ドキドキ☆訪問！ 秘密結社ＭＭＭ！③　作：内視鏡

会長「‥‥さて、君はMMMについてよく知らないんだったね？
じゃあ、ちょっと説明してもらおうか」

受付「――はい」

　会長が目配せすると、示し合わせたかのように女性が現れた。
　受付に居た人だ。

受付「‥‥では、秘密結社MMM（株）についてご説明させて頂きます」

元ポン「（株）！？」


受付「弊社はデュエル派遣を主要業務とした、従業員数１００人超の株式会社です。

デュエル派遣についてはお分かりですね？
デュエルに関する興行・製品開発・傭兵などについて、
弊社に登録されたデュエリストを派遣する事業となります。

また、弊社の特色としまして、デュエル製品のテスト・監査を専門的に取り扱っており、
業界内でも高い評価を得ています」


元ポン「な、なるほど‥‥デュエル製品のテストというのは？」

会長「一番多いのはやはりデュエルディスクの性能テストだな。
特に、ダメージ表現システムのテストには重点を置いている。

技術の向上と共に、デュエルディスクの性能もどんどん上昇していったが、
より強い刺激を求めた結果、ダメージシステムも過激になる一方だ。
それによる健康被害は１つの社会問題となっている。

この辺りは法規制も曖昧で、調整も製品によって千差万別だ。
本来 楽しむべきデュエルで怪我をするような事になってはいかんからな。

MMMは年間のデュエル負傷者０人を目指し、
日夜デュエルダメージの調整と研究に明け暮れているのさ！！」


元ポン「す‥‥すごいまともな仕事だ‥‥」

会長「ははは、この仕事には俺達も誇りを持っているからな。
社員の中でも紳士君は優秀でな、彼が調整した製品は評判がいいんだ。
日頃何度もダメージを受けてるからだんだんと感覚が麻痺していく奴が多いんだが、
紳士君は一般人が丁度いいと感じるレベルの調整が上手いんだよ」

紳士「えっへん！ なんたって僕はランク６９のエリートですからね！！
ランクに恥じない仕事をしなければなりませんから！！」

元ポン「ラ、ランク？」

会長「あー、人事評価も兼ねて社員をランク付けしてるんだ。
ま、あくまでやる気を出させる為の１つの指標に過ぎんがな」

紳士「会長は凄いんですよ！
なんとランク４５４５なんです！！ 驚きですよね！！
いったいどうやればそこまで到達できるのかさっぱり分かりません‥‥」

元ポン「いや桁が違いすぎるだろ‥‥」

紳士「実は受付嬢さんも高ランカーの１人で、ランク８９１もあるんです！
殆ど仕事してる所を見たことがないのに凄いですよね！！」

元ポン「絶対適当だろそのランキング‥‥」

受付「まあ、会長がノリでやってるだけだからね」


元ポン「‥‥あ、あの‥‥MMMについては分かったんですが‥‥」

会長「ん、何だね？」

元ポン「どうしてみんなSMデュエルをやってるんですか‥‥？」

会長「それはまあ‥‥ただの趣味だな！！」

元ポン「趣味って‥‥」

会長「ははは！ どうせ仕事するなら愉しくヤリたいだろ？
事業内容の所為か、社名の所為なのか分からんが、
何故かウチの会社はドＭばかり集まってしまっているからな（笑）」


受付「‥‥で、あんたは結局入社希望という事でいいの？
ウチはいつも人手不足だから社員は常に募集しているけど」

元ポン「う、うーん‥‥確かに今は無職だから仕事を探してはいるけど‥‥」

紳士「是非に入りましょう！ ね！ね！
アツいSMデュエルの日々があなたを待っています！
僕も先輩として手厚くサポートしますよ！
元ポンならすぐに僕のランクまで追いつけますよ！」

会長「紳士君を負かす程の腕前なら是非ウチに欲しい人材だ。
俺からも入社を勧めたい所だな。

‥‥そうだ、今なら入社ボーナスとして高ランクに任命しようじゃないか！
縁起を担いでランク７７７とかどうだね、ハハハ」

元ポン「いやランクはどうでも‥‥っていうか桁ァ！」

紳士「‥‥え‥‥え？ 元ポンがいきなり‥‥ランク‥‥７７７‥‥？
そんな‥‥僕が頑張って上げたランクを‥‥一瞬で‥‥う、うううっ！！」

元ポン「ほ、ほら、なんかこいつショック受けてますよ！」

紳士「そうか‥‥僕なんて所詮その程度の変態ドＭ男だったのか‥‥」

会長「あ、あーーいや間違いだ間違い！！（汗）
ホントはランク７の間違いだった、すまんすまん！！」

元ポン「そ、そっかーー！ ランク７かーー、嬉しいなーー！！」

紳士「ぐ、ぐず‥‥な、なんだ、ランク７の間違いか‥‥そ、そうですよね！！
‥‥じゃあ、ランク７から頑張っていきましょうね、元ポン！！」

元ポン（‥‥あれ、入社する流れになってる？）


会長「じゃ、そろそろ面接も兼ねて、一発ヤろうか元ポン君」

元ポン「や、やるって何を‥‥？」

会長「そんなのデュエルに決まっているだろう。
一応、ウチはそれなりのデュエリストでないと務まらない会社なんでね。
ちょっと腕前を見せてもらうよ」