少女だった。すわ敵襲か!?とデュエルディスクを構えるも、さっとにタリアに腕で制される。
「あ、リーダー!聞いて聞いて!私、何を見つけたでしょうか!」
見つけたゴスロリ少女がカイのほうに駆け寄ってきた。その目に敵意はなく、腕を下す。
「んー、なんだ。おニューなタイプのデュエルディスクとかか!?」
「ぶー、残念不正解!正解は、新しいお友達……って、あら?どなた?」
少女がこちらの方を見る。よくよく見れば、ユミと同じぐらいの年齢だろうか。友達になれるのかもしれない。
「俺はユウシ。カイに誘われてここに来た。よろしく。」
「ふーん?ユウシね。私はクーっていうの。ねえリーダー。本当にコイツを入れていいの?大丈夫?」
「んあ?まあ大丈夫だろ。何だったらアレだ、デュエルするか?」
「ああ、いいな。クーのデュエルの腕は俺とタリアより上だ。アンタの実力を見せてもらおう。」
「よし!じゃあユウシ、こっちに来てくれ。デュエルフィールドがある。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。クー……ちゃん?」「クーでいいよ。ちゃん付けしなくていい。」「クーはいいのか?それで。」
「ん?私はいいよ。せっかくリーダーが連れてきたのに弱かったら意味ないし。手加減無しで行くからね?」
「……わかった。カイ、案内してくれ。」
とんとん拍子で話が進んだが、向こうも乗り気なようだ。まだこのデッキを扱いきれているわけではないが…………この四人の中で二番目の実力というのなら、特訓相手としては十分だろう。手加減無しとは言うが、このデッキなら、きっと。そう思いながら、移動する。
「それじゃあ始めようか。先行はどうする?」
「いいよ。ユウシに譲ったげる。」
「よし!なら、デュエル開始だ!」
ユウシ LP4000
VS
クー LP4000
手札を見る。先行を貰ったはいいが、相手がどんなデッキかわからない状態で展開するのは正直怖い。が、やるしかない。
「……とりあえず俺は、復囚の伝えを発動。手札の復囚モンスター1体を破壊し、デッキから復囚モンスター1体を墓地へ送る。俺は復囚のフウを破壊し、デッキから復囚のデモを墓地へ送る。そして破壊された復囚のフウの効果を発動!レベル2の復囚モンスターを手札・墓地から特殊召喚し、このモンスターのレベル分攻撃力がアップする。俺は復囚の伝えの効果で墓地へ送った復囚のデモを特殊召喚!」
フィールドに怨念が出て、鬼が恨めしそうに倒れていく。だが、それでも前のほうへ手を伸ばす様は、ユミを求める自分のようで、モンスターの演出ながらその強い意志を内心称賛する。そうして倒れた後から、一回り小さな鬼がはい出てくる。そうだ、諦めない、そういうモンスターたちだ。
復囚のデモ ☆2 闇 悪魔族 ATK200→1400 DEF200 表攻
EFFECT
このカード名のカードの①の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードが戦闘・効果によって破壊された場合発動できる。デッキから「復囚」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「そしてフィールドの復囚のデモを破壊し、俺は手札から復囚のゲンを召喚する!手札を1枚伏せてターンエンド!」
復囚のゲン ☆8 闇 悪魔族 ATK2200 DEF200 表攻
EFFECT
このカード名のカードの②の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードを召喚する場合、モンスター2体をリリースする代わりに自分フィールドの「復囚」モンスター1体を破壊できる。
②:このカードが戦闘・効果によって破壊された場合発動できる。手札・墓地からレベル4「復囚」モンスター1体を特殊召喚する。その後、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力はこのカードの攻撃力の半分アップする。
③:???
出てきた小さな鬼が、自らを生贄にして現れたのは、巨大な水瓶を背負った鬼。最上級の復囚モンスターで、ガクとは対になっている。向うが除去なら、こちらは制圧効果。初手で出すなら、もっともふさわしいモンスターだろう。伏せカードもある。ひとまずは様子を見ることにした。
TURN 2 PLAYER:クー
ユウシ LP4000
モンスター:復囚のゲン
魔法罠:1枚
墓地:復囚のフウ・デモ 復囚の伝え
VS
クー LP4000
モンスター:無し
魔法罠:無し
墓地:無し
「あいつ、なかなか飛ばすなぁ」
自ら命を絶っていく鬼に関心しながらデュエルを見守るハル。「自分のカードばっか破壊して、手札足りなさそうだけど……本当に大丈夫?」とはタリアの声。確かに、手札はもう残り1枚。モンスターが途切れないデッキとはいえ、少し不安になる枚数だ。
「ま、大丈夫だろ」とカイの気楽そうな声が飛ぶ。「クーも、ユウシも、いいデュエリストだ。」
「私のターン!ドロー!手札から、ミステリドル・ビスカを召喚!」
クーは、自信満々にデュエルディスクにカードを置いた。現れたのは彼女と同じゴスロリ風の人形。
まるでクーとモンスターが同期しているかのように、揃ってポーズをとり、口を開いた。
「さあ、クイズの時間だよ!」
そう、状況は限りなく彼女のほうに傾いていた。
「それじゃ、おじさん。クイズの時間だよ!私のデッキの一番上のカード……なーんだ!」
「モッ、モンスターカード!モンスターカードだ!」
「それじゃ正解は……ざーんねーん!魔法カードでした!不正解だった人には罰ゲームでーす!」
けらけらと笑う少女の足元で、人形の影から手が伸びる。
「なっ、何故だ!テメェさっきデッキの一番上にモンスターを戻してただろ!」
「ミステリドル・メイキング……私がデッキトップを確認するなぞなぞを出したとき、答えになるカードをこのカードにするの。それじゃ、ばいばーい」
「あぁ……クソ!ああああ!」
吹き飛んだ男に見向きもせず、少女は鼻歌を歌いながら歩き出す。その姿は可憐で、先ほどまでの光景とはまるで似ても似つかない。
「あら、新しいお友達。リーダーたちにも教えてあげなきゃ!」
ふと足を止め、かがんで瓦礫を手で払う。煤けた人形だ。大事に手で取って抱えると、スキップでまた歩き始めた。
「おお!ユウシ!ちゃんとここについてたか!」
ガラッとドアが開くと同時に、大きな声が響く。カイが帰ってきた。それほど時間は経っていない。どうやら本当にあの状態から楽々と勝って帰ってきていたらしい。あの敵たちの実力はわからないが……2vs1で楽々勝てるのは確かにリーダーたる実力を持っているようだ。
「おかえりリーダー。それじゃあここで話すのもなんだ。本拠地に戻って説明をしよう。」
ハルがいう。すると、ピピピとタリアのデュエルディスクから音が鳴った。
「あ、ハル、ちょうどいい。クーも帰ってくるってさ。五人目の顔合わせにピッタリじゃないか。」
またもやカツカツと音を響かせながら、カンテラを持ったタリアに誘導される。
階段を登ったり降りたり、複雑な道をかなりの時間歩いた後、さっきまでいたところとは比較できない程広い地下室に出た。まず目に入ったのは、その部屋の広さよりも、「黒い」ゴスロリ服を着た少女だった。すわ敵襲か!?とデュエルディスクを構えるも、さっとにタリアに腕で制される。
「あ、リーダー!聞いて聞いて!私、何を見つけたでしょうか!」
見つけたゴスロリ少女がカイのほうに駆け寄ってきた。その目に敵意はなく、腕を下す。
「んー、なんだ。おニューなタイプのデュエルディスクとかか!?」
「ぶー、残念不正解!正解は、新しいお友達……って、あら?どなた?」
少女がこちらの方を見る。よくよく見れば、ユミと同じぐらいの年齢だろうか。友達になれるのかもしれない。
「俺はユウシ。カイに誘われてここに来た。よろしく。」
「ふーん?ユウシね。私はクーっていうの。ねえリーダー。本当にコイツを入れていいの?大丈夫?」
「んあ?まあ大丈夫だろ。何だったらアレだ、デュエルするか?」
「ああ、いいな。クーのデュエルの腕は俺とタリアより上だ。アンタの実力を見せてもらおう。」
「よし!じゃあユウシ、こっちに来てくれ。デュエルフィールドがある。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。クー……ちゃん?」「クーでいいよ。ちゃん付けしなくていい。」「クーはいいのか?それで。」
「ん?私はいいよ。せっかくリーダーが連れてきたのに弱かったら意味ないし。手加減無しで行くからね?」
「……わかった。カイ、案内してくれ。」
とんとん拍子で話が進んだが、向こうも乗り気なようだ。まだこのデッキを扱いきれているわけではないが…………この四人の中で二番目の実力というのなら、特訓相手としては十分だろう。手加減無しとは言うが、このデッキなら、きっと。そう思いながら、移動する。
「それじゃあ始めようか。先行はどうする?」
「いいよ。ユウシに譲ったげる。」
「よし!なら、デュエル開始だ!」
ユウシ LP4000
VS
クー LP4000
手札を見る。先行を貰ったはいいが、相手がどんなデッキかわからない状態で展開するのは正直怖い。が、やるしかない。
「……とりあえず俺は、復囚の伝えを発動。手札の復囚モンスター1体を破壊し、デッキから復囚モンスター1体を墓地へ送る。俺は復囚のフウを破壊し、デッキから復囚のデモを墓地へ送る。そして破壊された復囚のフウの効果を発動!レベル2の復囚モンスターを手札・墓地から特殊召喚し、このモンスターのレベル分攻撃力がアップする。俺は復囚の伝えの効果で墓地へ送った復囚のデモを特殊召喚!」
フィールドに怨念が出て、鬼が恨めしそうに倒れていく。だが、それでも前のほうへ手を伸ばす様は、ユミを求める自分のようで、モンスターの演出ながらその強い意志を内心称賛する。そうして倒れた後から、一回り小さな鬼がはい出てくる。そうだ、諦めない、そういうモンスターたちだ。
復囚のデモ ☆2 闇 悪魔族 ATK200→1400 DEF200 表攻
EFFECT
このカード名のカードの①の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードが戦闘・効果によって破壊された場合発動できる。デッキから「復囚」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「そしてフィールドの復囚のデモを破壊し、俺は手札から復囚のゲンを召喚する!手札を1枚伏せてターンエンド!」
復囚のゲン ☆8 闇 悪魔族 ATK2200 DEF200 表攻
EFFECT
このカード名のカードの②の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①:このカードを召喚する場合、モンスター2体をリリースする代わりに自分フィールドの「復囚」モンスター1体を破壊できる。
②:このカードが戦闘・効果によって破壊された場合発動できる。手札・墓地からレベル4「復囚」モンスター1体を特殊召喚する。その後、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力はこのカードの攻撃力の半分アップする。
③:???
出てきた小さな鬼が、自らを生贄にして現れたのは、巨大な水瓶を背負った鬼。最上級の復囚モンスターで、ガクとは対になっている。向うが除去なら、こちらは制圧効果。初手で出すなら、もっともふさわしいモンスターだろう。伏せカードもある。ひとまずは様子を見ることにした。
TURN 2 PLAYER:クー
ユウシ LP4000
モンスター:復囚のゲン
魔法罠:1枚
墓地:復囚のフウ・デモ 復囚の伝え
VS
クー LP4000
モンスター:無し
魔法罠:無し
墓地:無し
「あいつ、なかなか飛ばすなぁ」
自ら命を絶っていく鬼に関心しながらデュエルを見守るハル。「自分のカードばっか破壊して、手札足りなさそうだけど……本当に大丈夫?」とはタリアの声。確かに、手札はもう残り1枚。モンスターが途切れないデッキとはいえ、少し不安になる枚数だ。
「ま、大丈夫だろ」とカイの気楽そうな声が飛ぶ。「クーも、ユウシも、いいデュエリストだ。」
「私のターン!ドロー!手札から、ミステリドル・ビスカを召喚!」
クーは、自信満々にデュエルディスクにカードを置いた。現れたのは彼女と同じゴスロリ風の人形。
まるでクーとモンスターが同期しているかのように、揃ってポーズをとり、口を開いた。
「さあ、クイズの時間だよ!」
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