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ドキドキ☆訪問! 秘密結社MMM!② 作:内視鏡
19階のフロアに着いた。真正面にはデカデカと『秘密結社MMM』というロゴが。無駄に小洒落たデザインでなんかムカつく。
紳士「んー、とりあえず受付嬢さんに話を通すか。色々説明してもらった方が良いし」
元ポン「それは利用プラン的なあれか? 悪いが金は無いぞ」
紳士「まあまあ、とりあえずは見学って事で」
フロアを右手に、細長い廊下を進んでいく。それにしても広そうなフロアだ。フロア全体を利用しているのだろうか。かなりの維持費になりそうだが‥‥。
進んだ先に受付カウンターらしきものが見えてきた。受付嬢とおぼしき人が一人座っている。
紳士「受付嬢さん! 期待の変態を1人見つけてきましたよ!」
椅子に座って雑誌を読んでいた女性が、横目でチラリとだけこちらを見た。
受付「‥‥お前さぁ、アポ無しで勝手に人を連れてくるなって、何度言ったら分かるの?」
冷ややかなトーンで怒気を含んだ言葉が返ってきた。
紳士「すみません! でもどうしても会長に紹介したい人で。
会長は社内に居ますか? あとデュエルスペースを見て回りたいんですが」
受付「勝手にどうぞ」
紳士「はーい!」
受付「‥‥で、あんたが新入り?」
受付嬢がこちらを一目見てから、紳士に言った。
受付「そいつ、いかにもN(ノーマル)って感じだけど、そんな奴を会わせて意味あんの?」
紳士「ちっちっち、元ポンは凄いデュエリストなんですよ!
なんたって僕に勝つぐらいですからね!」
その時初めて、受付嬢が俺に興味を示した様な反応を見せた。正面から見ると相当の美人である事が分かる。それこそ、大企業の受付に居ても遜色ない程に。態度だけはちょっと頂けないが。
受付「ふーん」(何だよ元ポンて)
切れ長の目で力強い視線を浴び、少しドギマギする俺。
紳士「ほらほら、見とれてないで行きますよ!」
元ポン「お、おう‥‥」
受付カウンターから更に進んでいくと、巨大な箱型の部屋がいくつも並んだエリアに来た。部屋は壁も扉も真っ黒で、中の様子を窺い知ることができないが、それらが何の部屋であるかは分かった。完全密閉型のデュエル専用ルームに間違いない。
物音一つ聞こえてこないが、中が見えないという事は使用中という事である。並んだデュエル室はかなりの数が有るが、これらを揃えるだけでも相当な設備投資が必要な筈である。しかも遮蔽・防音機能付きとなると更に高額となる。
紳士「ここがMMM自慢のデュエルスペースです! せっかくなんで観戦モードにしますね!」
紳士が手元で操作をすると、モードが切り替わった事で真っ黒だった壁が全て透明化された。さらにデュエル中の音声まで外に聞こえてくる。
その様子は、まさに地獄絵図としか言い様がなかった。
「調教! 緊縛! 大乱交! ワハハハハハハ!!」
「苦痛が快感となって全身に走る‥‥ぁぁぁあああぁぁぁ!!」
「まだやめない! あんた達のライフはゼロじゃないわ!」
「Mに成らねば、見えぬ地平がある‥‥!」
「イヤッッホォォォオオォオウ!」
「ぶっ倒しても! ぶっ倒しても! 私の興奮は収まらないのよ!」
「痛い‥‥だが、感じる♥ もっとだ! 何度でも受け止めてやる!」
「愉しい、愉しいわ! あなた達ドMを痛めつけるのは、本当に愉しいっ!」
「Mんぞく‥‥したぜ‥‥」
「ビンビングだぜぇー! おれぇー!」
「変態な私を許してくれ‥‥」
「ひょっとして、もう限界? 有り得ないから。私のファンサービスを受けなさい!」
「耐えたァッ! 耐えたぞォーーッ!!」
「なに? ライフがゼロになったら、デュエルは終わりではないのか!?」
「お愉しみは、ここからよ!」
「私に感じさせて下さい、貴方の愛をっ!」
「快感領域拡張ッ!」
「底知れぬ快楽の淵へ沈めぇ!」
想像よりも遥かに酷かった。無残に痛めつけられる男達は、何故か揃いも揃って満面の笑みを浮かべている‥‥。痛めつけてるのは過激な格好をした女性デュエリスト達だ。
元ポン「こ、こんなのデュエルじゃない‥‥」
絶句する俺の横で朗らかな笑顔をする紳士。
紳士「ははは、みんな楽しそうにヤッてるなぁ」
元ポン「‥‥こいつら全員MMMの連中ってことか?」
紳士「女性陣の方はSSSから来てもらってる人達ですね。
あ、SSSっていうのはデュエル組織の名前で、MMMと親しくしている所です」
元ポン「まさに相性抜群だろうよ‥‥」
次に向かったのは、デスクが並んだ普通の業務スペースの様な部屋だった。と言っても、仕事をしている様な雰囲気は無く、男達がたむろして雑談をしているだけに思えた。さながら男子学校の部活である。
「あ、紳士さん! お疲れ様でーす!」
紳士「お疲れー」
「この前はありがとうございます、紳士さん」
「お、紳士さんだ! 俺の新しい変態コンボの開発に突き合ってくださいよ!」
「紳士さんがデュエルで負けたってマジっすか? 一体どんな相手だったんです?」
謎の人気者扱いの紳士である。部外者の俺は雰囲気に馴染めず、部屋の隅の方で大人しくしていた。
紳士「ちょっと待っててくださいね。その内会長が来ると思いますから」
元ポン「会長‥‥?」
「会長、また被ダメージのギネス記録更新したのかよ‥‥」
「確かもう1垓ダメージを越えてたのに‥‥そもそも何だよ垓って‥‥」
「誰も追随してないのにずっと更新し続けてるのはどういうモチベーションなんだろう‥‥」
その会長とやらについての話か。
「会長がリリーさんの攻撃をケツで白刃取りしたってマジ‥‥?」
「俺は5本同時挿入したって聞いたぞ‥‥」
とりあえずヤバイ人物なのは分かった。
その内、穏やかでない雰囲気の会話も聞こえてきた。
男A「てめぇ‥‥もう一度言ってみやがれ!」
男B「いや、だってよ、流石に嫁モンがワーム・クィーンとかありえねぇだろ」
男A「あの魅惑的な造形美の良さが分からないとは‥‥それでもMMMのメンバーか!?
だいたい、お前の嫁モンの方がおかしいだろ!
何だよレアメタル・ヴァルキリーって! どういうセンスしてんだよ!」
男2人がしょうもない争いをしてるようだ。
男B「ワームクィーンが嫁の奴に言われたくないね。
あんな壁みたいな胸したモンスターの何がいいんだよ!」
元ポン(つっこむ所そこか‥‥?)
男A「お前の嫁だって、まるで出来の悪いダッチワイフじゃねーか!」
男B「言いやがったな‥‥こうなったらデュエルで決着を付けるしかない‥‥!!」
男A「望む所だ! 俺のワームデッキで ぐちょぐちょにしてやんよ!!」
「おー! いいぞ、やれやれー!」
興奮した2人を周囲が囃し立てる中、割って入る者が現れた。
?「‥‥おい、お前達。
揉め事をデュエルで解決するのは禁止だと、いつも言ってるだろ。
どうしてもしたいなら ジャンケンだけにしろ。殆ど同じ様なものだからな」
男A「か、会長‥‥」
男B「ですが、コイツが‥‥!」
会長「言い訳無用。好きも嫌いも人それぞれ!
デュエリストの数だけ、愛の形は存在するんだ。
他人が好きなものを受け入れる心もまた、MMMの精神だ!」
「さっすが会長ー! イイ事言うぜー!」
男A「他人を受け入れる心‥‥か。
悪かったな‥‥今度俺も使ってみるよ、レアメタル・ヴァルキリー」
男B「い、いや‥‥俺の方こそ、ワームクイーンを貶して悪かった。謝る、すまん!」
あの人が会長‥‥その人物の言葉で、事態はあっという間に収束した。周囲の反応から強い信頼を得ている人物なのだと分かる。
そして会長は、こちらに気付くと近づいてきた。
会長「やあ、君が元ポン君だね?」
長身で鍛え上げられた逞しい体。後ろに撫で付けた髪に、高級そうなスーツを着こなした姿には、自然と敬意を払いたくなる様なオーラを感じる。彫りの深い顔は美男子と言っていい程で、近くだと香水の匂いまで漂ってきてドキリとした。周囲の臭そうな男達とは まさに月とスッポンである。
この人が‥‥ケツで攻撃を白刃取りする男‥‥!
会長「始めまして。私がMMMの代表役をしている、
《嬲嫐院 英武(じょうどういん えむ)》という者だ」
紳士「んー、とりあえず受付嬢さんに話を通すか。色々説明してもらった方が良いし」
元ポン「それは利用プラン的なあれか? 悪いが金は無いぞ」
紳士「まあまあ、とりあえずは見学って事で」
フロアを右手に、細長い廊下を進んでいく。それにしても広そうなフロアだ。フロア全体を利用しているのだろうか。かなりの維持費になりそうだが‥‥。
進んだ先に受付カウンターらしきものが見えてきた。受付嬢とおぼしき人が一人座っている。
紳士「受付嬢さん! 期待の変態を1人見つけてきましたよ!」
椅子に座って雑誌を読んでいた女性が、横目でチラリとだけこちらを見た。
受付「‥‥お前さぁ、アポ無しで勝手に人を連れてくるなって、何度言ったら分かるの?」
冷ややかなトーンで怒気を含んだ言葉が返ってきた。
紳士「すみません! でもどうしても会長に紹介したい人で。
会長は社内に居ますか? あとデュエルスペースを見て回りたいんですが」
受付「勝手にどうぞ」
紳士「はーい!」
受付「‥‥で、あんたが新入り?」
受付嬢がこちらを一目見てから、紳士に言った。
受付「そいつ、いかにもN(ノーマル)って感じだけど、そんな奴を会わせて意味あんの?」
紳士「ちっちっち、元ポンは凄いデュエリストなんですよ!
なんたって僕に勝つぐらいですからね!」
その時初めて、受付嬢が俺に興味を示した様な反応を見せた。正面から見ると相当の美人である事が分かる。それこそ、大企業の受付に居ても遜色ない程に。態度だけはちょっと頂けないが。
受付「ふーん」(何だよ元ポンて)
切れ長の目で力強い視線を浴び、少しドギマギする俺。
紳士「ほらほら、見とれてないで行きますよ!」
元ポン「お、おう‥‥」
受付カウンターから更に進んでいくと、巨大な箱型の部屋がいくつも並んだエリアに来た。部屋は壁も扉も真っ黒で、中の様子を窺い知ることができないが、それらが何の部屋であるかは分かった。完全密閉型のデュエル専用ルームに間違いない。
物音一つ聞こえてこないが、中が見えないという事は使用中という事である。並んだデュエル室はかなりの数が有るが、これらを揃えるだけでも相当な設備投資が必要な筈である。しかも遮蔽・防音機能付きとなると更に高額となる。
紳士「ここがMMM自慢のデュエルスペースです! せっかくなんで観戦モードにしますね!」
紳士が手元で操作をすると、モードが切り替わった事で真っ黒だった壁が全て透明化された。さらにデュエル中の音声まで外に聞こえてくる。
その様子は、まさに地獄絵図としか言い様がなかった。
「調教! 緊縛! 大乱交! ワハハハハハハ!!」
「苦痛が快感となって全身に走る‥‥ぁぁぁあああぁぁぁ!!」
「まだやめない! あんた達のライフはゼロじゃないわ!」
「Mに成らねば、見えぬ地平がある‥‥!」
「イヤッッホォォォオオォオウ!」
「ぶっ倒しても! ぶっ倒しても! 私の興奮は収まらないのよ!」
「痛い‥‥だが、感じる♥ もっとだ! 何度でも受け止めてやる!」
「愉しい、愉しいわ! あなた達ドMを痛めつけるのは、本当に愉しいっ!」
「Mんぞく‥‥したぜ‥‥」
「ビンビングだぜぇー! おれぇー!」
「変態な私を許してくれ‥‥」
「ひょっとして、もう限界? 有り得ないから。私のファンサービスを受けなさい!」
「耐えたァッ! 耐えたぞォーーッ!!」
「なに? ライフがゼロになったら、デュエルは終わりではないのか!?」
「お愉しみは、ここからよ!」
「私に感じさせて下さい、貴方の愛をっ!」
「快感領域拡張ッ!」
「底知れぬ快楽の淵へ沈めぇ!」
想像よりも遥かに酷かった。無残に痛めつけられる男達は、何故か揃いも揃って満面の笑みを浮かべている‥‥。痛めつけてるのは過激な格好をした女性デュエリスト達だ。
元ポン「こ、こんなのデュエルじゃない‥‥」
絶句する俺の横で朗らかな笑顔をする紳士。
紳士「ははは、みんな楽しそうにヤッてるなぁ」
元ポン「‥‥こいつら全員MMMの連中ってことか?」
紳士「女性陣の方はSSSから来てもらってる人達ですね。
あ、SSSっていうのはデュエル組織の名前で、MMMと親しくしている所です」
元ポン「まさに相性抜群だろうよ‥‥」
次に向かったのは、デスクが並んだ普通の業務スペースの様な部屋だった。と言っても、仕事をしている様な雰囲気は無く、男達がたむろして雑談をしているだけに思えた。さながら男子学校の部活である。
「あ、紳士さん! お疲れ様でーす!」
紳士「お疲れー」
「この前はありがとうございます、紳士さん」
「お、紳士さんだ! 俺の新しい変態コンボの開発に突き合ってくださいよ!」
「紳士さんがデュエルで負けたってマジっすか? 一体どんな相手だったんです?」
謎の人気者扱いの紳士である。部外者の俺は雰囲気に馴染めず、部屋の隅の方で大人しくしていた。
紳士「ちょっと待っててくださいね。その内会長が来ると思いますから」
元ポン「会長‥‥?」
「会長、また被ダメージのギネス記録更新したのかよ‥‥」
「確かもう1垓ダメージを越えてたのに‥‥そもそも何だよ垓って‥‥」
「誰も追随してないのにずっと更新し続けてるのはどういうモチベーションなんだろう‥‥」
その会長とやらについての話か。
「会長がリリーさんの攻撃をケツで白刃取りしたってマジ‥‥?」
「俺は5本同時挿入したって聞いたぞ‥‥」
とりあえずヤバイ人物なのは分かった。
その内、穏やかでない雰囲気の会話も聞こえてきた。
男A「てめぇ‥‥もう一度言ってみやがれ!」
男B「いや、だってよ、流石に嫁モンがワーム・クィーンとかありえねぇだろ」
男A「あの魅惑的な造形美の良さが分からないとは‥‥それでもMMMのメンバーか!?
だいたい、お前の嫁モンの方がおかしいだろ!
何だよレアメタル・ヴァルキリーって! どういうセンスしてんだよ!」
男2人がしょうもない争いをしてるようだ。
男B「ワームクィーンが嫁の奴に言われたくないね。
あんな壁みたいな胸したモンスターの何がいいんだよ!」
元ポン(つっこむ所そこか‥‥?)
男A「お前の嫁だって、まるで出来の悪いダッチワイフじゃねーか!」
男B「言いやがったな‥‥こうなったらデュエルで決着を付けるしかない‥‥!!」
男A「望む所だ! 俺のワームデッキで ぐちょぐちょにしてやんよ!!」
「おー! いいぞ、やれやれー!」
興奮した2人を周囲が囃し立てる中、割って入る者が現れた。
?「‥‥おい、お前達。
揉め事をデュエルで解決するのは禁止だと、いつも言ってるだろ。
どうしてもしたいなら ジャンケンだけにしろ。殆ど同じ様なものだからな」
男A「か、会長‥‥」
男B「ですが、コイツが‥‥!」
会長「言い訳無用。好きも嫌いも人それぞれ!
デュエリストの数だけ、愛の形は存在するんだ。
他人が好きなものを受け入れる心もまた、MMMの精神だ!」
「さっすが会長ー! イイ事言うぜー!」
男A「他人を受け入れる心‥‥か。
悪かったな‥‥今度俺も使ってみるよ、レアメタル・ヴァルキリー」
男B「い、いや‥‥俺の方こそ、ワームクイーンを貶して悪かった。謝る、すまん!」
あの人が会長‥‥その人物の言葉で、事態はあっという間に収束した。周囲の反応から強い信頼を得ている人物なのだと分かる。
そして会長は、こちらに気付くと近づいてきた。
会長「やあ、君が元ポン君だね?」
長身で鍛え上げられた逞しい体。後ろに撫で付けた髪に、高級そうなスーツを着こなした姿には、自然と敬意を払いたくなる様なオーラを感じる。彫りの深い顔は美男子と言っていい程で、近くだと香水の匂いまで漂ってきてドキリとした。周囲の臭そうな男達とは まさに月とスッポンである。
この人が‥‥ケツで攻撃を白刃取りする男‥‥!
会長「始めまして。私がMMMの代表役をしている、
《嬲嫐院 英武(じょうどういん えむ)》という者だ」
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