ACT ２ 変化　作：クロノスギア

何時もの通りの下校。と、思ったがちょっと違ったところがあった。

「いよう！今日も元気ねぇな！」
「やかましいぞ亜美(あみ)」

幼馴染の九頭竜亜美(くずりゅう あみ)、俺が『施設』にいた頃からの腐れ縁だ。
やたら元気で俺に突っかかってくる。まさかの家が隣同士である。小説じゃあるまいし…普通はあり得ないだろう？

「なあなあ、どっか寄ってこうぜ〜？」
「…」
「へぇへぇ、私一人で楽しんできますよーだ」

…………。

家と、言ってもマンションだ。何時ものようにポストを確認して…？

「なんだこれ？」

神狩様へ、としか書かれていない封筒だ。結構でかいな、何が入ってんだ？

俺の部屋に戻ってから確認することにする。俺の部屋は必要な物以外は何もない。布団と冷蔵庫、本棚、テーブルさえあればいい。亜美がこの部屋を見たら刑事の張り込みか！て突っ込まれたな。確かにテレビくらい置いた方がいいかもな。

さてと、封筒の中身はなんだ？詐欺か？それとも『施設』からか？

「なんだこりゃ？」

こいつは…学校でも見たぞ。デュエル？のカードだ。そしてこの機械はなんだ？
？、メモ？

「この機械とカードを持ってこの場所に行きたまえ？君の生活に彩りを…？」

悪かったな彩り無くて。

「カードっつてもやったことねーぞ？くろのす？なんたらドラゴン？」

…まあ、行ってみるか。
宿題あるから明日な！

神狩真哉、不良だが授業は真面目である。

…………。

次の日、土曜日、休日。

機械とカードを持ってメモの場所にやってきた。

「カードショップ、カオリ？」

中にはガキばっかじゃ…ねぇな、同い年くらいのもいる。
…入るか。

ウィーン
「いらっしゃーい！初めてかい？」
「…ああ.ここは？」
「おや？TCGを知らないのかい？ここは主に遊戯王をメインに取り扱っているけどね」
「…『施設』なかったからな」
「そうかい？なら実際にデュエルするかい？デッキなら貸すけど…」
「ある、貰いもんだけど」

懐からデッキを取り出しひらひらと見せる。

「なら！あたしがー相手だ！」

ジャージ姿の年上らしき女性が大声で話しかけてきた。

「あたしは、秋雨 里奈(あきざめ りな)！初心者の君にあたしが教えてあげよう！」
と、ヒーローのようなポージングを大真面目に決めた。
………。
オネーチャン！滑ってるよー！
さすがリナネーチャン！
流石リナ先輩！面白すぎ！

「あはは、どーもどーも！で？どうする？」
「…お願いします」
「さあさあ、あ、ここの荷物どいていい？」
「どうぞ」

リナ先輩？は他の人にも俺と同じ様に対応している。なんだか調子が狂う。

「まず、お互いにデッキをシャッフルして…相手にもシャッフルしてもらうの」
「？」
「イカサマをしない様にするためね、積み込みていうイカサマ防止ね」
「はい、わかりました、どうぞ」
「そ、そして、5枚デッキの上からドロー、引いて。これで準備はOK！」
「…はい、できました」
「そして、開始の合図にデュエル！て言うんだ！」
「それ、必要ですか？」
「もちろん！目玉焼きに醤油！味噌汁に豆腐！みたいな物なの！」
「…わかりました」.

『デュエル！』