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HOME > 遊戯王SS一覧 > EP:2 師匠

EP:2 師匠 作:


父さんをボコボコにしてから一週間後、約束通りに魔術の師匠をつけてもらうことになった。
師匠の名を《レイチェル・ガーデン》と言うらしい。宮廷お墨付きの治癒・攻撃魔術を両立しておきながら、デュエルの腕も高いというまさに天才らしい。

また、聞いて驚いたのがレイチェルが《魔族》だということだ。

《人類族》は最古の歴史から《魔族》と断続的に戦争を繰り返していたので、魔族相手には厳しい差別とか、万が一人間社会に入り込んだ魔族にもカースト最底辺の扱いをしていると勝手に思っていたので、この世界の人間は地球の支配者層とは少し考え方が違うようである。本質は変わらないが。



レイチェルとの邂逅は昼過ぎ、今現在時刻は8時23分である。
ユーリイットはこの空き時間で、デッキ調節及び構築を行っていた。

サンスクリットとのデュエルで使用した《インフェルノイド》は60枚構築で、《隣の芝刈り》や《名推理》からの爆発力は圧巻の一言だが、墓地メタ、除外メタなど比較的簡単に対策できる。そもそもミラーマッチになれば互いに推理し合うゲームになる。
以上の問題点から、安定性に欠けると判断して使用デッキを増やしてみることにした。
候補は《青眼》、《幻影彼岸》、《不知火ヴェンデット》など、前世で使っていたデッキを作ろうとした。

だが、問題もあった。

メイデン家も貴族だが、カード全てが揃っている空間では無い。
早いとこデッキを完成させて、レイチェルをその実験台にしようと画策しているため、今からカードを集めるという選択肢はユーリイットにとっては妥協の選択肢なのだ。なので、これは論外。

コピーカードという手段もある。しかしこれはデュエリストとしてのプライドと、そもそもこの世界の本が全て手書きのことから製紙技術が中世レベルであることが推察できるので、こいつも論外。

となると、家のカードで組むしか無い。
幸い、《儀式青眼》を組めるくらいのカードはあったので、ササっと組み、回して改良する作業に移れた。

満足できる完成度に達したところで、外、玄関前が騒がしくなる。
顔を出すと、メイドたちが左右に分かれ、さながらモーゼに割られた海みたいになっている。壮観とはこのことだ。

道の中ほどには両親が立ち、こちらに手招きしてくる。

ジェスチャーの通りに近づいて、少し待つ。
すると、無駄にでかい玄関の扉がこれまた無駄にでかい音を立ててまたまた無駄に壮大に開く。

扉の先に立っていたのは、天高く昇りし太陽の光に照らされ、腰ほどまで伸びたストレートの銀髪がキラキラ輝き、その髪を左側頭部でまとめあげている。所謂サイドテールだ。
魔術師ですよ、と自己紹介しているような長いローブ、輝く銀髪を覆い隠し、自己を目立たない存在にしたいであろう帽子は、15cmはあろうその帽子がかえって少女の存在を際立てる。
その左手には木製の杖が握られ、その上部には青い大きな石が煌く。よく見ると、デュエルフィールドのような模様が描かれている。
すらっとした体型、やる気なさそうなジト目、美少女としか形容する言葉が見当たらない少女だった。

「初めまして。今日からメイデン家の魔術教育係に就任させていただきました、《レイチェル・ガーデン》と申します。」
「これはどうも、メイデン家現当主、《サンスクリット・メイデン》と申します。」
「その妻、《メアリー・メイデン》です。」

三人とも流麗な動作で左胸に手を当て軽く頭を下げた。恐らく貴族風のお辞儀なのだろう。

「それで…僕が教える子は…」
「こいつ、うちの息子です。」
「初めまして、《ユーリイット・メイデン》です。」

サンスクリットがユーリイットの頭に手を置き紹介すると、レイチェルは隠す気もなく失笑し、ユーリイットの耳元で囁く。関係ないが、レイチェルはボクっ娘のようだ。

「ああ…たまにいるんですよね。自分の子供が天才だと思って小さい頃から色々やらせる親って…君もそうですか?大変ですね。」
「いえ、自分の意志です。」

レイチェルは少しきょとん、としたが、すぐに平静に戻った。まっすぐこちらを向いたままで。
こんな美少女に見つめられていると思春期真っ盛りで死んだ身としては本気で惚れそうなのでやめていただきたい、とユーリイットがどうでもいいことを考えていると、

「この子をテストしてよろしいでしょうか?」

と質問してきた。

「テスト?」
「はい。要は、デュエルの腕と基礎知識を確かめてみたいのです。」
「ああ!そういうことでしたらどうぞ!」

メアリーが屈託の無い笑顔で応対する。自由意志はないらしい。別に断る気もないが。

「では、ユーリイット君、デュエルフィールドに連れて行ってください後、他の方々の観戦はご遠慮いただきたいです。」

何故か、と聞かれるとレイチェルはテストの公平性を期すため、だそうだ。
この理由に全員納得したらしく、すぐにレイチェルとともにデュエルフィールドへ行う。

「レイチェルさん。」
「呼び捨てで構いません。何ですか?」
「じゃあレイチェル先生。テストが不合格だった場合、魔術は教えていただけないんですか?」

年上の女性を呼び捨てにするのも何なので、レイチェルは少し嫌そうだが先生と呼ばせてもらうことにした。
とりあえず、一番気になっているテストの真意を聞いてみた。別に答えてもらわなくとも合格すればいいだけなので問題はないが。

「いえ、そんなことはありません。やる気のある弟子は好きなので、能力を見せてもらいたいだけです。」
「なるほど…後僕のことはユーリと呼んでください。」

特に意味はないらしい。
気は軽くなったが、だからといって手を抜くわけではない。
何事にも本気で取り組むつもりだ。

レイチェルと話しながら歩いていると、いつの間にかデュエルフィールドに着いた。
レイチェルが眼前に対峙し、杖を振る。
すると、杖の先端の石が変形し、デュエルディスクの形を成した。ワンドとディスクのハイブリッドらしい。

「準備はよろしいですか?」
「ええ、いつでも。」

互いに一呼吸を置き、デュエル開始の宣言をした。

【決闘!】
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ヒラーズ
ほうほう…弟子入りするのにもデュエルが必要なのか…(まぁ当たり前だけど)。
さて、レイチェルはどんなデッキを使うのか…っていうか前世の主人公えげつないカテゴリのデッキを使うのか!どおりで強いはずだ…。 (2019-01-13 07:31)
ター坊
レイチェル先生は少女に見えるくらいの美魔女なのか、それとも種族的な寿命で人間基準では滅茶苦茶歳食ってるけど魔族ではまだ若いひよっこなのか?
ユーリの修行第一歩。儀式青眼とはまたエグいチョイスを。 (2019-01-13 10:34)
ヒラーズさん
コメントありがとうございます、
この世の全てはデュエルを中心に回ってますから。
師匠は魔法使いっぽいデッキを使います。主人公はそこそこ大会にも出てたし、しょうがないね。

ター坊さん
コメントありがとうございます!
師匠は魔族の中ではとても若い才能豊かな魔術師という設定です。
儀式青眼は使ってると楽しい。 (2019-01-13 17:28)

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