58.友達の帰還　作：くちなし

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「有希りん～どこだーい？」

来るのが遅いと感じた氏家さんが有希を呼びに来たようだ。

「、、！有希りん！大丈夫かいっ！？」

有希は倒れていた。

「、、大丈夫。足に力が入らなくなっただけ、、」
「立てるかいっ？」

肩を組んで立たせる。しかし、すぐに膝が折れて倒れてしまう。

「、、ごめん」
「まあ、大丈夫っさ。誰かに代わってもらおうか」
「、、大丈夫。もう言ってあるから、、」
「、、そうかい。それならゆっくり休みなっ！」

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【フィールド】
香織　LP400　手札0
ドッペル・ウォリアー　DEF800→300

蒼羽　LP6000　手札1
The Splendid VENUS　ATK2800　
堕天使アスモディウス　ATK3000
神竜騎士フェルグラント　ATK2800→2300


「フェルグラント、、竜騎士か、、」
「守備効果持ちの★8Xモンスター、、」

蒼羽のフィールドで剣を携える神竜騎士フェルグラント。
次で香織を仕留めたい蒼羽にとっては、相手に動いてほしくないのだろう。


Turn11　TP 香織　手札0→1

「。。。」
(流石にきついです。。)

香織が引いた1枚。それは今使えるカードではなかった。

「カードを1枚伏せてターンエンドします。。」


Turn12　TP 蒼羽　手札1→2

「、、(あの伏せカードが苦肉の策ってとこかしら。でも、、！)」

ドローカードを見る。そのカードは、今の現状をもっと有利にできるが、次に誰が出てくるかわからない以上、無闇に展開するものではないと蒼羽は踏んだ。

「バトル、、！フェルグラントでドッペル・ウォリアーを攻撃！」

神竜騎士フェルグラント　ATK2300
ドッペル・ウォリアー　DEF300

「これでモンスターはいなくなった！The Splendid VENUSでダイレクトアタック！


「香織ちゃん！」
「香織！」
「香織、、」
「香織、、」
「、、(香織、、)」

ピッチから火憐、海清、理沙、そして、別の場所で有希、悠里がその様子を見ている。

「その攻撃、まってました。。っ！罠カード発動！星墜つる地に立つ閃珖！」
「、、！」
「このカードは特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃によってわたしのライフがつきる時、その攻撃を無効にして、デッキから1枚ドローできます！」


星墜つる地に立つ閃珖(スターダスト・リ・スパーク)　通常罠
①特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力が自分のLP以上の場合に発動できる。
その攻撃を無効にし、自分はデッキから１枚ドローする。
その後、自分のEXデッキ・墓地から「スターダスト」モンスター１体を選んで特殊召喚できる。


「そして、EXデッキから、【スターダスト】モンスターを特殊召喚します！」
「EXデッキから、、！」

EXデッキから1枚のカードを取り出す。

「。。」
(このモンスターをだしておきます、、！わたしの代わりに、、頼みますよ)

≪聖雨の残照よ！聖なる光を身に纏い、ここに白い翼を羽ばたかせなさい！≫

【S召喚！飛翔なさい！閃珖竜 スターダスト！】

閃珖竜 スターダスト　DEF2000→1500

スターダスト・ドラゴンに似ているが、よく見ると違う。

「アスモディウスで攻撃！」
「スターダストはターンに1回、自身をあらゆる破壊から身を守ることができます！
聖羽防壁(エンシェント・フォース！)」

スターダストの周りに壁が構成されて、スターダストを包み込む。

「フェルグラントはダメージステップには効果を使えないんでしたよね。。？」
「、、カードを1枚伏せてターンエンドよ」

〈なんと！この土壇場で茅原香織選手は攻撃を無効にして、手札を補強しつつ、フィールドに閃珖竜 スターダストを携えた～！！〉


【フィールド】
香織　LP400　手札1
閃珖竜 スターダスト　DEF2000


蒼羽　LP6000　手札2
The Splendid VENUS　ATK2800　
堕天使アスモディウス　ATK3000
神竜騎士フェルグラント　ATK2800


Turn13　TP 香織　手札1→2

「。。(わたしにできることを。。ドロー。。！！)」

先を走る蒼羽。後を追いかける香織、そして、観ているみんな。

「(これならばかろうじて、、っ！)」

香織は覚悟を決めて、最後の行動に出る。

「わたしはカードを1枚伏せます」
「、、(今のタイミングで、、？何を考えているの、、？)」
「これが最後です。。」
「何を言ってるの、、？まさか、このフィールドを覆せるような奇跡でも起こすのかしら？」
「わたしは、、このカードを。。永続魔法！ブリリアント・フュージョンを発動します！」


ブリリアント・フュージョン　永続魔法
「ブリリアント・フュージョン」はターンに1枚しか発動できない。
①このカードの発動時に自分のデッキから「ジェムナイト」融合モンスターによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を、攻守0にしてEXデッキから
融合召喚する。このカードが場から離れた場合にそのモンスターを破壊する。
②ターンに1度、手札の魔法カード1枚を捨てて発動できる。このカードの効果で特殊召喚
したモンスターの攻守は相手ターン終了時まで元々の数値分アップする。


「フュージョン、、融合魔法、、！？しかもデッキから、、！」
「わたしはデッキからジェムナイト・ラズリーと、光属性のEｍ トリック・クラウンを墓地に送ります。。！」

≪純粋なる清石よ。。白き光を身に纏い、剣を携え舞いなさい。。！≫

【融合召喚！来てください！ジェムナイト・セラフィ！】

ジェムナイト・セラフィ　☆5　DEF2000→0

「ジェムナイト・セラフィ、、！」

ジェムナイト・セラフィは、自身が場にいる時、召喚権を1度だけ増やすことができる数少ないモンスターである。

「融合召喚しても、守備力0じゃあ、壁にもならないわよ！」
「わたしの狙いはそれだけではありません。。」
「、、！まさか、、っ！」
「素材として墓地に送ったトリック・クラウンの効果を発動します！」


Em トリック・クラウン　光属性　魔法使い族　☆4　
「Emトリック・クラウン」の効果はターンに1度しか使用できない。
①このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「Em」モンスター1体を対象として
発動できる。そのモンスターを、攻守を0にして特殊召喚する。
その後、自分は1000ダメージを受ける。


「蘇生対象は。。トリック・クラウン自身です。。！」

Em トリック・クラウン　DEF1000→0

「でも、あなたは代償として1000ダメージを、、っ！ま、まさか、、！」
「わたしのわずかな命で希望が見えるなら本望です。。」

香織LP400→0

〈なんと！茅原香織選手、、己のLPを犠牲にして、ラストホイーラーへの布石を置いた～！！〉

香織は、自分が今の盤面、手札での打開策がないと踏んだ以上、次のデュエルのための布石を打つために、自爆を選んだのだ。それで自分のLPが尽きた香織だが、その表情に『後悔』という名の2文字は感じられなかった。

「。。。」
「香織、、！」
「香織ちゃん、、！」

香織がピットへと戻ってくる。

「、、お疲れ様、香織、、」
「大変っさ～！有希が倒れっちゃったよ～っ！」
「え！？じゃあ、最終走者どうなるんだ！？」
「うち、代わりに出る？」
「。。」
「その心配はいらないよ」

全員がその声を聴き、後ろを振り向く。

「、、」
「。。。」
「、、観月、、」
「悠里、、」

Dホイールに乗ってやってきたのは悠里である。そして、香織の前で止まる。

「遅くなって悪かったな」
「、、まったくだ。ったく、心配させやがって、、」
「、、確かに遅かったけど、、何より香織。。よくやってくれた。ありがとな」
「。。いいえ。なんとかフェルグラントだけは除けたかったのですが。。」
「いや、十分だ」
「そうですか。。では、後は頼みますよ。。」
「香織、、！」

疲労のせいか、崩れこむ香織を火憐と氏家さんが支える。

「とにかく、話は後だ。最終走者(ラストホイーラー)はボクが行く、、」
「、、解ったわ」

少し間をおいたあと、その場で頷いた。
理沙から伏せカード1枚と香織の残したモンスターを受け取ると、

「じゃあ、行ってくる」

と、一言残して走っていった。

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「そこにいたのね、、有希りん」

個室に1人佇む有希のもとに瑞穂が入ってくる。

「ここにいてもいいわよね、、？」

黙ってうなずく有希。

「、、(さて、あんたの成長ぶりとやら、実力で見せてもらおうじゃないの、、！)」

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〈さて、追い詰められたチーム『エイトスターズ』！最終走者は観月悠里選手だ～！！〉

「、、！(観月、、悠里、、！)」
「、、(瑞穂、、香織、、あとは任せろ、、っ！)」


『決闘！！』　(悠里LP6000 VS 蒼羽LP6000)


【フィールド】
香織→悠里　LP6000　手札5
閃珖竜 スターダスト　DEF2000→1900
ジェムナイト・セラフィ　DEF0
ドッペル・ウォリアー　DEF800→300
Em トリック・クラウン　DEF1000→0
ブリリアント・フュージョン
伏せカード1枚

蒼羽　LP6000　手札1
The Splendid VENUS　ATK2800　
堕天使アスモディウス　ATK3000
神竜騎士フェルグラント　ATK2800→2300　素材2


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次回予告！

「、、さーて、次回の内容は、、」

悠里》今日はボク、観月悠里と有希がやらせてもらうよ。
有希》香織、、がんばったけど、、敗けちゃった、、
悠》まあ、一人倒してくれただけこちらにとってはありがたいよ。
　　香織が残したカードで、何とかして見せる！
有》頑張って、、！

「、、っと、いうわけで、、次回、第59話は、、」
「なあ有希、もう少し明るくいこうよ。次回の展開が暗そうに見えるだろ？」
「、、次回、、第59話、、」
「変わっとらんし、、！次回、第59話は「想いは紡がれて」だよ！」

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