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episode1 始まり 作:

とある日、具体的に言えば9月13日。
この俺、『暁』の家は大いに盛り上がっている。

「現れろ!『RR–サテライト・キャノン・ファルコン』!どうだ結衣!今日こそは…」
「あ、召喚時『奈落の落とし穴』で、その子除外だね。」
「嘘ダァァァ!」

俺はかったいソファーに寝転がり、目の前で我が親愛なる下僕、『神谷』こと『K』が我が主人様『夜神 結衣』といつもの如くデュエル…と言う名の第二次世界対戦末期日本軍の様な蹂躙を見せられている。
何故だ…もともと俺ん家は探偵事務所でもなかったし、中身残念見た目100点の美少女と冴えない男のデュエルショーが行われる所ではなかった。

「じゃ、『SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング』でダイレクトアタック。ボクの勝ちだね。」
「また…負けた…」
「…そろそろ学習しろよ。解体ショー見せられてる俺の身になれ。子犬対狼かよ。」

圧倒的敗北者であるKが机に突っ伏す。勝者である結衣は勝ち誇った様に飴を舐めている。傍観者である俺は虚無を見ている。
全く…どれもこれも我が主人様が家に押しかけてきてからだ。見捨てておけばよかった。あの日のことは忘れもしない1ヶ月前…

ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー

課題という学徒の呪縛から逃れし俺はとても清々しい気分だった。肩の荷が0だと、気兼ねなくテレビが見れる。
何気なくチャンネルを回すとちょうど『遊戯王』の大会の生中継が行われていた。しかも、【ソウルカード】の使い手、【サイコデュエリスト】たちの大会だ。

【ソウルカード】……2020年ごろ、突如として日本人300万人程度が発現した、遊戯王カードに宿る力を操る能力。その能力を使える者を、通称して【サイコデュエリスト】という。
【ソウルカード】は全てのカードが操れる訳ではなく、人間一人一人に適応するカードが1枚あるらしい。そのカードが唯一無二のものであるか、ありふれたカードであるかどうかは分からない。

因みに俺は【サイコデュエリスト】ではない。そもそも、サイコデュエリストというのは遺伝子にカードの魂が反応、同調し、力を増幅させることでソウルカードを発現しているらしい。つまり、ソウルカードとは一種の遺伝子疾患、いわば『普通ではないこと』なのだ。

テレビでは選手のライフポイントが安全値を下回ったため、デュエル終了が言い渡される。先程行った様に、【サイコデュエリスト】と【カード】は遺伝子と【同調】しているのだ。【サイコデュエリスト】にとってライフポイントとは『命』そのもの。決着まで見れないのは残念だが、あの選手の為、仕方がないことなのだ。

…しかし、もう一方の選手はデュエルフィールドから降りる気配がない。デュエルフィールドから降りるには、対戦相手にサレンダーを認めてもらい、手元のレバーを使うことで出入口を開閉する。つまり、あの選手がレバーを下げなければ、敗北した選手は退場できない。
すると、対戦相手は…

「魔法カード…『火炎地獄』…」
「!?おい、何やってる!早く降りろ、デュエルを中断させろ!!」

なんとデュエルを続行させた。素晴らしい選手魂だが妙だ。あの選手はなかなかなも売れているので、ルールを間違えるなど初歩的なミスをするだろうか?
対戦相手はなおもデュエルを続ける。敗北した選手が悲鳴をあげ始め、会場に悲鳴が響き始めた途端、番組がニュースに切り替わった。同時に、俺はテレビを消す。

「…うわー、ヤベー物見たな。死人出たんじゃないのか?」

なんて、小学生みたいな感想を抱いていると、ピンポーンという無機質だがどうも癪に触る音が玄関から聞こえる。この時間に来るのはあいつだけだ。
玄関のドアを開けると、

「デュエルだ暁ぃぃ!」
「うるせぇ!黙って上がれ!」

いつも通りの挨拶を交わしたので、俺の部屋に移動する。

「今日こそは俺が勝つぞ…覚悟しろ。」
「はいはい。」
さっき嫌な物を見たのでそんな気分でもないのだが、受けなければうるさいので渋々了承する。
そして、短き戦いが幕を開ける。

『デュエル!』

いつも負けているKに先攻を譲ってやった。

「後悔するなよ、俺のターン、ドロー!『RR–バニシング・レイニアス』を召喚!」
機械的な体を持つモンスターをデュエルフィールドに置く。

RR–バニシング・レイニアス
鳥獣族/闇/星4/効果/攻1300/守1600
①このカードが召喚・特殊召喚に成功したメインフェイズに一度だけ発動できる。手札から「RR」モンスターを特殊召喚する。

「そのまま効果を…」
「おっと、『エフェクト・ヴェーラー』だ。」

エフェクト・ヴェーラー
魔法使い族/光/星1/効果/チューナー/攻0/守0
①相手メインフェイズ時、このカードを手札から墓地に送り、相手フィールド上の効果モンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする。

エフェクト・ヴェーラーによりKのお得意の連続展開が止められてしまう。これはKにとって大きな誤算だった。
「何っ!くっ…ターンエンド!」

K:LP8000 d35 手札4 場 RR–バニシング・レイニアス

「俺のターン、ドロー。手札の『方界業』、『方界合神』、『方界超帝インディオラ・デス・ボルト』を相手に見せ、『暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ』を特殊召喚する。」
暁はフィールドに黒い正方形に近い形に、正方形が尾を引く蛇のような体。両腕には肩と手の甲の部分に眼球が付き、鋭い武器をつけている。まさに「暗黒」の神と呼ぶに相応しいおぞましきモンスターだった。

暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ
悪魔族/闇/星10/効果/特殊召喚/攻3000/守0
このカードは通常召喚できない。このカード以外の「方界」カード3種類を相手に見せた場合のみ特殊召喚できる。「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ」の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。①このカードは、このカード以外の元々の攻撃力が3000以下のモンスターが発動した効果を受けない。②このカードの攻撃でモンスターを破壊した時に発動できる。このバトルフェイズ中、このカードはもう1度だけ攻撃できる。③自分エンドフェイズに発動する。お互いのプレイヤーは3000ダメージを受ける。

「くっ…『暗黒方界神』…まずいな…」
「永続魔法『方界業』!対象は『暗黒方界神』だ。」
渦巻く炎が無限の様な形をかたどる。

方界業
永続魔法
①このカードの発動時に、「方界胤ヴィジャム」以外の自分フィールドの「方界」モンスター1体を対象にできる。その場合、手札・デッキから「方界胤ヴィジャム」を任意の枚数墓地へ送る。その後、対象のモンスターの攻撃力は、この効果で墓地に送ったモンスターの数×800アップする。②相手ターンに「方界」モンスターの効果で「方界胤ヴィジャム」が特殊召喚された場合に発動する。このカードを墓地に送り、相手のLPを半分にする。③墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「方界」モンスター1体を手札に加える。

「デッキから『方界胤ヴィジャム』3体を墓地に送り、『暗黒方界神』の攻撃力を2400アップさせる。」
罪の力をその身に蓄え、暗黒方界神はその力を上げる。

暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ 攻撃力3000→5400

「バトルフェイズ!『暗黒方界神』で『バニシング・レイニアス』に攻撃!」

暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ 攻撃力5400 VS RR–バニシング・レイニアス 攻撃力1300

「…終わった…」LP8000→3900
「終わりだ。『暗黒方界神』の効果発動、もう一度攻撃できる。ダイレクトアタック!」

K LP3900→0

暗黒方界神の力によって、一瞬で勝負の幕が下りた。

「…これは…酷いだろ…」
「相手の妨害を考えないお前が悪い。」

そんな感じで先程のデュエルの感想戦をしていると、再びピンポーンとうるさい音が連続して聞こえる。今度の客人はせっかちな様だ。

「今出ますよー」

と言いながらドアを開けるとー ー

そこには、全世界から羨望を集めるほどの美少女が立っていた。

「やあ、ちょっと助けてくれないかな?」

次回へ続く。
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懲りずにシリーズを増やし、投稿頻度を上げない投稿者の屑。
今回は妄想増し増しで行ったので長くなりました。多分これからもそうです。 (2018-10-30 23:48)

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