86.魔華獄臨　作：くちなし

☆★☆★

【フィールド】
有希　LP4900　手札3
捕食植物オフリス・スコーピオ　ATK1200
捕食植物ダーリング・コブラ　DEF1200
ジェムナイト・セラフィ　DEF0
(ブラックフェザー・ドラゴン)
伏せカード2枚

ラウダ　LP5300　手札1
交血鬼－ヴァンパイア・シェリダン　ATK2600→0
BF－アーマード・ウィング　ATK2500
ヴァンパイアの領域


「”秘策”、、？」
「ああ。氏家さんとボクで練った。有希には少々重荷になるかもしれないけどな」
「ふぅん、、」
「そして、この”秘策”が、有希の新しい戦い方だ。有希と、ボクと香織のな」


有希は、奪われたアーマード・ウィングの効果を熟知している。
せめてアーマード・ウィングだけは相手の場から退けてバトンを渡したい、、そう思っていた。


(レベル3モンスターが2体、、融合か、、エクシーズか、、だな)

「、、あなたは、私が融合召喚かエクシーズ召喚を使うと思っている、、」
「、、、」
「そんなことは予想済み、、”ジェムナイト・セラフィ”の効果で、召喚権が増えている。よって、このカードを召喚する、、」

(香織、、あなたの力を今ここに、、)

「、、”デブリ・ドラゴン”を召喚、、！」

現れたのは、、まるで香織の持つスターダスト・ドラゴンの生き写し、、
スターダスト・ドラゴンと同じ模様をしたドラゴンだった。


ーーー回想①　始

有希の頭の中で、回想が巡る。

「香織っち～！」
「。。？氏家さん？」
「有希に、あるカードを貸してほしいんだけど、、、(中略)良いかいっ？。」
「。。分かりました」
「ありがと！！」

ーーー回想①　終

デブリ・ドラゴン　ATK1000

「召喚時効果発動、、！」


デブリ・ドラゴン　風属性　ドラゴン族　☆4　チューナー
このカードをS素材とする場合、ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、他のS素材モンスターは全てレベル4以外のモンスターでなければならない。
①このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のATK500以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。


「墓地から”フルール・シンクロン”を特殊召喚」

フルール・シンクロン　DEF200

(あれは、、なるほど、手札コストにしたモンスターか、、これで、モンスターが5体出そろった、、)

「☆3の捕食植物オフリス・スコーピオとダーリング・コブラでオーバーレイ！」

【X召喚、、M.X－セイバー インヴォーカー、、！】

M.X－セイバー インヴォーカー　★3　ATK1600

「X素材を1つ取り除き、効果発動。デッキから☆4の戦士族、または十戦士族モンスターを特殊召喚する。特殊召喚するのは、、”終末の騎士”」

終末の騎士　ATK1200

「効果で墓地に”ダーク・スプロケッター”を送る」

(捕食植物、、ここでシンクロ関連を落とさないのか、、今の盤面で作れるのはレベル5、7、8、10、、さらに言えばレベル9と12も作れる、、来るか、、”ブラック・ローズ・ドラゴン”！)

「、、☆5のジェムナイト・セラフィに、☆2のフルール・シンクロンをチューニング！」

≪妖艶なる香り、世界の人を貶める、、紅に染まりし美しき花、今ここに咲け≫

【S召喚、、現れなさい、、ブラック・ローズ・ドラゴン！】

ブラック・ローズ・ドラゴン　ATK2400

「来たか、、”ブラック・ローズ・ドラゴン”、、」

赤黒く、綺麗な薔薇。それを象徴する有希のドラゴン。だが、それだけではなかった。

「☆4の”終末の騎士”に、☆4の”デブリ・ドラゴン”をチューニング。。！」

≪紅蓮なる炎よ、唯一無二なる覇者となりて、フィールドに叫べ！≫

【、、S召喚、、！”レッド・デーモンズ・ドラゴン”！！】

「”レッド・デーモンズ・ドラゴン”、、そのモンスターは有希のデッキには、、！」
「、、ええ。私のモンスターではない。仲間から託されたバトン、、！」


「あれって、、」
「ああ。有希に託した」
「なるほどね、、」


「、、バトル。”レッド・デーモンズ・ドラゴン”で”交血鬼－ヴァンパイア・シェリダン”を攻撃」

交血鬼－ヴァンパイア・シェリダン　ATK0

ラウダ　LP5300→2300

「、、カードを1枚伏せて、ターンエンド」

「そして、有希の場にはあたしの”ブラックフェザー・ドラゴン”が舞い戻るわよ！」

悠里のドラゴンと、有希のドラゴン、瑞穂のドラゴンが並ぶ。


Turn11　TP ラウダ　手札1→2

「、、まさか”レッド・デーモンズ・ドラゴン”を出してくるとは予想外だったよ。だけど、このデュエルはこちらがもらう！」
「、、」

(、、有希の次はおそらく観月悠里が出てくる、、だとするならば、交代させる前に”レッド・デーモンズ・ドラゴン”を倒す！)

「魔法カード、”死者蘇生”発動！墓地の”ヴァンパイア・シェリダン”を特殊召喚する！」

交血鬼－ヴァンパイア・シェリダン　ATK2600

「バトル！”BF－アーマード・ウィング”で”ブラックフェザー・ドラゴン”を攻撃、アーマード・ウィングの効果を適用する！」

ブラックフェザー・ドラゴン　楔カウンター1

「続いて、”ヴァンパイア・シェリダン”で”ブラックフェザー・ドラゴン”を攻撃！アーマード・ウィングの効果を使うよ！」

ブラックフェザー・ドラゴン　ATK3000→0

有希　LP4900→2300

(悠里、、ごめん、、！)

ラウダは1枚のカードを伏せ、静かにターンエンドを宣言した。


Turn12　TP 有希　手札0→1

(これは、、)

ドローしたカードを見て、どうしようか考え込む有希。そのすきを突くようにラウダが動く。

「罠発動！”破壊輪”！対象は、、”M.X－セイバー インヴォーカー”だ！
「、、！」
「”破壊輪”の効果で、互いに攻撃力1600のダメージを受ける！」

ラウダ　LP2300→700
有希　LP2300→700

「”貪欲な壺”を発動、墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローする」
「、、引き札、、運がいいね」

有希はゆっくりと2枚の札をドローする。

「、、私は、、”フェニキシアン・シード”を召喚」

フェニキシアン・シード　ATK800

「、、そのモンスターは、、！」
「モンスター効果発動！”フェニキシアン・クラスター・アマリリス”を特殊召喚！」

フェニキシアン・クラスター・アマリリス　ATK2200

”フェニキシアン・クラスター・アマリリス”、、「植物ワンキル」のデッキの要となっていたカードである。そのせいか、もうすぐ禁止カードになってしまうのだが、そのぎりぎりのタイミングで、このモンスターをデッキに1枚だけさしていたのだ。

「バトル。”フェニキシアン・クラスター・アマリリス”で、”BF－アーマード・ウィング”に攻撃！」
「、、！攻撃力はこちらのほうが上だよ、、！」
「”フェニキシアン・クラスター・アマリリス”は、戦闘後に自壊する。。そして、破壊された時、相手に800のダメージを与える。これで終わり」
「、、自壊してダメージ、、！」

ラウダ　LP700→0


【フィールド】
ラウダ　LP0　手札0
BF－アーマード・ウィング　ATK2500
交血鬼－ヴァンパイア・シェリダン　ATK2600　素材0


有希　LP700　手札0
ブラック・ローズ・ドラゴン　ATK2400
レッド・デーモンズ・ドラゴン　ATK3000
伏せカード2枚



☆★☆★

次回予告！
次鋒戦は、土壇場で有希に軍配が上がった。有希のLPは残り700。最後の一人に有希はどう立ち向かうのか、、！

次回　第87話「継華極生」