第13話　裏社会との接触　作：風鼠

???

博士「修一、美海、よく戻ってきてくれた。」
美海「…」
修一「僕もっと、いろんな人とデュエルしたかったなぁ～」
博士「無理を言うな。お前たちは「適合者」として目覚めてからまだ日が浅い。体がまだ追いついておらず、デュエルするのにも膨大な負担が掛かる。１日で1戦が限度なんだ」
修一「ちぇ～、いいよね～皆は。一杯デュエルしたんでしょ～」
博士「そうふくれるんじゃない。…今回は良くやってくれた。2人とも次の第二段階の開始まで体を十分に休ませておけ。次も期待しているぞ」
美海「…はい」
修一「…はいは～い、わかりましたよ～っと。」

修一「まったく、博士は真面目すぎるんだよ。もっとデュエルしたいよね、美海ちゃん？」
美海「…博士の指示は少佐の指示と同じよ。それに無駄なデュエルは計画に支障が出る事も…」
修一「それ位、分かってるよ～。支障がでないレベルで、だよ」
美海「…はぁ…」
修一「…もぅ、美海ちゃんは乗り悪いなぁ～」
???1「…じゃあ、修一よぉ、あたい達と一緒に来るかい？」
修一の背後から褐色の女性と、マジシャンのような恰好の中年の男性が向かってくる。

修一「…え～と君たちは確か…襲撃部隊の…」
???1→スイレン「…仲間の名前ぐらいちゃんと覚えな。あたいの名前は、スイレン。こっちのマジシャン野郎はトバルカインだ」
トバルカイン「…おいおいぃ～、その言い方はねぇんじゃねぇのぉ～スイレンちゃんよぉ～？」(ペタペタ)
スイレン「…気安く触れるな！てめぇ、酒飲んでやがるな！」
トバルカイン「いいじゃないのぉ～、体を触るのは無料（タダ）なんだしぃ～」
スイレン「(イラッ)一回潰れろ！」
スバルカイン「…おぉ～、怖い怖い、凄いパンチが当たる前に退散退散っとぉ～」
修一「…で、さっきの「一緒に来る」の意味は」
スイレン「…ったく、野郎の性で調子が狂っちまったぜ…。っで本題だがよ、博士に俺とさっきのマジシャン野郎の部隊で舞網市をもう一回襲撃しろって言われてんだよ。‥で俺は、命令の為にもっと戦力が欲しい訳。」
修一「へぇ…」
スイレン「悪い話じゃねぇだろ？俺は戦力を確保できる。そして、お前はもっと戦える。…どうする？乗るか？」
修一「面白そうだね、僕はもちろん乗らせてもらうよ！美海は‥」
美海「私は乗らないわよ。博士に「今は休め」って命令されてるし。…じゃあね。」
修一「だよね～…」
スイレン「…命令に忠実でつまらない女だね。…博士に「洗脳」されたせいかね。資料との性格とは全然違うじゃねぇか。」
修一「…僕たちは、僕たちのやる事をやるんでしょ？」
スイレン「…あぁ。そうだな」
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LDS社長室
アナウンサー『ニュースです。昨日、全国でLDS関連の塾に所属する塾生を中心に大勢の人が何者かに襲撃される事件が多発しました。中にはデュエルによって負傷し、病院へ搬送された、という報告も多数上がっております。現在、警察が襲撃された人達から事情聴収を行い犯人特定に全力を…』(ブツ)

零児「…緊急会議を開く。塾生には本日は休校と速やかに伝達、各コースの講師長にはLDSの3123室に集合する様に連絡せよ。」
中島「…はっ！」
零時「…中島」
中島「…？なんでしょうか」
零時「この人にも連絡を頼む」
中島「…！この人は!?…わ、分かりました」

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舞網市立病院
病室　25X号室
柚子「う…ん…こ、ここは…」
アユ「柚子お姉ちゃん！皆、柚子お姉ちゃんが目を覚ましたよ！」
遊矢「柚ｚ」
修造「ゆ～ずぅ～！！大丈夫か！」
柚子「ちょっとお父さん！あまり、くっつかないでよもぅ」
遊矢「ちょ、塾長足で踏んでるから早くどいてってば」
修造「ゆ～ず～！」
遊矢「…」
権現坂「…医者を呼んでくる。」

医者「…」
修造「…どうですか、娘の状態は？」
医者「…怪我も見当たりませんし、記憶障害等も起きていないよう今日一日様子を見て、それで大丈夫なようだったら明日にでも退院できると思いますよ。」
アユ「よかったね、柚子お姉ちゃん！」
柚子「う、うん。」
医者「では、私はこれで失礼します。」
修造「あ、ありがとうございます。」

大和「…柚子ちゃん。どうやら大丈夫のようだね」
柚子「大和塾長！えぇ、大丈夫です」
大和「…美海の話を聞かせてもらってもいいかな？」
柚子「‥はい」


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柚子「…以上です。」
大和「…美海がエクシーズ召喚を扱い、バーンを主体とした戦術を、ねぇ」
柚子「…間違いありません。」
大和「デュエルの後の美海に、変わった様子はあったかな？」
柚子「意識を失ったので…良くは覚えてそういえば…誰かと電話をしていたような…」
大和「…！それは、重要だね。」
柚子「…内容までは聴き取れ無かったのですが、確か美海は相手を博士と呼んでいたきが…」
大和「…！それは重要だね。」
真澄「…まったく、あなたの周りはいつも賑やかね、柊柚子。」
柚子「‥真澄?!貴方何故病院に?!」
真澄「私も襲われたのよ…あなたとは違う相手に、だけどね。」
大和「柚子ちゃんはまだ知らなかったね。…全国でLDS関連の塾を中心に多くの塾の生徒が襲われるという似たような事件が多発してね。昨日の時点で300名以上が病院に運ばれたらしい。」
フトシ「朝から痺れるくらいそのニュースばっかり見るぜ…」
アユ「事件のせいで、今日LDSは休校みたいだよ。」
大和「あぁ、赤羽君が各コースの講師長を集めて事件に対する会議を開くらしい。…僕もその会議に参加する予定だよ。」
修造「…お前」
大和「ＬＤＳのシンクロコースの講師長とはそれなりに長い付き合いでね。僕も会議に参加できるように頼んだんだ。」
遊矢「…!」
大和「…さてと、事件の話も聞いたことだし、僕はこれで失礼するよ。柚子ちゃん、事件の話ありがとうね。今はしっかり休みなさいね。」
柚子「…あ、ありがとうございます。」



舞網病院　入り口前


大和「…では、今日の午後2時に、会議室に集合と言う事で。…はい、わかりました。…はい。…失礼します。」
遊矢「…大和塾長！」
大和「…？どうかしたかい、遊矢君？」
遊矢「…俺も会議に一緒に行かせてください！お願いします！」

大和「…まぁ、別にいいけど…会議の前に今から、この襲撃事件の情報を知ってそうな人に会いに行くけど、ついてくるかい？」
遊矢「はい！」

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修一「で、襲撃って、結局どういう感じで行くの？」
スイレン「…あぁ、まだ作戦を説明してなかったな、まぁざっくり言うと、マジシャン野郎の部隊とあたいの部隊の2手に分かれて挟撃の要領で舞網市を襲撃すんだよ」
修一「へぇ…。大分ざっくりだね。」
スイレン「うるせ、もうすぐ、部隊が配備する拠点付近だ。一度、博士に連絡するから」
修一「…」
スイレン「‥博士、あたいの部隊の方は目的地に到着した。…マジシャン野郎の方は知らんがな」
博士『・・あぁ、了解した。トバルカインの方も先ほど目的地に到着したという報告を受けた。襲撃開始は明日の明朝から開始せよ。だがあくまで、お前たちの今回の襲撃の目的は第2段階への布石にしかすぎない。…出過ぎたことはするなよ』
スイレン「…分かってるよ、そんなこと！」
博士『…分かってるなら、それでいい。電話を切るぞ。』
スイレン「…私たちの部隊は、今晩から襲撃を開始する。」
部下「え？‥は、はい！」
修一「‥いいの？明日から開始、じゃなくて？」
スイレン「…成果が上がれば、開始時間なんて関係ねぇよ。それに、お前も早く戦いたいんだろ？」
修一「…もっちろん！」



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遊矢「…で、今から会いに行く人ってどんな人なんですか？」
大和「…房川秋次郎、圧倒的なデュエルの実力で一時期裏社会の全てを牛耳っていた男だよ。」
遊矢「何でそんな人に?!」
大和「遊矢君、今回の事件は裏社会の人間の仕業だと考えていてね。情報を得る為には蛇の道は蛇、裏社会の事は裏社会で生きていた人に聞いた方が良い。」
遊矢「でも！」
大和「遊矢君。…今回の事件、解決したいんだろ？」
遊矢「…はい。」
大和「だったら、解決するためには裏社会だろうと関係ない。」
遊矢「…はい」
大和「…情報によると…ここか。裏社会を身を引いた房川秋次郎が経営する塾だ」
遊矢「…」

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塾内
大和「…失礼するよ。」
遊矢「（う・・・酒くさ）」
大和「いやはや、変わらないねあの人の趣味は…」
モブ1「…誰だてめえら!」
モブ2「てめぇら、何の用だ」
遊矢（…がらわる）
大和「…今日、ここの塾長と会う予定をしてましてね、君ここの塾生だよね？今日、塾長来てるかな？」
モブ1「…ふん、知りたきゃ俺を倒してから聞け！」
???「…やめとけ、お前が何度やってもそいつには一生勝てやしねぇよ。」
大和「…！」
モブ1「…！で、ですが…」
???「下がれ…」
モブ1、２「…はい。…（チッ）」
遊矢（この人が…）
大和「…久しぶりですね、房川さん。」
???→房川「…何しにきた若造、ここはお前みたいな表世界の若造ごときが来る場所じゃねぇぞ。」