Ｍとの遭遇　作：内視鏡

女性「――お、お巡りさんっ！ た、助けて下さいっ！」

警官「な、何事ですか？」

女性「さっきから変な男にずっと付き纏われてて‥‥。
　自分の事をビンタしろ、ビンタしろって、何度もしつこく‥‥。
　
　あ‥‥こ、こっちに来ました！」

変態「――お嬢さん待ってください。ちゃんと話し合いしょう。
　きちんと報酬はお支払いすると言ってるじゃないですか！
　何が不満なんですっ！」

女性「き、気持ち悪いのよアンタ！」

警官「おい、女性は嫌がっているだろう！
　これ以上付き纏うようなら、現行犯で逮捕するぞッ！
　
　ん、さては貴様‥‥、最近この辺りで婦女暴行事件を起こした犯人だなッ！？」

変態「し、失敬なっ！！
　女性から殴ってもらう事は有っても、その逆は絶対に有りえませんっ！！
　僕の魂とデッキ全てを掛けて、否定させてもらいますっ！！」

警官「現にこうして女性が被害を受けているじゃないか、まったく信用ならんな」

女性「そうですよ！ こんな男、早く捕まえて死刑にしてくださいッ！！」

変態「死刑か‥‥それは困りますね。
　死んでしまってはもう二度と快楽を得る事はできない‥‥。
　それは我々の業界でも最大のタブーとされています‥‥」

警官「‥‥まあ流石に死刑はないでしょうが、
　この場で現行犯逮捕すればブタ箱行きは確定だな」


変態「――わかりました。ではデュエルで決着を付けましょう！！」

女性「‥‥は？」

変態「僕が勝ったらこの件は水に流して頂きたい」

女性「‥‥ちょ、ちょっと待ちなさいよ！ なに勝手なこと言ってんのよ！
　それに、私デュエル弱いから絶対に不利だわ！」

変態「だったら、そこの警官さんが相手でもいい。どうでしょうか？」

警官「‥‥クックック、馬鹿め。
　変態風情がよりにもよってこの俺にデュエルを挑むとはな。

　――安心してください。
　俺が代わりにデュエルをしましょう。昔全国大会にも出場したことがあります。
　警視庁のデュエリストランキングでもトップ１０に名を連ねています。
　こんな変態野郎に負けるはずがありません！」

女性「で、でも もし負けたら‥‥」

警官「そうですね、このままでは我々がデュエルを受けるメリットが無い。
　――おい貴様！ もし我々が勝てば、慰謝料として全財産を俺達に譲ると誓え！」

変態「‥‥いいでしょう。僕が負ければお二人に全財産をお渡しします」

女性「そ、それなら良いかも‥‥最近欲しいカードがあるし‥‥」

警官「よし、決まりだな。
　俺が勝てば、貴様は全財産を払った上で現行犯逮捕される。
　ありえないとは思うが‥‥俺が負ければ見逃してやろう」
　
　（ククク、久しぶりに良い獲物が掛かった。
　こういう馬鹿から金を巻き上げるのが、俺の唯一の楽しみでねぇ‥‥！）

変態「異存ありません。では――」

　変態＆警官『デュエルッ！』