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HOME > 遊戯王SS一覧 > 7話 動き出す治安維持局…?

7話 動き出す治安維持局…? 作:3D

研究員「長官! 大変です!」

ロジェ「ん…、どうかしましたか?」

研究員「先程、協力なシンクロ召喚反応を検知しまして、ここなんですが…」

そう言いながら研究員はロジェの前のパネルに映像を映す。そこには、都築とノボル先生のデュエルの様子が映し出されている。

ロジェ「…ただのメンタルスフィア・デーモンにしか見えませんが?」

研究員「い、いえ、ここの先なんですが…」

都築『そしてエンドフェイズ、スターダスト・ドラゴンは俺のフィールドに舞い戻る』

その言葉と共に出現した白いドラゴンに、そこに居た全員が目を奪われる。

ロジェ「これは…、スターダスト・ドラゴンじゃないか!?」

研究員「長官、どうされますか? このドラゴンさえあれば…」

ロジェ「…いや、今はいい。その代わり、一刻も早く『不動遊星』を完成させなさい!」

研究員「…了解しました!」

そして、走り去る研究員を尻目に、黒のルークの駒を動かしながらモニターの中で繰り広げられるデュエルを観戦する。

ロジェ「あの教師の報告にあったドラゴンとはこれのことでしたか…。そして、皆スターダスト・ドラゴンに夢中になってたようですが、ペンデュラムカードも。これは見ものですね」


ノボル先生「ミーのターン! ドロー!」
手札2→3

ノボル先生「永続魔法、ミイラの呼び声を発動! 自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札からアンデット族モンスターを1体特殊召喚します! 魂を削る死霊を守備表示で特殊召喚です!」

魂を削る死霊
星3 アンデット族 闇 攻300/守200

ノボル先生「さらに、モンスターを裏側守備表示でセット! ターンエンドです」

ノボル先生 LP7600 手札0
フィールド セットモンスター1体、魂を削る死霊
罠魔法 アンデットワールド、ミイラの呼び声
Pゾーン 無し

都築「俺のターン! ドロー」
手札2→3

都築「魂を削る死霊は戦闘で破壊されないモンスター…。守りを固めた気かもしれないが、甘いぜ! 手札を1枚捨てて、ライトニング・ボルテックスを発動。アンタの魂を削る死霊は破壊させてもらう。そしてそのままバトル! スターダスト・ドラゴンで、セットモンスターを攻撃! シューティングソニック!」

ノボル先生「セットモンスターは、ピラミッド・タートルです」

スターダスト・ドラゴン
攻2500

ピラミッド・タートル
守1400

ノボル先生「くっ…、ですが、ピラミッド・タートルは、戦闘破壊された時、デッキから守備力2000以下のアンデット族モンスターを1体特殊召喚できます! 2体目の魂を削る死霊を守備表示で特殊召喚!」

魂を削る死霊
星3 アンデット族 闇 攻300/守200

都築「なっ…、そいつを破壊する手段は無いな…。このままターンを終了するぜ」

都築 LP8600 手札1
フィールド スターダスト・ドラゴン、メンタルスフィア・デーモン
罠魔法 無し
Pゾーン 音響戦士・ギータス

ノボル先生「ミーのターン! ドロー!」
手札0→1

ノボル先生「…これから、アンデットデッキの真価をお見せしましょう」

都築「何、今までのは本気じゃなかったのか…?」

ノボル先生「イエス! 私は、ユニゾンビを召喚!」

ユニゾンビ(チューナー)
星3 アンデット族 闇 攻1300/守0

ノボル先生「そして、ユニゾンビのモンスター効果、発動! デッキからアンデット族モンスターを1体墓地に送り、ユニゾンビのレベルを1つ上げる! 私はデッキから馬頭鬼を墓地に送ります。ただし、この効果を使うターン、私はアンデット族モンスター以外のモンスターで攻撃はできなくなります」

ユニゾンビ
星3→4

都築「まさか、シンクロ召喚…!?」

ノボル先生「イエス! 私は、魂を削る死霊に、ユニゾンビをチューニング! カモン! 紅き眼を持つ屍界の王! 真紅眼の不屍竜!」

真紅眼の不屍竜
星7 アンデット族 闇 攻2400/守2000

紅い眼を輝かせ、禍々しいオーラを放つ竜がノボル先生のフィールドに舞い降りる。生気は無くとも感じ取れる邪気に、思わず都築はソリッドビジョンだとは分かっていながら一歩後ずさる。

都築「…なんだこいつは…!?」

ノボル先生「さらに、墓地の馬頭鬼をゲームから除外して効果発動! 墓地のアンデット族モンスターを1体特殊召喚します! 私は、真紅眼の不死竜を特殊召喚!」

真紅眼の不死竜
星7 アンデット族 闇 攻2400/守2000

ノボル先生「バトル! 真紅眼の不屍竜で、メンタルスフィア・デーモンを攻撃です!」

都築「だ、だが、真紅眼の不屍竜の攻撃力はメンタルスフィア・デーモンより300下だぜ! メンタルスフィア・デーモン、迎え打て!」

ノボル先生「真紅眼の不屍竜の攻撃力と守備力は、お互いのフィールド、墓地のアンデット族モンスターを合計した数×100上がります。よって、攻撃力は1400ポイントアップして3800!」

都築「なっ…、攻撃力3800だと!?」

真紅眼の不屍竜
攻3800

メンタルスフィア・デーモン
攻2700

都築「くっ……!?」
LP8600→7500

ノボル先生「ここで、真紅眼の不屍竜の効果発動です! フィールドのアンデット族モンスターが戦闘で破壊された時、自分または相手の墓地のアンデット族モンスターを1体特殊召喚できます! カモン! メンタルスフィア・デーモン!」

メンタルスフィア・デーモン
星8 サイキック族→アンデット族 闇 攻2800/守2300

ノボル先生「メンタルスフィア・デーモンで、スターダスト・ドラゴンを攻撃!」

メンタルスフィア・デーモン
攻2700

スターダスト・ドラゴン
攻2500

都築「くっ…、まずい…!」
LP7500→7300

ノボル先生「そして、メンタルスフィア・デーモンの効果によって、戦闘で破壊したスターダスト・ドラゴンの攻撃力分のライフを回復します」
LP7600→9100

ノボル先生「ゴー! 真紅眼の不死竜! 都築君にダイレクトアタックです!」

都築「うわぁぁぁぁっ!」
LP7300→4900

ノボル先生「私はこれで、ターンエンドです」

ノボル先生 LP9100 手札0
フィールド 真紅眼の不屍竜、真紅眼の不死竜、メンタルスフィア・デーモン
罠魔法 アンデットワールド、ミイラの呼び声
Pゾーン 無し

ノボル先生「ライトニング・ボルテックスを使うタイミングを焦りすぎましたね。あのカードさえ残しておけば、この局面も打開できたかもしれませんね」

都築「くっ…、黙れ! 俺のターン! ドロー」
手札1→2

都築(ドローカードはサイクロン…。あと1ターン早ければな…)

都築「俺は…、モンスターをセット。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ…」

都築 LP4900 手札0
フィールド セットモンスター1体
罠魔法 伏せ1枚
Pゾーン 音響戦士 ギータス

ノボル先生「私のターン、ドロー!」
手札0→1

ノボル先生「都築君の性格を考えると、そのセットカードもブラフなのでしょう、なのでこのままバトル。真紅眼の不死竜で、セットモンスターを攻撃です!」

都築「セットモンスターは、音響戦士 ピアーノだ。ついでに、その攻撃宣言時に速攻魔法、サイクロンを発動するぜ! アンデットワールドは破壊だ!」

真紅眼の不死竜
攻2400

音響戦士 ピアーノ
守1300

ノボル先生「真紅眼の不死竜には、戦闘で破壊したアンデット族モンスターを自分フィールドに特殊召喚する効果を持っていますが、アンデットワールドが破壊されたことによって、音響戦士 ピアーノは機械族に戻り、この効果は使えません。しかし、トドメをさすには十分! メンタルスフィア・デーモンと真紅眼の不屍竜でダイレクトアタック!」

都築「うわぁあっ…!!!」
LP4900→0


その結果が出るのと同時に、ロジェはモニターの電源を消す。そしてクイーンの駒をいじりながら、ポツリと呟く。

ロジェ「なるほど、あれがスターダスト・ドラゴンの力ですか。なかなか厄介ではありますね」


ノボル先生「ミーの勝ちです。情報は教えませんよ」

都築「チッ…、分かってる」

ノボル先生「…ですが、一つだけ教えておきましょう。…彼らは、治安維持局は、スターダスト・ドラゴンとペンデュラムカードを狙ってます。十分注意して大会に臨んでください」

都築「…ま、そんなところか。でもなんで話すんだよ」

ノボル先生「ミーはこれでも生徒想いなのですよ? いつもは厳しく接してはいますが、それも強くなってもらうため。治安維持局に生徒をいいように使われるのはやはり私としては気が重いのです。だから…、くれぐれも気をつけてくださいね」

それだけ言い残し、ノボル先生はその場を立ち去って行く。その時、彼のポケットからひらりと1枚のカードが都築の元に舞い落ちる。即座に都築はそれに気づいて拾い上げ、ノボル先生に返そうとするが、ノボル先生は後ろ手を振ってそれを制する。

都築「…カッコつけんなよ。あの話し方だと何やってもダサいっての…」

そのカードは、ジャンク・シンクロンと書かれたモンスターカードだ。都築は知らないが、治安維持局が裏で研究している「不動遊星」が使ったとされるカードだが、「伝説の決闘者がこんな低レベルカードを使うはずがない」と会議で決まって廃棄されてしまったカードだ。

都築「…なんだこのカード。トップスと繋がってんならもっと良いカードくれよ」

そう言いながらも、ジャンク・シンクロンをデッキに加え、都築自身も帰宅する。フレンドシップカップに更なる波乱を感じつつ…。





あとがき
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
急にいいねが沢山付いてやる気に満ち溢れた結果、アンデットつよつよデュエルとなってしまいました(笑)
いやしかし、音響戦士も難しいですねぇ。音無君の音響騎士に関してはメインデッキで完結してますが、都築君の音響戦士に関してはエクストラデッキがかなり重要になりますからね。これからも汎用格安シンクロモンスターはちまちま追加していきますので、彼らの成長、そして今後の展開をどうか温かい目で見守ってください!
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