MISSION8：平和な決闘　作：ヒラーズ

翌日、私は目を覚ます。
「・・・」
辺りを見渡し、寝ているネクロフォース達をカードに戻す。
その後、ノートを鞄に入れる。
「・・・何か動きがあればいいのだが」
そう言って私は客室を後にする。
コツコツと私の足音が響く、少なからず起きている者は私以外、いないのだろうか？
「・・・」
静かだ、まぁいい。
「腹が減っては戦はできん。食堂へ向かってみるか」
私はエレベーターに乗り、1階に降りる。
エレベーターは何事もなく動き、目的の階まで降りる。
私が出て、食堂に入った瞬間だった。
「おい！そのチョコパンは我輩のだぞ！」
「何だと！！オレ様のだ！！」
二人の男がチョコパン一つで何ともレベルの低い争いなのだ・・・。
「・・・」
私は二人の間をすり抜け、そのチョコパンを取る。
「醜き事であり、愚かだな」
「「あっ！」」
取ったことに気づいたのか、二人は私の背後に立ち、怒鳴る。
「おい！お前！！人のもんを取るな！！」
「それは我輩が狙っていたものだぞ！」
五月蠅い奴らだな、別にいいではないか。たかがパン一つ、どうでも良いだろう。
「そんならデュエルで決めようぜ！」
「良いだろう・・・我輩は弱くないぞ！！」
「はぁ・・・くだらん。好きにするがいい」
私は鞄からディスクとデッキを取り出す。
「ルールはバトルロワイヤルだ！！」
「言っておくが、私は貴様らの遊びに付き合ってる暇はない」


「「「デュエル！！」」」


男A　LP4000
手札5

男B　LP4000
手札5

ナノマ　LP4000
手札5


「先攻は貴様らにくれてやる」
「オレ様の先攻！ドロー！」
男A
手札5→6

「モンスターをセットして、カードを2枚伏せてターンエンド」
「我輩のターン！」
男B
手札5→6

「暗黒界の尖兵ベージを召喚！」
暗黒界の尖兵ベージ　ATK1600　☆4

「カードを1枚伏せて、ターンエンド！」
「私のターン！！」
ナノマ
手札5→6

さて、どれくらいの力を持っているか試させて貰うぞ。
「手札からNF－タナトスドールを通常召喚、このカードはリリースなしで召喚できるモンスターだ」
NF－タナトスドール　ATK2850　☆7

「いきなりレベル7の上級モンスターだと！？」
「ルール上により攻撃はできなかったな、ターン終了だ」
「オレ様のターン！」
男A
手札3→4

「ステルスバードを反転召喚し、効果発動！相手に1000ポイントのダメージを与える！受けんのはお前だ！暗黒界の使い手さんよぉ！！」
男B　LP4000→3000

「ふん・・・」
「効果で裏側守備表示にしてターンエンドだ！！」
ふむ・・・どうやらオレ様口調の男はリバース使いのようだな。
危険なものはサブテラーとゴーストリックぐらいか・・・。
「我輩のターン！」
男B
手札4→5

「手札から魔法カード『手札断殺』を発動！互いに手札を2枚捨てて、2枚ドローする」
手札埋葬は暗黒界の得意分野だ。次に来るのは・・・。
「捨てられたグラファの効果により、セットされたステルスバードを破壊！」
「あっ！お前！！」
「ベージを手札に戻し、墓地からグラファを特殊召喚！」
暗黒界の龍神グラファ　ATK2700　☆7

「さらにフィールド魔法『暗黒界の門』を発動し、攻撃力を上げる！」
暗黒界の龍神グラファ　ATK2700→3000

「『暗黒界の門』の効果により、墓地から軍神ガープを除外して発動！手札の悪魔族モンスター1体を捨て、カードを1枚ドロー！カード効果によって手札から捨てられたゴルドの効果により、墓地からこのカードを特殊召喚する！現れよ！暗黒界の武神 ゴルド！」
暗黒界の武神 ゴルド　ATK2300→2600　☆5

「バトル！ゴルドとグラファでリバース使いに直接攻撃！！」
男A　LP4000→0

「ぐあああ！！」
成る程、邪魔者を潰す方が先と言ったところか・・・。
「邪魔者は消えた、次はお前だ！カードを1枚伏せてターンエンド！」
「私のターン！」
ナノマ
手札5→6

「手札から魔法カード『ハーピィの羽箒』を発動！相手フィールド上の魔法・罠を全て破壊する！」
「何！？」
壊したカードはクレイモヤとミラーフォースか、どれも攻撃反応型の罠か。
「カードを1枚伏せて、バトルだ！タナトスでゴルドを攻撃！この時、タナトスの効果により攻撃力を倍にする」
NF－タナトスドール　ATK2850→5700

「さらに速攻魔法『突進』を発動、攻撃力を700ポイントアップさせる」
NF－タナトスドール　ATK5700→6400

「こ・・・攻撃力6400！？」
「叩き潰せ、タナトス」
【応！わっちに任せろ！】
タナトスの斧がゴルドを真っ二つにし、相手のライフを解体する。
男B　LP3000→0

「がああぁっ！！？」


WIN
ナノマ

実質上、私の圧倒的な勝利となった。
やれやれ、ようやく五月蠅い喧嘩も収まるだろう・・・。
私はディスクをしまい、咄嗟に食事を済ますのであった。


次回、次の大陸