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HOME > 遊戯王SS一覧 > 3話「輝けし魔剣導師」

3話「輝けし魔剣導師」 作:グレイ

 見渡す限り何もなく、ただ地平線が見えるのみ。藍河美遊は、そんな大地に立っていた。
周りには誰もおらず、困惑する美遊。誰か、誰かいないものか、と美遊はその足で走り出すも、走っても走っても白い大地が続くばかりであり、何もない。叫び、走り疲れた美遊はくたびれ、足を止めた。
 一旦冷静になると、両手に何か違和感のようなものを覚える。手元を見ると、美遊の両手には何か得体の知れない黒い塊がこびりついていた。気味が悪いので、腕を振り払おうとするのだが、どうにも離れる気配が見えない。しかし、その暗黒はやがて美遊の両腕に蔦を伸ばして侵食してゆく。
ふと、誰かの気配がする。顔を上げると、そこにはどこか懐かしい気のする大人が、二人ほど立っていた。顔はぼやけて、確かめることができないが、自分の両親だと思った美遊は駆け寄る。
 二つの影は美遊に対して何かを叫んだ。すると、その姿はドロドロに溶け出し、無数の手の形になって美遊に襲いかかった。身の危険を感じた美遊は走って逃げ出そうとする、が、両手と同じような暗黒が両の足を蝕んで、身動きが取れない。気が付けば、黒い塊は自分の顔を残して全身を包んでいた。
体は動かず、目前には命を狙う無数の手。絶体絶命の美遊は恐怖に怯え戦くばかりであり、無惨にもその体は貫かれた──

美遊「──!」

 ふと気が付く美遊。そこは、デュエルアカデミアの教室だ。
 両腕を見ると、それを蝕んでいたものは何もない。体を見ると、貫かれた傷などひとつも見当たらない。もちろん、無数の手もそこにはなかった。
 周りには、前を見てノートを書く学生達。美遊は、先の光景は夢であることを理解する。自分は、アカデミアの授業の退屈さに耐えかねて眠ってしまっていたようだ。黒板を見ると、複数の消し跡と共に「-5ax ²y」と書かれているのが見えた。

教師「はい、えーとじゃあそこの──起きたのか。藍河、この単項式の、aについて着目した時の係数と次数は?」

 居眠りは既に気付かれていたようで、教師は次にはそいつを当ててやろうと思っていたようで、目を覚ましたばかりの美遊は指名され、立ち上がる。しかし、美遊にとってはこの問いに答えることなど朝飯前であった。

美遊「係数は-5x ²y。aは1つなので、次数は1です」

教師「うん……正解だ。でも授業はちゃんと聞いておくように」

はい、と軽く答え、美遊は席に着いた。



――――



 アカデミアの授業は、正直なところ美遊にとっては退屈極まりなかった。美遊はデュエルだけでなく、学力にも自信があり、実際に力もある。デュエルアカデミアというだけあっての期待感はあったものの、実際には通常の高校教育と何ら変わらない。加えて、美遊はアカデミアでは浮いた存在であり、クラスでも孤立している。入学早々、美遊はアカデミアに面白さを感じなくなっていた。
 ただ、勿論デュエルは楽しい。デュエルのアカデミアだけはあるので、デュエルの機会は勝手に舞い込んでくる。美遊はデュエルの楽しさと、小夜との交流とを支えとしていた。
 その日の授業が終わると、美遊は直ぐに小夜と合流し、帰宅する。小夜は初等部から一貫してアカデミアに在籍しているため、生徒との交流が深く、クラスでも多くの友達に囲まれているようだ。それなのに彼女は、美遊との交流を第一としている。嬉しいことではあるが、美遊は彼女の友人関係を密かに心配していた。
 中庭に出たところで、幼馴染達に声をかける男がいた。さらっとした黒い髪に、良い姿勢の高身長。顔立ちも整っていて、優れていると形容するしかないような容姿である。
 先日の功刀の件もあり、小夜は訝しげに、何の用か、と尋ねる。男は、これは失礼、と話し、続けた。

鶴ヶ峰「僕は鶴ヶ峰松葉。ここの剣道部の部長を務めている」

小夜「剣道部か~……じゃあ、部活の勧誘ってトコロ?」

鶴ヶ峰「その通り。どうかな、君たち。剣道には──」

美遊「興味無い。諦めて帰るんだな」

上級生を冷たくあしらう美遊と、美遊に従う小夜。が、鶴ヶ峰の顔には諦めは見えず……。

鶴ヶ峰「そう言うと思ったよ、藍河美遊くん。だけど、僕もここで引き下がるわけにはいかないよ」

鶴ヶ峰「どうかな、僕とデュエルしよう。君が勝てば、二度と君達には近付かないことを約束する。僕が勝てば、君達には今日から剣道部員として活動してもらうよ」

小夜「は、あたしも入るの!?」

美遊「いいだろう。せいぜい楽しませてくれよ?」

小夜「っても~!あたしの意志は!?」



――――



 美遊、小夜、鶴ヶ峰の3人は、デュエルのために剣道部室までやってきていた。デュエルアカデミアの部室は、デュエルができるように通常より大きく設計されているので、ここなら派手にやり合えるだろう、という鶴ヶ峰の提案である。
 ただ、部活動の時間であるにも関わらず、部員は鶴ヶ峰を含めて3人しか部室にはいない。その2人はというと、鶴ヶ峰を応援していた。
 二人はデュエルディスクを構える。鶴ヶ峰の使用するは、美遊のものと同じく実体映像ボードタイプであるが、そのボードは剣を象っている。剣道で使うのは竹刀であるとはいえ、個性が垣間見えるそのデザインを見て、美遊はまた、心の中で小さく溜息を吐くのであった。

「「デュエル!!」」



――――



鶴ヶ峰「先攻は僕が貰う。手札から『魔導師ゼル』を召喚する!」

《魔導師ゼル》(SSオリジナル)
星4/光属性/魔法使い族/攻1450/守1950
(1):相手が魔法カードの効果を発動する度に発動する。このカードの攻撃力は500アップする。
(2):フィールドのこのカードをエレメント元としてエレメント召喚したモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが攻撃・効果の対象になったときに発動できる。
このカードを墓地へ送り、自分の墓地の「魔導師ゼル」1体を選んで攻撃表示で特殊召喚する。

美遊「魔法使い族……」

鶴ヶ峰「さらに3枚のカードを伏せる。これで僕は、ターンエンドだ」

美遊「大きくは動いてこなかったか。私のターンだ!」

小夜「気を付けて美遊。あっちはリバースカードが3枚ある、迎撃準備は完璧だよ」

美遊「わかっている。が、今の手札では除去は難しい……ならば突いて正体を探るのみだ。『古のルール』発動!」

《古のルール》
通常魔法
(1):手札からレベル5以上の通常モンスター1体を特殊召喚する。

美遊「これによってレベル8の通常モンスター、『崩壊竜エルイングラード』を特殊召喚する!」

《崩壊竜エルイングラード》(SSオリジナル)
テキスト省略

鶴ヶ峰「攻撃力3000、強力なモンスターだ。だがここで『ゼル』の効果発動!相手が魔法効果を使用した時、攻撃力を500アップさせる」

美遊「それでも攻撃力は1950止まり。このままバトルだ、『エルイングラード』で『ゼル』に攻撃!『崩壊の咆哮』!」

鶴ヶ峰「そのまま通すわけにはいかないね。永続トラップ、『魔剣の精神』を発動する!」

《魔剣の精神》(SSオリジナル)
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を対象としてこの効果を発動できる。
対象のモンスターに装備可能な装備魔法カード1枚を、手札から対象のモンスターに装備する。
(2):自分フィールドに「魔剣導師ユーゼル」が存在する場合、
魔法&罠ゾーンのこのカードを墓地へ送り、
自分フィールドのモンスターまたは装備魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

鶴ヶ峰「その効果を発動し、『ゼル』に手札から装備魔法、『魔剣ヒューズ』を装備する!」

《魔剣ヒューズ》(SSオリジナル)
装備魔法
魔法使い族モンスターにのみ装備可能。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
(2):装備モンスターまたはこのカードが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりにデッキの一番上のカードを墓地へ送る事ができる。
(3):このカードが墓地に存在し、
自分フィールドの「魔剣導師ユーゼル」がフィールドを離れた場合、
自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを対象のモンスターに装備する。
この効果で装備したこのカードはフィールドを離れた場合に除外される。

鶴ヶ峰「このカードは装備モンスターの攻撃力を1000アップさせる。それだけでは届かないけど……」LP4000→3950

鶴ヶ峰「『ヒューズ』のもう1つの効果を使用。装備モンスターの破壊を、デッキの一番上のカードを墓地へ送ることで代用する」

美遊「ダメージを大きく軽減されてしまったか……カードを2枚セットして、ターン終了だ」

鶴ヶ峰「今の効果でいいカードが落ちたよ。僕のターン、ドロー」

鶴ヶ峰「トラップカード、『魔剣の鼓動』を発動!魔法使い族モンスターに、墓地の装備魔法1枚を装備する」

《魔剣の鼓動》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地の装備魔法カード1枚と、
その正しい対象となるフィールドの魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。
対象の墓地のカードを対象のモンスターに装備する。

小夜「デッキの一番上のカードが装備魔法だったってことか!」

鶴ヶ峰「そう。この効果で、墓地の『魔剣ファイズ』を装備!」

《魔剣ファイズ》(SSオリジナル)
装備魔法
魔法使い族モンスターにのみ装備可能。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターとこのカードは相手の魔法カードの効果の対象にならない。
(2):装備モンスターの攻撃力が元々の数値より高い場合、
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
装備モンスターの攻撃力はターン終了時まで元々の数値になるようにダウンし、
対象のモンスターの攻撃力はこの効果でダウンした数値分ダウンする。
(3):このカードが墓地に存在し、
自分フィールドの「魔剣導師ユーゼル」がフィールドを離れた場合、
自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを対象のモンスターに装備する。
この効果で装備したこのカードはフィールドを離れた場合に除外される。

鶴ヶ峰「さあ、ここで装備した『ファイズ』の効果も発動だ!装備モンスターの攻撃力がアップしている場合、数値を元に戻し、下がった分相手モンスターの攻撃力も下げる」

美遊「『ゼル』は自身の効果で500、『ヒューズ』の効果で1000アップしている……合計1500が、お互いのモンスターの攻撃力から引かれるか」

小夜「でも、どっちの攻撃力も下がっちゃうならあまり意味ないんじゃ……」

鶴ヶ峰「それはどうかな?これで僕の場にはカードが揃っている!」

美遊「……なるほど。エレメント召喚か」

鶴ヶ峰「僕は2枚の装備魔法をエレメントとし、『魔導師ゼル』をアセンション!」

鶴ヶ峰「純白なる魔導師よ、魔剣の力でその魔導を昇華せよ……エレメント召喚!レベル7、『魔剣導師ユーゼル』!」

《魔剣導師ユーゼル》(SSオリジナル)
エレメント・効果モンスター
星7/光属性/魔法使い族/攻1950/守2450
【エレメント素材】装備魔法カード2枚
「魔導師ゼル」
(1):このカードの攻撃力は、このカードに装備されたカードの数×500アップする。
(2):自分または相手が魔法カードの効果を発動する度に発動する。このカードの攻撃力は500アップする。
(3):1ターンに1度、相手モンスターの攻撃宣言時、
除外されている自分のカードの中から、このカード装備可能な装備魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加えるかこのカードに装備する。

美遊「鶴ヶ峰。これがお前のエースモンスターか!」

鶴ヶ峰「ああ。このカードの力で、君に勝利してみせる!手札から『魔剣レイズ』を『ユーゼル』に装備!」

《魔剣レイズ》(SSオリジナル)
装備魔法
魔法使い族モンスターにのみ装備可能。
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):装備モンスターがモンスターとの戦闘で相手に与える戦闘ダメージは1ターンに1度だけ倍になる。
(2):装備モンスターが効果でフィールドを離れることでこのカードが破壊された場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローし、手札1枚を選んでデッキに戻す。
(3):このカードが墓地に存在し、
自分フィールドの「魔剣導師ユーゼル」がフィールドを離れた場合、
自分フィールドの魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。
このカードを対象のモンスターに装備する。
この効果で装備したこのカードはフィールドを離れた場合に除外される。

鶴ヶ峰「『ユーゼル』は、自身に装備されたカード1枚につき攻撃力を500アップする。さらに魔法効果が発動したとき、『ユーゼル』の効果発動。攻撃力をさらに500アップする!」

小夜「攻撃力2950……!」

鶴ヶ峰「そして、『レイズ』を装備したモンスターはモンスターとの戦闘で2倍のダメージを与えることができる」

美遊「なるほど、『ファイズ』の効果でダウンさせた攻撃力を利用するマジックコンボか!」

鶴ヶ峰「バトルだ!『ユーゼル』で『エルイングラード』を攻撃!『魔剣撃 スピリットバスター』!」

美遊「くっ……!この瞬間、トラップ発動!『ダメージ・コンデンサー』!手札を1枚捨てる」LP1100

《ダメージ・コンデンサー》
テキスト省略

美遊「受けたダメージは2900。攻撃力2300の、『暗黒騎士ガイア』を特殊召喚する!」

《暗黒騎士ガイア》
通常モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2300/守2100
風よりも速く走る馬に乗った騎士。突進攻撃に注意。

鶴ヶ峰「知っているよ。君のエースカード『エンカウント・ランサー』の召喚には通常モンスターが必要だ。そのための布石だろう?」

美遊「まあ、その通りだ」

鶴ヶ峰「僕はこれでターンエンド。さあ、かかってくるといい」

美遊「ああ、私のターン!『マスマティシャン』を召喚!」

《マスマティシャン》
効果モンスター
星3/地属性/魔法使い族/攻1500/守 500
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキからレベル4以下のモンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。

美遊「このカードが召喚に成功した時、デッキからレベル4以下のモンスター1体――『無頼特急バレット・ライナー』を墓地へ送る」

《無頼特急バトレイン》
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1800/守1000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
相手に500ダメージを与える。
この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(2):このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。
デッキから機械族・地属性・レベル10モンスター1体を手札に加える。

鶴ヶ峰「これで召喚条件は整ったね。さあ、来い!」

美遊「行くぞ!私は『マスマティシャン』をエレメントとし、『ガイア』をアセンション!」

美遊「その聖槍に想いを乗せて、狂った世界を突き抜けろ。エレメント召喚!希望の使者!レベル5、『エンカウント・ランサー』ッ!」

《エンカウント・ランサー》(SSオリジナル)
テキスト省略

小夜「出たー、美遊のエースモンスター!」

美遊「そして魔法カード、『スパイラル・アセンション』。エレメントモンスターがいる時、そのエレメント元の攻撃力分他のモンスターを弱体化させる!」

《スパイラル・アセンション》(SSオリジナル)
通常魔法
(1):自分フィールドのエレメントモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時まで、対象のモンスター以外の全ての表側表示モンスターの攻撃力は
対象モンスターのエレメント元としているモンスターの元々の攻撃力分ダウンする。

小夜「これで『ガイア』の攻撃力2300が、『ユーゼル』から引かれるね!」

鶴ヶ峰「なるほど、『エンカウント・ランサー』の耐性効果と相性がいいね。だけど、魔法が発動したことで『ユーゼル』の攻撃力は500アップする」

美遊「だが、攻撃力は依然こちらが上だ。バトル!『エンカウント・ランサー』で『魔剣導師ユーゼル』に攻撃!」

鶴ヶ峰「甘いよ!『魔導師ゼル』がエレメント元になっている場合、そのモンスターには効果が付与される」

鶴ヶ峰「攻撃・効果の対象になった自身を墓地へ送ることで、『魔導師ゼル』を特殊召喚する!」

小夜「え、その効果を使っても、出てくるのは『エンカウント・ランサー』より攻撃力の低い『ゼル』……?どうして?」

鶴ヶ峰「この瞬間、墓地の『ヒューズ』『ファイズ』の効果がそれぞれ発動!『ユーゼル』が墓地へ送られたことで、墓地から魔法使い族モンスターに装備することができるよ」

小夜「え!ってことは……『ヒューズ』の効果で、『ゼル』は攻撃力が1000アップ!?」

鶴ヶ峰「そうだ。ただし、フィールドを離れると除外されるけどね」

美遊「攻撃力2450……なら攻撃は中止して、ターンエンドだ」

美遊「このエンドフェイズ、墓地へ送られた『バレット・ライナー』の効果発動。デッキからレベル10・機械族・地属性……『弾丸特急バレット・ライナー』を手札に加える」

《弾丸特急バレット・ライナー》
テキスト省略

鶴ヶ峰「よし。僕のターン!『ファイズ』の効果発動、お互いに攻撃力を1000ダウンさせる」

鶴ヶ峰「さらに永続魔法、『エレメンタル・ウェイヴ』を発動し、その効果を発動!」

《エレメンタル・ウェイヴ》(SSオリジナル)
永続魔法
(1):1ターンに1度、フィールドまたは自分の墓地のエレメントモンスター1体を対象として発動できる。
フィールドのモンスター1体を選び、攻撃力を対象のモンスターのレベル×100ダウンする。
その後、対象のモンスターを持ち主のEXデッキに戻す。

鶴ヶ峰「これで墓地の『ユーゼル』をEXデッキに戻し、『エンカウント・ランサー』の攻撃力はさらに700ダウンする」

小夜「EXデッキってことは……またあいつが出てくる!?」

鶴ヶ峰「その通り!2枚の装備魔法をエレメントとし、『ゼル』をアセンション!再び現れろ、『ユーゼル』!」

鶴ヶ峰「もう装備魔法はないが、君のライフを削り取るには十分だ。バトルフェイズ、『ユーゼル』で『エンカウント・ランサー』を攻撃!」

小夜「美遊!」

美遊「永続トラップ、『光の護封剣』を発動!その効果により、私は1000ライフを支払い、攻撃を無効にする」LP1100→100

《光の護封霊剣》
永続罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に1度、1000LPを払って発動できる。
その攻撃を無効にする。
(2):相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動できる。
このターン、相手モンスターは直接攻撃できない。

小夜「ライフが残り100……」

鶴ヶ峰「首の皮一枚で繋がったね。僕はこれでターンエンドだ」

美遊「ぐ……フフ。ライフが少しでも残っていれば私は負けない。私のターン!」

美遊「鶴ヶ峰!このターンで決着を付けてやる!」

鶴ヶ峰「何?」

美遊「『ブンボーグ003』を召喚。効果により、デッキから『ブンボーグ004』を特殊召喚!」

《ブンボーグ003》
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻 500/守 500
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「ブンボーグ003」以外の「ブンボーグ」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、自分フィールドの「ブンボーグ」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、
自分フィールドの「ブンボーグ」カードの数×500アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。

《ブンボーグ004》
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻 500/守 500
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
デッキから「ブンボーグ004」以外の「ブンボーグ」モンスター1体を墓地へ送り、
このカードの攻撃力・守備力はそのダメージ計算時のみ、
墓地へ送ったそのモンスターのレベル×500アップする。
この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける戦闘ダメージは0になる。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動できる。
自分の手札・墓地からレベルの異なる
「ブンボーグ」モンスター2体を選んで守備表示で特殊召喚する。

美遊「そして私のフィールドに機械族・地属性しかいない場合、『バレット・ライナー』は特殊召喚できる。これでモンスターが揃ったな」

鶴ヶ峰「これはまさか、新しいエレメントモンスターか……いいだろう!来るといい!」

美遊「地属性のブンボーグ2体をエレメントとし、『バレット・ライナー』をアセンション!」

美遊「大地の加護を受け、進化せよ!エレメント召喚!レベル6、『エレメント・ガイア・ブースター』!」

《エレメント・ガイア・ブースター》(SSオリジナル)
エレメント・効果モンスター
星6/地属性/機械族/攻1000/守2500
【エレメント素材】地属性モンスター2体
モンスター
このカード名の(3)の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカード以外のフィールドのエレメントモンスター1体を対象として発動できる。
このカードを攻撃力1000アップの装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。
(2):このカードが地属性モンスターに装備されている場合、
相手は装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
ターン終了時まで、効果処理時に相手フィールドに表側表示で存在するカードの効果は無効になる。
(3):自分の手札が0枚の場合、
自分の墓地からこのカードとエレメントモンスターモンスター1体をEXデッキに戻して発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。

小夜「美遊の新しいエレメントモンスター!」

美遊「『エレメント・ガイア・ブースター』の効果発動!このカードをエレメントモンスターである『エンカウント・ランサー』に装備し、攻撃力を1000アップする!」

美遊「バトルフェイズ!『エンカウント・ランサー』で『ユーゼル』を攻撃だ!」

鶴ヶ峰「攻撃力がアップしてもたったの1000……何かあるな、『ユーゼル』のさらなる効果を発動!」

鶴ヶ峰「相手モンスターが攻撃してきたとき、除外されている装備魔法を手札に加えるか、このカードに装備する。『魔剣ヒューズ』を装備!」

小夜「そうか、墓地から装備した魔剣達はフィールドを離れると除外されるから……」

鶴ヶ峰「そして、このカードを装備したことにより攻撃力が1000アップし、破壊を1度だけ無効にできる。さらに『ユーゼル』の効果で攻撃力が500アップだ!」

小夜「このままじゃ返り討ちで負けだ!どうするの!?」

美遊「その程度で私が止められるものか。『エレメント・ガイア・ブースター』の効果発動!お前の場の表側表示カードの効果を、このターンの間無効にする!」

鶴ヶ峰「な……何ッ!」

小夜「この効果で、攻撃力アップはすべてリセットされて、もともとの1950止まり!」

美遊「さらに、手札の『アセンション・ブースター』の効果発動。このカードを墓地へ送り、さらに攻撃力を1000アップ!」

《アセンション・ブースター》(SSオリジナル)
テキスト省略

鶴ヶ峰「ぐっ、破壊無効も使えないとはね……」LP4000→3350

美遊「モンスターを破壊したことで、『エンカウント・ランサー』の効果!エレメント元としている、『暗黒騎士ガイア』元々の攻撃力の半分のダメージを食らえ!『アサルト・オブ・ジャスティス』!」

鶴ヶ峰「ダメージは受ける。だが、僕のライフはまだ残っている!」LP3350→2200

美遊「いや、ここで試合終了さ。墓地の『ストラタム・ランサー』の効果!墓地からこのカードとブンボーグ2体を除外し、『エンカウント・ランサー』は続けて攻撃できる!」

《ストラタム・ランサー》(SSオリジナル)
テキスト省略

小夜「え、いつの間に墓地に?」

鶴ヶ峰「……!そうか、『ダメージ・コンデンサー』のための手札コストか!」

美遊「楽しかったぜ、お前とのデュエル」

美遊「『エンカウント・ランサー』で鶴ヶ峰にダイレクトアタック!『ブレイク・ダウン・イレイザー』!」

鶴ヶ峰「フフ……完敗だ」LP2200→0 ピーッ



――――



小夜「やったね美遊!また勝った!」

 喜ぶ小夜と手の平を合わせ、祝勝を分かち合う。
 周りを見ると、鶴ヶ峰に駆け寄る部員2名。部長の彼を健気に励ましているようだった。恐らく2年生だろうか。
 
鶴ヶ峰「君の勝ちだ、藍河美遊。約束通り、君達には二度と――」

美遊「いや。私達は剣道部に入るつもりはないが……デュエルなら、いつだって大歓迎だ。また楽しくデュエルしようぜ」

鶴ヶ峰「――!そうか、ありがとう。じゃあ、次僕が勝ったら剣道部に入ってもらうよ」

美遊「……入らないって言ったはずだが」

 学級では他者との繋がりが薄い美遊であったが、こうしてデュエルで人と繋がることは嫌いではない。今日は、このデュエルアカデミアの良さと悪さを実感した一日となった。
 美遊と小夜のデュエルアカデミア生活は、今日も続く――。
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