MISSION2：謎のとばっちり　作：ヒラーズ

町を目指して数時間、私は町の入り口の前に着く。
「まずはここで情報集めとしようか・・・」
それとこの世界の通貨だな・・・。生きるにしろどのみち金は必要になるだろう。
私は町に入る前にフラスコの力を使い金塊を一つだけ生み出した。
分からない事が多くあるが、言葉はたぶん通じると思うが・・・。
「今、考えても仕方ない。中に入って考えよう」












さて、入ったのは良いとしてはだが・・・。言葉は通じるようだ。
色々聞いた結果、ここはミネルヴァという大陸でこの町は機皇町と呼ばれる小さい港町らしい。
デュエルで盛んな大陸で、いくつかデュエリストを育成する学園が存在する。
この世界の通貨は円というもので私が知っている通貨だ。まずはそれを手に入れるため、私は売店を訪れた。
「いらっしゃい」
カウンターには何やらうさ耳をつけた女性店員が、やる気のなさそうな声で接客をしているようだ。大丈夫なのかこの店・・・。
「すまない、金塊（これ）はいくらで売れる？」
私は金塊を女性店員に渡して、待つ。
フラスコで生み出されたものは本物当然のものになるが・・・果たしてこの世界では金塊はどんな価値があるかが問題だな。
「・・・」
「・・・！お客様、この金塊は本物ですか？」
何も本物だ。そうでなければそれは金メッキのついたただの石ころだ。
「・・・本物だが？」
その言葉に女性店員は驚き、何やら札束を3つ用意した。
どうやらかなりの価値があるようだ。
「すみません、ただいま30万円しか、用意できません」
「あ・・・いや、15万円ぐらいで大丈夫だ」
この売店が30万を出すほどとはな・・・かなりの価値があるようだ。
だが私はあえて半分の値で受け取る。
私のフラスコの力があれば金塊などいくらでも生み出せるからな・・・。
いくらか買い物し、私は店を出る。




「さて、まだ情報が足りなかったな・・・」
私は他に情報があるか町の中を探索する。
その時だった。
ｶﾞｼｨｯ！
「っ！」
いきなり腕を掴まれた。
私は咄嗟に後ろを向くと、私とは1歳年上のような少女が立っていた。
「やっと見つけたよ！ナノ君！」
「な・・・ナノ君？」
誰だ？この小娘は？私を知ってるのか？
「すまん、貴様誰だ？」
その言葉に少女がずっこける。
「ア・ン・タねぇ・・・私のこと忘れたの？！冒険しすぎて馬鹿になったの？」
見ず知らずの奴にいきなり馬鹿と言う貴様が馬鹿だと思うのだが・・・。
「アタシはペイン・R・クリシュナイダーよ！そしてアンタはナノマ＝エンデュミオン！貴族の息子でしょ！？」
うむ、ナノマは似てるとして私の名は漢字の名野魔だ。
「すまない、それは人違いというものだ。ナノマ＝エンデュミオンではない」
「はぁ！？アンタまたアタシを騙す気？もうそんな手に引っかからないわよ！」
ペインは私の腕を強く掴み、引っ張る。
「おい、人の話を聞け！人違いだ！」
「事情は学園で聞くから、アンタの冒険はここまでよ」
学園だと！？私は学生になった覚えはない！！
「帰ったらアンタは罰として、肝試しをして貰うわよ」
「離せ！私が何をしたと言うんだ！」
「ギャーこら言ってないで来なさい！この馬鹿！」
馬鹿は貴様だろ！？
私が必死にあがいていると、1台の自動車が私の近くに止まる。
「アンタは後部座席に座ってなさい！」
ペインは自動車の扉を開け、私を後部座席に放り投げる。
「学園に着くまで、じっとしていなさい！全く手間かけさせておいてもう・・・」
ペインは扉を閉め、自動車を発進させる。
「何故こうなった？」



次回　誤解を解くため

※タイトルが変わる可能性があります。