私はＭになりたい　作：内視鏡

―――　[警官のターン]　―――

警官「――くそ、まさかＭの境地に回復効果があったとは。
　せっかく与えたダメージが無駄になってしまった‥‥。
　
　‥‥ええい、俺はゴヨウ・チェイサーにゴヨウ・シンクロンをチューニング！
　現われろ！ 我らが守護神、《ゴヨウ・ガーディアン》！」

ゴヨウ・ガーディアン
シンクロ・効果モンスター
星６/地属性/戦士族/攻2800/守2000
地属性チューナー＋チューナー以外のモンスター１体以上
(1)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。

警官「カード１枚伏せ、ターンエンドだ」

【警官】【ＬＰ：８０００】【手札：１】
【モンスター】
ハーピィ・クイーン・ＳＢ
ゴヨウ・ガーディアン
【魔法・罠】
セット１枚

【変態】【ＬＰ：６４００】【手札：４】
【魔法・罠】
Ｍの境地
サディスティック・パーティ
嗜虐なるサイバー・ボンテージ

―――　[変態のターン]　―――

変態「僕のターン、ドロー！
　まずはサディスティック・パーティの効果を起動。
　さらなるＳＢモンスターをデッキから呼び出します！」

警官「そいつは何度も使わせん！
　リバースカードオープン、《砂塵の大嵐》！」

砂塵の大嵐
通常罠
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1)：フィールドの魔法・罠カードを２枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

警官「お前の場の《サディスティック・パーティ》と《Ｍの境地》を破壊する！」

　【サディスティック・パーティ：破壊】
　【Ｍの境地：破壊】

変態「こ、これは痛い‥‥デッキのメインエンジンが‥‥。
　‥‥では、手札から《予想GUY》を発動！」

予想GUY
通常魔法
(1)：自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキからレベル４以下の通常モンスター１体を特殊召喚する。

変態「デッキからレベル４以下の通常モンスターを特殊召喚します。
　来い、《戦士ダイ・グレファー》！」

戦士ダイ・グレファー
通常モンスター
星４/地属性/戦士族/攻1700/守1600
ドラゴン族を操る才能を秘めた戦士。
過去は謎に包まれている。

警官「‥‥バニラのグレファーだと？ なぜそんなカードを‥‥。
　とくに相性が良さそうには見えないが‥‥」

変態「これは僕のデッキの快楽コンボ用のカードです。
　正直あまり好きな見た目のカードではないのですが‥‥、
　何故かこのカードがＳＢモンスター達に嫐られるのを見ると
　大変な興奮を覚える自分がいるのです‥‥」

女性「類は友を呼ぶって奴ね‥‥」


変態「続けて手札から《茨のミーネ・ＳＢ》を召喚！」

茨のミーネ・ＳＢ
効果モンスター
星４/闇属性/戦士族/攻1800/守1000
このカード名の①②の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。
お互いのプレイヤーに１０００ダメージを与える。
②フィールドの「ＳＢ」モンスター１体をデッキに戻し、
戻したモンスターのレベル以下で同名ではない「ＳＢ」モンスター１体を
デッキ・手札から特殊召喚する。
この効果はフィールドに存在する限り１度しか使用できない。

変態「ミーネちゃんの召喚時効果！
　僕達は共に１０００のダメージを分かち合えますっ！！」

警官「勝手に分かち合わすな！」

　【茨のミーネのムチが２人を襲う‥‥！】　バチコォン！
　【変態＆警官に１０００ダメージ！】

変態「おっほ‥‥♥」

警官「――ィッッテェ！」

　【変態のＬＰ：６４００→５４００】
　【警官のＬＰ：８０００→７０００】

警官「くそ‥‥、初ダメージもらっちまったぜ‥‥」

変態「どうです！？ 何か熱いものが込み上げてくるでしょうっ！？」

警官「痛いだけだが‥‥」

変態「ふーむ、結構初心者には人気なんですけどね、ミーネちゃん」

女性（初心者ってなに‥‥）


変態「再びミーネちゃんの効果発動！
　警官さんの場のクイーン様に休憩して頂き、
　別のＳＢモンスターをデッキからコールします。
　来てください、《ヂェミナイ・エルフ・ＳＢ》！」

ヂェミナイ・エルフ・ＳＢ
効果モンスター
星４/闇属性/魔法使い族/攻1900/守900
このカード名の①の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合、
墓地の「ＳＢ」カード１枚を対象に発動できる。対象のカードを手札に戻す。
②このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
お互いのプレイヤーは手札を１枚選んで破壊し、５００のダメージを受ける。

変態「エルフちゃんズの召喚時効果！
　クイーン様をデッキに戻した際に墓地に送られた、
　装備魔法《嗜虐なるサイバー・ボンテージ》を手札に戻します」

警官「そいつは止めさせてもらおう。
　手札から《Ｄ.Ｄ.クロウ》を発動だ」

Ｄ.Ｄ.クロウ
星１/闇属性/鳥獣族/攻 100/守 100
(1)：このカードを手札から墓地へ捨て、
相手の墓地のカード１枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。

警官「お前の墓地から《嗜虐なるサイバー・ボンテージ》を除外する！」

変態「あぁ！ せっかくの衣装が台無しに‥‥。
　うーむ、打てる手がなくなってしまいました。
　僕はこれでターンエンドにします」

【警官】【ＬＰ：７０００】【手札：０】
【モンスター】
ゴヨウ・ガーディアン
【魔法・罠】
なし

【変態】【ＬＰ：５４００】【手札：３】
【モンスター】
戦士ダイ・グレファー
茨のミーネ・ＳＢ
ヂェミナイ・エルフ・ＳＢ
【魔法・罠】
なし

―――　[警官のターン]　―――

警官「ガーディアンが残っているが、有利とは言い難い状況だな‥‥。
　俺のターン、ドロー！」

警官「‥‥メインは何もせずバトルフェイズ、ダイ・グレファーに攻撃！」

　【ゴヨウ・ガーディアンの攻撃力：２８００】
　【戦士ダイ・グレファーの守備力：１６００】
　【戦士ダイ・グレファー：破壊】

変態「僕の相棒が倒されたか‥‥。
　しかも、それで終わりではないですよね？」

警官「当然だ、ゴヨウ・ガーディアンの効果発動！
　戦闘破壊したグレファーをこっちのフィールドで反省させる！」

　【戦士ダイ・グレファーを警官のフィールドに特殊召喚】

警官「ひとまず数は減らせたか‥‥カードを１枚セットしてターンエンド！」

【警官】【ＬＰ：７０００】【手札：０】
【モンスター】
ゴヨウ・ガーディアン
戦士ダイ・グレファー
【魔法・罠】
セット１枚

【変態】【ＬＰ：５４００】【手札：３】
【モンスター】
茨のミーネ・ＳＢ
ヂェミナイ・エルフ・ＳＢ
【魔法・罠】
なし

―――　[変態のターン]　―――

変態「僕のターン、ドロー。
　‥‥よし、悪くないですよ。
　手札から《お注射堕天使リリー・ＳＢ》を召喚！」

警官「お注射天使リリーのＳＢ版‥‥もしオリジナルと同じ効果なら‥‥」

変態「その通り、リリーさんには元と同じく攻撃力を３０００アップする効果が備わっています」

お注射堕天使リリー・ＳＢ
効果モンスター
星３/闇属性/天使族/攻 400/守1500
①１ターンに１度だけ、攻撃表示のこのカードが戦闘を行う攻撃宣言時に発動する。
自分は２０００ダメージを受け、このカードの攻撃力はターン終了時まで３０００アップする。

警官「つまり攻撃力３４００にまで上昇可能‥‥ゴヨウ・ガーディアンでは防げないか‥‥」

変態「ふふふ、ゴヨウ・ガーディアンを倒すのもいいですが、こちらはどうでしょうか。
　手札から永続魔法、《内通者の手引き》を発動します！」

警官「内通者の手引き？」

変態「このカードは相手の場に元々の持ち主が自分であるモンスターが存在する時、
　味方モンスター全てに直接攻撃を可能とさせる永続魔法なのです！」

内通者の手引き
永続魔法
①相手フィールドに元々の持ち主が自分のモンスターが存在する場合、
自分フィールドのモンスターは相手に直接攻撃できる。

警官「‥‥しまったっ！ 俺の場にはグレファーが‥‥！」

変態「そうです！ そして僕のフィールドのＳＢ嬢達の総攻撃力は‥‥！」

女性「えっとー、リリーが３４００になるから‥‥合計で７１００。
　‥‥ちょ、ちょっと‥‥警官のライフを上回ってるじゃん！」

　【警官のＬＰ：７０００】

警官「おのれ、計ったなダイ・グレファー！」

変態「バトルフェイズです！
　リリーさんで、警官さんにダイレクトアタック！！」

　【リリーの効果で変態に自傷ダメージ２０００】
　【変態のＬＰ：５４００→３４００】
　【お注射堕天使リリー・ＳＢの攻撃力：４００→３４００！】

変態「うふふ‥‥僕のライフとリリーさんの攻撃力がお揃いになっちゃった♥」

女性「」


警官「‥‥なーんてな。ちゃんと手は用意してあるぜ。
　トラップ発動！ 《証拠品の押収》！」

証拠品の押収
通常罠
①相手の墓地の魔法・罠カード１枚を選び、自分フィールドにセットするか発動する。

警官「その効果で、変態の墓地から魔法・罠１枚を押収して発動する！」

変態「僕の墓地の魔法・罠‥‥あっ！」

警官「気付いたか。そう、俺が発動するのは《Ｍの境地》だ！」

女性「‥‥そうか！《Ｍの境地》はＳＢモンスターからのダメージを全て回復に変換できる！
　対ＳＢデッキにとっては、まさに最強の盾ねっ！」


変態「‥‥そ、それは絶対に駄目だっ！！
　警官さんっ！！ そのプレイはすぐに取り消して下さいっ！！」

警官「‥‥何言ってやがる。これは真剣勝負だ、手加減なんぞできるか！」

変態「そ、そうじゃないんですよ！！
　僕のカードは全て、僕の決闘盤とダメージシステムがリンクしてるんです！！
　《Ｍの境地》の回復効果も、改造で通常の数十倍のダメージが走るようになってる！！
　このままリリーさんの攻撃を受けたら、
　警官さんは回復効果で凄まじい衝撃を受けます！！」

警官「ッ！？ なんという迷惑な‥‥ッ！！
　俺のカードはもう発動してしまったから止めようがないぞッ！！」

変態「僕のリリーさんの攻撃も止まらない‥‥っ！！
　リリーさんの攻撃は、上級者でも相当の覚悟がいる‥‥！！
　まして素人じゃ‥‥最悪ショック死の可能性があります‥‥っ！！」

女性「しょ、ショック死ぃ！？」

　警官の背後に、漆黒の翼を持った天使が舞い降りた。
　手には信じられない程に巨大な注射器を持っている‥‥。
　
　リリー「‥‥さあ、注射の時間よ」

警官「こ、来いやァ！ 警察官を舐めんなよ！」

変態「頼む‥‥耐えてくれ、警官さんっ！！」

　リリー「ちょっと、痛いわよ‥‥」
　
　ブスリ★

　注射針が、警官のＸＸＸに深々と突き刺さったッ！！

警官「　　　あ　っ　　　」

　回復効果による多幸感と、悶絶する程に強烈な痛み、
　相反する２つの衝撃が警官の全身を駆け巡る‥‥！！
　
　凄まじい衝撃に耐えきれず、警官の意識は肉体から引き剥がされていく。
　それはまるで全裸で宇宙に放り出されるような感覚であった。

　【警官のＬＰ：７０００→１０４００】

　リリーの攻撃が終わると同時に、警官の体は地面へと崩れ落ちた。
　薄れゆく意識の中、警官は自分の中で何かが目覚めるのを感じていた。
　だがそれが何か分かる前に、その精神は闇の中へと沈んでいく。

女性「‥‥け、けいかーーーんっ！！」

　駆け寄った女性が、警官の安否を確認する。
　が、しかし‥‥。

女性「‥‥け、警官の奴‥‥息してないわ‥‥！！」

変態「っ！！　そんな‥‥。
　なんで‥‥なんで、こんな事に‥‥っ！！」


　―　―　―　―　―

【次回予告】
女性「やめて！ お注射堕天使リリーの直接攻撃を受けたら、
　変態の決闘盤とリンクしたダメージで、警官の精神が崩壊しちゃう！
　お願い、死なないで警官！
　あんたが今ここで倒れたら、私が手に入れる筈だったお金はどうなっちゃうの！？
　ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、変態に勝てるんだから！

　次回、「警官死す」。デュエルスタンバイ！