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HOME　＞　遊戯王SS一覧　＞　第四話　次の犠牲者

第四話　次の犠牲者　作：海馬マジック

次の日、さらに事件は起きた。
棚田慎吾が、この辺りでは有名な英成塾(えいせいじゅく)付近の道で殺されたのだ。
なぜ殺されたと断言できるのかというと、体に伊藤と同じような外傷を負っていたからだ。
伊藤を殺した犯人と同一人物の可能性が高いということだった。

伊藤に続き、また同じ学校の生徒が殺されたことによって、この事件は大問題となった。
学校側は、生徒たちに夕方から夜までの外出禁止、人通りの少ない場所へ近づいてはならないなどのことを生徒たちの耳にたこができるほど言い聞かせた。先生たちのパトロールも強化し、町の色々な所で先生たちを見かけた。

２人目の犠牲者が出たことにより、昨日よりクラスは静かだった。リーダーがいなくなったこともあるが．．．。

「し．．．慎吾が殺されたって．．．」
お調子者の角端も、いつも一緒にいた棚田がいなくなったせいで、テンションが下がっていた。
「犯人の狙いはこの学校の生徒．．．なの？」
クラスのお喋り女　松城(まつたて)歩(あゆみ)も、また我が校の生徒が殺され、いつものテンションではなかった。
「．．．この学校になんの恨みがあるのよ．．．」
松城の言葉で誰も喋らなくなった。


　　＊

「昨日までいた棚田君が死んだなんて．．．」
隣を歩く舞嘉が、信じられないという感じに喋った。
この調子だと犠牲者がまた出る可能性が高くなる。
俺だって、いつ殺されるかわかったもんじゃない。

もう目の前に分かれ道が見えた。俺と舞嘉はいつもここで別れて帰る。
「じゃあな舞嘉。くれぐれも気を付けろよ」
「うん、健次も気を付けてね」
舞嘉は行ってしまった。
しかし、何か胸騒ぎがするのは気のせいか．．．？


　　＊

波津舞嘉は閑静な住宅街に入っていった。
ここの近くに家があるのだ。

健次は大丈夫かなぁ．．．。
まあ、健次は人に恨まれるようなことはしていないから大丈夫か。
．．．ん？
気配がして後ろを見ると黒い．．．鎧を着ている何かがいた。
右手には．．．剣！？

舞嘉は早歩きでその場から離れた。危ない。絶対に危ない。

「なぜ逃げる」
．．．！！？
目の前にあの鎧がいた。
なんで！？さっきあそこにいたのに！

〝ダッ〟

舞嘉は走りだした。
早くここから逃げないと．．．あ！
舞嘉はつまずいてこけた。

〝バサササーーー〟

私のデッキ．．．。
カバンに入っていたデッキがカバンの中からとび出した。
実は舞嘉も遊戯王をやっていた。
学校の終わりによくショップに行っていた。
うちの学校はデュエルオーケーだからいつも持ち歩いていた。
「う．．．！」
足が痛い。起き上がれない．．．。

すぐに鎧が追いついてきた。
．．．もう、デュエルもできないし健次にも会えないのかな．．．。
鎧は一歩一歩、近づいてきた。
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