寄り道編　賀正　作：くちなし

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注》この短編には以下の要素が含まれている可能性があります。
・本編無関係
・キャラ崩壊及び、いないはずのキャラが出現(するかもしれない)
・なにより、gdgd
・既存アニメの引用

それでもいいよという心優しい人はゆっくり読んでいってね！(^^♪

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海清「よし、じゃあはじめるぞー」
悠里「いっせーのーせ、、」
氏家「はーっぴぃにゅうにゃあ～♪」
火憐「は～じめまして～♪」
香織「君にあげる最初のオーバーラン♪」
瑞穂「逃げるからー、、捕まえてー、、♪」
女子「まぁるいセカイ～っ！♪」
有希「、、にゃあ」

上者全員「新年、明けましておめでとうございまーす！！」(^_-)-☆



悠里「迷い猫の意味とは一体、、しかも時期ズレてるし」
瑞穂「細かいことはいいじゃない！名前が新年っぽいから！」
悠里「、、どこがだよ(まあ、想像はつくが)」

元旦。一年の最初の日、、つまり1月1日をさす。これはグレゴリオ暦上での1月1日である。
この国では、元旦を国民の祝日として、カレンダーでは赤字で書かれているものも多い。
各地では、元日である1月1日から1月3日までの三が日、または「松の内」「3」までを特に「お正月」と呼んでこれを尊重し、毎年この時期独特の行事や慣習が執り行われる。
因みに、「元旦」と「元日」は同義語だが、前者は中国からの輸入語句であり、「元日」と「元日の朝」の両方の意味を持つとされている。

「んまぁ、瑞穂がこう、、ちゃんと挨拶できるとはなぁ、、」
「なによ。あたしバカじゃないから。挨拶くらい当然でしょ」
「それが、、ボクはてっきり筋金入りのバカだとばかり思ってたよ」
「あんた、、あとで覚えてなさいよ。それより、新年迎えたらやることと言ったら、、ねぇ！」
「あ、、？瑞穂、何を企んでやがる」
「決まってるじゃない！墨塗り罰ゲーム付きの羽根突きよ！」
「あー！うち、やるやるー！」
「その前にすることあるだろ、、初詣行こうぜ」
「甘酒のむっさ～！」
「、、騒がしくなってきたわね」
「、、(そこじゃない、、)」

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神社へ向かう途中のこと。悠里と理沙、火憐と有希は前を歩く瑞穂の背中を見ながら進んでいた。

「んね、観月、、初詣って、神社に行くんちゃうの、、？」
「どっちでもいいんだよ。要は祈ってこいっつーことっしょ」
「悠里、説明適当すぎ、、」
「、、初詣の対象は神社・寺院のどちらでも構わないとされていて、これは神仏分離が行われる前に、神道と大乗仏教と並んで祖霊信仰が一体化した神仏習合による信仰が一般化していたためと言われている、、初詣には、定められた規定は特に無く、「年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事」であることから、いつ参拝に行っても、年内最初の参拝であれば「初詣」と言うことができる、、」
「有希、、詳しいな」
「、、諸説あり」

いつも閑散としている神社が混み合っている。通路のわきには出店が立ち並び、甘酒やらお汁粉が販売されている。

「お守り、、」
「あ、うちもいく！」

悠里、有希、火憐は、瑞穂たちと一度離れ、お守りを買いに行った。ここもまた人混みでにぎわっており、参拝客も多くいた。

「いらっしゃいませ～、お決まりでしたらどうz、、、って悠里くん、ゆきりんじゃないですか。。」
「うちもいるよ～！」
「火憐さんも。。いらっしゃい。明けましておめでとうございます」
「ああ、明けましておめでとう」
「香織ちゃん、あけおめ」
「わたしはここの仕事があるので後で行きますね」
「ああ、わかった」

お守りを買って、おみくじも引いて再合流。

「悠里はなににしたの」
「あー、、消去法で学業成就」
「ま、悠里は頑張らんとね！進級できるように」
「うるせぇ。大きなお世話だ。、まぁ、ありがとな」
「遅かったわね～、、あんた」
「なんだ、もう買ったのか」
「当たり前じゃない」
「なに買ったんだ」
「、、！、、ひ、秘密よ！」

恋愛成就、、なんて言えるわけないじゃない、、っ！

「それより、これ見なさい！」

ん、おみくじか？ああ、大吉が出て喜んでるのか。天地がひっくり返りそうでひやひやするよ。今年は何をやらかしてくれるのだろうか。

「そりゃあよかったな。おめでと」
「瑞穂、ええなぁ～、、うち中吉」
「わたしも中吉よ」
「、、吉」
「あんたのは？」
「よくも聞いてくれたな。聞いて驚け、大々凶だ」

瑞穂がくすくすと笑う。

「あんた、、凶よりも悪いの引くとか、、運がいいわね」

そうだな。今年の運勢が本当になりそうだ。少なくともお前と一緒にいる間はな。
それにしても、なんでこんな確率の低いものを引き当てたものだと、心の中で自画自賛してみる。なにせ、大大凶が存在する神社そのものが少ないし、その確率はおおよそ1000000分の1。運がいいのか、悪いのか、、

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神社を去った後は場の流れでなぜか部室に行った。

「今日は誰もいないから、鬼ごっこでもかくれんぼも、、何でもできるわよ！」

元旦くらいのんびり穏やかに過ごしたいんだがなぁ、、あいつの脳内辞書には「穏健」の二文字は入っていないのかと、みかんの皮をむきながらしみじみ思う。

「むぅ、、じゃあこれしましょ！」
「一気に和になったね。まあ、みんなでやるにはいいかも。オレも参加するよ」
「。。！？(わたし全然取れない。。)」
「、、」

有希が本から視線を離し、百人一首の箱に目を向ける。

「一緒にやるか、、？」

コクリと首を縦に動かす有希。手招きするとこちらへ寄ってくる。
香織が、ゆっくりと札の上の句を読む。

「ではいきます。。 《村雨の 露もまだひぬ、、》」
「、、《真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ》。 寂蓮法師の歌、、」

一番手は有希が札を取った。しかも残りの句を流暢に読んでいく。しかも、詠み人まで当てやがった。

「では次。。《 ちはやb、、》」
「《ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは》。在原業平の歌、、」

またも有希だ。札を取る手の速さは誰にも見えず、そのまなざしは獲物を狙う鷹のように真剣な様子が眼鏡越しに伝わる。

「あー！次こそ取るわ！かおりん、次！」

瑞穂の特性、負けず嫌いが発動。

「は。。はいっ！《田子の浦に》」
「あたしがもらうわ！《打ち出でてみれば 白妙の 行くも行かぬも 逢坂の関》！！」
「瑞穂、違う。《打ち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ》、、山部赤人の歌。瑞穂がとったのは蝉丸の句の下の句、、」

正しい札を拾いながらすらすらと読む有希。またも圧巻。

「ゆきりん、凄いわね、、」
「、、古典は好きだから」
「でも、まだまだこれからよっ！」

有希の快進撃は止まらない。

「《あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の》」
「、、《ながながし夜を ひとりかも寝む》。柿本人麻呂」
「《人も惜し 人も恨めし あぢきなく》」
「《世を思ふゆゑに　物思ふ身は》、、後鳥羽院」
「《玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば》」
「《忍ぶることの よわりもぞする》。式子内親王」
「《父母の 頭掻き撫で 幸あれと》」
「それは防人歌。百人一首じゃない。。《言いし言葉(けとば)ぜ 忘れかねつる》、、」

場が静まる。有希の圧倒的強さと正確さ、そして迫力。流暢に読む下の句と、取った札の束。
、、、そして後半戦。100枚のうち、悠里が13枚。理沙、氏家さんが5枚。火憐、海清が6枚。瑞穂の持ち札が27の、有希が32枚と、1位争いが激しい。。
ちなみに有希は、次の札を取ると1位確定になる。

「では。。《。。》」　　　

読み始めようと香織が口を開いたその瞬間。「パンッ、、！」という音とともに札が飛ぶ。

「、、《淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に 幾夜目覚めぬ 須磨の関守》、、私の一番好きな歌、、どう、、？」

飛ばした札を拾いに行く有希。
全員絶句。言うまでもないが、悪い意味ではない。香織はまだ上の句の「か」の字も声に出していない。

「ちょ、、！かおりんがまだ詠んでないじゃない！香織、今詠もうとしてた句、読み上げなさい！」
「それが。。有希ちゃんの取った札が正解なんです。。源兼昌の句なんです。。！」
「。。ちょ、、ちょっと待てよ。。有希、まさか香織の口の開き具合で札を取ったのか！？」
「そんなんで分かったらチートよチート！チャレンジシステムを求めるわ！」
「、、有希、どうなんだ」

有希はその場に立っている。やがて、全員の視線が向けられると、いつもと変わらない無言のまま、左手でピースサインを出してみせた。

「そ、、そりゃないだろ(わよ)～！！！」

香織と有希、悠里以外の全員が「なんでやねん」の意味も込めて盛大に嘆く。

「うふふ。。有希ちゃん。。反則級に強いですね～。。」

その後。となりで瑞穂たちが騒ぐ中、香織は急須に茶を入れていた。その時、本棚に1枚の紙切れが本と本との間に挟まっているのを見つけた。

「これは、、」

ある新聞の切れ端。裏を見る。

『最強古典少女現る　～51枚連続先取～』

、、タイトルとともに、トロフィーと賞状を抱えた有希の写真が写っていた。


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※「迷い猫オーバーラン」は2011年春に放送されたアニメです。
　余談ですが、上記アニメの声優さんのほとんどが「とある魔術の禁書目録」「とある科学の超電磁砲」に出演しているため、まとめて「とある迷い猫の超過走行(オーバーラン)」なんて言われてたりします。


～あとがき～
こんにちは。那摘芽みかんです。元旦は私情で投稿できないので、少し早い大晦日の今日に番外編を投稿させて戴きました。

　はてさて、今年の1月30日にプロローグを投稿し、このSSも1年を迎えようとしています。
　約3か月間のお休みも経て、この1年でアクセス数が約34000人、コメント約100件という、私自身の予想を上回る結果となりました。本当にありがとうございます。来年もコメントをして頂けたら嬉しいです。

　身の上話になりますが、来年の目標は『扇沈温被』と【知崇礼卑】にしようと思っています。
　『あれこれ気を配って親孝行をすること』【知識を得るほど他人に遜って礼を尽くす】という意味を持つ言葉ですが、前者に関しては、身の回りの人全てに感謝するということ、後者は礼儀を重んじることを考えて行動しようと思ってます。
　最後になりますが、一年間「星の名を背負う者」を読んでくださりありがとうございました。2018年もどうぞよろしくお願い致しますとともに、年内最後の投稿、私自身のまとめとさせていただきます。

2017.12.31　那摘芽みかん