22　海の巨影　3　作：19

一方、縁の居なくなった大会でのメルは、待機室でオピスと一緒に悩んでいた。
　メル「なんとか大会の１回戦は勝ったけど…。縁ちゃんが…」
　オピス「確かに、それは何とかしなきゃな。俺が代わりに出ることもできそうなんだが、あいにく精霊だから見える奴にしか見えないんだよな」
　メル「だよなぁ…」
　？「なら、俺が代役として出ようか」
そこへ、一人の男が部屋に入ってきた。
　メル「？　あ！お前」
　雅「よっ。久しぶりだな。覚えてるか？」
　メル「覚えてるも何も、予選で最初に戦ったじゃないか。なんでここに」
　雅「俺もさっきのデュエルを見てたよ。あの子、連れ去られたみたいだな。だから、代わりに俺がでる」
　メル「そうか、見てたのか。というか、出れるのか？」
　雅「ようわからんが、何とかなるだろ」
　オピス「大丈夫かコイツ・・・」
　雅「それに、あの子には感謝してるんだ…あれからな、色々回って、精霊のカード１枚を手に入れる事ができた・・・それも、俺にぴったりのカードをな」
　メル「おお。それは頼もしいな！」
　雅「よろしくな。メル！」


そして縁は、マトイとのデュエルを続ける。

　マトイ「手札から「深海の巨影」を発動！墓地の水属性・水族モンスター３体を除外することで、デッキ・手札から「グレイト・デプス」を特殊召喚！！これが、私の全力よ！」

【グレイト・デプス】
攻撃力０　守備力０　☆１０　水属性　水族

　縁「大きい…。１０ｍ以上はあるかしら…」
　マトイ「もちろん、その大きさに見合った効果を持っているわ。グレイト・デプスの効果発動！１ターンに一度、フィールド上のカードを全て、自分の装備カードとして吸収する！」
　縁「全てのカードを！？」
　マトイ「それだけじゃない。吸収したカード１枚に付き、攻撃力・守備力を５００ポイントアップさせるわ！貴方の場の「サイクロンイーター」と「コンボスネーク」、「蛇の恩恵」。そしてわたしの場の「遊園の楽園」を吸収！」

グレイト・デプス　攻撃力０→２０００　守備力０→２０００

　縁「でも、ライフを０にするには及ばないわ」
　マトイ「そうね。でも、このまま続けば私の勝ちよ。バトル！グレイト・デプスでダイレクトアタック！」
　縁「くうぅ！！」

縁　ライフ６９００→４９００

　マトイ「それだけじゃないわ。グレイト・デプスが攻撃に成功した時、吸収したカードを墓地へ送る事で、デッキからカードを１枚ドローできるわ。サイクロンイーターを排出」

グレイト・デプス　攻撃力２０００→１５００　守備力２０００→１５００

マトイ　手札２枚

　マトイ「カードを２枚伏せて、ターンエンドよ」

マトイ　ライフ５７００　手札０枚

　縁「私のターン、ドロー！」

縁　手札２枚

　縁「モンスターを１体伏せて、ターンエンドよ」
　マトイ「もう勝つ手段が無いのかしら。ドロー」

マトイ　手札１枚

　マトイ「グレイト・デプスの効果発動！フィールド上のカードを全て吸収！私の伏せカード２枚と、貴方の伏せモンスター１体で、合計１５００ポイント攻撃力をアップ！」

グレイト・デプス　攻撃力１５０００→３０００　守備力１５００→３０００

　マトイ「バトル！ダイレクトアタックよ！」
　縁「うう！！まだ、まだいける！」

縁　ライフ４９００→１９００

　マトイ「効果により、貴方のリバースモンスターを墓地へ送って一枚ドロー。そしてターンエンドよ」

マトイ　手札２枚

　縁（オピスが居なくても、戦える力を…！！）「ドロー！」

縁　手札２枚

　縁「カードを１枚伏せて、ターンエンドよ」
　マトイ「本当に、打つ手がないのね。私のターン、ドロー」

マトイ　手札３枚

　縁「…」
　マトイ「グレイト・デプスの効果発動！カードを吸収させてもらうわ！」
　縁「！　　リバースカードオープン！速攻魔法「阻害蘇生」発動！墓地のモンスター２体を除外して、墓地からレベル４以下のモンスター１体を特殊召喚する！墓地の「サイクロンイーター」と「コンボスネーク」を除外して、「蛇武士」を特殊召喚！」

【蛇武士】
攻撃力１０００　守備力１９００　☆３　地属性　爬虫類族

　縁「蛇武士は相手フィールド上に存在する攻撃力２５００以上のモンスターの攻撃の対象にされないわ」
　マトイ「なら、そのまま攻撃させてもらおうかしら、攻撃対象のモンスターが居ないのなら、相手に直接攻撃できるという事、知ってるわよね？バトル、グレイト・デプスでダイレクトアタック！」

　縁「墓地の「サーペント・アーマード」の効果発動！攻撃力１５００以上のモンスターの直接攻撃宣言時、その攻撃を無効にして、このカードを墓地から特殊召喚できるわ！」

【サーペント・アーマード】
攻撃力５００　守備力１７００　☆４　地属性　爬虫類族

　マトイ「まさか、この状況でまだ戦えるなんて…私はカードを１枚伏せてターンエンドよ！」
　縁「私のターン、ドロー！　そうよ。私には、オピスがくれたデッキがあるんだ！絶対に負けない！」

縁　手札２枚

　縁「手札から、速攻魔法「スター・チェンジャー」発動！フィールド上のモンスターのレベルを一つ上げるか下げる事ができる！私の場の「蛇武士」のレベルを一つ上げるわ！」

蛇武士　☆３→４

　縁「そして、手札から「ムブニール」を召喚！」

【ムブニール】
攻撃力１５００　守備力０　闇属性　爬虫類族

　縁「ムブニールが、相手フィールド上に攻撃力３０００以上のモンスターが居る時に召喚した場合、デッキからカードをドローする。ドロー！」

縁　手札１枚

　マトイ「レベル４が３体、エクシーズはできるみたいだけど、オピスとやらは居ないのでしょう？」
　縁「えぇ、だから、オピスからもらった力を使うわ！「蛇武士」と「サーペント・アーマード」「ムブニール」の３体で、オーバーレイネットワークを構築！」

　マトイ「また、３体エクシーズ…！」

　縁「全ての力をその一身に宿し、全てをその身に…！エクシーズ召喚！「蛇帝真・ヴィダム」！」

【蛇帝真（じゃていしん）・ヴィダム】
攻撃力２７００　守備力２５００　ランク４　闇属性　爬虫類族

　マトイ「攻撃力２７００…でも、あと一歩程度、グレイト・デプスには及ばないわ」
　縁「だからこそ、ヴィダムの効果発動！素材を全て取り除く事で発動するわ！相手の手札を全て確信し、カードの種類によって効果を適用する！モンスターなら、相手フィールド上のモンスターの効果を無効にする。罠カードなら、相手フィールド上にセットされているカードをこのターン使用不可にし、ヴァダムの攻撃力を１０００ポイントアップさせる。魔法なら、相手フィールド上のモンスターの攻撃力を１０００ポイントダウンさせるわ！」

　マトイ「手札は３枚…全種類あるわ…。効果が無効にされた事で、デプスの攻撃力は元の数値、０に戻る…」

ヴァダム　攻撃力２７００→３７００
グレイト・デプス　攻撃力３０００→０

　縁「バトル！ヴァダムで、グレイト・デプスを攻撃！！」
　マトイ「きゃあっ！」

マトイ　ライフ５７００→２０００

　縁「さらに、蛇帝真・ヴァダムの効果により、取り除いた素材の攻撃力の合計分のダメージを相手に与えるわ…！」

サーペント・アーマード　攻撃力５００
蛇武士　攻撃力１０００
ムブニール　攻撃力１５００

　マトイ「合計、３０００のダメージね…」

マトイ　ライフ２０００→０

　縁「やったぁ！！」
　マトイ「なかなか、楽しいデュエルだったわ。この力なら、あの男にかなり抵抗できる筈よ」
　縁「そうだ、あの大男の正体って、一体…」
　マトイ「アイツは昔、デュエルアカデミアを危険な計画に巻き込んだ張本人、プロフェッサー・コブラよ」
　縁「プロフェッサー…コブラ…」
　マトイ「コブラは、死んだ息子を生き返らせるために精霊の力に手をだし、生徒から奪ったデュエルエナジーで。ユベルと言う精霊の力を利用しようとしたのだけれど…。それは失敗に終わったわ」
　縁「そうなの…。自分の家族の為とはいえ、関係のない大勢の生徒まで巻き込むなんて…！」