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0.5話:学園に咲く2つの花 作:ドクダミ2号
ここはデュエルを中心とし、デュエルで色んな事が決まる町。デュエルフローラ………の中にある学校の1つ、聖決闘高校。
ここには各地方や海外からデュエルを学びに多くの学生が通いに来る。
今、教室で1人溜息をついている後ろで縛った紫の髪が腰ほどまで届く髪型が特徴的な女子生徒……櫻もその中の1人であった。彼女はこの町でも有名なデュエリストで、彼女の使う真紅眼デッキはデュエリスト達の注目の的になっている。しかし…彼女を象徴するのはあのカードの存在が大きいだろう。それは………
「リベリオンマジシャン・ヴァルキュリア………か。」
そう、今彼女の口から出た名前。それが彼女を象徴するカードであり、溜息の原因である。何故溜息の原因か?それは少し難しい話だった。それを説明するにはまず、彼女の近くで縛られた状態で転がっている不良2人の説明をしなければならない。
「ふごご!ふごーふご!!(離せ!てめーコラ!!)」
「あら?逃れられると思ってるの?良い加減覚悟を決めなさい。」
覚悟……と言うのは、デュエルフローラ内の学校は全て、悪事を働くと点数が引かれる点数制が採用されている。この点数制が厄介で1度の採点で、25点以上引かれると停学、50点以上引かれると退学になる。そしてそれを決めるのは、その学校の風紀委員なのだ。因みに100点引かれると、警察沙汰になる。櫻も風紀委員だが、今回は被害者なので採点に参加できないのである。………何の被害者かと言うと………。
「このカード、何なの?そんなに高く売れるのかしら?」
そう、強盗事件である。リベリオンマジシャン・ヴァルキュリアは世界に1枚しか無いらしく、売れば一生遊んで暮らせるとか何とか………。そのせいで多くの者……特に不良達に狙われやすく度々この様な事件に巻き込まれていたのだ。これは溜息の原因とも重なっている。
「お姉ちゃん!採点が終わったよ!」
教室に入ると共に大きな声を上げるのは、櫻の双子の妹、六花である。桃色の髪を横で結った髪型の彼女はクールな櫻と違い、学校内で可愛いと評判である。そんな彼女も風紀委員であり、たった今この不良達の採点が終わり、その報告に来たのだ。彼女もまた町で有名なデュエリスト。つまりこの姉妹、2人揃って強デュエリストなのである。因みに六花が使用するデッキは「暗黒騎士 ガイア」を中心とした、ガイアデッキだ。
「あら、よかったじゃない。で?どんな結果だったのかしら?」
「えーっとね!えーっと……まずは主犯格の人!……80点減点!もう1人は、50点減点!以上です!」
「あら、2人揃って退学ね。残念だったわね。」
そう、この通り。バッサリと切り捨てられてしまうのだ。この制度に関しては反対の声もあるが、その声が通ることはない。
「お姉ちゃん、狙われすぎだよ………。」
帰り道、六花が櫻に向かって言う。櫻がこの言葉を聞くのは今回で記念すべき100回目である。
「そんな事言われても、どうしようもないわ。私がどうこうできる問題ではないし。」
この回答も記念すべき100回目である。
「それに狙われてるのは私じゃなくて、このカードでしょう?」
「う、そうだけど………。」
「……何でお父さんはこのカードを渡したんだろう……?」
元々リベリオンマジシャン・ヴァルキュリアは父親の持ち物だった。櫻が真紅眼デッキを作り上げた際、どうせならと渡されたものだが………。
「確かにランク7だし、真紅眼との相性は良いけど、現実世界でこんな事起きるんじゃ厄病神も良いとこよ。」
「う、うん。そうだね………。」
そんな会話を続けながら歩いていると、いつの間にか家に着いていた。周りの家より、一回り小さいが、和風でゆったりした家だ。
「ただいま。」
「ただいまー!」
2人同時に帰りの挨拶をする。
「おう、おかえり。今日も遅かったな。」
まるで全部知ってるかの様な喋り方をする父。
「誰のせいで遅くなったのかしら?」
「ははっよく言うわ。俺が渡したカードうんぬんは聞かんぞ?とっとと飯食え。」
晩御飯を食べ終えた2人は、自分の部屋に戻りデッキの確認を始める。気になる点があれば、片方の部屋へ行き意見を聞く。2人が強いのはこれがあるからだ。
「ねぇ六花。このデッキにこのカードは合わないかしら?」
「えー……仮に採用したら変態型にも程があると思うよ?むしろこっちの方が………。」
「………メタすぎないかしら?」
こんな風に2人は意見を出し合いお互いのデッキを高めていく。そして出来上がったデッキでデュエルを行い、反省点を見つけてはまた構築に勤しむ。これが彼女達の日々である。
そうして続いて来た彼女達の日々も、今年で終わり。3年生の2人は卒業と言う現実の前に立っていた。進路については2人ともプロデュエリストを目指している。実力は確かなのできっとなれるだろう。
「………。」
静かに窓から外を見つめる櫻。その時だった。一瞬遠くの方に天から光の光線のような物が降りたように見えた。
「今のは?………!?」
その光は軌道を変え、こちら側に真っ直ぐ向かって来る。避けようにも突然の事で体が動かない。もうダメだと思った時………その光は櫻の前で止まり、形を変え始めた。
「え……これは!?」
その形はいつも見ている………カードの形だった。そして、また大きな光を放つと、それは1枚のカードになった。
「きゃ!?……え、何これは?………暗黒龍 ダークネスウィング?こんなカード初めて見たわ………。」
驚きの余りあっけにとられていると、急にドアが開き六花が息を荒くしながら入ってきた。
「お姉ちゃん!これ!これ見て!!」
六花が手にしていたのは同じくカード。しかし、櫻とは違うカードだった 。
「地烈龍 ガイアアイズ……?同じようなカードをさっき私も………!」
そう言い、ダークネスウィングを見せる。2人は驚きを隠せなかったが、夢だと思う事にしそのまま眠りについた。
しかし朝目覚めても、そこにはちゃんとあのカードがあった事は言うまでもない。
次回に続く
ここには各地方や海外からデュエルを学びに多くの学生が通いに来る。
今、教室で1人溜息をついている後ろで縛った紫の髪が腰ほどまで届く髪型が特徴的な女子生徒……櫻もその中の1人であった。彼女はこの町でも有名なデュエリストで、彼女の使う真紅眼デッキはデュエリスト達の注目の的になっている。しかし…彼女を象徴するのはあのカードの存在が大きいだろう。それは………
「リベリオンマジシャン・ヴァルキュリア………か。」
そう、今彼女の口から出た名前。それが彼女を象徴するカードであり、溜息の原因である。何故溜息の原因か?それは少し難しい話だった。それを説明するにはまず、彼女の近くで縛られた状態で転がっている不良2人の説明をしなければならない。
「ふごご!ふごーふご!!(離せ!てめーコラ!!)」
「あら?逃れられると思ってるの?良い加減覚悟を決めなさい。」
覚悟……と言うのは、デュエルフローラ内の学校は全て、悪事を働くと点数が引かれる点数制が採用されている。この点数制が厄介で1度の採点で、25点以上引かれると停学、50点以上引かれると退学になる。そしてそれを決めるのは、その学校の風紀委員なのだ。因みに100点引かれると、警察沙汰になる。櫻も風紀委員だが、今回は被害者なので採点に参加できないのである。………何の被害者かと言うと………。
「このカード、何なの?そんなに高く売れるのかしら?」
そう、強盗事件である。リベリオンマジシャン・ヴァルキュリアは世界に1枚しか無いらしく、売れば一生遊んで暮らせるとか何とか………。そのせいで多くの者……特に不良達に狙われやすく度々この様な事件に巻き込まれていたのだ。これは溜息の原因とも重なっている。
「お姉ちゃん!採点が終わったよ!」
教室に入ると共に大きな声を上げるのは、櫻の双子の妹、六花である。桃色の髪を横で結った髪型の彼女はクールな櫻と違い、学校内で可愛いと評判である。そんな彼女も風紀委員であり、たった今この不良達の採点が終わり、その報告に来たのだ。彼女もまた町で有名なデュエリスト。つまりこの姉妹、2人揃って強デュエリストなのである。因みに六花が使用するデッキは「暗黒騎士 ガイア」を中心とした、ガイアデッキだ。
「あら、よかったじゃない。で?どんな結果だったのかしら?」
「えーっとね!えーっと……まずは主犯格の人!……80点減点!もう1人は、50点減点!以上です!」
「あら、2人揃って退学ね。残念だったわね。」
そう、この通り。バッサリと切り捨てられてしまうのだ。この制度に関しては反対の声もあるが、その声が通ることはない。
「お姉ちゃん、狙われすぎだよ………。」
帰り道、六花が櫻に向かって言う。櫻がこの言葉を聞くのは今回で記念すべき100回目である。
「そんな事言われても、どうしようもないわ。私がどうこうできる問題ではないし。」
この回答も記念すべき100回目である。
「それに狙われてるのは私じゃなくて、このカードでしょう?」
「う、そうだけど………。」
「……何でお父さんはこのカードを渡したんだろう……?」
元々リベリオンマジシャン・ヴァルキュリアは父親の持ち物だった。櫻が真紅眼デッキを作り上げた際、どうせならと渡されたものだが………。
「確かにランク7だし、真紅眼との相性は良いけど、現実世界でこんな事起きるんじゃ厄病神も良いとこよ。」
「う、うん。そうだね………。」
そんな会話を続けながら歩いていると、いつの間にか家に着いていた。周りの家より、一回り小さいが、和風でゆったりした家だ。
「ただいま。」
「ただいまー!」
2人同時に帰りの挨拶をする。
「おう、おかえり。今日も遅かったな。」
まるで全部知ってるかの様な喋り方をする父。
「誰のせいで遅くなったのかしら?」
「ははっよく言うわ。俺が渡したカードうんぬんは聞かんぞ?とっとと飯食え。」
晩御飯を食べ終えた2人は、自分の部屋に戻りデッキの確認を始める。気になる点があれば、片方の部屋へ行き意見を聞く。2人が強いのはこれがあるからだ。
「ねぇ六花。このデッキにこのカードは合わないかしら?」
「えー……仮に採用したら変態型にも程があると思うよ?むしろこっちの方が………。」
「………メタすぎないかしら?」
こんな風に2人は意見を出し合いお互いのデッキを高めていく。そして出来上がったデッキでデュエルを行い、反省点を見つけてはまた構築に勤しむ。これが彼女達の日々である。
そうして続いて来た彼女達の日々も、今年で終わり。3年生の2人は卒業と言う現実の前に立っていた。進路については2人ともプロデュエリストを目指している。実力は確かなのできっとなれるだろう。
「………。」
静かに窓から外を見つめる櫻。その時だった。一瞬遠くの方に天から光の光線のような物が降りたように見えた。
「今のは?………!?」
その光は軌道を変え、こちら側に真っ直ぐ向かって来る。避けようにも突然の事で体が動かない。もうダメだと思った時………その光は櫻の前で止まり、形を変え始めた。
「え……これは!?」
その形はいつも見ている………カードの形だった。そして、また大きな光を放つと、それは1枚のカードになった。
「きゃ!?……え、何これは?………暗黒龍 ダークネスウィング?こんなカード初めて見たわ………。」
驚きの余りあっけにとられていると、急にドアが開き六花が息を荒くしながら入ってきた。
「お姉ちゃん!これ!これ見て!!」
六花が手にしていたのは同じくカード。しかし、櫻とは違うカードだった 。
「地烈龍 ガイアアイズ……?同じようなカードをさっき私も………!」
そう言い、ダークネスウィングを見せる。2人は驚きを隠せなかったが、夢だと思う事にしそのまま眠りについた。
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
頑張っていきたい! (2016-05-26 22:45)
確か凛ちゃんが出るのはこの小説なんですよね? 凛ちゃんはこの小説含めて3作に出ることになるわけですが、それぞれの小説でそれぞれの凛ちゃんが見れるのがひそかに楽しみだったりします。
そしていきなり現れたオリカたち……このカードたちがどのような効果を持っているのかが気になりますね。登場の仕方からして特別なカードと言うのはわかりますが……
あと0.5話(?)を見て気になったのですが、会話文と地の文(「」のない文)の間では改行を入れたり、地の文の段落の最初は1マス開けたりするとより読みやすくなると思います。 (2016-05-27 00:11)
コメントありがとうございます!
はい、凛ちゃんが出るのはこの小説ですね。何とか始められて良かった………!
改行についてですが、次回よりやってみようと思います。貴重なアドバイスありがとうございました。 (2016-05-27 06:17)