ACT 16 食事　作：クロノスギア

「刑事の張り込みか！」
「いつも通 言ってるよなそれ」

不良委員とのデュエルの後、有栖を含めた4人は真哉の部屋に集まっていた。ものが全く無いので一人暮らし用の部屋だがあまり狭く感じない。

「あ、これ差し入れね〜」

少し大きめのレジ袋には肉や野菜がぎっしり詰まっている。

「あざっす。で、なに食いたいっすか？」
「肉！」
「な、なんでも…いいで…す」
「ねぇ、さっきからあんたの性格変わりすぎじゃない？」
「か、仮面返して…」
「部屋ん中では外せ」
「はう〜…」
「か、かわいい…」

女子二人で有栖をいじり倒しており真哉は無言でエプロンを身につけ、冷蔵庫とレジ袋とにらめっこを始めた。野菜炒めじゃ面白く無い…ハンバーグ？いや、ひき肉が無い。

…ラーメン食いたいからラーメンでいいや

袋麺をトマトジュースで茹でて…

「だ、男子のお部屋…は、初めて…」
「布団の下とか本棚の裏とかなんか無いかな〜？」
「あ、あいつそういうの興味無いみたいですよ」
「ま、まさか…そっち系？」

その間に野菜を…ブロッコリーと玉ねぎ…あ、肉も入れるか。

「や、それは無いっすよ、あいつ前は誰も近づけ無いような狼みたいなやつでしたから」
「てか、やたらアミッチ詳しいね」
「まあ、あいつが『施設』暮らしの時くらの付き合いですし」
「じゃ、じゃああ、亜美さんは…真哉君と、お、お付き合いは…」
「は⁉︎ナイナイ／ ／ ／⁉︎」
「ほ…」

野菜をニンニクで炒めて…

「おやおや〜？ラブコメの波動を感じるぞ〜？」
「や、やめて…く、ください…／ ／ ／」
「ち、違うし…違うし…／ ／ ／」
「そうだよね〜だったあたしがもらっちゃおうかな〜？」
『それは駄目(です)！」
「なにがだ？」
『なんでも無い(です)！』
「おや？ラーメン？」

真哉の手のお盆には赤いスープのラーメンが人数分置かれていた。

「イタリア風なんちゃってラーメンっす。どうぞ」
「またラーメン⁉︎あんたあたし前に来た時もラーメンじゃなかった⁉︎」
「あれはカレーラーメンだ、別物だ」
「おいしい…」
「だからって…もう食べてる⁉︎」
「中々おいしーよー！」

神狩真哉、15歳。三度の飯よりラーメンが好き。

…。

(おーい、ギアドラゴン聞こえるか？)

…

ワイワイとラーメンを食べている時、ふとギアドラゴンのカードを取り出してみた。

(駄目だこりゃ)
『なにがだ？』
(おわっ⁉︎)
『驚くなよ…で？なんだ？大方闇ゲームについてか？)
(まあ)
『ああ、あとこのクロノスギア・シンクロンについてもだ』
(そのカードは簡単だ、俺の眼を使ってクロノスギアに染めたんだ)
『染めた？』
(ああ、他のカードだってそうだ。俺が過去の時空から連れてきて染めたんだ)
(あと闇ゲームについてか。それは『歪み』のせいだ)
『歪みだ？』
(ああ、まあそこはおいおい教える。ま、俺たちは時空を超えてここにいる、そして歪みと戦うとだけ覚えとけ)
『あ？まだあんなリバースモンスターがいるのか？』
(おう)
『ま、俺もあんなのほっとけねぇ…下手すりゃ…』

ちらりと彼女たちの方をみる。楽しそうに談笑しながら食事をしていた。


『やってやるか…』
(そのいきだ、相棒)
『相棒だ？』
(その方がなんかいいんだよ)
『ま、よろしくな。相棒』
(おう、相棒)

「なにボーとしてんの？」
「なんでもねぇ」

…。

「ちなみになんで俺なんだ？」
(たまたま)
「はっ⁉︎」