46.検閲　作：くちなし

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翌日のことになる。
ボクはいつも通りの時間に起き、義姉さん自作の朝食を取り、学校へと向かう。
空模様は、、雨が降りそうなくらい雲が空を覆っている。

「おはよーっす」
「悠里、おはよ」
「観月、おはよーっす」
「悠里、なんか気怠そうね。なんかあったの？」
「どーせ学校行きとうない～って考えてるんじゃない？」
「8割がた正解だな」
「じゃあ、残りの2割はなによ」
「天候的倦怠感」
「なにそれｗ」

なにそれ、、って、そのままなんだが。

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放課後、いつものように文芸室へ向かうと、香織が本を読んでいた。

「よ」
「悠里くん、、♬」

ご機嫌な様子な香織である。それにしても、いつも早いな。

「デッキ、今のうちに組み替えましょうか？」
「え、、？」
「瑞穂ちゃんに言われていませんでしたっけ？」

あー、、そういえばそんなことが言われてたような気がするな、、

「デッキ、貸してください」
「あ、、うん、、」

デッキケースを渡す悠里。

「ああ、やっぱりリゾネーター軸ですね。この軸は割と手札事故が多いんですよ。そういえば、この前のゆきりんとのデュエルでも事故起こしてましたよね」

なぜボクの周辺人物には無駄に勘の鋭い奴が多いのであろうか。

「いっそのこと、私と同じジャンド軸にしてみてはどうでしょう？」

ジャンド、、低レベルのモンスターを展開して、S召喚をしていくデッキである。

「、、ざっと、こんな感じでしょうか、、」

ボクの手持ちのカードでデッキを組み直してみた。幸い、ジャンドのパーツは殆どすべて持っていたので、特に問題なく作ることができた。

「リゾネーターを殆ど抜いたので、風来王も1枚にしました。そして特殊召喚できる低レベルモンスターを多めに入れました」
「EXデッキまでわざわざありがとな」
「いえいえ。。悠里くんの持っているカードが多かったからできたことですよ、、」
「やーーーっほーーー！！！」

うるさいと言ってやりたいくらいに大声かつ高らかに、まるで雷が鳴ったかのように入ってきたのは瑞穂With氏家さんである。

「あんたたち、2人でなにしてたの？まさか、あんた、香織に手ぇ上げてないでしょうね」
「手をあげるも何も、デッキを組み直していただけだ。前言ってたろ」
「言ったわね。で、できたんだ」
「まあな」
「そしたら、瑞穂っちとデュエルすればいいっさ！」
「ちょ、、氏家さん！？何言ってるの？なんであたしが、、」
「瑞穂っちもね、あたしもみんなの役に立つんだーって、、ry」
「わかったわよ！私が「検閲」してあげる！私がわざわざ相手になってあげるんだから感謝しなさいよねっ！」

検閲って、、なんか意味が少しズレている様な気がするが、、ま、良い。
そんな感じでボクと瑞穂でデュエルをすることになったのである。
瑞穂の顔(正確には頬と耳だが)はほんのり赤く染まっているのが分かる。

『決闘！』　(悠里LP8000 VS 瑞穂LP8000)

「先攻はあたしがもらうわよ！」

Turn01　TP 瑞穂　手札5

「あたしは黒き旋風を発動して、BF－上弦のピナーカを召喚し、旋風の効果発動！」

BF－上限のピナーカ　☆3　ATK1200

やっぱり初手に握ってたか、黒き旋風を、、

「デッキからBF－白夜のグラディウスを手札に加え、特殊召喚！」

BF－白夜のグラディウス　☆3　DEF1500

割と順調に回っているようだな。もともとBFは特殊召喚が多いのもあるが。

「☆3のグラディウスに☆3のピナーカをチューニング！」

【S召喚！来なさい！BF－星影のノートゥング！】

BF－星影のノートゥング　☆6　ATK2400

「特殊召喚時効果で800ダメージよ！」

悠里LP8000→7200

ノートゥングには、特殊召喚時効果でモンスターの攻撃力を800下げ、800ダメージを相手に与える効果がある。これはS召喚のみならず、蘇生時にも使えるため、割と面倒なモンスターである。

「カードを伏せてターンエンド！」


Turn02　TP 悠里　手札5→6

「ボクの、、ターン、、！」

さて、初手は、、おっ、、良い感じじゃないか。

「調律を発動する」

調律。ジャンド軸のデッキには必須と言ってもいいくらいの魔法カードである。デッキから
「シンクロン」チューナーをサーチし、デッキから1枚を墓地に送る効果を併せ持っている。
ここで落ちるカード次第によっては、展開が変わるが、、

「香織と同じクジャドル軸にしたのね。あんたにしては賢明じゃない！」
「ありがとよ。デッキからアンノウン・シンクロンを手札に加える」

墓地に落ちたのは、、なるほど、、このカードは、、

「アンノウン・シンクロンを特殊召喚」

アンノウン・シンクロン　☆1　DEF0

「自分の場にのみモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる機械族チューナーね」
「そうだ。んで、愚かな埋葬を発動」

愚かな埋葬。言わずと知れた汎用カードの1つ。

「ボルト・ヘッジホッグを墓地に送る」

香織の提案で入れることにしたボルト・ヘッジホッグはチューナーが場にいると自己蘇生できるという、使い勝手の良いモンスターである

「ジャンク・シンクロンを召喚！」
「、、つり上げからのS召喚、、」

ジャンク・シンクロン　☆3　ATK1200
ボルト・ヘッジホッグ　☆2　DEF800

ジャンク・シンクロン、、特殊召喚時に墓地のモンスターを特殊召喚(↓☆2)できる。
デッキの要となるモンスターの1つだ。

「☆2のボルト・ヘッジホッグに☆3のジャンク・シンクロンをチューニング！」

【「☆2のボルト・ヘッジホッグに☆3のジャンク・シンクロンをチューニング」

【S召喚！転生竜 サンサーラ！】

転生竜 サンサーラ　DEF2600

「2枚伏せてターンエンドだ」


Turn03　TP 瑞穂　手札2→3

「、、(サンサーラの守備は2600、、ノートゥングじゃ届かないわね、、)」

なにやら手札を見て考え込んでいるようである。

「、、行くわよ、、あたしのデッキの新作戦、見せてあげるわ！」


【フィールド】
瑞穂　LP8000　手札3
BF－星影のノートゥング　ATK2400
黒き旋風
伏せカード1枚

悠里　LP7200　手札1
アンノウン・シンクロン　DEF0
転生竜サンサーラ　DEF2600
伏せカード2枚


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次回(自壊？)予告
香織と共に強くなるためにデッキを改良した悠里、皆の役に立つため、デッキを改良した瑞穂。
先攻1ターンずつを終え、未だエースモンスターを出さずにいるこの状況の中、瑞穂は新たなるモンスターを繰り出し、悠里に攻めかかる！

次回！第47話「進化する黒翼」

P.S 一応要望により、次回予告を立ててみました。「デュエルスタンバイ！」的な
　 台詞、付けたほうがいいですかね、、？意見くださいっ！

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