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HOME　＞　遊戯王SS一覧　＞　燃え尽きた水２（海皇目線）

燃え尽きた水２（海皇目線）　作：リバース＠影の使者

扉を開いた先には、１つの瓶があった。

瓶の中にはどうやら『焦げた水』のようなものが入っていた。

ポ「なんだ……？ これ……」

ポセイドラは徐に瓶を取り、中身をじっくり見た。

……黒い、まさしく『焼けた感』のある水だった。

意味がわからない。そう、ポセイドラは思った。

ポ「『水』が……『燃えていた』？？」

当たり前だが、水は燃えることは無い。

というか、『水を燃やす』以前に、『水に火がつく』ことはありえない。

何故、火が水で消えるか―――水は蒸発する際に、周りのものの温度を下げ、火に酸素を与えないから。

火に水をかけた瞬間、水は一気に蒸発すると共に、火を覆い、酸素を遮断する。

よって、火が消えるのだが……これには『それ』が無い。

……これ、もしかしたら油だったりする？

ポセイドラは真相を探るべく水を指につけた。

……ねばねばしてない。

さらさらしていて、正しくこれは『水』だ。

だとしたら？

これはなんで焦げている？

あれか。なんか水の中でも燃える火ってやつ。

あり？ 火が燃える水だっけ？

まぁ……そんなわけは無い。

あれは地上の産物、ここにはあるはずが無い。


色々と考えたポセイドラだったが、それに意味は無く、ただただ時間が過ぎていった。

ポ「うむ、わからん」

諦めたように見えたが、そうではない。

この訳のわからないものを『一人で考えるのをやめた』のだ。

パラッ

ポセイドラは、持っていた本を取り出した。

ポ「親父の残したこれによると……へー、そゆこと」

開かれたページには、『我を欲せよ』と書かれ、下には説明文が載っていた。

ポ「……これを、飲めと……」

嫌そうな顔をしながら、少し躊躇しつつ、ポセイドラは水を飲んだ。

ポ「………！！！」

瞬間、辺りが暗くなった（水にあたったわけではない）。








暗い空間で、誰かが読んでいた。

――我を欲せよ。

――されば我が力を与えよう。

――我はそなたの剣となろう。

――我を欲せよ、我を欲せよ……





気がついたときには、元の部屋にいた。

ポ「頭痛い……ん？」

ポケットの中に違和感があった。

ポ「これは……カード？」

カードは目が覚めるほど蒼い色で染められており、カード名は「Es dient als eine Flamme und dient als Wasser」と書かれており、テキストには「D-Karte」と書かれていた。

ポ「D…？？」

ポ「まぁ、いいか」

ポセイドラはそう言いながら立ち上がり、扉の方へ向かった。

ポ「もう、ここには用がない……はず」



扉に手をかける時、『我を欲せよ』という声が聞こえた――ような気がした。


続く
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