―黒羽のLoki― TURN3 黒き誘惑　作：SAT-TUN

TURN2 からの続き…

ザッ……
『ハァ…ハァ…。』
Loki『あの女はいないのか。』
ほこらに帰還したロキだが、そこには誰もいなかった。
Loki『レッドアイズ……』
保護したレッドアイズを見つめ、竜崎とのやりとりを思い出す……。

― 回想 ―
竜崎『ククク…ワイはこの時を待っていたんや。もうこのセカイにも、お前たちにも用は無い…！！消えてもらうで！！』
Loki『それが一体、なんだと言うんだ…。おとぎ話のような力を手に入れたとでも言うのか？』
竜崎『せや……』
Loki『…！』
竜崎『このセカイに最初に飛ばされてきたワイは、偶然コイツを見つけたんや。ようわからん遺跡でなっ。』
Loki『遺跡……』
竜崎『いや、運命だったのかも知れへんなｧ……？ワイはこのチカラで全てを消し去る！！手始めにお前から消したるわ！！』
……

Loki『遺跡……
そういえば俺も、最初に居た場所がそんな場所だった…か？』

……

『ほらよ。』

パシッ

Loki『ん？果実…？』
舞『また食料調達に出掛けてたのサ。やるよ。』
Loki『ああ……。それよりー』
舞『ー観ていたよ。一部始終をね。』
Loki『……！』
舞『アイツはあのまま黒炎に飲み込まれちまったよ。』
Loki『…すまない。やつを救いだすことができなかった…。』
舞『…なんで謝るんだい？』
Loki『竜崎はお前の仲間だった…』
舞『仲間…？勘弁してよ。アイツは仲間なんかじゃない。』
Loki『…！』
舞『アイツの行動を見ていて違和感を感じていたんだよ。そしたら案の定。』
Loki『…宝玉のことは知っていたのか？』
舞『いや、さっき目の当たりにしてすべて府に落ちたんだよ。アイツが執拗に村やモンスターたちを襲う真の理由。』
Loki『…そうか。』
舞『なんでアイツがあんなもの拾ってんだか理解できなかったけどね。』
Loki『遺跡……』
舞『ン？遺跡？』
Loki『そこに答えがあるのかも知れない。』
舞『行く気なのね。でも、どうしてその遺跡がそんなに気になるわけ？』
Loki『……竜崎は遺跡で宝玉を見つけたと言っていた。俺がこのセカイで目を覚ました場所も遺跡のような場所だった。』
舞『その時の記憶は曖昧なワケ？』
Loki『目を覚ました瞬間、また別の場所に飛ばされてきたんだ。』
舞『そう……さっぱり解らないわね。』
Loki『……そろそろ行くとするよ。』
舞『そう。好きにするといいわ。』
Loki『アンタはどうするんだ？』
舞『アタシは……とりあえずのんびりさせてもらうわよ』
Loki『そうか。さらばだ。』
そう言い残し、その場を立ち去るロキ。
舞『……フフ…。』

オオオオ……
飛行モンスターで空を徘徊するロキ。
Loki『だいぶ来たな……あれは…？』
ロキは白い遺跡のようなものをみつける。
Loki『行ってみるか。』
オオオオ……

オオオオ……

キーーン……
ブオオオオ！！

突然横から火炎による攻撃が！
Loki『ぐあ！なんだっ……！
うわ……ぁ…ぁ…』
振り落とされたロキ。

ドンガラガッシャーーン！！
瓦礫の山に飛び込んだロキ。

Loki『……ってぇ…！』

『ウフフ……ちょっと乱暴だったかしらね。』

Loki『お前…！』
舞『後をつけさせてもらったわ。』
舞が飛行モンスターと共に現れた。
Loki『何のつもりだ。』
舞『…アンタがここに近づくと都合悪くてね。』
Loki『…何か知っているようだな。』
舞『フフ……気になるかしら？』
Loki『この先になにがある？』
舞『教えてあげない……って言ったら？』
Loki『なら、実力行使だ。』
ヴン！
デュエルディスクを展開するロキ。
舞『あら。アタシとやる気？どうなっても知らないわよ？ボウヤ。』
Loki『俺が勝ったら、知っていることをすべて吐いてもらう。』
舞『良いわよ。オウジサマに会わせてあげる。』
Loki『王子……？？まあいい…』
二人『デュエル！！』

舞『アタシの先攻！アタシはホーリーナイトドラゴンを召喚し、リバースカードを3枚セット！ターンエンド！』
ホーリーナイトドラゴン ATK2500
Loki『俺のターン！ドロー！俺はモンスターを守備表示でセット！更にリバースカードを２枚セット！ターン終 ー』
舞『この瞬間、リバースカードオープン！誘惑のシャドウ！！裏側モンスターを表側攻撃表示に変換するわ！』
Loki『くっ！千年の盾を攻撃表示だ……。』
舞『フフ……アタシのターン！ドロー！来なさい！ハーピィズペットドラゴン！！』
『ギャアアアス！！』
ハーピィズペットドラゴン ATK2000
舞『残念ね。このターンの攻撃が通ったら致命傷よ？』
Loki『……通すと思うか？』
舞『フフ……さあね。バトル！！ホーリーナイトドラゴン！千年の盾を焼き払いなさい！！』
ボォオオオオ！！
Loki『リバースカードオープン！聖なるバリア ミラーフォース！！』
舞『なんですって？！』
カァアアアア！！
ボォオオオオ！！
攻撃は反射され、舞のモンスターたちに直撃する！！
ドガァン！
オオオオ……
Loki『どうだ……ん？』
舞『残念でしたっ。アタシはトラップジャマーを発動。ミラーフォースは無効化されるわ。』
Loki『！！』
ボォオオオオ！！
Loki『ぐあっ！……』Loki LP1500
舞『そんなものなの？ボウヤ。フフフ…』
Loki『くっ……！』

ー次回へ続く。