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HOME > 遊戯王SS一覧 > その1 「威柱」についてと、その発見

その1 「威柱」についてと、その発見 作:szmt

まずは「威柱」について記す。
「威柱」とは、この世界を創った創造神が、その権能の一部を切り取って具現化し、世界を支えるために突き立てたその名の通りの柱だ。
人の身では図ることができないぐらいに巨大で、どこからでもその威柱を見ることができるだろう。昔、国で最も俊足な戦士に野の威柱の周りを走らせたところ、装備もないも持たない軽い姿であったにも関わらず3時間ほどかかったという。それほどまでに巨大なのだ。
それぞれの威柱がそれぞれのあるべき場所に座しており、それぞれの場所から「森の威柱」「山の威柱」「海の威柱」「野の威柱」と呼ばれている。果てしない過去からずっとそこに佇んでいるにもかかわらず、それぞれの威柱は神の力によって緑、赤、青、黄の色が剥げたり失われることもなく塗られている。

ただ建てられただけの柱であったならば、間違いなく歴史に埋もれていったであろうこれらの建造物は、「力」を持っていた。
先ほど記述したように、威柱は創造神の権能が具現化したものだ。が故に、気づいたものがいた。威柱のふもとで祈ることによって、威柱より権能に合わせた力を授かることができるのだ。
例に挙げるのならば、森の威柱だろう。誰にでも平等に降り注ぐその恩恵を求め、畑を開墾する農民や家畜を育てる酪農家、はたまた子を残したい若夫婦などが後を絶たない。
この力が見つかってから、「威柱教団」あるいは単に「教団」と呼ばれる組織が台頭し始めてきた(訂正:どうやら教団は威柱の恩恵が発見される前から存在していたようだ)。
彼らは威柱とともにあり、その恩恵を借り受け、信仰の力でその恩恵を増幅してゆくという。
しかし、あくまで彼らが歩んだのは共存の道。彼らは、威柱とともにあり、神の恩恵を少しでも長く、少しでも多くの人に分け与えんとしているのだ。

さて、威柱には力が宿っていることが認められたのは後の話。いまだ威柱が単なる建造物、あるいは宗教的象徴と思われていたころからすでに威柱は歴史の中心としての役割も果たしていた。
海に聳え立つ威柱は船乗りたちの目印にもなっていたし、野の威柱は国の中心となり王の威厳を表すためのものと変化していった。
しばらくして山の威柱へのルートが開拓されると、自然に森の威柱へ進むために開拓する人物も出てきたのだ。


そうしてしばらくした後に発見された。
空の威柱と、地の威柱が。
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