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プロローグ「臆病な少年」 作:ニセチノミー
ーこれは、光の中に完結するもう一つの物語…
1996年東京都童美野町では、海外で創られたカードゲームが流行していた。子供とか大人は関係なくいろんな人がそのゲームを楽しいんでいる。
童美野高校に通う少年《武藤遊戯》もこのゲームに夢中になっていた。
毎日学校に持ってきては先生の目を盗んでカードを眺めてにやにや笑っていた。
昼休みになってみんなが教室の外から出て行く。
バスケットボールを抱えた1人のクラスメイトが1人教室に残っている遊戯の元へ寄った。
「遊戯、バスケやんねーのか?」
遊戯はカードから目を離さず僕が入ったチームは負けちゃうからいいやと言って誘いをあっさりと断った。
「それもそうか」
クラスメイトはそう言い残し、教室から出て行った。
「ふわーっ」
遊戯は誰もいないこの感じがたまらなく好きだった。
なんだか自分1人だけの世界のようにも思えてくるからだ。
だが、せっかく持って来たカードで誰かと遊べないのは残念だという気持ちもあったが、珍しく教室から誰もいなくなったこの時間を楽しもうと机の上にカードを広げ、遊戯はとても楽しそうだった。
だがそんな楽しい時間も束の間、誰かが遊戯の頭を強く掴んだ。
「うわっ!痛いよ!」
「おめぇ何机の上にカード広げてにやにやしてんだよ」
遊戯の頭を掴んだのは同じクラスの不良の城之内だった。
城之内は遊戯の頭を掴んだまま1枚のカードを手に取った。
「あっ、返してよ!僕のネオンナイト!僕の切り札カード!」
「返して欲しいか?なら取り返してみな!」
城之内は遊戯のカードを持って走って行ってしまった。遊戯も必死で城之内の後を追った…
「はぁ、結局取り返せなかった…城之内君僕のカードどこにやったのかな…」
夕日に照らされた放課後の道を歩きながら遊戯は途方に暮れていた。
毎日学校に来るたび城之内にパシられ、殴られの日々だった。
「おめえのその暗い感じが気にいらねぇんだよ!」
遊戯の頭に城之内の声が響き渡った。
目元が熱くなり目が潤ってきた。もう、忘れよう。
遊戯は走って家まで帰って行った。
「遊戯、おかえり」
「じいちゃん、ただいま」
遊戯が家に帰るとじいちゃんが迎えてくれた。
じいちゃんはどんな時でも遊戯を助けてくれる優しい人だ。
「どうしたんじゃ遊戯?髪が乱れておるぞ?」
「えっ、いや何でもないよ!?ただ転んだだけだから…」
「そうか…そうじゃ、今日も1本わしとやるか?」
じいちゃんはポッケからカードの束を取り出した。
じいちゃんの言う1本はゲームのことだ。
「うん!」
遊戯は嬉しそうに急いで靴を脱ぎじいちゃんの後へついていった。
「あぁ負けたぁ!じいちゃんは強いね!」
「はっはっはすまんのぅ。だがデュエルはデュエルじゃ。それはそうと」
「何じいちゃん?」
「お前の切り札のネオンナイトがでとらんかったのぅ」
「今日はちょっと引き悪かったのかな…あはは」
遊戯は手早くカードを片付け自分の部屋へと素早くかけて行ってしまった。
「あっ、遊戯!」
じいちゃんには分かっていた。遊戯は無理をしていると。毎日学校から帰ってくるときは必ず笑顔なのだが、じいちゃんはその顔はいつも少し引きつっていることに気がついていた。
「遊戯…お前は学校で一体」
「城之内じゃないか。こんな夜に何してんだ?」
「よっ、本田」
夜のゲームセンターの前でタバコをふかしている城之内を見つけ、角刈りの少年がゆっくりと城之内の方へ歩み寄った。
「へへっ、今日は一儲けしちまってよ。久しぶりにVファイターやってたわ」
「そ、そうか。それはよかったな。だが生徒会長として注意しておくが、夜にウロウロするのはやめるんだな」
本田は城之内のふかしたタバコの煙のせいで少し煙たそうな様子だった。
そんなこともおかまいなしに城之内は本田の胸ぐらをがしっと掴み、頭突きをかました。
「いだっ!」
「てめえ1年で生徒会長になったからって調子こいてんじゃねえぞ」
「なんだと…!」
「俺は俺、他は他だ。分かったら2度と俺に指図するんじゃねぇぞ」
城之内は本田を荒々しく突き放し、そのまま何処かへと行ってしまった。
「あいつ…!」
「遊戯、おるか?遊戯?」
じいちゃんは何かのケースを抱えながら遊戯の部屋をドアをノックした。しかし、遊戯側に返事が無い。
「あっ、そういや今は風呂じゃったな…おや?」
ドアを開けたじいちゃんの目には散らばった何枚ものティッシュと雑に置かれたカードが映っていた。
じいちゃんは遊戯の部屋の中へ入り、ティッシュを何枚か拾い上げると、そのティッシュは酷く湿っており、机の上も水のようなもので濡れていた。
これを見たじいちゃんの思いが確信へと変わった。
「遊戯…なんでわしに何も言わずに1人で…」
1996年東京都童美野町では、海外で創られたカードゲームが流行していた。子供とか大人は関係なくいろんな人がそのゲームを楽しいんでいる。
童美野高校に通う少年《武藤遊戯》もこのゲームに夢中になっていた。
毎日学校に持ってきては先生の目を盗んでカードを眺めてにやにや笑っていた。
昼休みになってみんなが教室の外から出て行く。
バスケットボールを抱えた1人のクラスメイトが1人教室に残っている遊戯の元へ寄った。
「遊戯、バスケやんねーのか?」
遊戯はカードから目を離さず僕が入ったチームは負けちゃうからいいやと言って誘いをあっさりと断った。
「それもそうか」
クラスメイトはそう言い残し、教室から出て行った。
「ふわーっ」
遊戯は誰もいないこの感じがたまらなく好きだった。
なんだか自分1人だけの世界のようにも思えてくるからだ。
だが、せっかく持って来たカードで誰かと遊べないのは残念だという気持ちもあったが、珍しく教室から誰もいなくなったこの時間を楽しもうと机の上にカードを広げ、遊戯はとても楽しそうだった。
だがそんな楽しい時間も束の間、誰かが遊戯の頭を強く掴んだ。
「うわっ!痛いよ!」
「おめぇ何机の上にカード広げてにやにやしてんだよ」
遊戯の頭を掴んだのは同じクラスの不良の城之内だった。
城之内は遊戯の頭を掴んだまま1枚のカードを手に取った。
「あっ、返してよ!僕のネオンナイト!僕の切り札カード!」
「返して欲しいか?なら取り返してみな!」
城之内は遊戯のカードを持って走って行ってしまった。遊戯も必死で城之内の後を追った…
「はぁ、結局取り返せなかった…城之内君僕のカードどこにやったのかな…」
夕日に照らされた放課後の道を歩きながら遊戯は途方に暮れていた。
毎日学校に来るたび城之内にパシられ、殴られの日々だった。
「おめえのその暗い感じが気にいらねぇんだよ!」
遊戯の頭に城之内の声が響き渡った。
目元が熱くなり目が潤ってきた。もう、忘れよう。
遊戯は走って家まで帰って行った。
「遊戯、おかえり」
「じいちゃん、ただいま」
遊戯が家に帰るとじいちゃんが迎えてくれた。
じいちゃんはどんな時でも遊戯を助けてくれる優しい人だ。
「どうしたんじゃ遊戯?髪が乱れておるぞ?」
「えっ、いや何でもないよ!?ただ転んだだけだから…」
「そうか…そうじゃ、今日も1本わしとやるか?」
じいちゃんはポッケからカードの束を取り出した。
じいちゃんの言う1本はゲームのことだ。
「うん!」
遊戯は嬉しそうに急いで靴を脱ぎじいちゃんの後へついていった。
「あぁ負けたぁ!じいちゃんは強いね!」
「はっはっはすまんのぅ。だがデュエルはデュエルじゃ。それはそうと」
「何じいちゃん?」
「お前の切り札のネオンナイトがでとらんかったのぅ」
「今日はちょっと引き悪かったのかな…あはは」
遊戯は手早くカードを片付け自分の部屋へと素早くかけて行ってしまった。
「あっ、遊戯!」
じいちゃんには分かっていた。遊戯は無理をしていると。毎日学校から帰ってくるときは必ず笑顔なのだが、じいちゃんはその顔はいつも少し引きつっていることに気がついていた。
「遊戯…お前は学校で一体」
「城之内じゃないか。こんな夜に何してんだ?」
「よっ、本田」
夜のゲームセンターの前でタバコをふかしている城之内を見つけ、角刈りの少年がゆっくりと城之内の方へ歩み寄った。
「へへっ、今日は一儲けしちまってよ。久しぶりにVファイターやってたわ」
「そ、そうか。それはよかったな。だが生徒会長として注意しておくが、夜にウロウロするのはやめるんだな」
本田は城之内のふかしたタバコの煙のせいで少し煙たそうな様子だった。
そんなこともおかまいなしに城之内は本田の胸ぐらをがしっと掴み、頭突きをかました。
「いだっ!」
「てめえ1年で生徒会長になったからって調子こいてんじゃねえぞ」
「なんだと…!」
「俺は俺、他は他だ。分かったら2度と俺に指図するんじゃねぇぞ」
城之内は本田を荒々しく突き放し、そのまま何処かへと行ってしまった。
「あいつ…!」
「遊戯、おるか?遊戯?」
じいちゃんは何かのケースを抱えながら遊戯の部屋をドアをノックした。しかし、遊戯側に返事が無い。
「あっ、そういや今は風呂じゃったな…おや?」
ドアを開けたじいちゃんの目には散らばった何枚ものティッシュと雑に置かれたカードが映っていた。
じいちゃんは遊戯の部屋の中へ入り、ティッシュを何枚か拾い上げると、そのティッシュは酷く湿っており、机の上も水のようなもので濡れていた。
これを見たじいちゃんの思いが確信へと変わった。
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