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第十一話 神の一撃 作:サクラ
前書き
一応前回にも書かせてもらったのですが、この作品は作者の自己満及び妄想
の要素が強いです。また、オリ主の原作介入による元々の原作のキャラクター(主に城之内君の)活躍の場を奪う展開等があったりします。そう言った点にご注意下さい。全然OKな方はどうぞ!以下本編です。
「《ラーの翼神竜》だと!?馬鹿な!!このカードは世界で一枚しか存在しないカードだ!それをどうやって……」
「どうやって……だと?ふふ……」
遊香は心底愉快そうに笑う。遊香の後ろのラーの翼神竜は、リシドのフィールドのと同様幻影の様に安定していない。
「エジプトの地下施設だ」
「地下施設……?ッ!?まさか!?貴様!彼処に行ったのか!?グールズの地下実験場に!!」
「その通りだ。そしてこのカードを見つけたのさ。この……『神の写し身』をね!」
「『神の写し身』。我々グールズの極秘計画すらも……貴様どこまで知っている!いや、貴様は何者だ!?国際警察も他のどんな組織でさえもこの事実を知る者は居なかった!それをただの一般人が知れる訳がない!!答えろ!野崎遊香!」
「ふふ、このデュエルで私に勝てば教えてやろう」
「貴様……!」
リシドは悔しげに遊香を睨み付ける。遊香は余裕な表情を崩さない。観客席のマリクは思う。神のカードは千年アイテムの所持者か神に選ばれたデュエリストにのみ扱う事を許される。野崎遊香には自分達墓守の人間ですら知らなかった、8つ目の千年アイテム。千年ピアスの所持者である事を大会開始前に掴んでいた。
(姉さんが言っていた8つ目の千年アイテムの『千年ピアス』。どうやらとてつもない脅威になりそうだよ)
マリクは遊香を睨み付けながら冷や汗が流れるのを感じる。
「は!だが残念だったな野崎遊香よ!家捜しまでしてまで神のコピーを見つけたのはいいが、肝心の効果が分からなかったようだな!《ラーの翼神竜》は生け贄に捧げた3体のモンスターの攻撃力の合計値になる。《死者蘇生》によって特殊召喚されたそのカードでは攻撃力は0だ!!」
遊香のフィールドのラーの翼神竜の攻撃力ゲージは0を記していた。
「ふふふ。そういえばお前たちは知らないんだったな?《ラーの翼神竜》に秘められた真の特殊能力を」
「何?」
「《ラーの翼神竜》を操るには古代神官文字を正確に唱えなければならない。まずはこれだ」
遊香は呪文の様なものを唱え始める。すると、
「何!?遊香ったらヘンな呪文みたいなのを唱え始めたわ!!」
「お、おい!ユラユラ揺れていた遊香の《ラーの翼神竜》がハッキリしてきたぞ!」
遊香の後ろにいたラーの翼神竜の幻影は少しずつその姿を実体化させて行く。そしてその真の姿を現した。
「どうだリシド。私が主人だと唱え、写し身であっても神を呼び出せたぞ?」
「古代神官文字だと……?それは解読不能な文字のハズだ!何故貴様などに解読ができる!」
「確かに古代神官文字は解読不能なものだ。だが、千年アイテムの所持者か神に選ばれた者は解読が可能なのさ!それだけじゃない。私はエジプト滞在の間に古代神官文字を解読、そして1ヶ月で習得した。私の頭はいささか飲み込みが早くてね。今では神の啓示無しでこのカードの能力全てを使えるようになった!そしてこれがっ!」
遊香は腕をクロスさせ、再び古代神官文字を唱え始める。
(な、何だ?この古代神官文字は?初めて聞くやつだ)
マリクは遊香を警戒しながらリシドを見る。リシドもマリクを見ながらゆっくりと頷く。そして遊香の方に向き直すと信じられない光景を目の当たりにした。
「野崎遊香が……!消えていくだと!?」
遊香は呪文を唱えながら煙の様に自分の身体が消えて行っているのを確認する。観客席の人達もその光景に声をあげる。
「そうだ。《ラー》の特殊能力。カードに記された古代神官文字の第三行節を唱えた者は、自身のライフポイントを1だけ残し、残る全てを《ラー》の攻撃力、守備力に置き換えることができるのさ!」
「プレイヤーのライフポイントを変換する効果だと!?」
「その通りだ。リシドとマリクよ、お前たちでも知らない《ラー》の特殊能力。それは……!」
遊香の姿が消え去る。その場にいる他の全員が遊香を探すが見つからない。
「ここだ!」
「な!?」
全員が声の方を向く。何と遊香はラーの翼神竜の頭の上にいた。
「私と《ラー》が一体化するという事なのだ!!」
ラーの翼神竜 攻撃力8799
遊香 LP1
「そしてこの瞬間私は最強の神となった!私の前では同じ神の写し身であっても無力!そして無意味!神の幻影よ、消え去れ!『ゴッド・ブレイズ・キャノン』!!」
ラーの翼神竜の頭の後ろからエネルギーを作り出し、それを吸収する。そして大きく口を開くとそこから巨大な炎の玉が発射された。
炎の玉はリシドのラーの翼神竜に直撃すると、なすすべも無く消え去る。攻撃による衝撃と神炎がリシドも包み込んだ。
「ぐわあ!!!」
遊香は笑う。強大な神の力を思うように使えることへの快感で身体中がゾクゾクし、頬がほんのり紅くなる。
すると、フィールドから何かがこちらに飛んでやって来るのを感じた。
「お前は……」
それは青き眼の乙女だった。青き眼の乙女は心配そうな顔をしながら遊香を見て首を横に振る。
「ふん、興が冷めた」
遊香はチッと小さく舌打ちをすると、ラーの攻撃を止めた。リシドは倒れて動かない。
「マリク・イシュタール。5分以内に立ち上がらない場合は戦闘不能とみなし、敗北とする」
審判の一言だが、リシドが立ち上がる気配を感じない。3分が経ち、もう無理だろうと誰もが思ったその時だった。
「ぐっ!……まだ……だ。私はここで倒れる訳にはいかないのだ……。私が倒れればあの方が……マリク様の闇の人格が……」
リシドが消え入りそうな声をこちらに向かって言い、立ち上がろうとするがそのまま気を失って倒れてしまった。
ソリッドビジョンが終了して遊香の身体は元に戻る。
「決勝トーナメント第2回戦。対戦者マリク・イシュタールは戦闘不能な為、勝者は野崎遊──!」
「ぐあああ!!」
観客席から絶叫が轟く。
「な、何だ──ってナム!どうしたんだ!」
「ナム君!?」
「あれ?ナム君が持っているそれって、遊香が戦ってた男が持ってたやつじゃ……」
そう。気がつくと彼の手には千年ロッドが握られていた。そして、
「そう。俺が本当のマリク……ぐあああ!」
「お前がマリク!?じゃあナムって言うのは!?」
「そんな事は……どうでも……いい。3000年続く墓守の一族の苦しみ……それに比べたら……がああ!」
明らかに様子のおかしいマリクに一同は呆然と見つめる。すると千年ロッドのウジャト眼が光りだし、あたりを包み込んだ。光が止むとマリクの様子がおかしい事に気づく。髪は逆立ち、額にはウジャト眼が浮かび上がる。
「……ふぅ。やっと出てこられた」
「出てこられた?」
「ああそうだよ遊戯。俺に比べれば、表のマリクは大人しい性格でね……奴は闇を恐れている。が、俺は闇が大好きでねぇ。まぁ俺からすれば、どいつもこいつも影の存在だ。特にそいつに居られると、俺が出てこれなかったよ」
マリクは倒れているリシドに顎で指す。
「ふ、とうとう現れたな。闇のマリク。真の《ラーの翼神竜》の所持者」
「野崎遊香か。中々面白い物を見せてもらったよ……。お前のおかげで今のデュエルで分かった事がある。やはり神のカードを操れるのは千年アイテムの所持者だって事だ。なぁ海馬?」
「ふぅん。俺はそんなオカルトグッズに興味などない」
「くふふ。もしかしたらお前も3000年の歴史に何らかの関わりがあったのかもなぁ」
マリクはそう言うと観客席からエレベーターに向かって歩いて行った。
(遊戯、海馬、そして野崎遊香。これから始まるのは真のミレニアムバトル。我々はこれから真の闇へ進路を進める。もう誰一人戻る事は出来ない。ふふふ……ハハハハハ!!)
そうしてマリクは、エレベーターで降りていった。
……
「担架用意しろ!」
「よし、運ぶぞ!」
「うっし!どうにか運べた。後はお願いします」
「はい、分かりました」
……
リシドを部屋まで運び出されるのを見送ると、遊戯がやってきた。
「遊香。あの男は何者なんだ?お前はアイツが何者なのか知っているんだろう?」
「ふふふ。ああ知っているよ遊戯君。だが、まだその時では無いよ。まぁ時期に分かる」
「待て!」
遊香はスタスタ歩き立ち去る。遊戯は上げた手を下げると、仲間たちの元に戻って行った。
ウィーン
遊香はある部屋に入る。そしてそこで眠っている人物に声を掛けた。
「起きているのは分かっているよ。君に話がある。いや、頼みかな?」
……
それから15分後、再びホールに参加者たちが集まった。
「それでは第3回戦の組み合わせを発表いたします!『アルティメットビンゴマシーン』スタート!!」
中のボールが縦横無尽に飛び散る。流石に数が少なくなって来たので、1個目のボールは直ぐに落ちて来た。
「デュエリストNo.4城之内克也!」
「俺か!」
「頑張れ!城之内君!」
「頑張って!城之内!」
「その対戦者は……デュエリストNo.7マリク・イシュタール!」
「ッ!?」
その瞬間、その場に居た参加者たちは目を見開く。当の城之内も顔をしかめた。その場にはマリクは居なかったが、船内放送で届いているはずだ。
「デュエリストの皆様は5分後に天空デュエル場にお越し下さい」
黒服がそう言うと立ち去って行った。
「次の対戦、城之内君だって!?」
「遊香!?」
自動ドアが開くと、元の遊香が現れた。仲間たちは遊香の登場に驚き、駆けつける。
「今のお前は何時もの遊香、でいいんだよな?」
「いつもの……かどうなのか分からないけど私は私だよ?」
「そ、そうか……悪い、なんでもない」
本田は黙ると、遊香は「それよりも」と、話題を戻す。
「城之内君!次の相手はあのマリクなんでしょ?頑張って」
「……ああ。ありがとよ、遊香」
城之内は自分の両頬を叩いて気合いを入れて対戦者用のエレベーターに乗って行った。遊香達は観戦者用のエレベーターに乗り込む。
その頃エレベーター内の城之内は
(マリク。テメェだけは俺がぶっ倒してやる!)
城之内はマリクへの闘志を燃やしつつ、天空デュエル場へ静かに着くのを待っていた。
一応前回にも書かせてもらったのですが、この作品は作者の自己満及び妄想
の要素が強いです。また、オリ主の原作介入による元々の原作のキャラクター(主に城之内君の)活躍の場を奪う展開等があったりします。そう言った点にご注意下さい。全然OKな方はどうぞ!以下本編です。
「《ラーの翼神竜》だと!?馬鹿な!!このカードは世界で一枚しか存在しないカードだ!それをどうやって……」
「どうやって……だと?ふふ……」
遊香は心底愉快そうに笑う。遊香の後ろのラーの翼神竜は、リシドのフィールドのと同様幻影の様に安定していない。
「エジプトの地下施設だ」
「地下施設……?ッ!?まさか!?貴様!彼処に行ったのか!?グールズの地下実験場に!!」
「その通りだ。そしてこのカードを見つけたのさ。この……『神の写し身』をね!」
「『神の写し身』。我々グールズの極秘計画すらも……貴様どこまで知っている!いや、貴様は何者だ!?国際警察も他のどんな組織でさえもこの事実を知る者は居なかった!それをただの一般人が知れる訳がない!!答えろ!野崎遊香!」
「ふふ、このデュエルで私に勝てば教えてやろう」
「貴様……!」
リシドは悔しげに遊香を睨み付ける。遊香は余裕な表情を崩さない。観客席のマリクは思う。神のカードは千年アイテムの所持者か神に選ばれたデュエリストにのみ扱う事を許される。野崎遊香には自分達墓守の人間ですら知らなかった、8つ目の千年アイテム。千年ピアスの所持者である事を大会開始前に掴んでいた。
(姉さんが言っていた8つ目の千年アイテムの『千年ピアス』。どうやらとてつもない脅威になりそうだよ)
マリクは遊香を睨み付けながら冷や汗が流れるのを感じる。
「は!だが残念だったな野崎遊香よ!家捜しまでしてまで神のコピーを見つけたのはいいが、肝心の効果が分からなかったようだな!《ラーの翼神竜》は生け贄に捧げた3体のモンスターの攻撃力の合計値になる。《死者蘇生》によって特殊召喚されたそのカードでは攻撃力は0だ!!」
遊香のフィールドのラーの翼神竜の攻撃力ゲージは0を記していた。
「ふふふ。そういえばお前たちは知らないんだったな?《ラーの翼神竜》に秘められた真の特殊能力を」
「何?」
「《ラーの翼神竜》を操るには古代神官文字を正確に唱えなければならない。まずはこれだ」
遊香は呪文の様なものを唱え始める。すると、
「何!?遊香ったらヘンな呪文みたいなのを唱え始めたわ!!」
「お、おい!ユラユラ揺れていた遊香の《ラーの翼神竜》がハッキリしてきたぞ!」
遊香の後ろにいたラーの翼神竜の幻影は少しずつその姿を実体化させて行く。そしてその真の姿を現した。
「どうだリシド。私が主人だと唱え、写し身であっても神を呼び出せたぞ?」
「古代神官文字だと……?それは解読不能な文字のハズだ!何故貴様などに解読ができる!」
「確かに古代神官文字は解読不能なものだ。だが、千年アイテムの所持者か神に選ばれた者は解読が可能なのさ!それだけじゃない。私はエジプト滞在の間に古代神官文字を解読、そして1ヶ月で習得した。私の頭はいささか飲み込みが早くてね。今では神の啓示無しでこのカードの能力全てを使えるようになった!そしてこれがっ!」
遊香は腕をクロスさせ、再び古代神官文字を唱え始める。
(な、何だ?この古代神官文字は?初めて聞くやつだ)
マリクは遊香を警戒しながらリシドを見る。リシドもマリクを見ながらゆっくりと頷く。そして遊香の方に向き直すと信じられない光景を目の当たりにした。
「野崎遊香が……!消えていくだと!?」
遊香は呪文を唱えながら煙の様に自分の身体が消えて行っているのを確認する。観客席の人達もその光景に声をあげる。
「そうだ。《ラー》の特殊能力。カードに記された古代神官文字の第三行節を唱えた者は、自身のライフポイントを1だけ残し、残る全てを《ラー》の攻撃力、守備力に置き換えることができるのさ!」
「プレイヤーのライフポイントを変換する効果だと!?」
「その通りだ。リシドとマリクよ、お前たちでも知らない《ラー》の特殊能力。それは……!」
遊香の姿が消え去る。その場にいる他の全員が遊香を探すが見つからない。
「ここだ!」
「な!?」
全員が声の方を向く。何と遊香はラーの翼神竜の頭の上にいた。
「私と《ラー》が一体化するという事なのだ!!」
ラーの翼神竜 攻撃力8799
遊香 LP1
「そしてこの瞬間私は最強の神となった!私の前では同じ神の写し身であっても無力!そして無意味!神の幻影よ、消え去れ!『ゴッド・ブレイズ・キャノン』!!」
ラーの翼神竜の頭の後ろからエネルギーを作り出し、それを吸収する。そして大きく口を開くとそこから巨大な炎の玉が発射された。
炎の玉はリシドのラーの翼神竜に直撃すると、なすすべも無く消え去る。攻撃による衝撃と神炎がリシドも包み込んだ。
「ぐわあ!!!」
遊香は笑う。強大な神の力を思うように使えることへの快感で身体中がゾクゾクし、頬がほんのり紅くなる。
すると、フィールドから何かがこちらに飛んでやって来るのを感じた。
「お前は……」
それは青き眼の乙女だった。青き眼の乙女は心配そうな顔をしながら遊香を見て首を横に振る。
「ふん、興が冷めた」
遊香はチッと小さく舌打ちをすると、ラーの攻撃を止めた。リシドは倒れて動かない。
「マリク・イシュタール。5分以内に立ち上がらない場合は戦闘不能とみなし、敗北とする」
審判の一言だが、リシドが立ち上がる気配を感じない。3分が経ち、もう無理だろうと誰もが思ったその時だった。
「ぐっ!……まだ……だ。私はここで倒れる訳にはいかないのだ……。私が倒れればあの方が……マリク様の闇の人格が……」
リシドが消え入りそうな声をこちらに向かって言い、立ち上がろうとするがそのまま気を失って倒れてしまった。
ソリッドビジョンが終了して遊香の身体は元に戻る。
「決勝トーナメント第2回戦。対戦者マリク・イシュタールは戦闘不能な為、勝者は野崎遊──!」
「ぐあああ!!」
観客席から絶叫が轟く。
「な、何だ──ってナム!どうしたんだ!」
「ナム君!?」
「あれ?ナム君が持っているそれって、遊香が戦ってた男が持ってたやつじゃ……」
そう。気がつくと彼の手には千年ロッドが握られていた。そして、
「そう。俺が本当のマリク……ぐあああ!」
「お前がマリク!?じゃあナムって言うのは!?」
「そんな事は……どうでも……いい。3000年続く墓守の一族の苦しみ……それに比べたら……がああ!」
明らかに様子のおかしいマリクに一同は呆然と見つめる。すると千年ロッドのウジャト眼が光りだし、あたりを包み込んだ。光が止むとマリクの様子がおかしい事に気づく。髪は逆立ち、額にはウジャト眼が浮かび上がる。
「……ふぅ。やっと出てこられた」
「出てこられた?」
「ああそうだよ遊戯。俺に比べれば、表のマリクは大人しい性格でね……奴は闇を恐れている。が、俺は闇が大好きでねぇ。まぁ俺からすれば、どいつもこいつも影の存在だ。特にそいつに居られると、俺が出てこれなかったよ」
マリクは倒れているリシドに顎で指す。
「ふ、とうとう現れたな。闇のマリク。真の《ラーの翼神竜》の所持者」
「野崎遊香か。中々面白い物を見せてもらったよ……。お前のおかげで今のデュエルで分かった事がある。やはり神のカードを操れるのは千年アイテムの所持者だって事だ。なぁ海馬?」
「ふぅん。俺はそんなオカルトグッズに興味などない」
「くふふ。もしかしたらお前も3000年の歴史に何らかの関わりがあったのかもなぁ」
マリクはそう言うと観客席からエレベーターに向かって歩いて行った。
(遊戯、海馬、そして野崎遊香。これから始まるのは真のミレニアムバトル。我々はこれから真の闇へ進路を進める。もう誰一人戻る事は出来ない。ふふふ……ハハハハハ!!)
そうしてマリクは、エレベーターで降りていった。
……
「担架用意しろ!」
「よし、運ぶぞ!」
「うっし!どうにか運べた。後はお願いします」
「はい、分かりました」
……
リシドを部屋まで運び出されるのを見送ると、遊戯がやってきた。
「遊香。あの男は何者なんだ?お前はアイツが何者なのか知っているんだろう?」
「ふふふ。ああ知っているよ遊戯君。だが、まだその時では無いよ。まぁ時期に分かる」
「待て!」
遊香はスタスタ歩き立ち去る。遊戯は上げた手を下げると、仲間たちの元に戻って行った。
ウィーン
遊香はある部屋に入る。そしてそこで眠っている人物に声を掛けた。
「起きているのは分かっているよ。君に話がある。いや、頼みかな?」
……
それから15分後、再びホールに参加者たちが集まった。
「それでは第3回戦の組み合わせを発表いたします!『アルティメットビンゴマシーン』スタート!!」
中のボールが縦横無尽に飛び散る。流石に数が少なくなって来たので、1個目のボールは直ぐに落ちて来た。
「デュエリストNo.4城之内克也!」
「俺か!」
「頑張れ!城之内君!」
「頑張って!城之内!」
「その対戦者は……デュエリストNo.7マリク・イシュタール!」
「ッ!?」
その瞬間、その場に居た参加者たちは目を見開く。当の城之内も顔をしかめた。その場にはマリクは居なかったが、船内放送で届いているはずだ。
「デュエリストの皆様は5分後に天空デュエル場にお越し下さい」
黒服がそう言うと立ち去って行った。
「次の対戦、城之内君だって!?」
「遊香!?」
自動ドアが開くと、元の遊香が現れた。仲間たちは遊香の登場に驚き、駆けつける。
「今のお前は何時もの遊香、でいいんだよな?」
「いつもの……かどうなのか分からないけど私は私だよ?」
「そ、そうか……悪い、なんでもない」
本田は黙ると、遊香は「それよりも」と、話題を戻す。
「城之内君!次の相手はあのマリクなんでしょ?頑張って」
「……ああ。ありがとよ、遊香」
城之内は自分の両頬を叩いて気合いを入れて対戦者用のエレベーターに乗って行った。遊香達は観戦者用のエレベーターに乗り込む。
その頃エレベーター内の城之内は
(マリク。テメェだけは俺がぶっ倒してやる!)
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