交流(共通)
メインメニュー
クリエイトメニュー
- 遊戯王デッキメーカー
- 遊戯王オリカメーカー
- 遊戯王オリカ掲示板
- 遊戯王オリカカテゴリ一覧
- 遊戯王SS投稿
- 遊戯王SS一覧
- 遊戯王川柳メーカー
- 遊戯王川柳一覧
- 遊戯王ボケメーカー
- 遊戯王ボケ一覧
- 遊戯王イラスト・漫画
その他
遊戯王ランキング
注目カードランクング
カード種類 最強カードランキング
● 通常モンスター
● 効果モンスター
● 融合モンスター
● 儀式モンスター
● シンクロモンスター
● エクシーズモンスター
● スピリットモンスター
● ユニオンモンスター
● デュアルモンスター
● チューナーモンスター
● トゥーンモンスター
● ペンデュラムモンスター
● リンクモンスター
● リバースモンスター
● 通常魔法
永続魔法
装備魔法
速攻魔法
フィールド魔法
儀式魔法
● 通常罠
永続罠
カウンター罠
永続魔法
装備魔法
速攻魔法
フィールド魔法
儀式魔法
● 通常罠
永続罠
カウンター罠
種族 最強モンスターランキング
● 悪魔族
● アンデット族
● 雷族
● 海竜族
● 岩石族
● 機械族
● 恐竜族
● 獣族
● 幻神獣族
● 昆虫族
● サイキック族
● 魚族
● 植物族
● 獣戦士族
● 戦士族
● 天使族
● 鳥獣族
● ドラゴン族
● 爬虫類族
● 炎族
● 魔法使い族
● 水族
● 創造神族
● 幻竜族
● サイバース族
● 幻想魔族
属性 最強モンスターランキング
レベル別最強モンスターランキング
レベル1最強モンスター
レベル2最強モンスター
レベル3最強モンスター
レベル4最強モンスター
レベル5最強モンスター
レベル6最強モンスター
レベル7最強モンスター
レベル8最強モンスター
レベル9最強モンスター
レベル10最強モンスター
レベル11最強モンスター
レベル12最強モンスター
デッキランキング
アンコール&レスポンス、ノーハートビート 作:匙川
「……《ヒツギツギ》」
ステージの上。
いつものように曲名だけ宣言して歌い始める。
MCとか、そういう面倒くさいことはできない。
観客は沸いている。
だけど、私の心を埋めていたのは、焦りだった。
……ああ、やっぱり。
もう、歌っている時さえ虚しさが消えない。
歓声が降り注ぐ中、私の胸は氷のように冷えていた。
それでも最後まで歌い切り、顔を落としたまま、ステージ袖に捌ける。
「アンコールには、応えないのですね。いつものことですが……」
そこにいたのは、見慣れた骨の顔。
《ボーンテッド・ライブハウス》の総支配人、ソウルキングだ。
「キング……私は、もう」
「この後、予定はありますか?」
「……え?」
「どんな予定でも、ぶっ千切ってしまいなさい」
違和感があった。
彼は常識のある方だし、不義理はしない。
だからこんな物言いは、よっぽどのことが無ければあり得ないはず。
キングにそう言わせるほどのものって、一体――
「彼女の一世一代の舞台です。どうか見てあげてください」
私に代わってステージに上がっていたのは、あの時の確か――サティアだったか。
彼女のパフォーマンスを見ろ、ということ?
「いくよー! 《ドレッシング☆プリンセス》!」
弾けるような声。観客が一斉に手を掲げ、飛び跳ねる。
その光景は、私が喪った熱を当然のように持っている彼女を突きつけてくる。
私は見た上で記憶に残るか残らないかで判断している。
最初から見ていない歌い手なんて存在しない。
だから、今更彼女の歌声を聞いたところで――何の意味もない。
「……それじゃあ、次の曲! ソウルキングさんに無理を言って、なんとかねじ込んでもらいました!」
観客は喜んでいる。
彼女なら私をライバル視なんてしなくても、勝手に私を超えていくだろう。
もう、私は萎れていくだけなのだから。
「…………《ヒツギツギ》!」
「……え?」
私の、曲……?
「シェプスタさんは、権利関係も全てこちらに任せられてますから……私が許可を出しました」
ソウルキングの声が、頭に入らない。
聞き慣れたイントロだ。
反射的に声が出そうになるほど、体に染み付いている。
「『声だけを震わす 一人の世界 叫んでる レゾンデートル』」
混乱する頭で考える。
彼女と私では、声質も何もかも違うはずだ。
自分に合わない曲をカバーして、そうまでして私を意識する理由は――?
「『太陽さえ堕ちる物なら この声よ昇れ 昼も夜も忘れるほどの熱を込め』」
なんで、そんなに楽しそうに歌えるのだろうか。
……ああ、ずるいなぁ。
「あれ……」
見ていると、なんだろう。
顔が熱くなる。多分頬が赤い。
彼女の持ち歌でもこんなことは無かったのに、なぜ合わないはずの曲でこんな――?
「『受け継いだ魂が 胸の奥の奥にある』」
気づけば虚しさは消え、渇望だけが私の胸にあった。
歌いたい。歌いたい。歌いたい。
「『私はここにいる』」
どうして彼女の歌がここまでも、心を揺さぶる……?
「サティアさんは、ただあなたに勝ちたいのではない。あなた以上にお客さんを盛り上げたい、そう思って努力し、そうしてステージに立っているのです」
私は彼の言葉を聞きながらも、視線はずっとサティアに向いていた。
おそらく、キングもそうしているだろう。
「一度、あなたも目を向けてみませんか? ただの聴衆ではない、共にライブを盛り上げるオーディエンス達に」
「キング……」
私の口から溢れたのは、その言葉への返答ではない。
「アンコールってさ、まだ有効?」
――――――――――――
――――
「全部……出し切った……」
疲労困憊で、ステージ袖にへたり込む。
今にも気絶しそうだけど……そういう訳にはいかない。
私に替わってステージに上がったのが、シェプスタちゃんだったからだ。
……私からのメッセージ、届いたみたい。
「……いくよ」
シェプスタちゃんはいつも通り、ぶっきらぼうにそれだけ言って。
……今までに見たこともない鮮烈なパフォーマンスで、絶対的な存在を示した。
魂を震わす叫び。下支えする技術。
舞台を支配する圧倒的な存在感。
誰もが彼女に全意識を集中する。
これがシェプスタちゃんの本気なんだ。
私が沸かせた観客全員の心を、一瞬で塗り替えた。
……ああ、ずるいなぁ。
そう思って、意識を落とした。
目が覚めた頃には、ライブは既に終わっていて……。
私と言えば、不安に俯いていた。
あんなに凄いものを見た後で……私はまた、シェプスタちゃんをライバルと言えるだろうか。
帰り道。
出口のそば、壁にもたれかかるシェプスタちゃんの姿を見つけて、足が止まる。
ただ自然体で立っているだけなのに、隠しきれないオーラが空気を張り詰めさせる。
胸がぎゅっと縮み、呼吸を忘れるほどだった。
そんな私を見て、彼女は一度だけ目を合わせ――ふっと口を開いた。
「じゃあね、サティア」
「……え?」
「どうしたの。ライバルに挨拶したら、おかしい?」
――――――――――――
――――
「ふふっ」
思わず笑みが溢れる。
サティアの驚いた顔を思い返すと、帰路に足が弾む。
私の胸に空いた穴に、彼女が入り込んでしまったようだ。
「責任取ってね、お姫様」
いつになく、上を向いて歩き出す。
今日は、月が綺麗だ。
ステージの上。
いつものように曲名だけ宣言して歌い始める。
MCとか、そういう面倒くさいことはできない。
観客は沸いている。
だけど、私の心を埋めていたのは、焦りだった。
……ああ、やっぱり。
もう、歌っている時さえ虚しさが消えない。
歓声が降り注ぐ中、私の胸は氷のように冷えていた。
それでも最後まで歌い切り、顔を落としたまま、ステージ袖に捌ける。
「アンコールには、応えないのですね。いつものことですが……」
そこにいたのは、見慣れた骨の顔。
《ボーンテッド・ライブハウス》の総支配人、ソウルキングだ。
「キング……私は、もう」
「この後、予定はありますか?」
「……え?」
「どんな予定でも、ぶっ千切ってしまいなさい」
違和感があった。
彼は常識のある方だし、不義理はしない。
だからこんな物言いは、よっぽどのことが無ければあり得ないはず。
キングにそう言わせるほどのものって、一体――
「彼女の一世一代の舞台です。どうか見てあげてください」
私に代わってステージに上がっていたのは、あの時の確か――サティアだったか。
彼女のパフォーマンスを見ろ、ということ?
「いくよー! 《ドレッシング☆プリンセス》!」
弾けるような声。観客が一斉に手を掲げ、飛び跳ねる。
その光景は、私が喪った熱を当然のように持っている彼女を突きつけてくる。
私は見た上で記憶に残るか残らないかで判断している。
最初から見ていない歌い手なんて存在しない。
だから、今更彼女の歌声を聞いたところで――何の意味もない。
「……それじゃあ、次の曲! ソウルキングさんに無理を言って、なんとかねじ込んでもらいました!」
観客は喜んでいる。
彼女なら私をライバル視なんてしなくても、勝手に私を超えていくだろう。
もう、私は萎れていくだけなのだから。
「…………《ヒツギツギ》!」
「……え?」
私の、曲……?
「シェプスタさんは、権利関係も全てこちらに任せられてますから……私が許可を出しました」
ソウルキングの声が、頭に入らない。
聞き慣れたイントロだ。
反射的に声が出そうになるほど、体に染み付いている。
「『声だけを震わす 一人の世界 叫んでる レゾンデートル』」
混乱する頭で考える。
彼女と私では、声質も何もかも違うはずだ。
自分に合わない曲をカバーして、そうまでして私を意識する理由は――?
「『太陽さえ堕ちる物なら この声よ昇れ 昼も夜も忘れるほどの熱を込め』」
なんで、そんなに楽しそうに歌えるのだろうか。
……ああ、ずるいなぁ。
「あれ……」
見ていると、なんだろう。
顔が熱くなる。多分頬が赤い。
彼女の持ち歌でもこんなことは無かったのに、なぜ合わないはずの曲でこんな――?
「『受け継いだ魂が 胸の奥の奥にある』」
気づけば虚しさは消え、渇望だけが私の胸にあった。
歌いたい。歌いたい。歌いたい。
「『私はここにいる』」
どうして彼女の歌がここまでも、心を揺さぶる……?
「サティアさんは、ただあなたに勝ちたいのではない。あなた以上にお客さんを盛り上げたい、そう思って努力し、そうしてステージに立っているのです」
私は彼の言葉を聞きながらも、視線はずっとサティアに向いていた。
おそらく、キングもそうしているだろう。
「一度、あなたも目を向けてみませんか? ただの聴衆ではない、共にライブを盛り上げるオーディエンス達に」
「キング……」
私の口から溢れたのは、その言葉への返答ではない。
「アンコールってさ、まだ有効?」
――――――――――――
――――
「全部……出し切った……」
疲労困憊で、ステージ袖にへたり込む。
今にも気絶しそうだけど……そういう訳にはいかない。
私に替わってステージに上がったのが、シェプスタちゃんだったからだ。
……私からのメッセージ、届いたみたい。
「……いくよ」
シェプスタちゃんはいつも通り、ぶっきらぼうにそれだけ言って。
……今までに見たこともない鮮烈なパフォーマンスで、絶対的な存在を示した。
魂を震わす叫び。下支えする技術。
舞台を支配する圧倒的な存在感。
誰もが彼女に全意識を集中する。
これがシェプスタちゃんの本気なんだ。
私が沸かせた観客全員の心を、一瞬で塗り替えた。
……ああ、ずるいなぁ。
そう思って、意識を落とした。
目が覚めた頃には、ライブは既に終わっていて……。
私と言えば、不安に俯いていた。
あんなに凄いものを見た後で……私はまた、シェプスタちゃんをライバルと言えるだろうか。
帰り道。
出口のそば、壁にもたれかかるシェプスタちゃんの姿を見つけて、足が止まる。
ただ自然体で立っているだけなのに、隠しきれないオーラが空気を張り詰めさせる。
胸がぎゅっと縮み、呼吸を忘れるほどだった。
そんな私を見て、彼女は一度だけ目を合わせ――ふっと口を開いた。
「じゃあね、サティア」
「……え?」
「どうしたの。ライバルに挨拶したら、おかしい?」
――――――――――――
――――
「ふふっ」
思わず笑みが溢れる。
サティアの驚いた顔を思い返すと、帰路に足が弾む。
私の胸に空いた穴に、彼女が入り込んでしまったようだ。
「責任取ってね、お姫様」
いつになく、上を向いて歩き出す。
今日は、月が綺麗だ。
| 現在のイイネ数 | 30 |
|---|
↑ 作品をイイネと思ったらクリックしよう(1話につき1日1回イイネできます)
同シリーズ作品
| イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 42 | ボーンテッド・センドハート=サティア | 284 | 0 | 2025-09-04 | - | |
| 37 | ボーンテッド・ノーハート=シェプスタ | 305 | 0 | 2025-09-05 | - | |
| 30 | アンコール&レスポンス、ノーハートビート | 224 | 0 | 2025-09-06 | - |
更新情報 - NEW -
- 2025/11/22 新商品 TERMINAL WORLD 3 カードリスト追加。
- 12/15 21:23 評価 7点 《ヴェンデット・リユニオン》「意識すれば発動条件を揃えることは…
- 12/15 20:50 評価 8点 《再世の龍神 ワイクラー》「再世テーマの風属性ドラゴン族の魔法…
- 12/15 17:41 評価 6点 《捕食植物スピノ・ディオネア》「混戦に活路を見出し、中盤に牙を…
- 12/15 17:00 評価 6点 《超魔神イド》「イド、即ち本能的衝動の化身。 断じていどまじん…
- 12/15 16:44 評価 10点 《天獄の王》「裏側表示のカードを守る効果と、セットされた魔法…
- 12/15 16:34 評価 10点 《巳剣降臨》「巳剣儀式モンスターを出すときに使う儀式魔法。 …
- 12/15 13:56 評価 8点 《ヴェンデット・リボーン》「ヴェンデットが誇る優秀な除去罠であ…
- 12/15 13:55 デッキ 原石リシド
- 12/15 13:09 デッキ マナドゥム
- 12/15 13:03 評価 8点 《水晶機巧-クオン》「【クリストロン】においてはレベル1のチュ…
- 12/15 12:48 評価 9点 《EMオッドアイズ・ディゾルヴァー》「使い減りしない融合の手数…
- 12/15 09:35 評価 8点 《捕食植物バンクシアオーガ》「《捕食植物》唯一のチューナーにし…
- 12/15 09:21 評価 2点 《メガリス・プロモーション》「下級モンスターのLVを元々の倍に変…
- 12/15 07:04 評価 5点 《異次元の女戦士》「OCGにおける《戦士族》の顔の一人で《戦士ダ…
- 12/15 01:48 評価 10点 《ドラグニティナイト-ロムルス》「天球とほぼ同じ条件で出して…
- 12/15 00:00 コンプリート評価 ねこーらさん ⭐ストラクチャーデッキR-巨神竜復活-⭐
- 12/14 23:15 評価 10点 《天地再世》「アド取りに難を抱えるリジェネシス随一の大量アド…
- 12/14 23:14 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 12/14 22:58 SS 【デュエル5】カナの全力
- 12/14 21:51 デッキ SR絢嵐
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
遊☆戯☆王OCGストラクチャーズ 11巻


TERMINAL WORLD 3
BURST PROTOCOL
THE CHRONICLES DECK-白の物語-
WORLD PREMIERE PACK 2025
LIMITED PACK GX -オシリスレッド-
ストラクチャーデッキ-パワー・オブ・フェローズ-
LIMITED PACK WORLD CHAMPIONSHIP 2025
デッキビルドパック ファントム・リベンジャーズ
DOOM OF DIMENSIONS
TACTICAL-TRY PACK - 黒魔導・HERO・御巫 -
TACTICAL-TRY DECK 退魔天使エクソシスター
TACTICAL-TRY DECK 超骸装部隊R-ACE
遊☆戯☆王OCGストラクチャーズ 10巻
DUELIST ADVANCE




遊戯王カードリスト
遊戯王カード検索
遊戯王カテゴリ一覧
遊戯王デッキレシピ
闇 属性
光 属性
地 属性
水 属性
炎 属性
風 属性
神 属性