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第1話 無実の罪 作:クロノスギア2
暗闇の中にいた…
「…ここは」
あたり一面には黒い泥のような物が広がっている。
「…?」
俺は泥の中を進んでいた。
なんだか先に進まないと行けない…呼ばれている気がした。
「…お前か?俺を呼んだのは」
泥の先には体からあたりの泥と同じものを垂れ流しながら『何か』膝をついていた。
「…お前は?」
『俺には…名前は無い』
「無い?」
俺は聞き返した。
『俺は…全て奪われたんだ』
何でまた?単なる会話の常套句を言った。
『ただ普通に暮らしていたのに俺はこんな姿にされた』
顔…と思われる場所。まあ、顔もわからないんだが。
『そして、この姿と言うだけで正義の味方の目の敵にされてな…』
「それは…」
『まあいい』
ハッ…と苦笑いが聴こえた。
『そろそろ時間だ…』
どうゆう事だ?そう聞き返そうとした時視界が明るくなり…
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
「あ?」
「お兄ちゃん!もう朝だよ!起きて!」
目を開けるといつも見ている天井と妹のさくらがいた。
「やっと起きた、ご飯出来てるから」
…起きるか。
ーーー
朝食を済ませ、学校へ向かう。隣には妹のさくらが居る。こいつはたった1人の家族であり双子の妹だ。
「お兄ちゃん、いい加減デュエルやろうよ〜」
「やだよめんどクセェ…」
さくらは時折…いやしょっちゅうか。こいつは趣味でデュエルをやってるが俺にもやって欲しいらしい。
「お兄ちゃんも始めたら家でも一緒にデュエル出来るのに〜」
「はいはい、おらもう着くぞ」
たわいも無い会話をしつつ、俺たちの通う学校「天馬高校」の校門をくぐった。
ーーー
双子だからと言ってクラスまで妹と同じじゃ無い。1人クラスの俺の席に座り読みかけの本を取り出す。すると担任がクラスに入ってくるや否や。
「一時限目はHRだ!」
と告げ、クラス委員を連れどこかへと去って言った。
「なんだ、ありゃ」
今思えばこれが俺の全ての始まりだったのかも知れないが…そんなこと知らない俺は本を読みふけっていた…
ーーー
一時限目のHR。内容はクラス費が何者かに盗まれたらしい。担任はヒステリックになり俺たちを犯人扱いしてやがった。
「誰だ!犯人は速やかに出てこい!」
あんなでも教師とは恐れ入る。
「無くなったクラス費はオレンジ色の巾着に入れていたらしい。心当たりがあるものは?」
いま、進行してるのはクラス委員の『白金 正義(しろがね まさよし)』。親がプロデュエリストらしく、文武両道でデュエルの腕もピカイチとか。まあ、優等生様って事だ。
「あーそれなら…地味子が持ってなかったか?」
とクラスの誰かが言うと全員の視線が1人に集まる。
「ひっ…」
眼鏡で三つ編み女子、名前はたしか…
「土御門さん、本当かい?」
そうだ『土御門 愛花(つちみかど あいか)』だ。いつも1人でいる奴だ。
「えっと…あの…」
「本当なのかい?土御門さ…」
「土御門!貴様が盗んだのか⁉︎」
と急に担任が声をかけて荒げ土御門に詰め寄る。
「ち、ちが…」
「貴様だな!きさまが!」
おいおい、そんなに詰め寄ったら話も出来ねぇだろ…
「あいつが取ったのかよ…」
「ええ?まじ?」
「まあ、あいつの家貧乏だしな…」
…。
「土御門!今から職員室こい!そこで絞ってやる!」
「や…やめ…」
『そこまでだ!』
俺は、柄でもなく声を荒げちまった。
「なんだぁ⁈遊上⁈教師に楯突くのか!」
「そんなんじゃ話も出来ねぇ、そいつもお怯えてるし違うて言ってるだろうが」
俺は担任と土御門の間に割り込み彼女を庇う。
「遊上君いいかな?」
今まで黙っていた白金が口を挟む。
「怪きは罰せよ。彼女は物を盗んだ可能性がある。調べるのは当然の権利だろう」
「だからって無実を主張してる女をこうやって複数人でいたぶるのが正しいってか?」
「だが、悪を正すためだ」
「正しかったら何やってもいいのかよ」
…。平行線だな。
「はぁ、ならば遊上くん。僕とデュエルだ」
「は?」
「僕が勝ったら彼女は容疑者として拘束する、君が勝ったら彼女は不問とする」
「土御門が悪い前提みたいな話し方はやめろ」
「だが容疑者だ」
クソッ!こいつ…
「ゆ、遊上君…私はいいから…」
…ここで引いたら。俺は…。
「いいぜ…」
「ほう?」
「そのデュエル、受けてやろうじゃねぇか!」
ここで引いたら、俺の魂が腐っちまう!
「では今日の放課後、デュエルコートで待ってる」
「ああ、わかった」
「先生。以上です」
「あ、ああ」
HRは一旦幕を下ろした。
「…ここは」
あたり一面には黒い泥のような物が広がっている。
「…?」
俺は泥の中を進んでいた。
なんだか先に進まないと行けない…呼ばれている気がした。
「…お前か?俺を呼んだのは」
泥の先には体からあたりの泥と同じものを垂れ流しながら『何か』膝をついていた。
「…お前は?」
『俺には…名前は無い』
「無い?」
俺は聞き返した。
『俺は…全て奪われたんだ』
何でまた?単なる会話の常套句を言った。
『ただ普通に暮らしていたのに俺はこんな姿にされた』
顔…と思われる場所。まあ、顔もわからないんだが。
『そして、この姿と言うだけで正義の味方の目の敵にされてな…』
「それは…」
『まあいい』
ハッ…と苦笑いが聴こえた。
『そろそろ時間だ…』
どうゆう事だ?そう聞き返そうとした時視界が明るくなり…
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
「あ?」
「お兄ちゃん!もう朝だよ!起きて!」
目を開けるといつも見ている天井と妹のさくらがいた。
「やっと起きた、ご飯出来てるから」
…起きるか。
ーーー
朝食を済ませ、学校へ向かう。隣には妹のさくらが居る。こいつはたった1人の家族であり双子の妹だ。
「お兄ちゃん、いい加減デュエルやろうよ〜」
「やだよめんどクセェ…」
さくらは時折…いやしょっちゅうか。こいつは趣味でデュエルをやってるが俺にもやって欲しいらしい。
「お兄ちゃんも始めたら家でも一緒にデュエル出来るのに〜」
「はいはい、おらもう着くぞ」
たわいも無い会話をしつつ、俺たちの通う学校「天馬高校」の校門をくぐった。
ーーー
双子だからと言ってクラスまで妹と同じじゃ無い。1人クラスの俺の席に座り読みかけの本を取り出す。すると担任がクラスに入ってくるや否や。
「一時限目はHRだ!」
と告げ、クラス委員を連れどこかへと去って言った。
「なんだ、ありゃ」
今思えばこれが俺の全ての始まりだったのかも知れないが…そんなこと知らない俺は本を読みふけっていた…
ーーー
一時限目のHR。内容はクラス費が何者かに盗まれたらしい。担任はヒステリックになり俺たちを犯人扱いしてやがった。
「誰だ!犯人は速やかに出てこい!」
あんなでも教師とは恐れ入る。
「無くなったクラス費はオレンジ色の巾着に入れていたらしい。心当たりがあるものは?」
いま、進行してるのはクラス委員の『白金 正義(しろがね まさよし)』。親がプロデュエリストらしく、文武両道でデュエルの腕もピカイチとか。まあ、優等生様って事だ。
「あーそれなら…地味子が持ってなかったか?」
とクラスの誰かが言うと全員の視線が1人に集まる。
「ひっ…」
眼鏡で三つ編み女子、名前はたしか…
「土御門さん、本当かい?」
そうだ『土御門 愛花(つちみかど あいか)』だ。いつも1人でいる奴だ。
「えっと…あの…」
「本当なのかい?土御門さ…」
「土御門!貴様が盗んだのか⁉︎」
と急に担任が声をかけて荒げ土御門に詰め寄る。
「ち、ちが…」
「貴様だな!きさまが!」
おいおい、そんなに詰め寄ったら話も出来ねぇだろ…
「あいつが取ったのかよ…」
「ええ?まじ?」
「まあ、あいつの家貧乏だしな…」
…。
「土御門!今から職員室こい!そこで絞ってやる!」
「や…やめ…」
『そこまでだ!』
俺は、柄でもなく声を荒げちまった。
「なんだぁ⁈遊上⁈教師に楯突くのか!」
「そんなんじゃ話も出来ねぇ、そいつもお怯えてるし違うて言ってるだろうが」
俺は担任と土御門の間に割り込み彼女を庇う。
「遊上君いいかな?」
今まで黙っていた白金が口を挟む。
「怪きは罰せよ。彼女は物を盗んだ可能性がある。調べるのは当然の権利だろう」
「だからって無実を主張してる女をこうやって複数人でいたぶるのが正しいってか?」
「だが、悪を正すためだ」
「正しかったら何やってもいいのかよ」
…。平行線だな。
「はぁ、ならば遊上くん。僕とデュエルだ」
「は?」
「僕が勝ったら彼女は容疑者として拘束する、君が勝ったら彼女は不問とする」
「土御門が悪い前提みたいな話し方はやめろ」
「だが容疑者だ」
クソッ!こいつ…
「ゆ、遊上君…私はいいから…」
…ここで引いたら。俺は…。
「いいぜ…」
「ほう?」
「そのデュエル、受けてやろうじゃねぇか!」
ここで引いたら、俺の魂が腐っちまう!
「では今日の放課後、デュエルコートで待ってる」
「ああ、わかった」
「先生。以上です」
「あ、ああ」
HRは一旦幕を下ろした。
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