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破壊剣士の宿命 前編 作:プレミメイカー
-数多の竜の首捧し者、純白の鎧を身に纏い、たずさえた封剣の一閃にて邪なる竜を打ち倒さん-
破竜の書 第9章1節
ここは破竜の霊山山頂。遥か昔、伝説の破壊剣士マスター・ブレイダーが、世界を破滅へと導くほどの力を持った邪竜と対峙し、三日三晩の死闘の末、それを封印したとされる霊峰である。その封印を守護するため、この麓にマスター・ブレイダーを祖とし、竜狩りを生業とする破壊剣士の里が作られたという。
この山は天を突く剣が如き荘厳な姿から今でも里の破壊剣士たち崇められるとともに、日々の修行場として親しまれている。
「ふんっ!はあっ!てやぁっ!…?今日も来たのか、リトル」
鍛錬の最中、岩陰から感じた気配の主に声をかける。
「バスターおにいちゃん!」
声をかけるやいなやすぐさまトタタッと人懐っこそうな足音を立てながら懐に飛び込んできたのは妹のリトル・ブレイダーだ。
「またわがままを言って母さんについてきてもらったのか?」
「ううん、今日は一人で来たんだよ!凄いでしょ!」
と鼻をふんっと鳴らす。見上てきた目が褒めてと訴えていたので、頭を撫でてやった。
「あぁ、すごいすごい。しかしよくかあさんが許したものだ。」
「お父さんがもう10歳にだから1人で行かせなさいって言ってくれたの!」
「父さんが?」
それで母さんが引き下がるか?…… ん?(この気配)まさか。
「いるんでしょう?ダンディおじさん!」
「……ピョン、ピョンピョ~ン」
岩陰からすっとんきょうな鳴き声?が返ってきた。
「それ、バニーラのつもりですか?」
「……ちっ、俺の気配に気づくとは、成長したなぁバスターぁ」
リトルが隠れていた大岩の上から、足首まで隠れる煤けたマントにテンガロンハット姿の男が颯爽と飛び降りてきた。
「ダンディ・ブレイダー参上!」
「帰って来てたんですね!相変わらずで安心しましたよ。」
「なんだよ、まるで俺が成長してない見てえじゃないねぇか!」
「成長っていうか、おじさんはもともと強いじゃないですか。」
「ふっ、強さに限界なんてない、より強大な竜を討つため生涯鍛錬。
それが真の破壊剣男児ってもんさ!やっぱり強敵に挑むってのは最高に楽しいだろ?」
バンっと俺の背中を叩き、年甲斐もない無邪気な笑みを向ける。だが、さすがに目じりや口元の笑い皺には相応の深さがある。
ダンディおじさんは俺の師匠であり、あの《青眼の白龍》も撃退したことのある凄腕の破壊剣士だ。ただ会うのは4年ぶり、当時6歳だったリトルもよくなついていた。
懐かしいな。彼がある竜を追い、里を旅に出た日以来だ。
俺が修行に出てしばらく経った今日の昼頃里に着いたという。
「リトルちゃんも大きくなったな!」
久しぶりに会ったおじさんにわしゃわしゃと撫でられ、嬉しそうに頬を赤らめるが、やっぱりどこか悔しさが混じった複雑な表情を浮かべている。
「さて、そろそろ今日の修行も終わりにして里に帰ろうぜ!
お前らをちゃんと連れて帰ってくるように兄貴に言われてんだからよ!」
「そうですね。リトルもいますし、日が落ちきる前には帰りましょう。」
すっとしゃがんで背中を向けてやると、リトルは声をかける前に勢いよく飛びついてきた。
里に帰ると、そこではおじさんの帰還を歓迎するために酒宴の準備がされていて、まるでお祭りだ。歓迎会は村の中心にある広場で行われ、スパイラルドラゴンやラビードラゴンなど、里の人でもめったにありつけない高級竜肉が振舞われた。
そういえば今日は父さんたちの竜狩りの日だったっけ、
酒宴の後、おじさんは俺たちの家で、村に帰ってきた理由を教えてくれた。
「この村に帰って来たのはほかでもねぇ、
奴がこの地域で姿を現したという情報が入ったからだ。」
父さんも母さんも今初めて聞いたようだ。たぶん、おじさんは到着してすぐ、俺を追いかけようとするリトルの見張りにやられたのだろう。
「奴は本当に、村の伝承に語られている『邪なる竜』」かもしれねぇ。
この4年間追い続けてその可能性は増すばかり……」
おじさんは今までの旅について語ってくれた。そして『邪なる竜』のものと思われる被害についても。
破竜の書 第9章1節
ここは破竜の霊山山頂。遥か昔、伝説の破壊剣士マスター・ブレイダーが、世界を破滅へと導くほどの力を持った邪竜と対峙し、三日三晩の死闘の末、それを封印したとされる霊峰である。その封印を守護するため、この麓にマスター・ブレイダーを祖とし、竜狩りを生業とする破壊剣士の里が作られたという。
この山は天を突く剣が如き荘厳な姿から今でも里の破壊剣士たち崇められるとともに、日々の修行場として親しまれている。
「ふんっ!はあっ!てやぁっ!…?今日も来たのか、リトル」
鍛錬の最中、岩陰から感じた気配の主に声をかける。
「バスターおにいちゃん!」
声をかけるやいなやすぐさまトタタッと人懐っこそうな足音を立てながら懐に飛び込んできたのは妹のリトル・ブレイダーだ。
「またわがままを言って母さんについてきてもらったのか?」
「ううん、今日は一人で来たんだよ!凄いでしょ!」
と鼻をふんっと鳴らす。見上てきた目が褒めてと訴えていたので、頭を撫でてやった。
「あぁ、すごいすごい。しかしよくかあさんが許したものだ。」
「お父さんがもう10歳にだから1人で行かせなさいって言ってくれたの!」
「父さんが?」
それで母さんが引き下がるか?…… ん?(この気配)まさか。
「いるんでしょう?ダンディおじさん!」
「……ピョン、ピョンピョ~ン」
岩陰からすっとんきょうな鳴き声?が返ってきた。
「それ、バニーラのつもりですか?」
「……ちっ、俺の気配に気づくとは、成長したなぁバスターぁ」
リトルが隠れていた大岩の上から、足首まで隠れる煤けたマントにテンガロンハット姿の男が颯爽と飛び降りてきた。
「ダンディ・ブレイダー参上!」
「帰って来てたんですね!相変わらずで安心しましたよ。」
「なんだよ、まるで俺が成長してない見てえじゃないねぇか!」
「成長っていうか、おじさんはもともと強いじゃないですか。」
「ふっ、強さに限界なんてない、より強大な竜を討つため生涯鍛錬。
それが真の破壊剣男児ってもんさ!やっぱり強敵に挑むってのは最高に楽しいだろ?」
バンっと俺の背中を叩き、年甲斐もない無邪気な笑みを向ける。だが、さすがに目じりや口元の笑い皺には相応の深さがある。
ダンディおじさんは俺の師匠であり、あの《青眼の白龍》も撃退したことのある凄腕の破壊剣士だ。ただ会うのは4年ぶり、当時6歳だったリトルもよくなついていた。
懐かしいな。彼がある竜を追い、里を旅に出た日以来だ。
俺が修行に出てしばらく経った今日の昼頃里に着いたという。
「リトルちゃんも大きくなったな!」
久しぶりに会ったおじさんにわしゃわしゃと撫でられ、嬉しそうに頬を赤らめるが、やっぱりどこか悔しさが混じった複雑な表情を浮かべている。
「さて、そろそろ今日の修行も終わりにして里に帰ろうぜ!
お前らをちゃんと連れて帰ってくるように兄貴に言われてんだからよ!」
「そうですね。リトルもいますし、日が落ちきる前には帰りましょう。」
すっとしゃがんで背中を向けてやると、リトルは声をかける前に勢いよく飛びついてきた。
里に帰ると、そこではおじさんの帰還を歓迎するために酒宴の準備がされていて、まるでお祭りだ。歓迎会は村の中心にある広場で行われ、スパイラルドラゴンやラビードラゴンなど、里の人でもめったにありつけない高級竜肉が振舞われた。
そういえば今日は父さんたちの竜狩りの日だったっけ、
酒宴の後、おじさんは俺たちの家で、村に帰ってきた理由を教えてくれた。
「この村に帰って来たのはほかでもねぇ、
奴がこの地域で姿を現したという情報が入ったからだ。」
父さんも母さんも今初めて聞いたようだ。たぶん、おじさんは到着してすぐ、俺を追いかけようとするリトルの見張りにやられたのだろう。
「奴は本当に、村の伝承に語られている『邪なる竜』」かもしれねぇ。
この4年間追い続けてその可能性は増すばかり……」
おじさんは今までの旅について語ってくれた。そして『邪なる竜』のものと思われる被害についても。
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