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第四話 主人公対決 VS遊城十代・後編 作:鈴木颯手
「……俺のターン、ドロー」
黒木龍吾
手札0枚→1枚
濃厚な1巡目を終え2回目の龍吾のターンがやってきた。しかし、龍吾の手札は一枚しかなく1ターン目程の動きは期待できそうになかった。
「手札から“幼邪龍”を召喚する。“幼邪龍”の効果発動。このカードをリリースし、デッキより元々のレベルが高い邪龍モンスターを一体特殊召喚する。俺は“成邪龍”を特殊召喚する」
幼邪龍(闇/ドラゴン族 星3)
ATK1000 DEF1000
成邪龍(闇/ドラゴン族 星6)
ATK2000 DEF2000
しかし、龍吾は大方の予想を裏切り動いて見せた。僅か一枚のカードから上級モンスターを召喚した。とは言え十代のフィールドにいるクレイマンの守備力は同数であり破壊する事は困難だった。更に、十代にはセットカードがあった。
「“成邪龍”の効果発動。自分より元々のレベルが低いモンスターの効果で特殊召喚に成功した時、相手フィールドの魔法、罠カード二枚を破壊する。そのセットカードと“スカイスクレイパー”を破壊する」
「ああ!」
幼き龍から立派な龍へと至ったドラゴンが方向を上げる。それは質量を伴い十代の場に届き伏せられていたセットカードが浮かび上がり砕け散った。十代が伏せていたカードは“攻撃の無力化”であり発動すればクレイマンの撃破は不可能だっただろう。更に、摩天楼にもひびが入っていく一気に崩壊していった。
「更にこのカードは墓地の邪龍モンスター一体につき攻撃力を100アップする。俺の墓地には“インフィニティ・カオスドラゴン”と“幼邪龍”の二体のモンスターがいる。よって、攻撃力は200アップする」
「そんな!? これじゃアニキの“クレイマン”が……!」
「罠カードを破壊できたのも効いているな。龍吾のエースモンスターにばかり目が行っていたがそれ以外のカードも優秀だ。流石はジュニアリーグで且つやk空いたプロデュエリストだけの事はある」
「でも、十代だって負けていないと思うわ」
成邪龍
ATK2000→2200
「バトル! “成邪龍”で“クレイマン”を攻撃」
「くっ!」
“成邪龍”は尻尾による薙ぎ払いで“クレイマン”を吹き飛ばす。“クレイマン”は呆気なく吹き飛ばされ破壊された。それを見た“成邪龍”は勝利の雄たけびを上げた。
「俺はこれでターンエンドだ」
一気に十代の場を蹴散らした龍吾は静かに言った。形勢は圧倒的に十代が不利でありこの状況からの打開はとてもできないように思われた。しかし
「いいねぇ! 面白くなって来た!」
「……」
十代はこの状況においてもデュエルを楽しんでおり龍吾は何を思っているのか、目を細めて十代を眺めている。
「俺のターン! ドロー!」
遊城十代
手札0枚→1枚
そしてついに十代はドローする。自らが引いたカードを見た十代の顔は、笑っていた。
「俺は“E・HERO バブルマン”を特殊召喚する! このカードは手札がこのカード一枚の場合、特殊召喚が出来る! 更に、自分フィールドにこのカード以外ない場合は二枚ドローできる!」
「この状況に置いて、それを引くか……!」
遊城十代
手札0枚→2枚
「っ! よし! 俺は手札から“E・HERO スパークマン”を召喚! 更に“ミラクル・フュージョン”を発動! “スパークマン”と“フレイム・ウィングマン”をゲームから除外する事で“E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン”を融合召喚する!」
「“シャイニング・フレア・ウィングマン”!?」
「新たなE・HEROか!」
十代が召喚したのは神々しい光を放つヒーローだった。
E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン(光/戦士族 星8)
ATK2500 DEF2100
「攻撃力、2500……」
「それだけじゃない! “シャイニング・フレア・ウィングマン”は墓地のE・HERO一枚に付き攻撃力を300アップする!」
「という事は……」
「墓地には“フェザーマン”と“バーストレディ”の二体がいる。つまり……」
「攻撃力は3100!?」
E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン
ATK2500→3100
「行くぜ! “シャイニング・フレア・ウィングマン”で“成邪龍”を攻撃! シャイニング・シュート!」
十代の叫びと同時に“シャイニング・フレア・ウィングマン”が“成邪龍”に襲いかかる。果敢に応戦する“成邪龍”を“シャイニング・フレア・ウィングマン”は圧倒的な力で粉砕する。
黒木龍吾
LP4000→3100
「くっ!」
「更に! “シャイニング・フレア・ウィングマン”が相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分の効果ダメージを与える!」
「……っ!」
黒木龍吾
LP3100→900
「そして! “バブルマン”で攻撃!」
黒木龍吾
LP900→100
「残りライフ、100!」
「惜しい! 惜しいっスよアニキ!」
「でも、これで龍吾君の劣勢となったわ」
僅かに残った100のライフポイント。誰がどう見ても十代の優勢で間違いはなく、龍吾の逆転は不可能に思えた。それを察したのか、龍吾は何も言う事なくカードを一枚引くとサレンダーの合図である、デッキを包むように手を置いた。
「……サレンダーだ」
「! よっしゃぁっ!!」
十代は勝利を喜ぶ。そして、彼が試合後に言っている「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!」と言い締めくくられた。先程まで眺めていた観客たちが二人の下に近寄って来るが龍吾は用事があると一人、会場を後にした。
……校舎のとある廊下、そこで龍吾は誰もいない事を確認するとデッキを取り出し一番上のカードを見る。それは、最後にドローしたカードでありサレンダーするきっかけとなったカードだった。
「あの場面でこれを引くとは……、お前らは俺に何を望んでいるんだ……」
龍吾は静かに呟くとデッキにカードを戻し自室のあるラーイエローの寮へと歩き出した。その為、最後に引いたカード、“邪龍融合”が黒いオーラをまとっている事に気付く事は無かった。
黒木龍吾
手札0枚→1枚
濃厚な1巡目を終え2回目の龍吾のターンがやってきた。しかし、龍吾の手札は一枚しかなく1ターン目程の動きは期待できそうになかった。
「手札から“幼邪龍”を召喚する。“幼邪龍”の効果発動。このカードをリリースし、デッキより元々のレベルが高い邪龍モンスターを一体特殊召喚する。俺は“成邪龍”を特殊召喚する」
幼邪龍(闇/ドラゴン族 星3)
ATK1000 DEF1000
成邪龍(闇/ドラゴン族 星6)
ATK2000 DEF2000
しかし、龍吾は大方の予想を裏切り動いて見せた。僅か一枚のカードから上級モンスターを召喚した。とは言え十代のフィールドにいるクレイマンの守備力は同数であり破壊する事は困難だった。更に、十代にはセットカードがあった。
「“成邪龍”の効果発動。自分より元々のレベルが低いモンスターの効果で特殊召喚に成功した時、相手フィールドの魔法、罠カード二枚を破壊する。そのセットカードと“スカイスクレイパー”を破壊する」
「ああ!」
幼き龍から立派な龍へと至ったドラゴンが方向を上げる。それは質量を伴い十代の場に届き伏せられていたセットカードが浮かび上がり砕け散った。十代が伏せていたカードは“攻撃の無力化”であり発動すればクレイマンの撃破は不可能だっただろう。更に、摩天楼にもひびが入っていく一気に崩壊していった。
「更にこのカードは墓地の邪龍モンスター一体につき攻撃力を100アップする。俺の墓地には“インフィニティ・カオスドラゴン”と“幼邪龍”の二体のモンスターがいる。よって、攻撃力は200アップする」
「そんな!? これじゃアニキの“クレイマン”が……!」
「罠カードを破壊できたのも効いているな。龍吾のエースモンスターにばかり目が行っていたがそれ以外のカードも優秀だ。流石はジュニアリーグで且つやk空いたプロデュエリストだけの事はある」
「でも、十代だって負けていないと思うわ」
成邪龍
ATK2000→2200
「バトル! “成邪龍”で“クレイマン”を攻撃」
「くっ!」
“成邪龍”は尻尾による薙ぎ払いで“クレイマン”を吹き飛ばす。“クレイマン”は呆気なく吹き飛ばされ破壊された。それを見た“成邪龍”は勝利の雄たけびを上げた。
「俺はこれでターンエンドだ」
一気に十代の場を蹴散らした龍吾は静かに言った。形勢は圧倒的に十代が不利でありこの状況からの打開はとてもできないように思われた。しかし
「いいねぇ! 面白くなって来た!」
「……」
十代はこの状況においてもデュエルを楽しんでおり龍吾は何を思っているのか、目を細めて十代を眺めている。
「俺のターン! ドロー!」
遊城十代
手札0枚→1枚
そしてついに十代はドローする。自らが引いたカードを見た十代の顔は、笑っていた。
「俺は“E・HERO バブルマン”を特殊召喚する! このカードは手札がこのカード一枚の場合、特殊召喚が出来る! 更に、自分フィールドにこのカード以外ない場合は二枚ドローできる!」
「この状況に置いて、それを引くか……!」
遊城十代
手札0枚→2枚
「っ! よし! 俺は手札から“E・HERO スパークマン”を召喚! 更に“ミラクル・フュージョン”を発動! “スパークマン”と“フレイム・ウィングマン”をゲームから除外する事で“E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン”を融合召喚する!」
「“シャイニング・フレア・ウィングマン”!?」
「新たなE・HEROか!」
十代が召喚したのは神々しい光を放つヒーローだった。
E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン(光/戦士族 星8)
ATK2500 DEF2100
「攻撃力、2500……」
「それだけじゃない! “シャイニング・フレア・ウィングマン”は墓地のE・HERO一枚に付き攻撃力を300アップする!」
「という事は……」
「墓地には“フェザーマン”と“バーストレディ”の二体がいる。つまり……」
「攻撃力は3100!?」
E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン
ATK2500→3100
「行くぜ! “シャイニング・フレア・ウィングマン”で“成邪龍”を攻撃! シャイニング・シュート!」
十代の叫びと同時に“シャイニング・フレア・ウィングマン”が“成邪龍”に襲いかかる。果敢に応戦する“成邪龍”を“シャイニング・フレア・ウィングマン”は圧倒的な力で粉砕する。
黒木龍吾
LP4000→3100
「くっ!」
「更に! “シャイニング・フレア・ウィングマン”が相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分の効果ダメージを与える!」
「……っ!」
黒木龍吾
LP3100→900
「そして! “バブルマン”で攻撃!」
黒木龍吾
LP900→100
「残りライフ、100!」
「惜しい! 惜しいっスよアニキ!」
「でも、これで龍吾君の劣勢となったわ」
僅かに残った100のライフポイント。誰がどう見ても十代の優勢で間違いはなく、龍吾の逆転は不可能に思えた。それを察したのか、龍吾は何も言う事なくカードを一枚引くとサレンダーの合図である、デッキを包むように手を置いた。
「……サレンダーだ」
「! よっしゃぁっ!!」
十代は勝利を喜ぶ。そして、彼が試合後に言っている「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!」と言い締めくくられた。先程まで眺めていた観客たちが二人の下に近寄って来るが龍吾は用事があると一人、会場を後にした。
……校舎のとある廊下、そこで龍吾は誰もいない事を確認するとデッキを取り出し一番上のカードを見る。それは、最後にドローしたカードでありサレンダーするきっかけとなったカードだった。
「あの場面でこれを引くとは……、お前らは俺に何を望んでいるんだ……」
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